【2017衆院選・現場から】(07) 信頼戻すため、人戻すため

20171020 19
安倍首相が公示日の今月10日、第一声に選んだのは福島県だった。2012・2014年の衆院選も、福島から選挙戦をスタートさせている。「閣僚全員が復興大臣」(首相)との決意を示す為だ。一方で、安倍内閣が被災者の感情を傷付けたこともあった。第2次安倍内閣以降、復興大臣には5人が就任しているが、高木毅は政治資金問題等が浮上し、釈明に追われた。今村雅弘は大震災を「東北で良かった」と失言し、辞任した。同県いわき市や、『東京電力』福島第1原子力発電所が立地する双葉郡を含む福島5区では、自民党にとって“信頼回復”がテーマだ。復興大臣の吉野正芳は14日、いわき市での演説会で「被災地のことを一番わかっている男は吉野以外にいない」と語った。吉野は、予算を持つ現職閣僚として、福島の復興に向けた未来像を訴えられる立場にあり、こうした“利”も存分に生かしている。演説会では、原子力発電所の廃炉作業に不可欠なロボット技術を地域の新たな中核産業に育てる計画も披露し、「日本一稼ぐ街にしたい」と語った。希望の党の吉田泉は14日、いわき市内での演説会で、「適材を復興の要に充てていないということが何人も続いている。安倍さんの福島に対する姿勢を疑わざるを得ない。この辺も考えて頂きたい」と語り、復興大臣の人選ミスを槍玉に挙げた。

20171020 20
吉田は民主党政権時代、復興副大臣を務めた経験があるが、有権者には、民主党政権が原発事故への初動対応等で躓いた記憶が残っているとされる。自民党閣僚の失言等、“敵失”があったとはいえ、選挙戦は厳しい。いわき市では、住宅地の地価が5年連続で上昇している。双葉郡等の住民が定住を始めた為だ。同郡の人口は8町村で計約6万4000人だが、原発事故後、大半が帰還困難区域等に指定され、避難指示が出された。指示は順次解除され、住民は戻りつつあるが、放射線量等によって地域にはばらつきがある。広野町の帰還率は8割を超えるが、今なお帰還困難区域が広がる大熊・双葉両町に居住者はいない。更なる被災者の為の議論が望まれている。自民党は今回の衆院選公約で、前回は重点政策の上位に位置付けた“復興”について、今回、政策の6本柱から外し、地方創生に吸収させる形を取った。希望の党代表の小池百合子は、「東京・大阪・愛知3都府県が連携し、大都市を中心に日本を活性化させよう」という“三都物語”を掲げた。与野党共に地方活性化の論議は霞みがちだが、日本海側の島根1区ではこの話題が論戦の中心だ。立憲民主党の亀井亜紀子は14日、中山間地の奧出雲町で「もう一度、地域に人を戻す為、第1次産業に予算を投下し、立て直すべきだ」と訴えた。自民党の細田博之は先月30日、本土から約80㎞離れた日本海に浮かぶ隠岐諸島・隱岐の島町での会合で、離島住民の航空機やフェリーの運賃を引き下げる議員立法『有人国境離島地域保全特措法』(※4月施行)に取り組んだことを力説した。隠岐諸島・海士町の山内道雄町長は、「島を維持するには、観光客にお金を落としてもらう必要がある」と述べ、国の更なるテコ入れに期待している。島根県は、昨年の参院選で“1票の格差”解消の為に導入された合区の対象にもなった。“劇場型”の選挙戦にあって、地方には「我々の声は本当に届いているのか?」との不満の声も募る。 《敬称略》 (仲川高志・藤原健作) =おわり


⦿読売新聞 2017年10月20日付掲載⦿
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【2017衆院選・現場から】(06) 9条議論、演説で回避も

20171020 17
自民党は衆院選公約で、自衛隊の明記等4項目の憲法改正を目指す方針を打ち出した。抽象的な表現だった過去の公約に比べて大きく踏み込んだ。「憲法を改正して自衛隊を明確に書き込む。戦後、ドイツは60回、イタリアは15回も憲法を改正しているのに、日本はできていない」――。今月13日、大分県竹田市。自民党の衛藤征士郎は、演説の3分の2近くを憲法改正に費やした。12回目の当選を目指す衛藤は、院制を目指す超党派議員連盟の会長を務める等、自民党きっての改憲論者だ。憲法改正をライフワークと称するが、過去の選挙戦では、これほど前面に訴えることはなかった。今回は「改憲議論の盛り上がりは追い風」(陣営幹部)として、水を得た魚のように持論を説いて回っている。首相の安倍晋三(党総裁)は今年5月、自衛隊の根拠規定の明記の必要性を主張し、2020年の改正憲法施行を目標に掲げた。直後の内閣支持率の下落もあって発言をトーンダウンさせたが、憲法改正は衆院選の主要な争点となっている。「相手候補は『憲法を変える』と言っている。憲法を守る私が勝てば流れは変わる」。社民党の吉川元は今月15日夜、同県九重町での演説会を終えると、そう力を込めた。

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日本共産党が野党共闘の一環として擁立を見送った為、“野党統一候補”」として衛藤との事実上の一騎打ちの様相となっている。吉川は、大学時代から旧社会党の活動に関わってきた護憲派で、「改憲阻止の戦い」と各地で声を枯らす。大分県は元首相の村山富市らを輩出した旧社会党の“牙城”でもある。9月30日に行われた吉川の事務所開きには、93歳の村山が訪れ、「安倍政治を変えなければ。彼らは憲法を守る気が無い」と吉川に声をかけた。憲法改正を前面に掲げる自民党候補ばかりではない。自民党・立憲民主党・日本維新の会の3勢力が激しく凌ぎを削っている大阪10区。自民党の大隈和英は昨日昼、大票田のJR高槻駅前でマイクを握ったが、アベノミクスの加速や消費増税の使途変更を訴えただけで、憲法改正には一切触れなかった。大隈は、「憲法の議論はハードルが高い」と明かす。憲法9条を巡っては戦後、国論を二分する議論が続いてきた。自民党内では「9条改正ばかり打ち出せば逃げていく票もある」(幹部)として、街頭演説や集会では触れない候補も少なくないのが実態だ。維新や希望の党は憲法改正に前向きだ。維新で憲法改正草案の作成にも関わった松浪健太は、教育無償化の憲法への明記をアピールしている。一方、民進党から立憲民主党に移った辻元清美は、護憲を声高に訴え、憲法改正を掲げる自民・維新両党との対立軸を鮮明にしようと躍起だ。今月14日、JR高槻駅前では、「戦後、憲法9条を守り続けてきたことを誇りに思うべきだ。自衛隊を守ってきたのが憲法9条だ」と声を枯らした。維新が掲げる教育無償化の憲法明記についても、「政策としてやればいい」と切って捨てた。 《敬称略》 (池田慶太・梁田真樹子)


⦿読売新聞 2017年10月19日付掲載⦿

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【2017衆院選・現場から】(05) “人生100年”支える制度を

20171020 15
埼玉県和光市の地域センターの一室に、高齢者の歓声が響く。無料のチップを手にした参加者約20人がルーレットに挑戦し、カジノのディーラーに扮した介護福祉士との駆け引きを楽しんだ。高齢者の引きこもりが社会問題化する中、和光市が2006年から取り組んでいる“アミューズメントカジノ”事業の一コマだ。参加者の80代男性は、「家に閉じこもっているより元気になるし、仲間ができて楽しい」と声を弾ませた。和光市は介護予防に力を入れる。介護を必要とする人の割合を示す今年3月末の要介護認定率は9.7%で、全国平均(※18%)を大幅に下回った。介護保険料は月4228円で、全国平均より約1300円も安い。そんな介護先進地を含む埼玉4区には、福祉を得意分野とする候補が並び、社会保障の充実を競う。老人保健施設の経営に携わる自民党の穂坂泰は今月14日、東武東上線朝霞駅前で「福祉の仕事をして政治信条を固めた」とアピールした。少子高齢化社会への対応を重要政策に掲げ、「人生100年時代に入った。高齢者が輝ける場所を作っていきたい」と力を込める。対する野党は、希望の党・日本共産党・日本維新の会が候補を擁立し、乱戦から抜け出そうと凌ぎを削る。民進党から希望入りした吉田芳朝は同日、東武東上線志木駅前で、新座市議と県議を計17年務めた実績を挙げ、「福祉や介護をどの候補よりも熱知し、真正面から取り組んできた」と強調した。医療・介護等の自己負担額に上限を設ける“総合合算制度”の導入を主張している。

20171020 16
秘書への暴行疑惑で自民党を離党した無所属の豊田真由子も、厚生労働省で15年勤務した経験がある。公示日の10日、志木駅前で「どん底からの再出発」と頭を下げた後、「持続可能な社会保障制度を作りたい」と声を枯らした。保育所の入所待ちをする待機児童の解消策も、衆院選の重要テーマだ。岡山市の2016年の待機児童数は、前年から5倍超の729人に跳ね上がった。全国の自治体では、東京都世田谷区に次ぐワースト2位。実態を反映させる為、厚労省が示す待機児童の定義に“第3希望までの保育所に入れなかった児童”を独自に加えたのが原因だが、子育て世帯の市外からの流入増も影響しているようだ。認可保育所は5ヵ月待ちと言われた岡山市内の20代主婦は、「一時保育を利用して待ったが、半年経っても入所できず、保育料の高い無認可に入れた」と納得がいかない様子だ。待機児童への対応は、有権者の関心が高い。岡山1区に立つの希望の党の蜂谷弘美は昨日、岡山市内で「唯一の女性候補として、結婚・妊娠・出産・子育てをサポートしていきたい」と訴えた。希望は公約で、「待機児童ゼロの法的義務付付」を掲げる。11選を目指す自民党の逢沢一郎は、10日に市内のホテルで開いた演説会で、希望が特機児童ゼロと同時に消費増税凍結を主張していることに対し、「財源をどうするんだ。国有財産を売却する。或いは身を削る改革。甚だ抽象的だ」と指摘した。自民党は2020年度までに32万人分の受け皿整備を進める方針で、「消費税の増税分を財源に充てる」と打ち出している。立憲民主党の高井崇志は、待機児童対策の財源として、消費増税ではなく、40年償還の“こども国債”の発行を提案する。「0歳児に投資し、40歳になった時に返してもらう考え方だ」と訴えている。 《敬称略》 (森藤千恵・森山雄太)


⦿読売新聞 2017年10月18日付掲載⦿

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【2017衆院選・現場から】(04) “再稼働”・“ゼロ”道筋示さず

20171020 13
新潟県の『東京電力』柏崎刈羽原子力発電所6・7号機(柏崎市・刈羽村)。『原子力規制委員会』が今月4日、安全審査の事実上の合格を決め、再稼働も視野に入る。柏崎刈羽原発の30㎞圏内に選挙区の2割以上が含まれる新潟5区では、原発問題が最大の関心事 だ。自民党の泉田裕彦は、2004年から12年に亘って新潟県知事を務めたが、柏崎刈羽原発の再稼働には一貫して慎重だった。8月に衆議院議員の長島忠美が急逝。後継候補として知名度が高い泉田に白羽の矢が立ったが、県連では不満が噴き出した。「再稼働に反対だったじゃないか」。県議3人が後継に名乗りを上げる事態に発展し、党本部主導で公認が決まった。公示日の10日。長島が村長を務めた旧山古志村を訪れた泉田は、「柏崎刈羽原発の避難計画が不十分だ」と指摘した上で、「原子力規制委にお願いしたら『所管じゃない』と言われ、自衛隊にも断られた。外野や無所属では無理。与党の中からしか問題は解決できない」と出馬の経緯を説明した。行く先々で同じ話を繰り返すが、再稼働への賛否は明確に述べていない。対する無所属の大平悦子は、反原発一本槍だ。「原発ゼロを目指す、原発再稼働を許さない。この度の選挙、原発問題で戦ってまいります」。12日夕の長岡市内の演説でも、原発問題に多くの時間を割いた。

20171020 14
応援に駆けつけた自由党の森裕子は、泉田の名前を挙げ、「再稼働反対の為に戦ってくれたと思っていたら、原発を推進する自民党の公認候補で出る。本当にがっかりだ」と攻撃の矛先を向けた。大平陣営が狙うのは、昨年10月の新潟県知事選の再現だ。野党が推した医師の米山隆一が、自民・公明両党が推薦する候補を破った。選挙カーには“全野党統一!原発ゼロ!”という大きな文字を躍らせ、支援者は“野党統一”と書いた幟を掲げる。原発を巡り舌戦を繰り広げる両陣営だが、将来を見据えたエネルギー政策の議論は深まらないままだ。希望の党は“2030年原発ゼロ”を掲げ、自民党との対立軸を鮮明にした。しかし、地域によって様々な事情を抱える。全国で初めて新規制基準をクリアして再稼働した『九州電力』川内原発1・2号機(鹿児島県薩摩川内市)。同原発を抱える鹿児島3区で9日、各候補が参加した討論会が開かれた。希望の野間健は「明日から原発を止めることは、地域の雇用や経済にとって無責任だ」と述べ、2030年原発ゼロの公約には触れなかった。川内原発1・2号機の稼働による地元への経済効果は、年間約25億円とされる。地元では「原発に代わる事業は何があるのか?」(商工関係者)と、原発停止による景気冷え込みへの懸念が根強い。希望は原発ゼロを掲げる一方、安全性が確認された原発の再稼働は容認する。野間陣営は、「“2030年ゼロ”が“即停止”と勘違いされれば票が逃げる。“直ぐに止めない”ということに軸足を置いていく」と明かす。自民党の小里泰弘は、希望が2030年ゼロに向けた道筋を示していないことを攻める。「自民党も将来的には脱原発型社会を目指しているが、要はテンポだ。直ぐに実行しようとすれば国民生活に多大な影響が出て、地域の産業は大変なことになる」。 《敬称略》 (工藤淳・木村優里)


⦿読売新聞 2017年10月17日付掲載⦿

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【2017衆院選・課題を追う】(06) 人口減「地域なくなる」

20171020 12
過疎化が進む地方の活性化は、今回の衆院選で大きな論点となっている。山間の田圃に囲まれ、築70年の古民家がぽつんと立っていた。富山県西部の南砺市。西垣聡さん(33)夫妻は今年4月、金沢市からここに引っ越してきた。聡さんはガラス作家で、妻の片瀬有美子さん(28)は陶芸作家。隣接の古い蔵を工房にした。南砺市を選んだのは、市の移住促進制度に魅力を感じたからだ。夫妻の場合、土地建物は約200万円で、市から60万円の奨励金が出る。起業の為の設備購入費にも上限360万円が補助される。聡さんは、「他の自治体より支援が充実していた。お金が無い身にはとても助かります」と喜ぶ。市によると、2008年度以降、奨励金を受け取ったのは、東京や大阪からの移住を含め、122世帯に上るという。南砺市は、民間の有識者による『日本創成会議』が2014年、「2040年に若年女性が半数以上減る」と推計した896の“消滅可能性都市”に含まれた。市は同年、“南砺で暮らしません課”を置き、移住者を増やそうと懸命だ。それでも人口減に歯止めはかからず、先月末時点の人口は約5万2000人で、10年前から1割近く減った。抜本的な対策は見つかっていない。

人口減に悩む各自治体は、模索を続けている。2006年に1市4町の合併で誕生した福岡県飯塚市。2010年の国勢調査で約13万1500人だった人口は、2015年には13万人を切った。同市は、2010年に策定したマスタープランで“コンパクトな都市への転換”を提唱。都市機能を中心部に集約する取り組みの一環として、2015年7月に市街地の一角にオープンした11階建ての複合施設『サンメディラック飯塚』の建設費用の一部を補助する等した。この施設にはバスターミナル・医療機関・分譲マンションが入り、地元の商工会議所が2016年3月に実施した調査では、周辺の平日の歩行者は前年の2倍以上に増えた。更に、同市は今年4月、市内16ヵ所を商業施設等が集まる“都市機能誘導区域”、その周辺を市民に居住を促す“居住誘導区域”とする計画を発表。5月には、国から“コンパクトシティー”のモデル都市にも選ばれた。市の担当者は「公共交通や地域医療を維持する為にも、市民を都市部に集める必要がある」と説明するが、居住誘導区域外の八木山地区に住む会社員の松尾剛伸さん(54)は、「このままでは地域が無くなるのではないか」と危惧する。山間部に位置する同地区では、利用者の減少で民間のバス路線が4年前に廃止された。「生まれ育った土地を離れたがらない住民は多いが、高齢化が進んで車を運転できなくなれば、買い物にも行けなくなる。政党や候補者には、過疎地の暮らしを如何にして守るかも考えてほしい」。松尾さんは、論戦の行方を見つめている。地方の活性化を巡っては、自民党と公明党は「産官学連携による産業振興・人材育成」等を提唱。希望の党と日本維新の会は「道州制」を唱える。立憲民主党等は地域の公共交通政策、日本共産党は「全国鉄道網の維持」を主張している。 =おわり


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⦿読売新聞西部本社版 2017年10月19日付掲載⦿

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【2017衆院選・課題を追う】(05) 好景気の実感遠く

20171020 11
今回の衆院選では、安倍内閣の経済政策『アベノミクス』の評価や、消費増税の是非も争点となる。下町の住宅地に町工場が点在する東京都墨田区。金属加工会社『浜野製作所』では、導入したばかりの最先端機器が稼働していた。レーザーの熱で金属板に穴が開けられ、形づくられていく。「昨年度の売り上げは20%増。特に大手企業からの注文が増えましたね」。社長の浜野慶一さん(54)は好景気の手応えを語る。浜野さんは、家族経営だった父親の会社を1993年に継ぎ、新規事業に次々に参入して会社を拡大してきた。現在は医療機器や自動車の部品等を約1500社に納め、従業員は約40人。「町工場の暗いイメージから脱却したい」という思いを込め、工場の床と従業員の上着を真っ赤に統一している。ただ、町工場の将来はバラ色ではない。都内の製造業の事業所数(※2014年)は約1万2000で、10年間で4割減った。

大田区の航空機部品製造『日本特殊工業』社長の矢島由之さん(71)は、「出荷量が増えた訳ではなく、景気がいいとは思えない。周囲の業者も、多くが苦しいままだ」と打ち明けた。「挑戦を続けることで生き残ってきた」と言う浜野さんも、ものづくりの現状へ危機感は強い。「零細業者にも高い技術があり、やり方次第で活躍の場はある。日本経済を足元で支える為、チャンスを広げられる政策を」と求める。昨日の昼下がり、福岡市天神のビルにある30代以下を対象にした就職支援センターでは、スーツやジーンズ姿の若者約10人がパソコンで求人を探したり、採用の模擬面接を受けたりしていた。その内の1人、同市中央区の女性(33)が呟いた。「これを最後の就職活動にしたい」。女性は今春、事務職の正社員として2年余り働いていた会社を退職した。新しい業務を次々と任されたが、給与は月20万円に満たず、待遇に見合わないとの思いから転職を決意した。福岡県内の8月の有効求人倍率(※季節調整値)は、1963年の統計開始以降、過去最高の1.51倍。女性も、前回就職活動した頃より求人数は多いと感じているが、希望に合う仕事は中々見つからない。今月中には失業手当が切れる。女性は、「前の会社で働いていた時も無駄遣いを減らしていたが、将来に不安があった。より待遇の良い会社が見つかればいいけれど…」と焦りを滲ませる。「景気や雇用状況の好調さを実感することはない」と言い、「消費増税を検討するだけでなく、税金の使い方も見直して、生活が苦しい若者の実態に目を向けてくれる候補者を選びたい」と力を込めた。2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げについて、自民党と公明党は実施を前提に、増収分の一部を教育無償化に充てるとする。希望の党や日本維新の会は「凍結」、立憲民主党は「直ちに引き上げはできない」、日本共産党は「中止」、社民党は「反対」としている。日本のこころは「消費税マイレージ制度」を提案する。


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⦿読売新聞西部本社版 2017年10月18日付掲載⦿

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【2017衆院選・課題を追う】(04) 介護現場、続く悲鳴

20171020 10
介護現場で、ロボットを導入する動きが広がりつつある。鹿児島市の介護老人福祉施設『アルテンハイム鹿児島」(※入所者50人)。スタッフの北郷幹さん(22)が腰に装着したのは、ロボットスーツ『HAL(ハル)』だ。「移動しますからね」と声をかけ、入所者の女性(73)を車椅子から抱え上げると、僅か5秒ほどでべッドに移し終えた。HALは、脳から筋肉に伝わる微弱な電気信号を感知して、人や物を持ち上げる動きを補助し、腰の負担を軽減する。体感の重さは4割程度軽くなるという。北郷さんは、「特に排泄介助はもたもたできないので、素早くできるのは助かります」と話す。HALを開発した『サイバーダイン』(茨城県つくば市)によると、定価は200万円だが、月7万~8万円のレンタルもあり、2015年3月の発売以来、全国で750台以上が使われているという。同施設を運営する社会福祉法人の理事長・吉井敦子さん(81)は、「テクノロジーを駆使し、介護のマイナスイメージを払拭しないと人は集まりません」と語る。介護現場の人手不足は深刻だ。今年8月の有効求人倍率は1.52倍だが、介護サービスに限れば3.3倍に跳ね上がる。“きつい”と言われる職員の負担を減らそうと、政府は介護ロボットの導入を推進し、2016年度に計52億円を全国約5000の事業所等に助成した。多くの自治体にも補助金制度が設けられている。

厚生労働省によると、市販の介護ロボットは少なくとも3種類。人工知能(AI)等で入所者の不自然な動きを感知する“見守り”型の他、HALのような“移乗介助”等のタイプもある。ただ、人手不足の背景にあるのは重労働だけではない。公益財団法人『介護労働安定センター』によると、介護従事者の平均給与(※2016年度)は月22万4848円で、一般平均(※2016年)の月30万4000円に比べて大幅に低い。政府は今年度、職員の処遇改善の為、介護報酬を1.14%引き上げた。ただ、神奈川県相模原市の介護スタッフの女性(52)は、「まだまだ不十分だ。年収500万~600万円まで上がらないと、働き盛りの30~40代の人材には入ってもらえない」と訴えた。外国人スタッフの受け入れに乗り出す施設も出てきた。先月、改正入管法が施行され、在留資格に“介護”が加わったことが追い風となっている。来年3月に特別養護老人ホーム(※約100床)の開所を目指す大阪府門真市の社会福祉法人『晋栄福祉会』は、35人のスタッフが必要なのに、日本人を15人しか確保できていない。この為、3年間の家賃を全額負担する“厚遇”を掲げ、介護福祉士の資格を持つ外国人を募集。7人のインドネシア人を採用した。それでも、スタッフを全員確保できる目途は立っていない。同法人総合施設長の岡村美範さん(62)は、「年末までに態勢が整う見通しがなければ、空床を設けて入居者数を制限するのもやむを得ない」と語る。厚労省の推計では、団塊世代全てが75歳以上になる2025年には、全国で約38万人の介護職が不足する。岡村さんは、「外国人を雇おうとしても、施設側の財政負担は重い。家賃補助等支援策を拡充してほしい」と求めた。介護を巡っては、多くの党が職員の待遇改善や施設増設を公約としている。自民党は「50万人分の介護の受け皿を整備」を唱え、公明党・日本共産党・立憲民主党等は職員の賃金引き上げも記している。希望の党は「福祉の充実」を掲げている。


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⦿読売新聞西部本社版 2017年10月17日付掲載⦿

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<画像2枚> 独占インタビュー! 清水良太郎覚醒剤事件警察に通報した風俗嬢が語るクスリ強要恐怖の120分

20171020 08
池袋のホテルで繰り広げられた清水容疑者の薬物使用を、本誌に打ち明けた愛さん。“その瞬間”を目撃した彼女への生々しいインタビューは、実に2時間以上に及んだ。

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京都“巨大一等地”売却の動き…懸念される『朝鮮総連』への資金流入

20171020 07
JR京都駅から徒歩5分の一等地にある広大な駐車場の売却交渉が水面下で進められ、大手不動産会社等関係業界がその成り行きに注目している。駐車場は約3000坪で、土地の資産価値は100億円以上。2012年から札幌市(※現在は京都市)の有限会社が所有している。実質的なオーナーは『朝鮮総連』トップの許宗萬議長に近いとされる実業家で、北朝鮮の資金源とも噂される人物。当該地は、大手銀行が2014年に15億円の根抵当権を設定したが、半年足らずで抹消された。朝鮮総連本部ビルの競売問題では、この駐車場を担保にした資金が、朝鮮総連による本部ビルの買い戻し資金に充てられる可能性が報じられた。昨年から続く売却交渉には『大和ハウス工業』も関心を示したが、交渉は実っていない。難航する理由として、北朝鮮側に代金の一部が流れることを懸念した日本政府が、購入資金の融資を自粛するよう金融機関に働きかけたからとみられる。先述の実質オーナーは「議長との繋がりは絶っている」と明言し、朝鮮総連との関係を否定している。観光需要が衰えない京都市内で、「この一等地をホテルや商業施設用地として取得したい」という業者は多いが、「いわくつきの土地なので、直接取引するには二の足を踏んでしまう」(大手不動産業者)ようだ。


キャプチャ  2017年9月号掲載

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【安倍vs小池衆院選】(05) 苦い経験、教訓に

20171020 06
「直前に出しても違法性は無いのか?」――。『日本経団連』は先月下旬、毎年実施している与野党の政策評価について、総務省に慌てて問い合わせた。政治献金の判断材料になるものだ。例年の手続きでは、公表は衆院選の5日前である今月17日だ。投票行動にも影響を及ぼしかねない為、経団連は選挙後への公表先送りを視野に入れる。経済界は表向き公平を保ちつつも、本音は自民党支持だ。経団連会長の榊原定征(74)は、一昨日の札幌での記者会見で、「安倍政権の安定基盤が確保できるかは重大な関心だ」と自民支持を表明。『経済同友会』代表幹事の小林喜光(70)も、希望の党は「未だ生煮えだ」と距離を置く。与党敗退で政局が混乱すれば、『日欧経済連携協定(EPA)』等メガ自由貿易協定(FTA)の行く手には雲がかかる。異次元金融緩和を通じて事実上、円安誘導スタンスを取ってきたアベノミクスへの不安が広がり、為替も大荒れになりかねない。

賃上げ要請や社会保障の企業負担増等、厳しい要求を突きつけられてはいるものの、“親ビジネス”路線を基本に据える安倍政権への安心感は根強い。「あの苦い経験を繰り返してはいけない」。榊原は、旧民主党政権で経験した政策混迷の再現に強い拒絶反応を示す。「やっぱり、『必ず上げる』とは言ってくれなかったな」。先月25日夕、首相の安倍晋三(63)が消費税収の教育等への使途拡大を語ったテレビ中継に、財務省幹部は嘆いた。表明直前、小池百合子(65)は増税凍結を掲げ、希望の党を立ち上げた。2019年10月の10%への消費増税をより確実にできるなら、財政健全化が多少後退しても使途拡大のほうが受け入れ易い――。省内に漂うこんな空気も、希望の党の登場で、増税自体の是非が選挙の争点に浮上したことで険しいものに変わっている。翌26日、安倍は「リーマン危機級の影響、経済的な緊縮状況が起これば判断しなければならない」と話し、改めて先送りを含む政治判断の余地を作った。使途変更によって将来世代へのツケ回しをできるだけ減らすという、2012年の自民・民主・公明の3党合意のゴールは遠退く。「ここまでやって引き上げが見送られると、その先の増税判断の際に『更に使い道を拡大しろ』と言われかねない」(同省幹部)。衆院選を見つめる官僚たちの目は、不安に満ちる。 《敬称略》 =おわり

               ◇

坂口幸裕・江渕智弘・加藤晶也・中村亮・上林由宇太・竹内悠介が担当しました。


⦿日本経済新聞 2017年10月5日付掲載⦿

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George Clooney

Author:George Clooney

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