【昭和&平成放送禁止大全】(23) 誤植30ヵ所以上で全回収の騒動に発展した『岐阜信長 歴史読本』

20180220 05
出版関連の業務がデジタル化された近年は、企画、編集、デザイン、執筆まで、一度も作業者同士が顔を合わせずに本が完成することも珍しくなくなった。何とも便利な世の中になったものではあるが、しかし、そこで発生する落とし穴も多い。最近では、出版大手の『KADOKAWA』が出版したムック『岐阜信長 歴史読本』が、誤表記問題で回収・刷り直しされている。このムックは、織田信長所縁の地である岐阜市の歴史と観光情報を特集したもので、編集には岐阜市教育委員会が協力。文章も提供し、精度の高い内容になる筈だった。ところが、蓋を開けてみれば、岐阜市のある都道府県を“三重県”、岐阜県岐南町と笠松町を“愛知”と記す等の地図上のミスや、“昭和4年(1828年)”とする年代の誤り、歴史上の人物の記述では、信長の参謀だった僧“沢彦宗恩”と軍師“竹中重治(半兵衛)”の説明文が入れ替わる等、誤表記が約30ヵ所も発生していることがわかったのだ。市教委は校正の段階でミスを指摘したが、訂正されることはなかったようだ。こうした専門的内容の出版物には、校正を担当する第三者の編集プロダクションが関わることが多い。

同書では、30年以上の歴史を持つ老舗で、数多くの書籍やムック等の編集、校正、ディレクションで定評のある会社が校正を担当した。ところが、このプロが行なった校正(※赤入れ)が全く反映されずに出版されてしまったのである。では、全ての問題が出版元の編集作業にあるのかといえば、決してそうではない。そこにデジタル化の“落とし穴”があったのだ。通常、編集作業は最終段階の校正作業を以て終了する。そして、そのファイナルカットのデータを印刷所に入れて校了となる。その後に修正が発生した場合は、修正後、印刷会社の判断で本刷に入る“責了”(※責任校了)となる。ところが、最終的な段階で以前の未修正データが紛れ込んでしまい、版の取り違えが発生することが度々あるのだ。結果論としては最終確認が甘かった訳ではあるが、こうなってしまうともう誰も気付くことはできず、修正もできないのが事実なのである。同書では、取材に協力した岐阜市教育委員会が「重大な誤りが多く、大変遺憾」と表明。同じく協力した岐阜市も、広告料460万円と1000冊分を購入する契約を交わしており、その対処も取り沙汰された。嘗ての編集・出版作業は、人的な確認作業の連続で行なわざるを得ない仕事だった。その後、デジタル作業で人手を簡略化した結果、思いもよらぬトラブルが起こるようになってしまったのが現代。意表を突くトラブルとはいえ、一度、書籍やムックが回収されてしまうと、思いもよらぬマイナス効果が生まれてしまう。そうした危機管理を要求されるのが、昨今の出版業界なのである。 (大衆文化研究家 幕田けいた)


キャプチャ  キャプチャ
スポンサーサイト

テーマ : 社会問題
ジャンル : ニュース

【ニッポン未解決事件ファイル】(45) 函館タクシー運転手強盗殺人事件(2006年)――トランクから発見されたタクシー運転手の謎

2006年12月21日午前、車内に血痕のあるタクシーが発見される。トランクには運転手の遺体が入っていた。足取りを辿ると、タクシーは前夜、人気の無い場所に停車していたという。運転手の八木橋さんは一体、どのような事件に巻き込まれたのだろうか? (取材・文・写真/ノンフィクションライター 八木澤高明)

20180219 03
2006年12月21日午前7時25分頃、函館港の岸壁で車内に血痕があるタクシーが発見され、運転手がいなくなっていることに気付いた同僚が110番通報した。函館西署員が駆けつけたところ、タクシーのトランクから男性の遺体が見つかった。殺害されたのは運転手の八木橋朋弘さん(※当時42)。車内からは、その日の売り上げ金約2万数千円が入ったバッグも無くなっていた。警察がタクシー会社のGPSでその日の足取りを確認すると、渡島管内七飯町峠下で八木橋さんの携帯電話、大量の血痕等が見つかった。現場は国道5号から車1台が通れる程度の細い道を約100m入った場所で、地元の人間以外は足を運ぶことがないという。八木橋さんは函館市内で最後の客を乗せ、峠下へと向かった。そこで犯人は八木橋さんを殺害してトランクに詰め、自ら運転して函館港にタクシーを放置し、現金を奪って行方を晦ましたのだった。事件発生後、警察は先ずタクシー会社の同僚や元運転手等を疑った。タクシー強盗の多くは元運転手によるものが少なくないからだ。しかし、虱潰しに調べたが、誰一人として事件に関わった人物は浮上しなかった。北海道では函館だけでなく、札幌でも1992年から2000年にかけて3件のタクシー強盗殺人事件が起きているが、いずれも未解決のままだ。当時はどのタクシーにもドライブレコーダーが設置されていなかったこともあり、町場を外れると、人気の無くなる北海道ではタクシー強盗は少なくなかった。道内のあるタクシー運転手が指摘する。「ちょっと街外れに行く時は、お客さんの風体とかはちゃんと確認するようにしていますよ。会社からは、『若し強盗に遭ったら、無駄に抵抗しないで直ぐに現金を渡すように』と言われています。それは北海道のどのタクシー会社でも同様だと思います」。警察は、最後に乗った客が事情を知っていると見て行方を追っているが、未だに掴めていない。


キャプチャ  キャプチャ

テーマ : 社会ニュース
ジャンル : ニュース

織田絆誠が語った“髙山若頭と直接交渉で6代目山口組と合流”の真偽

山口組の旗を掲げる3つの団体が凌ぎを削る異常事態にあって、『任侠山口組』の織田絆誠代表が驚愕のメッセージを放ったという。『6代目山口組』側の髙山若頭とのトップ会談で、両団体の合流を目論むその言葉は真実なのか? そして、その裏に隠された狙いとは――。 (取材・文/フリージャーナリスト 柳沢十三)

20180216 07
2015年8月、突如として6代目山口組が割れて、『神戸山口組』が結成された。2017年4月には、その神戸山口組でも分裂が起き、『任俠団体山口組』(※現在は『任侠山口組』に改称)が発足した。ヤクザ業界最大手として鉄の結束を誇っていた山口組が2度も分裂する異常事態に、大手マスコミも注目。連日、テレビや新聞で大々的に関連ニュースが報道され、普段はヤクザに関心がない一般市民の間でも大きな話題を呼んだ。そうした世相を出版業界も見逃さず、山口組分裂騒動にスポットを当てた関連書籍が相次いで刊行され、既に数十冊を超える。だが、業界関係者、特に3つの山口組関係者らは、当事者故に内情に詳しく、玉石を見極める目は厳しい。「実話誌系週刊誌が作った本は、日頃の取材を生かした情報や写真が多く載っていて、資料的価値は高い。難点は意外性や面白味が少ないところか。元山口組組員が書いた本はエグいところまで踏み込んでいて面白かったが、実は情報が古かったり間違っていることも多かった」(東京都内で活動する6代目側系傘下組織組員)。このように、誰もが絶賛する山口組関連本は、どうしても少ない中にあって、多くの業界人から圧倒的な高評価を受ける書き手がいる。それが溝口敦氏だ。凡そ半世紀に亘り山口組の取材に携わってきた大ベテランであり、『5代目山口組』の渡辺芳則組長にインタビューした経験も持つ。これまでに数多くの山口組関連書籍を執筆してきた彼が、2017年1月に発表した最新刊『山口組三国志 織田絆誠という男』(講談社)が物議を醸している。

同書は任侠側の織田代表への直接取材を中心とし、彼の人となりをよく知る周辺者の声によって肉付けされたものだが、発表直後から3つの山口組関係者の関心の的になった。中でも最も彼らの琴線に触れたのは、やはりヤクザらしく親子関係だった。「書籍には、任侠側の発足会見で幹部らが語っていたことをそのままに、神戸側と井上組長に対する厳しい批判が書かれてあったが、実際のところ、ヤクザ社会でそんな文句を言っていたら限が無い。親分の横暴なんて当たり前のことで、それが嫌だからと組織を割っていては、最後はみんな“一人親方”になってしまう」(関西地区で活動する6代目側傘下組織幹部)。任侠側の会見では、井上組長が出身母体の山健組ばかりを依怙贔屓し、下からの進言・諫言を受け入れないことが非難された。これについて、ヤクザ社会では共感の輪は全くと言っていいほど広がっていない。寧ろ、誰もが目頭を押さえながら同情するのは、下の人間が上層部から無慈悲に責められた話だ。「2017年1月に、名古屋で自殺した山健組の藤森吉晴若頭補佐(※『2代目松藤組』組長)が追い込まれていく経緯が述べられた件は、状況が目に浮かんで辛かった。会費(※上納金)が払えなくなって困り果てる話はありがちだが、大概は組織をクビになって終わりになるもんだ。ところが、山健組上層部は辞めさせずに、事務所をカタにして借金を背負わせるんだから驚かされる。織田代表らが離脱したくなる気持ちはよくわかる」(同)。子からの親叩きは生理的に受け入れられない一方で、親からの子叩きには我がことのように同情できるという、業界特有の歪んだ精神構造が浮き彫りになった溝口氏の最新刊。同書ではヤクザ社会の根っこにあるタブーにも切り込んでおり、従来の山口組関連本では殆ど例がないことだが、丸々1章分を費やして、在日韓国人3世である織田代表の生い立ちや経歴の説明にあてられている。織田代表の祖父と父の履歴や人となりが、織田代表の言葉を通して詳細に語られているのだ。神戸側系傘下組織幹部は次のように語る。「昔からヤクザと在日韓国朝鮮人は切っても切れない関係にあることは、一般人にも知られている。山口組でも、嘗ては在日の組長率いる“殺しの軍団”柳川組を先兵として、他組織と戦って勢力を拡大してきた。実際、今でも組員の大半が在日というヤクザ組織も少なくない。それでも態々出自を明かさない者が殆どだ。俺自身も在日だからわかるが、在日同士なら出身を隠すことはないが、相手が日本人だった場合、躊躇う気持ちがどうしても消えない。それに、今は日本国内に嫌韓・反韓ムードが高まっていることもあって、織田代表のような活字での告白は、とてもじゃないが真似できることではない」。

続きを読む

テーマ : 暴力団
ジャンル : ニュース

「私たちはこうしてジャマイカに騙された」…『下町ボブスレー』推進委員長が怒りの告発!

20180216 06
「『悪質なそりを売ってカネを取ろうとしている』だなんて批判されていますが、これまで2年間、材料費も含めてほぼ全て、各町工場が自社持ちでオリンピックを目指してきたんです。なのに、ジャマイカ連盟からは『申し訳ない』の一言も無い。納得がいきませんよ」――。平昌冬季オリンピックでボブスレーのジャマイカ代表チームにそりを無償で提供する予定だった『下町ボブスレープロジェクト』。しかし、大会直前の2月5日、ジャマイカ連盟から一方的に“不採用”の通知が届く。同プロジェクト推進委員会の國廣愛彦委員長(※左画像)が、悔しさを滲ませながら事の経緯を語った(※以下、発言は國廣氏)。「2016年1月、ジャマイカ連盟のコーチや選手が来日して、『一緒に速いそりを作っていこう』と契約を結んだんです。彼らの意見を取り入れながら、何度も改良してそりを作り上げてきました。昨年12月の大会の際、我々のそりが輸送トラブルで間に合わなかった。ジャマイカはラトビアのBTCというメーカーのそりを借りて出場したのですが、大会後、『今後は性能の良いBTCのそりを使用したい』と言い出したんです」。

委員会はジャマイカ連盟との会議を設定。「また協力してBTCよりも速いそりを作ろう」という結論になった。だが…。「連盟に紹介されたメカニックに『BTC製よりも速い』と太鼓判を押されるまで改良しました。しかし今年1月、BTCとの性能比較テストを『別日に別のランナー(※そりの刃)で行なう』と言い始めたのです。2日間に分けると天候等の条件が異なるので、比較にはならないのですが、そこで2秒近いタイム差が出てしまった。抗議も無視されてしまいました」。更に追い討ちをかけるように、ジャマイカ側は下町ボブスレー製そりのレギュレーション(※そりの競技規格)違反を指摘してきたという。「レギュレーションは細部まで規定があり、修正を指導されることは珍しくありません。しかも契約書上では、『レギュレーションへの対応はジャマイカ連盟側が行なう』ということになっていた。今回指摘された違反は非常に軽微なものでしたが、こちらが対応して修正しました」。だが、ジャマイカ側の姿勢は変わらない。それでも、オリンピック直前まで及ぶ協議の結果、スタッフを平昌入りさせ、再度レギュレーションチェックを受けることになった。「現場では、ジャマイカ側は『我々のそりではないので勝手にしろ』と非協力的でした。それでも徹夜で作業をしていると、予定日だった5日の早朝、突然、『チェックは延期』と連絡がきました」。悉くジャマイカ側に裏切られてきた下町ボブスレー。國廣氏は苦しげな表情で、現在の気持ちをこう漏らす。「『一丸となって五輪を目指そう』というやり取りを、ジャマイカの選手、コーチ、スタッフとほぼ2年間続けてきたんです。今後はどうすればいいのか…」。ジャマイカ連盟側に取材を申し込むと、弁護士を通じて「下町ボブスレー側との全ての議論は公開できない契約になっており、答えられない」との回答が得られた。町工場の人々のオリンピックへの思いは、無残に踏み躙られてしまった。


キャプチャ  2018年3月2日号掲載

テーマ : 社会ニュース
ジャンル : ニュース

『ミニストップ』販売中止&制作予算削減で成人雑誌は“風前の灯”

20180216 02
中堅コンビニチェーンの『ミニストップ』が、先月から国内全店約2200店舗で成人向け雑誌の販売を中止した。親会社の『イオングループ』による撤退宣言は影響が大きく、ある成人雑誌編集者は「愈々失業か…」と覚悟を決めた。同編集者が現在携わる月刊誌の制作予算は、過去最低の僅か60万円だという。「全盛期の1990年代は、1冊300万円の予算があったんです。今は発行元から『赤字になったら休刊だから』と言われているので、経費を抑える為に、基本は私1人で作っています」。編集部の住所は、表向きは発行元のビルになっているが、実際は自宅内の一室。8人いた編集者はいずれもクビになり、彼が最後の砦となった。ただ、「スタッフがいないことより、載せるものが無くなっていることが大変」(同)だという。「嘗ての半分以下の安いギャラでは、中々仕事を引き受けてくれる下請けが無く、取材費も出せないから、長くAVメーカー等から素材を借りて使ってきましたが、これもAV女優の権利関係が煩くなって、2次使用に許可が必要になりました。問題はコンビニに置かれないことだけじゃないんです」(同)。成人雑誌は作り手も買い手も高齢化している為、売れ行きが下がると同時に、業界から引退する編集者も続出中だ。「私なんかは未だ長く残っているほうなんですよ。3年前、ライバル誌の編集長だった人が、ホームセンターの交通誘導係になっているのを見たんです。この仕事はいずれ絶滅しますよ」(同)。アダルト事業への締め付けは、菅義偉官房長官の直々の指示だとも囁かれる。成人雑誌はまさに“風前の灯”だ。 (取材・文/本誌編集部)


キャプチャ  2018年2月号掲載

テーマ : 社会ニュース
ジャンル : ニュース

【昭和&平成放送禁止大全】(22) 出演時には既に殺人を犯していた! 麻原彰晃登場の『朝まで生テレビ!』禁断回

20180213 09
2017年4月で放送30周年を迎えたのが、ご存知『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)である。プロレスの無制限一本勝負をイメージして企画されたこの番組は、名物司会者の田原総一朗をして“タブー無きテレビの解放区”と言わしめるだけあって、これまでテレビメディアでは扱えなかった数々のテーマを生放送でオンエアしてきた。1989年の昭和天皇崩御の際は『徹底討論!“平成元年”大喪政治危機!』。天皇制の是非を堂々と取り上げ、メディアの絶対的なタブーである“部落問題”や“在日”にも鋭く切り込み、深夜の討論番組にも拘わらず高い人気を博してきた。レギュラーパネリストであった猪瀬直樹と舛添要一が東京都知事になれたのも、朝生での論客ぶりで知名度と人気を得たからであろう。実際、平成時代を代表する文化人や評論家の多くは朝生出身と言っていい。そんな伝説的な討論番組だけに、数多くの伝説的な放送回が存在する。その中でも飛び抜けて伝説となっているのが、1991年9月28日の放送回だろう。『激論!宗教と若者』。タイトルこそ地味だが、『オウム真理教』の元教祖・麻原彰晃を筆頭に、その妻だった松本知子、地下鉄サリン事件等の実行犯だった村井秀夫(※故人)、“ああ言えば上祐”の上祐史浩等、ある意味、犯罪集団が生出演したのだ。

ところが、この当時、圧倒的に注目されていたのは『幸福の科学』だった。『講談社』は“反幸福の科学キャンペーン”を展開し、幸福の科学側は人気作家の景山民夫や女優の小川知子ら有名人を押し立て、“フライデー襲撃事件”を起こし、全国的な話題となっていた。一方のオウムといえば、この時点で坂本堤弁護士一家を殺害していた訳だが、事件自体は発覚しておらず、知名度は低かった。謂わば麻原彰晃は、出演を拒否した大川隆法の代役であり、他の幹部たちも単なる“賑やかし”に過ぎなかったのだ。その為だろう。番組での扱いは、あくまでも幸福の科学の引き立て役。出演した有識者たちの誰一人として、“オウムの危険性”を指摘することはなかった。寧ろ、幸福の科学を批判する為にオウムを持ち上げる傾向すらあったのだ。本来の主役、いや“悪役”として扱われた幸福の科学側は事件の渦中にあり、歯切れが悪い。事件が発覚していないオウムは教祖や幹部が勢揃い。しかも、“ああ言えば上祐”のメディアデビュー戦。有識者たちの後押しもあり、一般視聴者に好印象を与えることになった。抑々、1989年の坂本弁護士事件は、教団の求心力が落ち、信者離れが加速していたのが原因で起こった。そのまま泡沫な新宗教として消滅しそうだったオウムは、朝生出演をきっかけにして息を吹き返してしまった訳だ。朝生出演がきっかけとなって増えた信者が資金源となり、教団への求心力が犯罪行為を加速させたとすれば、番組サイドが“禁断の回”として封印したくなるのも無理はあるまい。 (フリーライター 西本頑司)


キャプチャ  キャプチャ

テーマ : 社会問題
ジャンル : ニュース

【ニッポン未解決事件ファイル】(44) 栃木今市女児殺害事件(2005年)――吉田有希ちゃん殺害事件の真実

2005年12月に女児が遺体となって発見された事件で、2014年に逮捕された勝又拓哉被告が、2016年4月、無期懲役の判決を言い渡された。物証は無く、自白だけで立件されたこの逮捕劇には、冤罪説が囁かれている。果たして、勝又拓哉被告は“真犯人”なのだろうか――。 (取材・文・写真/ノンフィクションライター 八木澤高明)

20180212 03
2016年4月8日、宇都宮地裁。2005年に発生した今市(※現在の日光市)女児殺害事件で逮捕された勝又拓哉被告に、無期懲役の判決が言い渡された。果たして、有罪判決が下された勝又被告は真犯人なのか、逮捕直後から冤罪が疑われ続けている事件であり、有罪判決が出た今もその様相は変わっていない。抑々、この事件で勝又被告を犯人とするには、不可解な点が数多くある。先ずは、吉田有希ちゃんの遺体が発見された茨城県常陸大宮市の山林の状況である。2005年12月4日、被害者は全身の血が抜けた状態で発見されたが、遺体発見現場には多量の血痕は残されていなかった。遺体の第一発見者に取材を試みたところ、仲介者を通じて遺体発見当時の状況が伝わってきた。野鳥捕獲の為に山林を訪れた目撃者は、最初、蠟人形かと思うほど遺体は真っ白だったという。その証言は、遺体から大量の血液が抜けていたということを裏付けている。ところが、起訴状の内容によれば、勝又被告は遺体遺棄現場付近で吉田有希ちゃんを殺害したことになっている。若しそれが事実であるなら、遺体発見当時、有希ちゃんの全身から流れ出したであろう大量の血液が現場から見つかっていなければおかしい。次に、事件を立証する直接の証拠が何も見つかっていない。勝又被告の証言により、警察は凶器のナイフを捜索したが、結局、何も見つかっていない。警察は「彼のパソコンから吉田有希ちゃんの画像を発見した」と言うが、それがインターネット上に出回っていたものなのか、彼しか撮ることができないものなのか、具体的な発表をしていない。

有罪の決め手となる犯人なら知り得る“秘密の暴露”が何一つ無いのである。勝又被告の自白のみが唯一の証拠となっている。吉田有希ちゃんの体に付着していた猫の毛の鑑定についても、勝又被告が飼っていた猫と同じグループのものであるという程度で、個体レベルでは同一ではない可能性があるという極めてあやふやなものであり、果たして証拠となるのかと疑問に思わざるを得ない。更に、逮捕理由の1つに上げられた「勝又被告の車らしきものが現場付近のNシステムに写っていた」という件についても、裁判の中で重要な証拠となる筈だが、「Nシステムに写っていた」と検察側が提出したのは宇都宮市内のものだけで、現場付近のNシステムは裁判の争点にもなっていない。勝又被告の母親は、今も息子の無実を信じ続けている。「無罪を勝ち取るって本当に大変なんですね。自白については、『警察から脅されて、ついつい認めてしまった』と言っています。だから、その日のうちに否認しているんです。取り調べの録画映像についても、『別の部屋で取り調べをしてから、録画する為の部屋に移動した』と言っていました。脅して話すような精神状態にしてから連れて行っているんです」。勝又被告と母親は台湾の出身である。逮捕当時の報道によれば、「勝又被告は日本には馴染めず、殆ど友人もおらず、無職で引きこもり、それ故に自由な時間があり、少女を物色して事件を起こした」と報じられた。「確かにそんなに友人は多くなかったですけど、前にアルバイトした時にできた友人もいましたし、警察が有希ちゃんを連れ込んだというアパートには彼女も来ていました。ある日、拓哉のアパートに行ったら花が飾ってあったんです。そんな花なんて飾る子じゃないから、『どうしたの?』って聞いたら、『俺にも彼女ぐらいいるよ』って言ったんです。引きこもりって言い方もおかしいですよ。昼間は株の取引をしていて、夜は為替をやっていたので、何もしていなかった訳じゃないですよ。大体、いつも株の取引が始まる1時間前の8時には起きてきて、ニュースをチェックして、それから午前中は株をやるんです。午後もやる時もあれば、この辺でいいかなという時は、宇都宮のレンタルDVD店に行くか、フィギュアを売ったりしてましたね」。母親と話をすればするほど、「真犯人は別にいる」という思いが強くなる。


キャプチャ  キャプチャ

テーマ : 社会ニュース
ジャンル : ニュース

「レッテル貼りだ!」とバカの一つ覚えで声高に主張するオタクの皆さんへ…凶悪犯罪者が好きだったアニメはこれだ!

20180209 12
2017年10月30日、警視庁の捜査員から行方不明になっている女性の所在を訊かれた男は、玄関先に置かれたクーラーボックスを指差した。彼の部屋にあった8つの箱からは、9つの人間の頭部と240本の骨が見つかった。無職の白石隆浩容疑者が神奈川県座間市のアパートに入居してから事件発覚まで2ヵ月余り。たったそれだけの期間に女性8人と男性1人、計9人もの命を奪い、浴室で遺体を解体。1週間に1つのペースで、ワンルームの部屋には箱詰めの頭部が増えていった。まるでコレクションを蒐集するかのように。概要を聞いただけでは現実味を抱くことが難しいほど、猟奇的且つ陰惨極まりない事件だ。取り調べで動機を訊かれた白石は、「金です」と即答。しかし、金品目的であるなら、被害者9人の内、4人も10代が含まれているのが理屈に合わない。謎が深まる中、ある人物のコメントが大きな物議を醸した。「最近は猟奇的なストーリーのアニメもあるので、そうしたものの影響を受けている感じがする」。グロテスクで、ある意味劇場的空殺人事件が起きる度に、一部のアニメ作品が槍玉に挙げられるのはいつものことだ。しかし、それを発したのが自民党政調会長代理とあっては、世間も黙ってはいない。「猟奇的なアニメって何だよ? 具体的に挙げてみろ!」「ヤツの部屋からその手のものが出てきたのか?」。アニメファンのみならず、各方面から批判の声を浴びながら、“クールジャパン特命委員長”の肩書きも持つ山本一太議員は、「一世一代の失言だった」と謝罪。確かに、この時点で白石容疑者とアニメを結び付ける情報は無い。

「正論!」との称賛と共に『ツイッター』上で拡散されたのは、とある旅館経営者の言葉だ。「アニメのせいで犯罪が増えているという事実はない。【中略】むしろアニメには殺人抑制効果があると考えるのが妥当」。要するに、アニメは増えているが、殺人事件の被害者数は減っている。だからアニメは無関係。殺人事件が減っているのだから、寧ろ抑制効果があるのだ、と。山本議員の発言は、間違いなく軽率で偏見的だった。しかし、それを糾弾する声がこの旅館経営者のようなものでは、あまりにも短絡でお粗末。それを正論とする者の知的レベルも疑わざるを得ない。被害者数の増減だけで、何をどう結び付けたらアニメとの関連の有無が量れるのだ? しかも、殺人が減ったのはアニメのおかげとは、まるでカルト宗教並みのトンデモ風桶理論だ。恐らく、こうした輩は「広島カープが優勝したのも、10年ぶりに恋人ができたのも、持病のリウマチが完治したのも、み~んなアニメのおかげ!」と主張するのだろう。座間の事件に関して、この時点で言えたのは、「アニメのせいだとは言えない。しかし、そうではないとも言えない」ということだけだ。自らのバカを晒しながら、鬼の首を取ったかのようにバッシングを繰り広げていた者たちは、更にマヌケ面を晒すことになる。山本議員が謝罪した翌日、稀代の異常殺人者・白石隆浩と“猟奇的なアニメ”を結び付ける新たな情報が出てきたのだ。週刊誌の取材に対し、白石容疑者の知人は「アニメとか好きだったと思います」と語っている。更に具体的な作品名も挙がり、それまで山本議員を叩いていた声は一気に静まった。『ひぐらしのなく頃に』『School Days』『亜人』――。いずれも、猟奇的な殺人や肉体切断の描写が印象的な作品だ。特に『ひぐらしのなく頃に』と『School Days』の2作品には、「具体的な作品名を挙げてみろ!」と息巻いていた者たちも黙るしかないだろう。同人ゲームを原作に、2006年に第1シリーズが放送されたアニメ『ひぐらしのなく頃に』。閉鎖的な山村の中で起こる連続怪死事件が物語の主軸で、如何にも美少女アニメ的なキャラクターが狂気の中で鉈を振り下ろしたり、金属バットでメッタ打ちにしたりと、陰惨な殺人シーンが不協和音のようなギャップを生み、残酷性を一層際立たせている。2007年にアニメ放送を開始した『School Days』は、更にグロテスクだ。男1人に女2人、3人の高校生の三角関係の縺れは、殺人というバッドエンドを迎える。しかも、男子は頭部を切断されてバッグの中に収められ、男子の子供を身ごもったと訴える女子は、恋敵に腹を割かれて殺される。最後に生き残った女の子は、妊娠が虚言であると疑い、割いた腹の中を覗き込んで言う。「やっぱり嘘だったんじゃないですか。中に誰もいませんよ」。深夜帯とはいえ、よく地上波で放送されていたものだ。そして、安易に関連付ける訳ではないが、座間事件の頭部切断は、否が応でも『School Days』の結末を連想してしまう。

続きを読む

テーマ : アニメ
ジャンル : アニメ・コミック

【昭和&平成放送禁止大全】(21) 市民団体の抗議によって『氷結』アニメCMが公開中止

20180206 09
元来、アニメは子供向け作品からスタートし、その後のブームからファンを高年齢層にまで広げていった特殊な経緯がある。その為、未だ表現方法や演出の加減に悩まされることもあるのだ。最近の事例では、『キリンビール』が2016年8月、ウェブ限定で公開していた缶入りチューハイ『キリン氷結』のCMがある。これは、“あたらしくいこう”をキャッチコピーに、アニメ、ソーシャルゲーム、アイドル声優のライブ等に熱中する若者たちをいきいきと描いたアニメCM。国内外に多くのファンを持つ『TRIGGER』がアニメ制作を手がけ、CMのキャラクターがプリントされたTシャツのプレゼント企画を実施する等、様々な展開が予定されていた。ところが、このCMは公開されて僅か9日で打ち切りとなってしまう。その背景には、『アルコール薬物問題全国市民協会(ASK)』と『主婦連合会』が、共同でキリンに対して提出した『キリン氷結ウェブ限定アニメCMの中止を求める要望書』があったようだ。キリンは「このクレームが打ち切りの直接的な原因ではない」とはしているが、明らかに若年層がターゲットで、未成年に大いにアピールする内容に対する抗議は、ある側面では確かに企業を頷かせる理屈ではある。テレビCMについて、「25歳未満の者を広告のモデルに使用しない」「25歳以上であっても、25歳未満に見えるような表現は行なわない」という申し合わせがあり、氷結のCMがそれに抵触していたとの見方もある。但し、「テレビCMとウェブCMの基準が同じでいいのか?」という尤もな意見もある訳で、CM打ち切り論争の決着は、“アニメファンvs市民運動グループ”という構図を超えて、各業界が注目していたりするのである。

クレームの言い分も一理はあるのかもしれないが、明確なNG基準がわからないまま制作・放送され、その後に批判されて消えてしまうのは、制作者やファン、そして作品自体にとっても不幸としか言い様がない。CMに限らず、視聴者や『放送倫理・番組向上機構(BPO)』から抗議を受けたアニメ作品は少なくない。近年では電話1本、メール1通で意見を表明できるのだから、苦情増加も致し方ないのかもしれない。『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(毎日放送・TBSテレビ系)は、戦争における少年兵や民間軍事会社といったナイーブな設定を題材にしており、主人公の少年兵が葛藤もなく無抵抗の捕虜や敵兵を射殺するシーンに、「年齢制限を設けては?」との意見が寄せられている。終盤には16~17歳の少女が仲間の子供を妊娠、出産。他の少女にも同じ少年との子作りを勧めるシーンも批判を受けた。戦争をイメージさせる作品では、2015年放送の『艦隊これくしょん』(TOKYO MXほか)で、ヒロインが軍艦に変身し、戦闘行為を行なうとの設定に対して、「不謹慎な番組内容に憤りを覚える」と批判された。「元々そういう作品だから」という反論は通じないようだ。また、2017年放送の『クズの本懐』(フジテレビ系・一部地域除く)では、作中で描かれた濃厚なキスシーンに、「事前に視聴者にわかるようにしてほしい」と無茶振りとも思える意見が寄せられている。残酷シーンに対する意見も厳しい。2017年放送の猟奇殺人を扱った『CHAOS;CHILD』(TOKYO MXほか)は、「死体の表現がグロテスク過ぎる」と苦情が寄せられた。2007年放送の『School Days』(テレビ神奈川ほか)はアダルトゲームが原作の作品だが、三角関係が最後は殺人事件に結び付いてしまう内容。こちらは「他人に対する攻撃性を駆り立てるようなアニメは規制すべき」との意見が寄せられたが、最終話の放送日に偶然、親子間での殺人事件が発生し、放送は休止され、そのまま打ち切りになってしまった。国民的アニメも抗議からは免れない。1996年から放映されているミステリーアニメ『名探偵コナン』(読売テレビ・日本テレビ系)には、「『今回は誰が殺されるのだろう?』と子供たちが考えるとゾッとする」との意見が送られている。興味深い意見では、2015年に『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)を使った『宝くじ』のCMが、「子供の射幸心を煽っている」とする意見が寄せられている。 (大衆文化研究家 幕田けいた)


キャプチャ  キャプチャ

テーマ : 社会問題
ジャンル : ニュース

【ニッポン未解決事件ファイル】(43) 五霞町女子高生殺害事件(2004年)――美人ハーフ女子高生、祭りの後の奇妙な死

2004年1月31日早朝、川に浮かんでいる女性の遺体が全裸で発見された。原田実里さん(※当時21)の身体には、刃物で傷付けられた痕があった。前夜、酔い覚ましの為に外に出たきり、帰らぬ人となってしまったのだ。 (取材・文/ノンフィクションライター 八木澤高明)

20180205 03
茨城県の霞ヶ浦へと注ぐ清明川の河口に、全裸の女子大生の死体が浮かんだのは、2004年1月31日のことである。早朝の散歩で現場付近を歩いていた第一発見者は、てっきり「マネキンが浮いているのか?」と思ったが、河岸に血だまりがあり、「遺体だ」と確信して警察に通報した。遺体には首と左肩等3ヵ所に刃物で切られた傷があった。遺体の女性は茨城大学農学部2年の原田実里さんだった。遺体となって発見される前夜、彼女は当時付き合っていた男子学生と酒を飲みながら、一緒に過ごしていた。男子学生がうたた寝した午前0時頃、「散歩に行ってきます」というメモを残して部屋を出た。男子学生はドアが開閉する物音を聞いているが、てっきり「風呂にでも入ったのだろう」と思ったという。部屋には彼女の携帯電話と財布が残され、彼女の自転車が、遺体発見現場とは逆方向の、自宅から2.5㎞離れた資材置き場で発見された。警察は当初、「彼女の身近な人物の中に犯人がいる」と推定した。遺体からは2人のDNAが検出されていたことから、身の回りの人物のDNA鑑定を行なったが、一緒に過ごしていた男子学生は勿論のこと、遺体から採取されたDNAと合致する者はなかった。警察の見込みは早々に狂い、捜査は行き詰まった。更に、事件から暫くして、彼女の自転車が発見された場所で、ニッカボッカ姿の男が2人、白いワンボックスカーから自転車を下ろす姿が目撃されたことが明らかとなった。事件を考察する為、清明川の河口に足を運んだ。地元の住民に話を聞くと、釣りの人や地元民以外は殆ど訪れることのない場所だという。深夜、酔いを覚ます為に街に出た彼女は、そこで霞ヶ浦周辺の土地勘がある何者かに暴行目的で連れ去られ、自転車は偽装工作の為に資材置き場に捨て置かれた――。それにしても卑劣な犯行である。彼女が最後に瞼に焼きつけた犯人の1日も早い逮捕を願いたい。


キャプチャ  キャプチャ

テーマ : 社会ニュース
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

产品搜索
广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR