【有機EL&半導体バブル】(08) メモリーバブルは続き、大型M&Aも相次ぐ

20170821 16
世界半導体産業の景気指標であるフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は、今年3月、16年半ぶりに1000を突破して、愈々2000年来のバブルの様相を見せている。2016年後半からメモリー半導体の需給が急に逼迫し、読み書きが高速で行えるが電源を切ると情報は消えてしまうDRAM、読み書きは遅いが電源を切っても情報が消えないNANDフラッシュメモリー共に、価格が高騰し続けているからだ。本誌2016年10月25日号でも触れているように、データセンターのサーバーで、記憶装置がハードディスク(HDD)からNANDへ急速に移行している。一方で、主力のスマートフォン市場では、2017年1~3月期は前期比23%も売り上げが落ちた(※『トレンドフォース』調べ)。パソコン(PC)も2.4%下落した(※『ガートナー』調べ)。これら民生用がマイナス成長だったにも拘わらず、メモリー半導体は需給が逼迫している。PCについては、台数は減っているにも拘わらず、動作の高速化が求められ、HDDからフラッシュメモリーへの置き換えが急速に進んでいる。また、スマホは1台当たりのDRAM・NAND搭載量は共に急増している。今秋発売予定の『Apple』の新型iPhoneには、ノートパソコン並みの容量のメモリーが搭載される。アメリカの半導体市場調査企業『ICインサイツ』は、今年の半導体産業成長率予測を、年初に発表した5%から、4月には11%に上方修正した。ガートナーも同様に、7.7%を12.3%に上方修正している。「メモリー逼迫は、少なくとも今年前半、或いは1年を通して続く」と判断し直した為である。直近の2017年1~3月期と2016年の世界半導体企業売上高ランキングトップ10(※右表)を見ると、メモリーバブルの勢いがわかる。首位の『インテル』は、2017年1~3月期もその座を守ったものの、2位のメモリー最大手『サムスン電子』との差は僅か4%程度とかなり接近してきた。ICインサイツは、4~6月期のサムスンの売上高がインテルを追い抜き、史上初めて念願のトップに躍り出る可能性を予測している。『SKハイニックス』や『マイクロン』も2016年から順位を2つずつ上げる等、メモリーメーカーの好調さが目立つ。

一方、スマホ用のロジック(演算・制御用)半導体メーカーは苦戦している。中国向けスマホ用プロセッサーに強い台湾の『メディアテック』の2017年1~3月期の売上高が、前期比18%も落ち、ランク外となった。スマホ用アプリケーションプロセッサー(※ホームページ閲覧や検索を始め、様々なアプリ処理を担うマイクロプロセッサー)最大手の『クアルコム』も、順位を3つ下げて6位に留まっている。メモリーバブルを横目に、アメリカ勢は新たな策に出ている。成長の鈍ったPCやスマホ分野から脱皮し、今後成長の見込めるIoT(モノのインターネット化)・自動車・データセンター・AI(人工知能)分野へ迅速にシフトする為の大型M&Aに打って出ているのだ。相次ぐM&Aは、生き残りをかけた自己変革と捉えることができる。インテルは今年3月、先進運転支援システム、その為の画像処理用半導体チップを供給する『モービルアイ』を153億ドル(約1兆7000億円)で買収すると発表した。PC全盛時代に我が世の春を謳歌してきたジャイアントのインテルでさえ、モバイル時代には散々な思いをした。PCで培われた思想で、伝統的に低消費電力化より高速高性能化を優先する社風が災いしたからだ。その後、IoT時代を見据えて、データセンターの高速高性能サーバー向けプロセッサーを新たな事業の柱にして、既にシェア9割を握るに至った。しかし、その牙城である筈のデータセンター分野には、クアルコムや『アドバンストマイクロデバイセズ(AMD)』、更にはイギリスの『ARM』陣営も参入し、追い上げている。インテルもうかうかしていられない。モービルアイの買収は、車載ビジネスを逸早く次の事業の柱にする為の戦略だ。車載半導体を供給するには、数年かけて安全性や耐久性の認証を受ける必要がある。インテルは、モービルアイが築いてきた自動車関連機器メーカーとの密接な関係も利用でき、車載半導体の参入が容易になる。世界最大のファブレス(※製造設備を持たないメーカー)で、スマホ用アプリケーションプロセッサーの雄であるクアルコムが、半導体史上最高額の470億ドル(約5兆円)でオランダの『NXPセミコンダクターズ』を買収するのも、伸びが鈍化してきたスマホ向けから、車載・IoT向けへと舵を切る為の自己変革と言える。メモリーバブルは必ず弾ける。時期を巡っては見解が分かれている。しかし、バブルの始まりを誰も予測し得なかったように、需給の駆け引きや技術革新等、様々な要因が絡み合う複雑な環境では、終わりも予測し難い。昨年は全ての調査会社が半導体マイナス成長を予測していたが、後半からメモリー需要急増でプラス成長に転じたのだ。新型iPhoneの売り上げによっても、メモリー需要は変動するだろう。需給バランスなど無視した中国の巨大半導体工場建設計画では、2019年のメモリー量産開始を目指しているようだが、実現すれば、液晶ディスプレイ同様、供給過剰は必至だ。但し、バブル崩壊は産業衰退を意味しない。世界半導体市場規模の推移を見ると、需給変動による半導体景況感の大きな波を乗り越えて、マクロに見れば大きく成長しているのだ。今世紀に入り、半導体市場規模は倍増している。半導体を衰退産業にしてしまったのは日本企業だけだ。今はメモリーばかりに目が行きがちだが、半導体はIoT・自動運転・ロボット・AI等、今後成長が期待される分野の中核エンジンとして未来を開く知識創造型産業である。半導体産業の本当の勝負はこれからだ。激しい時代の変化に備えた足場を今のうちから築き、新たなメガトレンドに乗って、大きなチャンスを掴めた者だけが勝ち残るだろう。 (『服部コンサルティングインターナショナル』代表 服部毅)


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福島廃炉は今世紀中に終わらない、“40年・8兆円プラン”の虚妄――“石棺方式”に込められた思惑、チェルノブイリ型の鉄の楼閣

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「1Fは、このままでは“サグラダファミリア(聖家族教会)”になるぞ!」――。福島県民は多くを知らない。そのことに、一部の原子力関係者の不安と義憤は募る。“1F”こと『東京電力』福島第1原発の廃炉を巡り、『原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)』が今月に発表する技術戦略プランの策定が大詰めを迎えている。プラン策定は3度目であり、今回は2021年の燃料デブリの取り出し開始に向け、メルトダウンした1~3号機の号機毎の工事計画が固まる。ロボットやマニピュレーターの開発も本格化し、まさに廃炉の実践プランとなるものだ。しかし、肝腎の期間と費用はざっくり40年・8兆円と曖昧なままであり、逆に喧伝されているのは燃料デブリの“全量取り出し”の方針だ。恐らく、福島県民の大半は「40年・8兆円を費やせば、1Fは綺麗に“更地”になる」と思い込んでいるだろう。しかし、原子炉格納容器の底部に飛び散った燃料デブリの回収は、前人未到の事業なのだ。あるNDF関係者は打ち明ける。「3基合わせて約880トンのデブリの内、回収できるのは精々半分。が、そのことを県民に知らせていないので、40年が80年・100年かかっても全量取り出しを続けることになる」。つまり、建築家のガウディが設計したバルセロナの世界遺産宛ら、世紀を跨いで石積みプロジェクトが続くという訳だ。しかし、NDF事務方の経済産業官僚は、そのことを意識していた形跡がある。前回、2016年版プランには、“石棺方式”の4文字を忍ばせていたからだ。

「こんなこと、書く必要ないだろ」――。昨年6月、2016年版プランを審議していたNDFの廃炉等技術委員会は、1人の専門家から原子炉をコンクリートで覆う“石棺方式”に不審の声が上がった。旧ソビエト連邦のチェルノブイリ原発の事故処理と同じ方式であり、下手に触れれば地元の反発を招く。事務方は「石棺を採用しない方針を明記する」と押し切ったが、その書きぶりは微妙であり、「今後、柔軟に見直しを図る」とも追記されていた。発表当日の7月13日、NHKが「廃炉計画で初めて“石棺”に言及」と報じると、案の定、地元は大騒ぎとなった。翌日上京した福島県の内堀雅雄知事は、経済産業省の高木陽介副大臣、NDFの山名元理事長に抗議。政府側は陳謝して、文言を削除した。石棺方式を忍ばせたのは、経産省原発事故収束対応室の湯本啓市室長と、同省出身であるNDFの池上三六執行役員である。両氏の周辺からは、こんな声が聞こえる。「経産省は、デブリを全量取り出せない場合を想定し、“石棺”の選択肢も残しておきたかったのではないか?」。当時、1F事故債務の負担スキームを議論する経産省の有識者会合が始動する直前だった。その後、事故債務は約22兆円へ倍増。この内、廃炉費用も約2兆円から8兆円へ膨らみ、東京電力ホールディングスが全額負担する枠組みが決まった。が、当初は国民負担を主張する声もあり、その場合の世論の反発を恐れ、経産省は廃炉費用の膨張を防ぐ石棺方式に言及したとも受け取れる。8兆円は腰だめの数字に過ぎないが、それでも、東電HDはNDFが創設する基金に毎年3000億円ずつ積み立てていく。廃炉費用は1兆円引き当て済みなので、残る7兆円を毎年3000億円で割ると約23年。燃料デブリの取り出しは、遅くとも2045年には完了していなければならない計算だ。しかし、最新の調査によると、1F2号機の原子炉格納容器内の放射線量は、毎時530Sv。人間が1分で致死量に達する高線量であり、その中でロボットを駆使しつつ、足場にこびり付いたり、配管に入り込んでいる燃料デブリを回収するのは容易ではない。仮に、取り出し開始から10年が経って、半分は回収できたものの、半分の回収見通しが立たず、積立基金も底を突いたらどうするか? しかも、あと20年もたない原子炉建屋の老朽化も進んでいるはずだ。内閣府関係者は、1F事故当時を振り返り、こう指摘する。「最初のボタンの掛け違いが今になって影響している。公的な廃炉機関を作るべきだった」。1F廃炉の中長期ロードマップが2011年12月に策定されたのを受け、当時の原子力委員会は廃炉の第三者機関の設立を訴えていた。イギリスの『原子力廃止措置機関(NDA)』をモデルとしたその構想は、“国が事故処理に責任を持つ”ということだ。しかし、財政負担を嫌う財務省は黙殺し、電力業界も国の関与が深まる日本版NDA構想を敬遠した。つまり、事故処理を東電の無限責任に帰したのである。

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【南鳥島に注目せよ!】(19) コバルトリッチクラストの発見と開発

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開発に向けての気運が高まりつつある日本近海の海洋資源。海底に眠る鉱物資源だけでも、南鳥島周辺海域のレアアース泥に、沖縄近海で次々と発見されている海底熱水鉱床、第4回で詳しく解説したマンガン団塊等、先々の商業化が期待されるものが幾つもある。その内の1つが、第7回で少しだけ触れているコバルトリッチクラスト。マンガンクラストとも呼ばれるが、マンガン団塊とは似て非なるものなので、混同しないように注意したい。鉄とマンガンが主成分の酸化物であるのはマンガン団塊と同じだが、こちらは海山の斜面や頂上付近にある玄武岩等を、数㎜~数十㎝の厚さでアスファルト状に覆っている。右にその断面写真を掲載しているが、球形に近いマンガン 団塊とは形状が大きく異なるのが見てとれるだろう。その名の通り、コバルトを豊富に含んだ鉱物で、その含有量はマンガン団塊の3~5倍。それ以外にも、ニッケルや少量の白金、更に高濃度のレアアースまで含むという豪華な組成である。前述したように、厚さは無いのだが、海山の頂上付近を覆うように広範囲で分布している為、資源量はかなりのもの。但し、海山の起伏に富んだ地形は、開発の大きな障壁だ。これにどう対応するかは、コバルトリッチクラスト開発が抱える大きな課題。多様な資源を含んでいる為、陸上での分離・精錬プロセス確立も非常に難しい。商業化に至るには、まだまだ時間が必要だろう。

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コバルトリッチクラストが世界で初めて注目を集めたのは、1980年代初頭のことだ。ドイツの研究グループが、「経済的ポテンシャルが期待できる海底資源」と発表。コバルト需要が世界的に伸びていた時期でもあり、多くの国がマーシャル諸島-ミクロネシア海域や、その北方の公海域で調査を行っている。日本も公海上を中心に、1987年から調査を実施。2008年からは排他的経済水域における調査も始まった。その結果、南鳥島の南南西に位置する拓洋第5海山でコバルトリッチクラストの存在を確認。因みに、この周辺は、高濃度のレアアース泥が大量に眠っている海域でもある。拓洋第5海山は、まさに“宝の山”だ。2016年2月には、『海洋研究開発機構』と高知大学が拓洋第5海山での試料採取に成功。水深3500mまでの現場観察や試料採取は、これまでにも行われていたが、水深5500mを超える深さで成功したのは、これが初となる。そして公海上でも、先々の開発を見据えた動きが見られている。日本と中国は2012年、コバルトリッチクラストの公海上での探査を『国際海底機構』に申請。これが2014年に認められ、南鳥島の東南東にある海山の密集地での15年間に亘る探査権を取得した。極めて有望な資源だけに、先ずは採鉱や揚鉱の実証実務までこぎ着けたいところ。困難は大きいが、楽しみはもっと大きい。


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【有機EL&半導体バブル】(07) 『ジャパンディスプレイ』、周回遅れで開発加速へ

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スマートフォン向け有機ELで独り勝ちの『サムスンディスプレイ』を横目に、『ジャパンディスプレイ(JDI)』は液晶の機能を向上させる戦略で対抗してきた。しかし、この戦略はマーケット動向を見誤った教命的な判断ミスだった。「スマホの有機EL化への流れは止まらない」(『ディスプレイサプライチェーンコンサルタンツ』の田村喜男氏)中、今年度になって有機EL開発に軸足を移した。独自技術で捲土重来を期すが、先行きは不透明だ。JDIは有機ELの研究開発は進めてはいたが、技術的課題から量産化には至っていない。液晶の機能強化で薄型化や省電力化を進めており、今年1月にはプラスチック製の“曲がる液晶パネル”を開発し、有機ELに対抗する姿勢を見せていた。しかし、昨年からスマホメーカーで有機ELへの需要が急増。JDIの重要顧客である『Apple』が今年、サムスンディスプレイに有機ELパネル7000万枚を発注し、来年には『LGディスプレイ』にも発注することが既定路線となりつつある。結局、JDIは戦略転換に追い込まれた。有賀修二社長は、「スマホメーカーにとって有機ELが魅力的な商品になっている。大きなトレンド」と認めざるを得なかった。電機業界のトップアナリストだった佐藤文昭氏(『産業創成アドバイザリー』代表)は、「後発のJDIは、サムスンより高品質の製品を低コストで製造するラインを作らなければ意味がない」と指摘する。

JDIが起死回生の策に見込むのが、独自の蒸着方式だ。技術が確立すれば、サムスンやLGの方式に対して、高い生産効率・高精細・設備面積が小さい――といった利点が実現できる。JDIは、量産技術が確立すれば、中国等のディスプレイメーカーに技術を供与して、ライセンス料を取る新たなビジネスモデルも描く。その独自技術による有機ELは石川工場で試作しており、「性能では他社に追いついている」(有賀社長)。但し、畳大のパネルから数枚が取れるのみの“開発”と、年間数千万枚を供給できる“量産”では、難易度が全く違う。有機EL材料を畳大のパネルに傷無くムラ無く蒸着するのには、技術が必要だからだ。今後、茂原工場(千葉県)に量産ラインを作り、“2018年上期の量産開始”を謳ってはいる。しかし有賀社長は、「量産知識が無いので練習みたいなもの。本格的に量産するのは2019年か2020年」として、2018年中のAppleへの供給は不可能と認めている。サムスンでも5年以上はかかったという量産化の壁が、JDIの前に立ちはだかる。JDIは、『日立製作所』・『ソニー』・『東芝』の中小型液晶(※スマホや車載向け)事業が統合して、2012年に発足した。一方、ソニーと『パナソニック』の有機EL開発部門が統合してできたのが『JOLED』だ。医療用等の中大型有機ELを開発はしているが、量産の実績は無い。両社とも、『産業革新機構』の出資を受けている。また、JDIはJOLEDに15%を出資して、技術の情報交換等に役立てていた。昨年12月、革新機構は、①JDIにJOLEDの株式を譲り渡して完全子会社化させる②JDIに750億円を上限とする追加支援を行う――ことを明らかにした。革新機構は「有機ELの技術革新と、新たなビジネスモデルの構築に取り組み、産業構造の革新を目指す」と説明するが、苦境に喘ぐ両社救済の色合いが強いスキームとなった。 (取材・文/本誌 種市房子)


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【南鳥島に注目せよ!】(18) レアアース生産を中国が独占した背景

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中国が市場シェアの殆どを握るレアアース。埋蔵量そのものが多いとはいえ、世界の生産量に占める中国の割合は、まさに圧倒的だ。では先ず、右画像左下にある円グラフを見て頂こう。世界のレアアース埋蔵量を纏めたもので、1位の中国が42%を占めている。但し、2位のブラジルも17%と埋蔵量は多く、“その他”が37%あるのもポイントと言える。しかし、生産量になると中国の独壇場に。右画像上に掲載しているのが、レアアースの生産量を図解したものである。1990年代まではアメリカもそれなりの量を生産していたのだが、その後は中国による“寡占”が継続。需要は未だグングン伸びているのに、供給は世界が中国に依存するという極めてリスキーな状況に陥ってしまった。では何故、このような状況が生まれたのか? その背景にあるのが、中国の仕掛けた安値攻勢だ。レアアース以外のマテリアルや電子機器についてもそうだが、人件費等が安いのもあって、中国には他国よりも低コストで生産できる強みがあった。レアアース生産に必要な放射性元素の処理も、環境規制の緩さから、かなりの低コストで済ませていた筈だ。

これを武器とした徹底的な安値攻勢で、他国生産のレアアースを市場から駆逐。当然ながらレアアースの価格は下落し、収益を見込めなくなった中国以外の鉱山は、生産休止を余儀なくされた。斯くして中国は、世界のレアアース需要を一手に担う輸出国となったのである。これと全く同じ流れで、中国が圧倒的なシェアを握ったものにタングステンがある。レアメタルの一種で、その硬度の高さから、金属加工に必須な超硬合金や特殊鋼の生産等に用いられている。現在のタングステン市場で、中国が握るシェアは90%以上。世界の埋蔵量に占める割合も60%前後と非常に高く、レアアース以上に安値攻勢をかけ易い。埋蔵量の多さにものを言わせて、タングステンの安値攻勢を仕掛けたのが1980年代のこと。レアアースと全く同じパターンで、他国のタングステン鉱山は閉鎖に追い込まれた。嘗ては日本にも幾つかのタングステン鉱山があったが、中国の安値攻勢に耐えられず、全て閉山。これに味をしめた中国が“二の矢”を放ったのが、レアアース市場なのである。シェアさえ完全に握ってしまえば、その後の価格コントロールは容易いもの。安値攻勢で一旦は下落した価格も、生産量や海外への輸出量を減らせば一気に高騰する。ネオジム(Nd)も、近年の価格変動が非常に大きかったレアアースの1つ。“ネオジム磁石”の原料で、ハイブリッド車の駆動用モーターや発電用モーター生産に欠かせない存在だ。需要拡大で価格は一気に跳ね上がったが、輸入先の各国はリサイクル技術や代替材料の開発で、これに対抗。それが功を奏して、価格相場も落ち着きを取り戻している。


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【有機EL&半導体バブル】(06) 「タッチセンサーに新たな商機」――出口敏久氏(『住友化学』副社長)インタビュー

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――どのような製品を作っているか?
「小型ディスプレイ(※スマートフォンやタブレット端末)向けには、偏光板とタッチセンサーを製造している。この内、タッチセンサーでは、ガラス製とフィルム製双方を供給できる。将来に向けては、カバーガラスの代替部材であるウインドーフィルムも計画している」

――住友化学は液晶ディスプレイ部材も提供していた。有機ELはどうビジネスモデルが違うか?
「高級液晶ディスプレイでは、タッチ機能が液晶に内蔵されている“インセル型”が主流だった。これに対して、有機ELは構造上、内蔵するのは難しく、外付けが中心となっている。これは、タッチセンサーメーカーにとっては大きなビジネスチャンスだ」

――ガラス製とフィルム製、タッチセンサー其々の用途は?
「ガラス製のタッチセンサーは、平面のディスプレイ用なのに対して、フィルム製は曲げられるディスプレイ用だ。今後、フィルム製タッチセンサーの霊要が増えると判断し、韓国拠点の生産能力を来年1月から現行比で3倍強に増強する」

――需要増を見込む根拠は?
「スマホやタブレットを折り畳む、或いは巻物状にするという要望が、デバイスやディスプレイメーカーからある。折りたたみ式ディスプレイは、広げた際に折り目が残るといった技術的課題があり、現在は量産段階ではない。しかし、当社はデバイスやパネルメーカーと協力して、折りたたみ式にも対応できるフィルム製タッチセンサーを開発している。韓国拠点の生産能力増強は、この技術も織り込んだ上でのものだ」

――曲げられるという点では、過去にも湾曲したスマホがあったが、市場では受け入れられなかった。
「湾曲しているスマホやテレビは、曲げた状態を固定したものだ。今後のアピール点である“曲げられる”とは、自由自在に折り曲げる、或いは丸めることだ」

――平面用のガラス製タッチパネルの設備は増強しないのか?
「当社は既に世界需要の7~8割を供給できる能力があり、十分だと考えている」

――住友化学の強みは?
「有機EL層の上にある表面部材を一括してセット供給できることだ。パネルメーカーは、材料や装置を多様なサプライヤーから調達し、これらのすり合わせ技術により製品を開発する。それには多くの手間と時間がかかる。偏光板とタッチセンサーを別々のサプライヤーから調達すれば、すり合わせが必要だ。しかし、当社は偏光板とタッチセンサー、その他の部材を一体化したモジュールとして供給することが可能であり、パネルメーカーは開発を迅速に行うことができ、延いてはコスト削減に繋がる」

――今年3月期は、偏光板・タッチセンサーとも販売価格が下がっている。技術が陳腐化して、他社との価格競争に巻き込まれる“コモディティー化”の懸念はないか?
「コモディティー化が起きるのは、普及期から成熟期にかけての時だ。成熟期になれば、ある程度、価格の下がり方が緩やかになってくる。事業環境が厳しいことは事実だが、適切に技術力・コスト競争力を保てば、成熟期を過ぎても利益を確保できる。当社も、今後はスケールメリット等でコストダウンは可能という見通しがある。足元の不規則な途中経過だけで判断しないで、最後まで見てほしい」 (聞き手/本誌 種市房子)


キャプチャ  2017年6月13日号掲載

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【南鳥島に注目せよ!】(17) まだまだ増える海底熱水鉱床の資源量

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2007年に海洋基本法が施行され、最初の海洋基本計画が策定されたのが2008年。これを受けて、メタンハイドレートや海底熱水鉱床等の海洋資源を、商業化を目指して開発する動きが一気に加速する。海底の探査が精力的に行われる中で発見されたのが、本連載でこれまで取り上げてきた数々の海底熱水鉱床。それ以外にも、小笠原海域のベヨネース海丘で発見されている“白嶺鉱床”や、2016年の調査で新たに発見された沖縄近海の“田名サイト”や“比嘉サイト”等、枚挙に暇が無いほどである。また、発見後に行われた深部ボーリング調査等によって、新たな事実が判明したというケースも少なくない。例えば、『石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)』によって開発の実証実験が行われる、沖縄海域・伊是名海穴の“Hakureiサイト”がそうだ。2013年の時点で、Hakureiサイトの資源量は340万トンと推測されていた。これは、嘗て秋田県で操業していた中規模黒鉱鉱床である『深沢鉱床』と同程度の規模だと言える。

ところが、2014年に行われた深部ボーリング調査によって、驚きの事実が判明する。先ずは、マウンド自体が推測よりも大きかった。“海底面よりも下”に存在する部分を、前回のボーリング調査では把握できていなかったのだ。そして、マウンド周辺の“海底面より下”では、層状になった非常に大きな鉱体の存在を確認。つまり、340万トンは、“海底面よりも上”にあった部分の資源量に過ぎなかったのである。マウンドの“海底面よりも下”にあった部分の資源量が50万トンで、新たに発見された下部鉱体の資源量は何と350万トン。合計400万トンがプラスされ、Hakureiサイトの資源量は一気に740万トンにまで膨れ上がったのである。このように、現在までに推測されている海底熱水鉱床の資源量は、今後の調査や新技術の投入等で更に増加する可能性がある。小笠原海域のべヨネース海丘で行われたボーリング調査により、白嶺鉱床の資源量は10万トンと推測されている。Hakureiサイトと比較すると小粒だが、この調査も海底表層部のチムニーやマウンドが対象で、海底面より下に“お宝”が眠っている可能性は否定できない。沖縄近海の田名サイトと比嘉サイトは、2016年に発見されたばかりの新たな海底熱水鉱床でもあり、海底観察・物理探査・ボーリング調査等が行われるのはこれから。資源量が評価されるまでには、もう少し時間が必要だろう。とはいえ、南北800m×東西600mの広い範囲に、大小多数のチムニーやマウンドが群集して分布する田名サイトには、かなりの資源量が期待できそう。採取された試料が、金や銀等貴金属を多く含有する等、ポテンシャルも高そうである。


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【有機EL&半導体バブル】(05) 形状の自由度が車載で強み、自動運転で広がる使途

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ディスプレイ需要において自動車は大きな柱であり、今後も存在感は高まっていく。世界の自動車生産台数は、2016年の9000万台強から、2022年には1億300万台へと増加し(※IHS Markit:Maritime&Trade参照)、同期間にディスプレイ装着数も1億枚強から1億7000万枚強へと増える予測もある(※『矢野経済研究所』調べ)。数量増だけではなく、大型化も進んでいる。『テスラ』は、『モデルS』で17インチ(※対角線約43インチ)という車載では類を見ない大型ディスプレイを採用した。また、『トヨタ自動車』の『プリウスPHV』でも11.6インチ(※同約30インチ)のディスプレイを採用する等、高級車以外でも大型化が進んでいる。また、『メルセデスベンツ』の『Eクラス』のように、メーター全体をディスプレイにして、従来のセンターディスプレイと繋げて一体化する例もある。日本でも、サイドミラーを無くしてカメラを取り付け、車内ディスプレイで後方を確認する“ミラーレス車”が法改正で解禁された。今後は、後方を確認するディスプレイの採用やワイド化も進むだろう。このように、大型化・多様化するディスプレイは、現在は液晶が主流だが、有機ELの導入も検討されている。曲げられるという有機ELの形状の自由度は、今後、重要性が増す内装デザインの差別化要因となるからだ。また、既に反応速度や色彩のコントラストを生かして、ミラーレス車のコンセプトカーにも使われている。課題だった寿命・消費電力・製造コストも、実用に足る水準に達しており、今年末には複数のヨーロッパ完成車メーカーの量産車への採用も囁かれている。今後、車載ディスプレイ需要では、HMI(Human Machine Interface)の概念の広がりという新たな追い風が吹く。これは、機械(※本稿では自動車)と人とが情報を授受する相手や手段が変わることを意味する。

現在の手動運転における車載ディスプレイの位置付けは、運転手が地図情報を見たり、エアコンの設定を変える時に使うもので、車両と運転手の情報授受が中心だ。歩行者に対しては、運転手がアイコンタクトやジェスチャーで「お先にどうぞ」という意思表明をしている。しかし自動運転では、このようなサインは車外に向けた車載ディスプレイが送る。実際、『Google』も“歩行者への通知”という名で、車外に情報を表示する特許を取得している。また、車内にいる人も、運転手ではなく乗員として、映画やゲーム等、運転とは無関係な情報授受が中心となる。つまり、ディスプレイの役割は、車両と歩行者・乗員との情報授受へとシフトするのだ。自動運転の車両では、運転から解放されることで、乗員が如何に車内で有意義に過ごせるかが重要となる。そこでは、車内空間の在り方が問われる。『フォルクスワーゲン(VW)』が今年3月に発表した完全自動運転のコンセプトカー『セドリック』(※左上画像)では、前面ウィンドウに透過性の有機ELディスプレイを備えている。このディスプレイで、映画鑑賞やビデオ会議の映像を映し出せる。自動運転のフェーズが進めば、これまでとは次元が違う大型ディスプレイが備わるようにもなり、有機ELの商機も広がるだろう。車と人との情報伝達という点から言うと、ディスプレイ以外の技術進化も著しい。『BMW』は既に、ジェスチャーでエアコン温度やカーオーディオ音量を調整できる技術を市販化している。これからは、『アマゾンエコー』のようなAI(人工知能)を備えた音声認識も、存在感を増していくだろう。BMWは、車内で音声認識を通じて買い物をするデモンストレーションを行っている。完全自動運転になれば、乗員はディスプレイだけをずっと見ていることもできる。しかし、実現までは手動運転が必要であり、ディスプレイ経由の情報授受の手段には制約がある。一方で、音声認識端末はアメリカ等で急速に家庭に広がっている。海外の研究機関によると、今年末までにアメリカだけでも累計3300万台、つまり4世帯に1台普及するとの予測もある。車載での有機ELの競合は、液晶等他のディスプレイとは限らない。有機EL需要は、単体の技術進化や価格動向だけでなく、自動運転の普及、音声やジェスチャー認識との競合等、大局的な視点から捉えることが重要ではないか。 (『ローランドベルガー』パートナー 貝瀬斉)


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【南鳥島に注目せよ!】(16) 新資源発見を支える日本の立役者たち

20170719 06
前回少しだけ触れた、沖縄近海で発見された海底熱水鉱床の1つである『ごんどうサイト』。久米島沖にある第3久米海丘で、こちらは海上保安庁が発見したものだ。海丘とは、海底からの高さが1000m未満の海山を指して使う言葉である。沖縄本島から100㎞ほど西に位置する久米島。ダイビングの人気スポットとしても知られるこの島の近海で、国内でも最大級のチムニー群が発見された。海底熱水鉱床の周辺には、必ずといっていいほど存在するチムニー。逆に言えば、海底にチムニー群があれば、そこには海底熱水鉱床が存在しているということだ。この発見の立役者が、海上保安庁が誇る最新鋭の自律型潜水調査機器『ごんどう』である。AUVとも呼ばれる、プログラムされた経路を自動で潜行して調査を行う優れもの。深く潜行しての調査が行えるので、水深の深い海域であっても微細な海底地形を検出できるのだ。このごんどうによる訓査で、水深約1400mの海底に、南北1500m・東西300mという広大な範囲で、チムニー群が分布しているのが判明。周辺には、高さ10m程度のマウンドも多数認められた。

チムニーの高さは10m級のものが多かったが、20mを超える巨大なものも存在。黒色~透明の熱水が噴き出していることから、周辺のマウンドも、チムニーの熱水活動により形成された“熱水マウンド”と推測される。この結果を受けて、AUVを使った更なる探査や、試料の採取等が2014年11月に行われた。採取された試料は、銅を13.0%、亜鉛を12.3%と大変多く含有しており、クオリティーの高さも文句無し。チムニー群が分布する範囲の広さからも、かなりの資源量が期待できる有望な海底熱水鉱床と言える。商業化へ向けた動きが急ピッチで進められている海底熱水鉱床だが、中心的役割を担っているのが『石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)』。研究機関や民間企業と連携しつつ、様々な開発プロジェクトに取り組んでいる。海底熱水鉱床の開発計画も長期に亘るもので、第1期である2008年度~2012年度には、日本の排他的経済水域における資源量の評価や、環境に配慮した開発技術の検討等が行われた。最新の海洋資源調査船『白嶺』にも搭載されているマルチビーム音響測深装置等により、地道に進められた海底地形の調査。沖縄近海で発見された数々の海底熱水鉱床は、そんな弛まぬ努力の“結晶”である。世界に先駆けて実証実験が行えるのも、採掘試験機のテストや掘削試験といった数々のトライ&エラーと、データの蓄積があるからこそだ。それに、採鉱や揚鉱に成功した後にも課題はある。海底熱水鉱床から採取した鉱石の組成はかなり複雑で、その分離・精錬を行う過程で、既存の方法が使えるかどうか判然としないのだ。商業化に向けたJOGMECや研究機関の奮闘は、まだまだ続いていく。


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【有機EL&半導体バブル】(04) 『サムスン』も『Apple』も中国勢もVR普及で商機拡大か

20170718 14
ここ最近、スマートフォンのディスプレイに、液晶ではなく有機ELを搭載するケースが急速に増えている。中でも大きなインパクトを与えたのが、韓国の『サムスン電子』が今年3月に発表した新スマホ『ギャラクシーS8』・『ギャラクシーS8プラス』だ。両機種は約6インチの大きな画面サイズで、縦長のデザインにした。この特性は映画鑑賞で発揮される。横に倒すと、他機種より映画で採用する横長のサイズ感に近く大画面を楽しめるからだ。更に、有機ELならではの特性をフルに生かして、左右の両側面をカーブさせること等で、ディスプレイの縁の部分を極限まで取り除いた“インフィニティー(無限)ディスプレイ”を採用した。サムスンは、昨年発売したスマホ『ギャラクシーノート7』がバッテリーの発火事故を相次いで起こし、顧客からの信頼を大きく落としていた。だが、ギャラクシーS8シリーズは、ディスプレイのインパクトの大きさから大きな注目を集めている。先行して販売されている韓国では、「予約販売だけで100万台を超えたと」の報道もなされる等、事故の影響を吹き飛ばす人気となっている。有機ELディスプレイを採用したスマホを積極的に投入しているのは、サムスンだけではない。世界市場で躍進を遂げている『オッポ』・『ビーボ』・『シャオミ』といった中国の新興スマホメーカーが、主に高級モデルで採用するケースが増えているのだ。また、『富士通コネクテッドテクノロジーズ』の『らくらくスマートフォン4 F-04J』のように、国内メーカーでも採用するケースが出てきた。

更に、一部報道では、「Googleのスマホ“ピクセル”や、AppleのiPhoneの次期モデルにも有機ELが採用されるのではないか?」という観測情報もある。サムスンに次ぐ市場シェアを持つAppleが、iPhoneへの有機ELの本格採用へと動いた場合、他のスマホメーカーもより積極的に有機ELの採用へと舵を切るだろう。そうなると、有機ELディスプレイのシェアが一層高まり、液晶の存在を脅かす可能性もある。今後発表されるiPhoneの新機種で、有機ELがどこまで本格的に取り入れられるかが注目される。何故、スマホのディスプレイに有機ELを採用するメーカーが増えているのだろうか? 理由の1つとして考えられるのは、元々、有機ELがバックライトが不要なことから、薄型化や省電力化がし易いことだ。これに加え、横・斜めと正面から逸れても画面が見られる範囲である“視野角”が広く、屋外でも見易い点も強みだ。有機ELには、長時間表示した画像が残像で映る“焼き付き”が生じ易いという弱点があるものの、スマホは買い替えのサイクルが早いことから、テレビと比べ焼き付きが大きな問題となり難いというのも、採用し易いポイントと言えるだろう。有機ELは液晶よりも値段が高いことから、採用するメーカーも限られていた。だが、最近では『サムスンディスプレイ』を中心として量産体制が進んだことにより、メーカー側が購入・調達し易くなっている。それ故、スマホの進化が停滞し、市場も停滞傾向にある中で、新たな差異化要素として有機ELを採用するケースが増えていると言えそうだ。そしてもう1つ、有機ELの広まりに大きく影響していると考えられるのが、仮想現実(バーチャルリアリティー=VR)の存在だ。最近、『ソニー』の『プレイステーションVR』等、ヘッドマウントディスプレイを装着して、リアルな仮想空間を体験できるVRの人気が高まっている。その波はスマホにも押し寄せており、Googleがアンドロイドスマホ向けのVR共通システム『デイドリーム』を開発した。デイドリームの技術仕様に沿って、VRに対応したスマホ、アプリ、ヘッドマウントディスプレイが開発・製造されることになる。VRのコンテンツを快適に楽しむには、人間の動きに映像が素早く追従し、映像がぼやけないことが必須となる。そうでないと脳が違和感を起こし、車酔いに似た“VR酔い”のリスクがあるからだ。その為、VR用のヘッドマウントディスプレイには、酔いを起こさず快適にコンテンツを楽しめるよう、応答速度が速い有機ELを採用することが殆どだ。同様の理由でVR対応を謳うスマホにも、有機ELの採用が一般的となりつつある。実際、スマホ向けVR分野で先行するサムスンの高級モデルや、デイドリームに対応した台湾の『エイスース』、アメリカの『モトローラモビリティー』、中国の『ZTE』等のスマホにも、有機ELディスプレイが採用されている。

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