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【テレビの裏側】(63) 大河ドラマ『いだてん』を苦しめる働き方改革の罠

大河ドラマ『いだてん 東京オリムピック噺』(NHK総合テレビ)が苦戦している。脚本の宮藤官九郎を始め、大ブームを起こした『あまちゃん』(同)チームの制作とあって、大いに期待されたが、6話で早くも視聴率が1桁に転落(※大河史上最速)。外部演出家の大根仁が担当した9話は前話から0.4%上がったものの(※9.7%)、第10話は8.7%と更に下落した。「大河の視聴者に近代がウケないことは、局側もよくわかっています。実際、終戦後の日本を描いた“いのち”以来、33年間も制作されていません。敢えて禁を破ったのは、NHKが局を挙げて2020年東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げているからです。何とかいだてんを成功させるべく、スウェーデンのストックホルムでロケを敢行する等、関係者は必勝態勢で臨んだのですが…」(テレビ誌編集者)。NHK局内でも、いだてんに対する不満の声が上がっているという。「実は、関係者向けに試写会を行なった段階で、『古今亭志ん生役のビートたけしの滑舌が悪過ぎる』『テロップを入れたほうがいいんじゃないか?』との指摘が多数、寄せられていた。どうして直ぐに手を打たなかったのか。現代と過去を行き来する構成もわかり難い。あれじゃ、中高年の視聴者はついていけないでしょう」(NHK関係者)。

NHKは今月5日、いだてんの新キャストを発表。これがドラマ初挑戦となる世界的ダンサーの菅原小春(27)、柄本佑(32)、寺島しのぶ(46)らが、4月から放送される大正編に出演することが明らかとなった。「菅原の演技力を不安視する声もありますが、台本を読んだ限り、あまりセリフはないから大丈夫でしょう。彼女が演じるのは日本人女性初のオリンピック選手、人見絹枝。走ったり跳んだりするシーンがメイン。身体能力の高さを買われての抜擢なので、競技中のシーンは迫力が出る筈」(同)。裏を返せば、菅原に期待するしかないくらい追い込まれているということだが、起爆剤としてはパワー不足だ。あまちゃんでヒロインを務めた能年玲奈(25)を起用するといった大掛かりなテコ入れを望む声も出ているが、「直ぐに手を打てない事情がある」と芸能プロ幹部が言う。「実は、働き方改革の波はテレビ局にも押し寄せていて、各局、スケジュールを前倒しにして、1日の労働時間を短くするよう取り組んでいます。その影響で、いだてんは既に脚本が37話まで完成。編集も18話まで終わってしまっている。カンフル剤を打ちたくても、打てるのは物語の中盤以降になってしまうのです」。今、できることは何か――。NHKが力を注いでいるのは“取材会”だ。「大河と朝ドラは、マスコミ向けにキャストたちの合同取材会を定期的に行なっているのですが、いだてんの取材会の多さは尋常じゃない。毎週、キャストや演出家の誰かが取材会を行なっていますから。視聴率の話くらいしか聞くことがないんですけどね…」(前出のテレビ誌編集者)。主人公のモデルとなった金栗四三は、ストックホルム五輪を途中棄権した。いだてんは無事、完走できるだろうか!?


キャプチャ  2019年3月29日号掲載
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【黄金の昭和・リーダーたちの直言】(17) 幾夜も泣き明かした秘書時代――岩田弐夫氏(『東芝』社長)





20190322 20
――社長になられるまではスランプというか不遇の時があったと聞いておりますが、不遇の時の心構えは如何でしたか?
「それは何もありません。不遇の時は腐っちゃいましたよ。『会社辞めてやろうか』と思った。それは凡人と同じですよ」

――やっぱり昔から、「何れ自分は東芝の社長になってやろう」と思っていたんですか?
「私は社長になろうと思ったことはないですよ。副社長になろうと思ったこともない。そう言うと『嘘だ』と皆から言われそうですが、本当です。勿論、最近はありますよ。専務になったり副社長になったりするんですからね。しかし、私が石坂泰三さん(※元東芝会長、経団連会長)の秘書(※昭和31~32年、石坂社長・会長時代の1年半)をやっていた時、『自分が重役になったらえらいことだ』と思っていましたよ(※昭和39年に取締役に就任)。これは確かですよ。私が若しその当時から重役にでもなろうと考えていたら、秘書時代、石坂さんなんかに刃向かわなかっただろうね。でも、私が盲滅法に石坂さんに刃向かったものだから、逆に気に入られたんだね。他の秘書は、石坂さんがあんまり偉かったもんだから、ぺこぺこしてしまい、気に入られなかった。尤も、石坂さんも最初は私のこと、不愉快だったらしいですな」

――そこでとうとう社長になられて如何ですか?
「今の社長はペイしませんよ。先ず、健康が問題です。玉置さん(※敬二、東芝会長)から私に次期社長という話があった時に、私は真っ先に主治医に相談に行った。何せ、8年前に心臓病で一度倒れていますからね。『社長になっても私の身体は大丈夫かどうか診てくれ』と言って、それから2週間通いました。そうしたら、『私がついているから受けなさい。100%いいというわけじゃないが、社長を受けないからといっても、貴男の身体がその分だけ良くなるわけでもない』と言うんですな。実をいうと、主治医に真っ先に相談に行ったのは、玉置さんから話があって、それから行ったんではないんですよ。私は土光さん(※敏夫、東芝取締役相談役、経団連会長)と玉置さんを見ていて、『彼らが今度、僕を社長にするつもりだな』と感じた時、初めて主治医に相談に行ったんです。だから、随分僭越な話だね(笑)。だけれども、お前を社長に推薦したいなんて打ち明けられなければわからないなんて馬鹿者ですよ」

――心の準備ではなく、文字通り身体の準備をしていたわけですね。
「それから3週間ぐらい経ってから、玉置さんから正式に話があった。その時も女房に話していなかったので、うちではえらいトラブルが起きた。というのは、5月12日付の読売新聞が“岩田社長内定”とスクープ記事を載せてしまったんだが、家には生憎読売がなかった。私が出社してから、親戚から女房にジャンジャンお祝いの電話がかかってくる。ところが、女房は『そういうことはありません。大体、私が聞いていないのですから』というので話が合わない。親戚では家内が嘘を言ったということで、もう大変でした」

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【黄金の昭和・リーダーたちの直言】(16) 深淵を覗く思いの“我が政界”――今里広記氏(『日本精工』会長)





20190322 19
――今里さんのご出身は長崎ですが、あちらの方は国士という言葉、割に好かれる風土ですか? 例えば福岡県みたいに。
「福岡は杉山茂丸とか頭山満という連中によって、国士を代表したのでしょう。まぁ、九州は本来が血の気の多いところですからね」

――じゃあ、今里さんもその流れに属している。
「私のは“黒士”と書く(笑)」

――今は黒流行りですからね。今里さんは“経済国士”、“財界の官房長官”、“機動隊長”とか色々な名称で呼ばれていますが、現代は財界自体が非常に変貌してきて、昔のような一つの纏まりのある存在ではなくなっているようですが。
「確かに今、財界というものは力が半減して、影が薄い」

――「財界は億病で変わり身が早い」とも仰っていますが。
「大正時代の財界人とか昭和の初め時分の財界人は、国家というものを常に考えておった。今でも土光さん(※敏夫、経団連会長)とか、木川田さん(※一隆、産研代表)、永野さん(※重雄、日商会頭)、桜田さん(※武、日経連会長)といった人たちは、皆、そういう考えを持っているんじゃないですか。近頃では、新日鉄の稲山さん(※嘉寛、会長)も頓に経済国士になっていますね。ただ、現在はそういう人が本当に少なくなった。財界というのは国家を基本とする経済活動とでもいいますか、相当巨大な資本を動かすものの総称と考えていい。だから財界というのは、その名に値するような国家的方向をとるのが当然だと思う。もう一つ別の言い方をすると、ある業界を一つに纏めてしまった形において動いているものが、財界だとも考えられる。だから、国家というものがなければ財界は崩壊するに決っている。その国家の統治手段ともいうべき政治に無頓着でいて、財界活動があり得るわけはないと思うんですが。やはり、財界はいい意味で日本の国家の志向する政府、或いは政治と一体になって行動すべきだと思います」

――「政治と関わりを持つのは不浄だ」ということで、政治と一線を画するのとは別に、今の若手財界人の中には、ただ単に政治と離れるというのが一種の風潮としてあるんじゃないでしょうか?
「政治離れ、財界雌れ…確かにそういう人たちが多い」

――今里さんからすると、そういうのが「今の若手経営者は危機意識に欠けている」という表現になっているんでしょうが。
「危機意識というと多少オーバーですが、いまはもう白けているんじゃないですか。皆、各々が自分の砦にたてこもってしまって…」

――若者の白けが財界人にまで移っていってしまった。しかし、今里さんはかなり積極的に財界と政界との繋ぎ目になろうとされてきた。ところが、ここ2~3年、政界は田中金脈問題だロッキードスキャンダルだとボロばかり出ている。それで結局、今里さんも泥を被るような形になってきていると思うんですが。
「昨年の国会の正常化、政治献金問題で私が中心にさせられてやったものですから、政治に没入しているかのように噂されるんです」

――政治献金の在り方から財界と政界との関わり合いの姿勢を正すということさえ、そういう風に見られてしまうということですね。今里さんは今やドンキホーテになってしまった。
「しかし、政治家の連中との個人的な繋がりは、いくらあってもいいと思います。政界との繋がりがなくて、どうして大きな経済国家ができるのでしょうか。各々が皆、エゴイズム的な方向に走っていったら、纏まった形において日本の経済成長はあり得ないでしょうに」

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【黄金の昭和・リーダーたちの直言】(15) ただいま日本経済は雨宿り中――三宅重光氏(『東海銀行』会長)





20190322 16
――昨年、お身体を壊されたと聞いておりましたが、もう宜しいんですか?
「えぇ、昨年の夏、心臓の病気をしまして、体の中にペースメーカーという器械をはめ込みました。裸になるとわかるんですが、横隔膜の上のあたりがちょっと膨らんでいます。それが心臓の働きを助ける補助器械なんです」

――しかし、大手術でしょうね。
「外科の医者に言わせると、そんなに大手術ではないらしい。でも、受ける側の私から言いますと、兎に角、心臓まで開けて器械からの電線を心臓に結び付けるのですから、かなりの大手術です」

――今はもう大丈夫なんですか?
「えぇ、手術した直後は体力が弱りましたが、徐々に回復していきました。回復するとこの器械は大変使利でして、日常の活動には何の支障もありません」

――三宅さんは“三宅スマイル”でいつもニコニコしておられるから、苦しいこととは無縁だと思っていたんですが、随分大変だったんですね。銀行も愛知銀行、名古屋銀行、伊藤銀行という3行の合併銀行であるし…。三宅さんが、和を作るという点で一番心がけられたことはどういう点ですか?
「私が一番自分で心がけたのは、私心を持っちゃいかんということです。『東海銀行の為に自分はどうしたらいいんだ?』ということで、自らを考えるわけです。だから、自分の趣味は沢山ありましたが、全部放擲しました。しかし、時には自分一人で何もかもやるのではなく、『お前やっておけ』と人に言うことも必要なんです。会社は組織ですから、組織全体が動かなければならない。つまり、あまり独裁者になってもいけない。独裁者の判断にはひとつの限界があります。ところが、皆で知恵を出し合いますと、自分の限界を超えることができますからね。またその一方では、時と場合によっては、自分が独裁者として行動したほうが銀行にとってよい場合がある。何かを決定する時、ある程度、指導者としての決め方を示さなければなりません。しかも、それに時間的制約がある場合は、特にそのように思いますね。それで結局は、東海銀行という組織の為には、全体として皆が生き生きとして力を発揮することが、一番大事なことなんですね。その為にも、十の力を出せる人は十の力を、一生縣命やっても六しか力の出せない人は、だめだといって排斥するのでなくて、六の人は六の力を発揮して、それらが総合されて、組織のトータルで一番いい結果が出ることが望ましい姿なんですね」

――三宅さんは『名古屋商工会議所』の会頭をなさっておられますが、この不況期になって、マスコミでは随分と名古屋の商法を取り上げるようになりましたね。私も名古屋生まれなんですが、例えば家を建てる場合、「門は一番後回しにしろ」と言われます。「門なんかなくてもいいから、中へ行けば行くほどいいものを造れ」という。これはひとつの名古屋的な考え方だと思うんです。経営の面なんかでも、そういった特色はありますか?
「名古屋には割合、堅実経営の企業が多いということは、今のお話にも通ずると思いますね。それなりの合理性があり、堅実性があって非常にいいことだと思います。ただ、それだけに徹すると、どうしても世間が狭くなる。『堅実だからこれでいいんだ』ということで固まっていると、遅れていってしまうことがあり得る。世の中全体がかなりのスピードで変化しつつあることをよく展望し、頭の中に入れて、その中で自分の担当する分野はこれなんだということをよく認識しませんとダメだと思いますね」

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【WEEKEND PLUS】(04) 中央省庁による障碍者雇用水増し…それを批判するマスコミ各社の障害者雇用の実態とは?





20190322 09
障害者の雇用を保証する模範となるべき中央省庁で水増しがあることが8月16日の『共同通信』のスクープで報じられ、その後、行政・司法・立法の機関や地方自治体で水増し数は4000人を超えることがわかった。「法令を守れ」と国民や企業に日頃言っている官庁が障害者雇用促進法を守らず、水増し等の不正行為を42年間も重ねてきたのだ。9月11日には、水増しが起きた原因等を調べる検証委員会(※松井巌委員長=元福岡高検検事長)の初会合が開かれ、不正の実態解明が進んでいる。厚生労働省が9月7日、最高裁判所・高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所等の司法機関でも399人の水増しがあったと公表。元横浜家裁の書記官だった藤川延雄さんは、「障碍者として名前を貸してほしい」と上司から依頼されたことを証言した。藤川さんは近眼で、視力は眼鏡をかけて0.4だったが、障碍者とされていることがわかったという。藤川さんの抗議は揉み消されていた。共同通信によると、各地の裁判所で障害者手帳を確認せず、健康診断の結果だけで算入していた例もあったという。最高裁人事局の堀田真哉局長は、「裁判所への信頼を揺るがし、深くお詫びする。法定雇用率を満たすよう、早急に検討したい」との談話を出した。SNS等でのコメントを問題にされ、裁判官の懲戒を判断する分限裁判にかけられた東京高裁の岡口基一裁判官は、「違法なことでも平気でできてしまう裁判所」と自身のブログで論評した。最高裁は裁判官の言論の自由を妨害するのを止め、水増しを工作した職員らを調べ、処分すべきだ。

一方、国会では37人の水増しがあった。内訳は、参議院事務局の16人、衆議院事務局と国立国会図書館の各10人、参議院法制局の1人。衆議院法制局のみ適正だった。三権全てで不正参入が行なわれていたのだ。財務省が5月、厚生労働省に対象となる障碍者の範囲について照会し、厚労省が6月、各省庁に調査を要請したことで、水増しが明るみに出た。2014年、全国の労災病院等を運営する独立行政法人『労働者健康福祉機構』(※現在の『労働者健康安全機構』)が雇用率を水増しし、虚偽報告をしていたことが発覚。翌2015年3月に機構と元幹部3人が障害者雇用法違反罪で略式起訴され、罰金の略式命令を受けているのに、水増しは放置されていた。安倍政権の腐敗・退廃がここにもある。1960年に制定された障害者雇用促進法(※当時は身体障害者雇用促進法、1987年改称)では、1976年から雇用者数に占める障碍者の割合を定め、義務付けている。同法に基づく法定雇用率は、今年3月まで国と地方公共団体(※一部除く)が2.3%、企業は2.0%だったが、同法の改正で4月1日からは其々2.5%と2.2%に引き上げられ、精神障碍者も義務の対象に加わった。従業員が45.5人以上(※短時間雇用者は0.5人と計算)いる企業の場合、法定雇用率2.2%を上回ることを求めている。法定雇用率を達成できない企業(※従業員100人超)は、不足1人あたり月額5万円の納付金を、厚生労働省が所管する独立行政法人『高齢・障害・求職者雇用支援機構』に支払わなければならない。企業名を公表されるケースもある。逆に、雇用率を上回って雇うと、超過1人あたり月額2万7000円の調整金と呼ばれる助成金を受け取れる。国や自治体は“率先して雇用する立場”との考えから、納付金制度の対象外となっている。雇用率の対象となる障碍者は、都道府県等が発行する身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳を持っている人、児童相談所で知的障碍者と判定された人等に限られている。共同通信によると、企業に雇用されている障碍者は2017年は49万6000人で、14年連続で過去最高を更新している。しかし、雇用率は1.97%で、法定雇用率を達成している企業は半数に留まる。昨年度は4万5471社から計295億円の納付金が徴収されたという。上場企業の内、障碍者雇用率2.2%以上は14.4%に留まるという『野村総合研究所』による2016年のデータもある。今回の国や自治体の水増しはメディアの調査報道で解明されてきたが、では権力を監視すべき報道機関は障害者雇用促進法を守っているのだろうか? 筆者は、共同通信記者時代に出版した『犯罪報道の犯罪』(学陽書房、現在は講談社文庫)以降、「日本の多くの報道機関が日本国籍者・男性・有名大学出身者を主に採用し、マイノリティーや社会的弱者を排除してきた」と指摘。特に、障害者雇用促進法を守らず、ペナルティーの納付金を支払っていることを問題にしてきた。

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<画像4枚> 『KAT-TUN』亀梨和也、金髪美女と六本木でバースデーデート





20190322 12
中華料理店から『リッツカールトン』へ向かう亀梨。ハイヤーを待つ間、友人と思しき男性と外を警戒していた。

20190322 13
亀梨とのデートに向かう金髪美女たち。左の女性の手には、亀梨への誕生日プレゼントが提げられている。

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【知られざる戦国武将の真実】(51) 加藤清正――虎退治伝説の武勇伝、実は他人の間違い?

20190322 08
加藤清正は死後に神格化され、民間信仰の対象となった。清正公信仰は戦後まで続き、現在も熊本の加藤神社や本妙寺が中心となっている。神格化された背景には二説あり、加藤家の改易により清正自身が“祟り神”となり、鎮魂の為に祀られ始めたという説と、生前の開墾事業や治水事業等の功績により、民衆から崇敬を集め信仰の対象となったという説である。江戸期では築城の名人に由来し、農業神や土木神として祀られ、その後、商売繁盛や立身出世の神として、またその武勇により厄除けの神としても祀られ、とりわけハンセン氏病やコレラ等の治癒祈願の神としても祀られるようなったようである。加藤清正が築城した城は数多くあり、熊本城、名護屋城、蔚山倭城、江戸城等、戦国時代は藤堂高虎や黒田官兵衛と並び、築城の名手として知られていた。その土木技術の高さから、現代でもそのまま実用として使用される遺構も少なくない。また、武勇としてよく知られている“加藤清正の虎退治”は、朝鮮出兵時に可愛がっていた小姓が虎に食い殺され、怒った清正が虎狩りを行ない、十文字槍で戦ったところ、虎に槍先を噛み砕かれ、片嫌になっても構わず大虎を退治し、その後、片鎌槍が清正のシンボルとなったというものである。しかし実は、この話は江戸時代中期の『絵本太閤記』以降から普及したとされ、また一説には、黒田長政の家臣・林直利の武勇伝が清正と入れ替わっているとも言われている。病気平癒の信仰としては、やはりその死因にも要因があるのだろう。根強い徳川方による毒殺説も囁かれるが、ハンセン氏病説の他、江戸の寛永年間(※1624-1644)に成立したとされる徳川方の『当代記』では梅毒説がとられ、清正方の『清正記』等の書物からも劇症肝炎等が推測され、病死である可能性が高いと言われている。大坂の陣までの間に豊臣恩顧の武将たちが相次いで斃れたことが、毒殺説を広めたようだ。 (編集者 御田晃生)


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【LEADERS・経営者に聞く】(39) 日本のビッグデータと歩む覚悟――川辺健太郎氏(『ヤフー』社長)

個人や企業に関するデータが“21世紀の石油”と呼ばれる時代になった。産業競争力を左右するからだ。大手インターネット企業の『ヤフー』は、データ活用を本格化する。川辺健太郎社長に戦略を聞いた。 (聞き手/編集委員 山崎貴史)





20190322 06
「アメリカのGAFA(※グーグル、Apple、フェイスブック、Amazon.com)が世界中で利用されています。人々の生活を変え、強い影響力を持っている。日本でも多くの人が便利に使っていますよね。グーグルは検索、Amazonは電子商取引と、得意分野に特徴があります。我々は検索や電子商取引等、100以上の幅広いサービスを手掛けています。ヤフーにアクセスすれば様々な体験ができる。この点を生かし、利用者を増やしたい」。日本のヤフーは事業範囲が国内に限定されている。ヤフーブランドのライセンスを持つアメリカ企業との契約による。海外展開はできない。「多くの日本企業がビジネスを拡大する為、海外に進出しています。でも、我々にその選択肢はありません。日本で頑張る覚悟を決めています。自社の事業を通じて、日本での生活を便利にしたい。人口の少ない地方を含め、全国津々浦々まで。現在、主に3つの方法で収益を得ています。様々なサイトに掲載するインターネット広告からの収入が中心。その他、インターネットオークション等電子商取引の手数料収入と、会員制の月額課金で代金を戴くサービスがあります。検索等を通じて集めた膨大なデータは、自社サービスの改善に活用してきました。だが、それだけではもったいない。これからは他の企業や自治体にも提供し、新たな収益源にしたい。互いが持つデータを掛け合わせて分析し、顧客ニーズの発掘や社会課題の解決に繋げるのです。但し、個人を特定できるような生のデータは出しません。あくまで分析結果を渡します」。

「既に実証実験が進んでいます。大手流通グループとの取り組みでは、年末年始の消費者の意外な傾向がわかってきました。“忘年会に何を着ていけばいいか”を検索する人が、4年前の3倍に増えている。おせち料理に関する検索を見ると、“おせち インスタ映え”や“おせち おしゃれ”で調べる人が多い。大晦日に“エビチリ”等、正月と直接関係ない料理の検索が増えることも判明しました。店舗の品揃えに生かされそうです。鉄道会社との連携では、駅の混雑状況を予測します。当社が持つ路線検索データと、鉄道会社のデータを掛け合わせて分析する。乗客の分散に繋げる狙いです。テーマパークの運営会社とは、顧客のインターネット検索結果から興味や関心を調べ、再来場率の向上を目指します。自治体からは人の流れの分析を求められています。人々の位置情報と自治体のデータを持ち寄り、観光客向けの魅力的なスポットの整備等に役立てます。こうしたデータ活用ビジネスを10月から始めます。当社は、これまでインターネット上でビジネスを行なってきました。今後はスマートフォンによる決済サービスに参入し、実店舗での買い物に利便性を提供したい。インターネットと小売りの現場から多角的に情報を集めることで、データ分析の精度が一段と高まります」。ヤフーと『ソフトバンク』は昨年10月、スマホのQRコードを使った決済サービス『PayPay』を始めた。現金を使わないキャッシュレス決済に、インターネット企業等が相次いで参入している。「キャッシュレス決済なら、買い物の際に財布から小銭を出す煩わしさがなくなります。PayPayの利用者間で送金し合える為、外食時の割り勘の精算も簡単にできる。決済履歴がスマホ画面に表示されるので、家計簿をつける手間も省けます。利用できる店舗を増やす為、小売店から決済手数料を貰っていません。将来的に、広告等の既存事業や、金融等新規ビジネスとの相乗効果で収益に結び付けたい。日本は欧米等に比べ、キャッシュレス決済の比率が低い。偽札が少なく、現金を安心して使えるといった社会背景もあるでしょう。でも、キャッシュレスの便利さを理解してもらえば、必ず普及すると思っています。PayPayを始めた当初、クレジットカードが不正利用される問題が起きました。我々の認識や技術開発の不足を率直に反省し、改善に取り組んでいます」。企業が持つ個人情報が不正流出する問題が相次ぐ。厳格なプライバシー保護を求める声が高まっている。「ヤフーは多くの方に利用して頂いている。大量の個人情報を収集する責任を強く感じています。データを安全に扱う為、大地震が少ないアメリカに大規模なデータセンターを作る準備も進めています。お客様のプライバシーを保護する“守り”の投資をしていきます」。

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【吹き荒れるポピュリズム旋風】(04) 既存政党に“邪悪な誘惑”

20190322 05
ポピュリズム(※大衆迎合主義)の邪悪な魔力――。こんな会議が今月5日、ブリュッセルの欧州議会で開かれた。主宰したのは、最大会派で中道右派の『ヨーロッパ人民党(EPP)』グループ。台頭するポピュリズムをこき下ろすのが目的ではない。「我々はポピュリストの手法を取り入れて対抗すべきか?」と問いかけた。「実直に保守の価値を訴えていくべきだ」「ポピュリストたちのエンターテインメント性は学ぶべきではないか?」。政治学者らを交えた公開討議は迷走した。物事を単純化して不安を煽るようなポピュリズムの手法は危ういが、このままでは議席を奪われるばかり。結論の出ない議論からは、劣勢に回った既存政党の焦りが滲む。

「我々が変わらなければ、EU市民にとって不要な存在になってしまう」。欧州議会のもう一つの大政党である『ヨーロッパ社会・進歩連盟(S&D)』筆頭候補のフランス・ティメルマンス(57)も、危機感を隠さない。戦後のヨーロッパを支えてきた中道左派の社会民主主義勢力だが、退潮に歯止めがかからない為だ。『ドイツ社会民主党(SPD)』は支持率で『緑の党』に抜かれ、極右の『ドイツのための選択肢(AfD)』との3番手争いに甘んじる。ヨーロッパメディアの欧州議会選の予想では、全705議席の内、EPPが176議席、S&Dが133議席で、両党を合わせても過半数に遠く及ばない。過半数の支持が必要な次期欧州委員長選びの難航は避けられそうにない。二大政党がヨーロッパの政治を動かしてきた時代は幕を下ろしつつある。フランスでも、大統領のエマニュエル・マクロン(41)率いる『共和国前進』とマリーヌ・ル・ペン(50)の極右『国民連合』の支持率が伯仲し、22017年に政権を失った前与党『社会党』は沈んだままだ。「我々はヨーロッパ最後の国民政党だ」。ドイツの与党『キリスト教民主同盟(CDU)』党首のアンネグレート・クランプ=カレンバウアー(56、右上画像の左)は、「ポピュリズムの防波堤になる」と意気込む。真っ先に点検したのが、現首相で前党首のアンゲラ・メルケル(64、右上画像の右)が躓いた難民政策。有権者がNOを突きつけた課題に正面から挑まなければ、失地回復は望めない。治安の悪化に格差拡大――。有権者の不安に応えられなかったことが、ポピュリズムの台頭を許した。既存政党は自ら変われるのか? 欧州デモクラシーの力量が問われている。 《敬称略》 =おわり

                    ◇

森本学・石川潤・細川倫太郎・白石透冴が担当しました。


キャプチャ  2019年2月22日付掲載

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【吹き荒れるポピュリズム旋風】(03) 左派の逆襲、新たなうねり

20190322 04
「選挙で選ばれていない高官たちが、ロビイストと密室で政策を決めている」――。先月25日、新興左派勢力『欧州の春』はベルリンで開いた会合で、欧州議会選に向けた政策集を採択した。その中で、「EUを人民の手に取り戻す」とブチ上げた。欧州の春は、従来の中道左派政党とは距離を置くヨーロッパ規模の連合組織。中心にいるのが、EU批判の急先鋒である元ギリシャ財務大臣のヤニス・バルファキス(57、左画像)だ。2015年のギリシャ危機ではEUの緊縮財政に徹底抗戦し、「政府がEUとの妥協に向かい始める」と財務大臣を辞任した。欧州議会選を睨み、フランス社会党を飛び出した2017年大統領選候補のブノワ・アモン(51)の新党等と連携して、欧州の春を構築し、次期欧州委員長候補として選挙活動を率いる。

出馬する選挙区は、地元のギリシャではなくドイツ。「ローマ帝国を変えるにはローマから始めなければならない」。緊縮財政を巡る嘗ての敵地から敢えて出馬する理由を、こう語る。過激な発言や奇抜な行動で注目を集め、ギリシャの極左政治家からヨーロッパを代表する左派ポピュリストのリーダーへの脱皮を狙う。ヨーロッパでは反移民を掲げる極右勢力が目立つが、一方で反グローバルや反エリートを掲げた左派ポピュリズムも、じわりと支持を広げる。目玉政策は緊縮財政の終了や、格差是正の為にEU規模で市民配当金を導入することだ。ギリシャでは2015年から左派が政権に就き、フランスではジャンリュック・メランション(67)が率いる『不服従のフランス』が2017年大統領選で社会保障の大幅拡大に加え、『北大西洋条約機構(NATO)』脱退等の過激な政策で存在感を発揮する。スペインでも、反緊縮を唱える『ポデモス』が主要政党の一角をなす。ベルギーでは昨年10月の地方選挙で『労働者党』が躍進。同年9月のスウェーデン議会選でも、極右政党の動向に注目が集まる中、『左翼党』が大幅に議席を増やした。ヨーロッパの政治では右派と左派の分極化が進み、長らく安定を築いてきた中道政治は風前の灯火だ。ただ、反移民を軸にヨーロッパ域内での連携を強める右派勢に対し、左派ポピュリズムは互いに反目し合うケースも多い。欧州議会選で右派に対抗する勢力として結束できるかどうかは見通せない。 《敬称略》


キャプチャ  2019年2月21日付掲載

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George Clooney

Author:George Clooney

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