オカルト化するサイバー戦争、意味不明な攻撃も

20180720 03
暫く前、国家安全保障担当の元高官が“サイバー9.11”の危険について警告するのを聞いて、筆者は不安を覚えた。恐れられていたのは、テロリストのハッカーが電力供給網、金融ネットワーク、航空管制といった重要インフラを攻撃することで、大騒動を引き起こしかねないことだった。別の安保当局者がその後、「これは悪いたとえ方だ」と主張するのを聞いて安堵した。だが、この人が挙げた類推はそれ以上に不穏だった。1914年8月と対比してみせたのだ。サイバー空間はあまりに不透明な為、とんでもない誤算が破滅的なエスカレーションに繋がるリスクは、身の毛がよだつほど大きい。究極の悪夢は、丁度ヨーロッパの政治指導者たちがあれよあれよという間に第1次世界大戦に突入してしまったように、我々が無意識のうちにサイバー版アルマゲドンへ突入してしまうことだ。恐ろしいシナリオを描くのは簡単だ。世界は今、物理的な繋がりより電子的な繋がりに大きく依存するようになっている。イギリスの半導体設計大手『アームホールディングス』は、「2035年までにネットワークに接続された端末が1兆台使用されているかもしれない」と推計している。このような相互接続性には多大な恩恵がある。だが、超の字がつくような複雑さには、とてつもなく大きな脆弱性も潜んでいる。ほぼ全ての端末が潜在的な弱点であり、ネットワーク化された大きな世界への入り口になるからだ。その性質からして、電子戦は物理的な戦争よりも安上がりで速く、偽装するのが格段に容易だ。標的は広範に定められる。原子力発電所、政党、映画スタジオといったものだ。攻撃を仕掛けたのが国家なのか犯罪者なのか、それとも両方なのかを判別するのが難しいこともある。攻撃は簡単に隠すことができ、世界中に拡散できることから、報復のリスクが高くなる。

例えば、攻撃されたアメリカがシベリアの犯罪集団にハッキングで反撃し、代わりに中国のデータサーバーを破壊する結果になるかもしれない。技術が思わぬ形で跳ね返ってくる危険は、元々アメリカによって開発されたマルウェア『ワナクライ』が北朝鮮に利用された一件で浮き彫りになった。サイバー戦争の非対称な性質は、強者よりも弱者に有利に働く可能性もある。中国、ロシア、イランは何れも自国のサイバー能力を、通常戦力によるアメリカの軍事的優位性に対抗する手段と見做してきた。北朝鮮のように、接続していないことで報復を受けずに済むという意識を強める可能性さえある。あるアメリカ政府高官がそっけなく表現したように、電気を供給できる能力が無い国に対し、停電を引き起こす攻撃を仕掛ける意味があるのか。アメリカの各情報機関は、数年前から議会向けの年次報告書で、サイバー空間の脅威をテロリズムより大きなリスクとして特定してきた。アメリカ政府は6200人以上の人員を含む133チームのサイバー作戦部隊を創設する方針で、陸、海、空、宇宙を制してきたように、戦争の“第5のドメイン(※作戦領域)”を支配することを目指している。アメリカの戦略家は次第にサイバー部隊のことを、他と切り離された活動領域ではなく、武器庫に収まっている多くの武器の1つと見做すようになっている。ジョン・ハイテン戦略軍司令官は昨年、「我々は異なる作戦領域を区別する罠に陥ってはならない」と述べた。「宇宙戦争等というものはない。あるのは只の戦争だ。サイバー戦争等というものもない。あるのは只の戦争だ」と、ある防衛会議で語っている。『ニューヨークタイムズ』の最近の報道によると、アメリカは今、より攻撃的なサイバー戦略に移行しつつあり、完全に姿を現す前に脅威を阻止しようとしている。だが、これは全面的な紛争のリスクを高めるだけかもしれない。アメリカは既に、イランの遠心分離機や北朝鮮のロケット、テロリストの通信を無効化するノンキネティック(※非物理的)作戦を実行している。『パーフェクトウェポン』と題したぞっとする新著で、デビッド・サンガー氏は30以上の国・地域が実動的なサイバー部隊を立ち上げた様子を詳述している。その結果、過去10年間で少なくとも200件の国家対国家の攻撃があった。最も激しかったのが、ロシアとウクライナの間の攻撃合戦だ。「我々はサイバー防衛を強化し、誤解が生じる可能性を低くする為に、基本的な国際協約を設けることができるかもしれない。だが、我々は未だ、今の時代に相応しい軍備管理体制を何ら築くことができていない」と、サンガー氏は言う。それをやるまでは、安保当局者の最悪の恐怖が現実と化し、我々がうっかりとサイバー世界大戦に陥ってしまうリスクが残る。既に確実なのは、我々が戦略地政学的に魑魅魍魎が蔓延るオカルト世界に入り込んでしまったことだ。誰が誰を攻撃しているのかわからず、何故攻撃しているのかさえもわからないような世界だ。1918年にブレスト=リトフスクで講和会議が開かれた当時、ソビエト連邦のレフ・トロツキー外務大臣は「戦争でも平和でもない」という革命的なドクトリンを考案した。これは今、不気味なほど馴染みのある概念のように聞こえる。サイバー空間での戦争とは何かを定義しない限り、それがどのように戦われるのか、殆ど知りようもないのだ。 (John Thornhill)


⦿フィナンシャルタイムズ 2018年6月26日付掲載⦿
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【追跡・仮想通貨】(05) 他人PC操り“採掘”

20180524 08
昨年12月、滋賀県大津市にある社団法人『滋賀グリーン購入ネットワーク』のサイトを閲覧していた滋賀県庁の職員のパソコンが、異常を検知した。専門業者が調査すると、サイトが改竄され、コインハイブと呼ばれるプログラムが無断で仕込まれていた。仮想通貨には、膨大な取引履歴をインターネット上の台帳に記録する作業に協力すると、新規発行の通貨が得られる“マイニング(採掘)”という仕組みがある。コインハイブは、サイトや広告に仕込むことで、閲覧する多くの人のパソコンやスマートフォンのデータ処理機能をマイニングに使い、仮想通貨『モネロ』を採掘できるプログラムだ。この社団法人のサイトにコインハイブが仕込まれていたのは3日間。担当者は、「月間の閲覧数は13万件程あり、気付くのが遅れれば多くの方に迷惑をかけるところだった」と話す。他人のパソコン等をマイニングに無断で使う不正行為が広がっている。以前はメールや不正サイト経由でパソコンをウイルスに感染させ、マイニングを行なっていたが、昨秋、インターネット上で公開されたコインハイブは、「広告に頼らずに収益が得られる」と謳い、誰でも利用できる。

これをサイトに仕込み、閲覧者のパソコンやスマホを無断で使う手口が急増している。情報セキュリティー会社『トレンドマイクロ』は、人気漫画等を無断で掲載していた海賊版サイト『漫画村』にも、コインハイブが仕込まれていたことを確認した。漫画村の運営者か、別の誰かが仕込んだのかは不明だが、多くの人が長時間閲覧する漫画村は、マイニングには好都合だ。『ツイッター』には一時期、「漫画村を見るとスマホのバッテリーが直ぐに減る」等の書き込みが並んだ。トレンドマイクロは、「マイニングに利用されていた恐れがある」と推測する。マイニング自体は不正行為ではない。台東区秋葉原では昨年から、自前でマイニングを行なう為、専用の機材を求める客が中国や東南アジア等からも集まる。『ドスパラ』秋葉原本店の黒川裕大店長(30)は、「仕入れる先から売れていく」と話す。ただ、機材は一式数十万円で、作業には電気代もかかる。他人のパソコンを勝手に使うのはその為だ。インターネットに詳しい北條孝佳弁護士は、「他人のパソコンに勝手にマイニングさせることは、意に反する動作をさせる不正な指令にあたる恐れがあり、不正指令電磁的記録供用罪になる可能性がある」と指摘する。トレンドマイクロの岡本勝之氏は、「サイトを閲覧させるだけで仮想通貨が入手できるので、従来のサイバー攻撃に比べて不正な利益を手にすることが容易になった」と分析。「インターネット空間での不正行為のハードルが下がってきている」と懸念する。 =おわり

               ◇

大沢帝治・安田信介・浅見徹が担当しました。


キャプチャ  2018年5月9日付掲載

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【追跡・仮想通貨】(04) 交換業者、各国で標的

20180524 06
履歴書に貼られた美しい女性の写真を見た人事担当の男性社員は、SNSでメッセージを送った。何度かのやり取りの末、添付ファイルを開くとパソコンがウイルスに感染。社内ネットワークへの侵入を許した――。これは昨年、韓国の交換業者から仮想通貨が流出した事件で使われた手口だ。情報セキュリティー会社『サイバーディフェンス研究所』の名和利男上級分析官によると、第1次世界大戦中に活動した女性スパイになぞらえて、“サイバー版マタ・ハリ”と呼ばれるという。「社内のあらゆる部署と接点がある人事担当者を狙ったのだろう」。名和氏は分析する。今年1月に約580億円相当の仮想通貨『NEM』が流出した交換業者『コインチェック』でも、社員に送られた英文メールがきっかけでウイルスに感染した。韓国では他にも昨年、複数の業者が被害を受け、イタリアでも今年、業者からの巨額流出が報じられた。「金融機関に比べ管理が甘いと認識されている証拠だ」と名和氏は語る。コインチェックは、顧客の資産をインターネットに繋がった状態で管理する等、安全対策を後回しにしたことが被害を招いた。交換業者9社は先月23日、自主規制団体の発足を発表したが、ある業者の幹部は「業者の怠慢で仮想通貨に対する負の印象を広げてしまった」と悔やむ。

20180524 07
コインチェック事件後、金融庁から資産管理体制の不備を指摘された業者らの内、7社は廃業の道を選んだ。その1つで中部地方の業者の担当者は、「金融機関並みの管理体制を求められ、コストに見合う収益を上げられないと考えた」と廃業の理由を語った。交換業者だけでなく、利用者も標的になっている。“アカウントの資金が凍結”――。複数の交換業者で口座を開設したばかりの大阪府の自営業男性(45)の元に今年3月、こんな件名の偽メールが届いた。差出人名は実在する交換業者で、本文に貼られたリンクに接続するとウイルスに感染し、口座のパスワード等が盗み取られる手口だった。男性は自分が利用する業者ではないと気付いて被害を避けられたが、「自分のメールアドレスがどこから漏れたのか…」と不安がる。昨秋には、別の業者名の偽メールも不特定多数の人に送られている。情報セキュリティー会社『パロアルトネットワークス』は今年1月、新種のウイルス付きメールを検知した。添付ファイルを開くと感染し、仮想通貨の送金時に入力するアドレスを勝手にハッカーのものに書き換える手口だ。最初にアメリカで見つかったが、その後の検知件数は日本が最多だという。同社の林薫氏は、「仮想通貨市場が大きな日本が狙われている」と懸念する。情報セキュリティー会社『エルプラス』の杉浦隆幸代表は、「ログイン時に通常のパスワードに加えて、1回限りの認証コードの入力が必要な設定にする等、利用者も自衛が必要だ」と警告する。


キャプチャ  2018年5月8日付掲載

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【追跡・仮想通貨】(03) 新規発行、危うい出資

20180524 05
「『やられた』と思った」――。愛媛県の男子大学生(20)は、投資先のサイトが突然消えた時のことを、そう振り返った。大学生は昨秋、『トークン』という新しい仮想通貨を発行して新規事業の資金を募るICOと呼ばれる仕組みに、『ビットコイン』等で出資した。額は2つのICOに計125万円相当。ところが、1ヵ月程過ぎたある日、1つのサイトが突然消えた。間もなく別のサイトもページが更新されなくなり、手元には換金できないままのトークンだけが残る。ICOでは通常、資金を募る新規事業の計画等を書いた“ホワイトペーパー”があるが、この大学生は「碌に目を通さなかった」という。ただ、過去にICOで350万円以上の利益を得た経験もある。「コソ泥にやられたな、というぐらいの感覚。リスクがあるからこその高配当なので仕方ない。相手の顔も見えないので怒りは無い」。ICOはイニシャルコインオファリングの略。出資の見返りに発行されたトークンは、事業に人気が集まって価値が大きく上がれば、売却して大金を手にすることもできる。トークンを発行元に預けることで利益を得るものもある。事業者は、事業が始まった段階で出資者にサービスを優先的に提供することもある。

仮想通貨を使った新たな資金集めの手法として急速に広がり、情報サイト『コインスケジュール』によると、世界のICOによる資金調達額は、2016年は約9500万ドル(※約100億円)だったが、2017年に約39億ドル(※約4200億円)まで激増。2018年は先月末時点で約66億ドル(※約7200億円)に達する。だが、明確な法の規制が無く、資金を集めて行方をくらましたり、トークンがほぼ無価値になったりすることもある。『国民生活センター』には最近、「出資したがトークンが支払われない」といった相談も来ている。金融庁は昨年10月、ICOのリスクについて注意喚起する文書を出した。『Facebook』や『Google』は今年に入り、「仮想通貨やICO等の広告を掲載しない」と発表した。それでも“ハイリスク・ハイリターン”に魅せられ、多少の被害や損失は気にかけない人もいる。昨年5月から仮想通貨への投資を始めたという東京都内の主婦(34)は、ICOに20万円余りを投じたが、ホワイトペーパーの中身は「英語だったからよく覚えていない」という。インターネット上で売買できる筈だったトークンは、指定期日を過ぎてもサイトで売買できない状態だが、「値動きがあるものは面白い」と、夫と共に仮想通貨への投資は続けるという。月に4~5件、ICOの被害の相談を受けているという『グラディアトル法律事務所』の若林翔弁護士は、「『儲かるから』という触れ込みに飛びつくケースも多い。『事業計画が素晴らしいから応援する』というICOの原則を理解して投資してほしい」と話す。仮想通貨に詳しい京都大学公共政策大学院の岩下直行教授(金融論)は、「ホワイトペーパーの半数以上は実現されない“空手形”に近い」と指摘。「ICOには明確な規制が無い為、資金を持ち逃げしても違法性を問うのは難しい。多くの人から資金を調達する以上、社債や株のように発行者情報の開示を義務付ける等の法整備が必要だ」と訴えている。


キャプチャ  2018年5月6日付掲載

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【追跡・仮想通貨】(02) “億り人”夢見る学生

20180524 04
「OBの中には“億り人”もいます。今は相場が低調ですが、またいつか大きな動きがあるかもしれません」――。先月26日夜、早稲田大学(東京都新宿区)の校舎の一角で『早稲田大学仮想通貨研究会』の勉強会が開かれた。社会人のメンバーがホワイトボードを使って仮想通貨の仕組みや取引相場の現状等を説明し、新入生や他大学の学生ら10人程が熱心に聞き入った。“億り人”は、資産が億単位になった人のことを指す。「俺も億り人になって、稼いだ金で起業したい」。勉強会に参加した早大1年の男子学生(19)は声を弾ませた。各地の大学で仮想通貨の投資サークルが発足している。早稲田の研究会は、株取引サークルのメンバーが3年前に発足させた。今はほぼ無価値でも、将来的に値上がりする可能性のある“草コイン”と呼ばれる仮想通貨等の情報を交換している。昨年、約300人いる株取引サークルのOBの中から一時、億り人が3人誕生した。都心の高級マンションに住んだり、不動産に投資したりしているという。「先輩の姿を見て、本当に儲けられるんだと確信した」。後輩の学生らは語る。

「就職はしたくない。起業するか投資家になりたい」。東洋大学3年の男子学生(20)は、居酒屋等アルバイトを7つ掛け持ちし、大学1年で株式投資を始めた。昨年1月、株で得た140万円で『ビットコイン』を買い、その後、『NEM』や『リップル』等の仮想通貨にも投資。今年1月には約4600万円相当に膨らんだ。うち2000万円相当を、値上がりを見込んで『シリン』や『クベラ』といった仮想通貨に投じた。だが、今年1月に発覚した交換業者『コインチェック』の仮想通貨流出事件の影響で、相場が下落。約70万円相当まで値下がりした。「当時はショックだったが、投資は自己責任なので仕方がない」。あっけらかんとした口ぶりに悲壮感は窺えない。残った資産のうち、約2000万円を現金化し、納税等に備えているという。仮想通質が学生の姿を変えている。一般社団法人『日本仮想通貨交換業協会』によると、国内業者の顧客は、信用取引等を除く現物取引だと、約3割を20代以下の若者が占める。昨秋から仮想通貨に投資を始めた早大4年の男子学生(22)は、これまでに約50万円の利益を上げ、「海外の大学院に進学したいので留学費用の足しにしたい」と話す。学生の多くはアルバイト代等を使っているが、学生らによると、留学費用を注ぎ込んで失ったり、ローンを組んで投資し、損失を親に肩代わりしてもらったりする学生もいるという。日本と同様に仮想通貨が盛り上がる韓国では、大金を失った大学生が自殺したとされる事例も報じられた。帝京大学の宿輪純一教授(国際金融)は、「仮想通貨は相場が乱高下するので、学生の投資としてはリスクが高い」と指摘。「学生による投資は否定しないが、お金を借りてまで投資するのは絶対に駄目。失ってもいい程度の自己資金で行なうべきだ」と話す。若者文化に詳しいマーケティングライターの牛窪恵さん(50)は、「今の若者は、就職先が定年までもつか、年金は貰えるか等、将来への不安が強い。仮想通貨への投資は、その不安を払拭したいという思いの表れとも言えるのではないか」と分析している。


キャプチャ  2018年5月3日付掲載

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【追跡・仮想通貨】(01) 匿名の闇、犯罪の温床

仮想通貨の闇が広がっている。投機性の高さで学生や主婦まで利用者が広がる一方、今年1月に大手交換業者『コインチェック』から巨額の仮想通貨が流出した事件では、サイバー攻撃への脆さも露呈した。仮想通貨の世界で今、何が起きているのかを追った。

20180524 02
「NEMをビットコイン等と自動で交換できます」――。今年2月上旬、インターネットのダークウェブに突如、こんな英語サイトが出現した。ダークウェブは、利用者を秘匿できる特殊なインターネット空間だ。コインチェックから仮想通貨『NEM』が流出して2週間。別の仮想通貨に交換する為にハッカーが開設したとされるのが、このサイトだ。「マネロン方法分かった」。このサイトが出現して直ぐ、ある人物が『ツイッター』で呟いた。マネロンはマネーロンダリング(※資金洗浄)の略だ。この人物に記者がメッセージを送ると、「1000円相当のNEMをビットコインで購入した」と答えた。素性は関東地方の20代の学生だとしか明かさなかったが、インターネット上の取引履歴には、この人物が言う送金の記録があった。資金洗浄に加担したことになると問うと、「このサイトはちゃんと動くのかな、ぐらいの気持ち。罪悪感はない」と返信を送ってきた。その頃、関東地方の無職男性(20)は、流出NEMの取引を記録するサイトを作り、動向を追っていた。NEMの送金先は、インターネット上の台帳『ブロックチェーン』で追跡できる。しかし、ダークウェブでの取引で事態が一変した。「これは手が付けられなくなるな」。懸念は当たった。身元を隠せるダークウェブに購入希望者が殺到し、追跡が困難になった。通常のサイトは、接続するとインターネット上の住所にあたるIPアドレスが残るが、ダークウェブに接続する際に使う特殊なソフトは、世界中の様々な場所を経由する為、利用者を秘匿できる。

20180524 03
多い日には10億円相当を超えるNEMが売られ、3月22日、ほぼ全て別の仮想通貨に交換された。男性は「指を銜えて見ているだけだった」と語った。「衆人環視の中でも資金洗浄できることが証明されてしまった」。ダークウェブに詳しいIT会社『DeNA』の松本隆氏は嘆いた。ダークウェブでは、麻薬・銃・パスポート等が売買されている。決済手段は主に仮想通貨だ。“Monero Only”――。最近、こんな表示がダークウェブ上でみられるようになった。モネロは、従来の仮想通貨よりも更に匿名性が高く、“匿名通貨”と呼ばれる。従来の仮想通貨は、ウォレット(※財布)と呼ばれるコンピューターの保管場所で管理され、口座にあたるアドレスがある。ウォレットは匿名でも開設できるが、送金するとブロックチェーンにアドレス等が記録される。しかし匿名通貨は、送金の度に1回限りのアドレスを使う等、送金元を隠すことができる。昨年5月、世界中で広まったランサムウェア『ワナクライ』。パソコンのデータを開けなくし、解除する為にビットコインで“身代金”を要求する手口だ。国際機関でサイバー犯罪捜査の経験がある『セコムIS研究所』の葛野弘樹氏は、被害者がハッカー側に支払った約13万5000ドル相当のビットコインが、仮想通貨を交換するサイトでモネロに替えられたのを確認したという。「不正入手した仮想通貨を、より匿名性の高いモネロに換金すれば、最早追跡は困難だ」と葛野氏は言う。『ヨーロッパ警察機構』は昨秋、「モネロがサイバー犯罪で使われ始めた」として警戒を呼びかけた。慶應義塾大学の斉藤賢爾講師(情報科学)は、「仮想通貨の匿名性は犯罪に使われる危険性を持つ。違法行為に使われた場合は匿名性を解除できるようにする等、技術やルールの整備が必要だ」と話す。


キャプチャ  2018年5月2日付掲載

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【岐路に立つウェブ広告】(16) 消された広告は4.7兆円相当…アドブロックは日本にも広がるか?

20180505 18
広告業界とメディアが現在最も警戒感を高めているのが、『Google』が2018年初頭に予定しているアドブロック機能の導入だ。インターネット広告の品質向上を目指す業界団体『よりよい広告のための連合(The Coalition for Better Ads)』の基準に合わない広告を、自社のウェブブラウザ『Google Chrome』から排除する方針だ。Googleが収益源である広告を自ら制限するのは、世界のインターネットユーザーが他社のアドブロック機能を既に幅広く利用している現実に追従したものだ。アメリカの調査会社『ページフェア』によると、2016年末時点でアドブロック機能が導入されたパソコンやスマートフォン等の台数は、世界で6.16億台。過去5年間で15倍に増えた計算だ。アドブロックの利用で失われた世界の広告収入は、2016年に44億ドル(※約4.7兆円)と推計されている。インターネットユーザーにおける普及率は、ドイツが29%、アメリカが18%等、先進国の多くで2桁に達している。日本は先進国の中では際立って低く、未だ3%に留まる(※左図)。

だが、アドブロックソフトの世界最大手である『アイオ』のベン・ウィリアム氏(広報担当)は、「日本でも今後、アドブロックの普及が進む余地はある」と見ている。その根拠として、インターネット広告市場の構造的問題を指摘する。インターネット広告は近年、クリック単価(CPC)の下落が続いている。この為、「広告企業やメディアは収入規模を維持する目的で、より多くの広告を掲載しようとしている。ユーザーにしてみれば、煩わしい広告は増える一方。それがアドブロックを導入する大きな動機になっている」(同)。アイオは全ての広告を排除している訳ではなく、ユーザーが不快にならない表現・表示の広告は表示する“ホワイトリスト”の機能も提供している。だが、メディアはアイオに対して憤っており、ドイツの名門誌『シュピーゲル』等が不正競争防止法違反で提訴している。ただ、これまでの訴訟6件全てで、地方裁判所はメディア側の訴えを退けている。英米メディア大手の中には、アドブロックユーザーに強制的に広告を表示したり、コンテンツを読ませないようにしたりする対策を講じている企業もある。だが、広告代理店の世界最大手『グループエム』ブランドセーフティー担当役員のジョン・モンゴメリー氏は、「先ずユーザーの利便性を改善することが重要。アドブロックを使わないように求めるのはその後だ」とメディアの取材に答えている。 (取材・文/本誌 杉本りうこ) =おわり

               ◇

高校・大学時代、輸入ファッション誌が好きでした。洋書専門店で買ったり(※高かった!)、お土産で貰ったり。あの香り、薄い紙の感触。そんな記憶の中に、表紙をめくって目に飛び込んできた広告があります。イタリアのアパレルブランド『ベネトン』は1991年、瀕死のエイズ患者と家族の写真をキリスト教の聖画風に加工した“ピエタ”という広告を発表しました。右隅の企業ロゴはごく小さく、まるで報道写真のよう。当時、エイズ患者を取り巻いていた強い偏見を挑発的に批判していました。不謹慎という声もあったそうですが、私はその1枚でベネトンのファンになりました。広告が本来持つ力を信じ、この特集を作りました。 (本誌 杉本りうこ)

昨年のアメリカ大統領選で、フェイクニュースの発信源として注目を集めたのが、東欧のマケドニアです。ヴェレスという小都市の住人が続々とドナルド・トランプ候補の支持サイトを設置。狙いは閲覧数に応じたGoogleからの広告収入で、成金が大勢生まれたそうです。いい加減な記事をコピペしてサイトを作り、SNSで拡散すれば小銭が稼げる訳ですから、おいしい話です。しかし、フェイクニュースで得た広告料金の配分で、Googleも発信者同様に稼いできた筈。“邪悪になるな”が同社の社是だそうですが、この巨人を監視する仕組みを、社会の側がしっかり作る必要性を感じます。 (本誌編集長 西村豪太)


キャプチャ  2017年12月23日号掲載

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【岐路に立つウェブ広告】(15) 「優良メディアは運用型を選ばない」――ギデオン・リッチフィールド氏(『MITテクノロジーレビュー』編集長)インタビュー

『MITテクノロジーレビュー(MITTR)』は、マサチューセッツ工科大学を母体とする科学技術専門メディアだ。AIの普及等を受け、幅広いビジネスパーソンを購読者として獲得している。前職の『クオーツ』での経験を含め、デジタルメディアの経験が豊富なギデオン・リッチフィールド編集長(※今月就任)に、メディアは広告とどう付き合うべきかを聞いた。 (聞き手・構成/本誌 杉本りうこ)

20180430 11
創刊に携わったビジネスメディアのクオーツは良質な枠売り広告、MITTRは購読料が主たる収益源だ。両メディアが運用型広告を選ばなかった理由は2つある。1つは、運用型広告は質が低いものが多いことだ。表示される商品や表現は、読者である知的なビジネスパーソンに相応しくない。出稿企業も、質の低い運用型広告の隣に自社の広告が表示されることを嫌がる。もう1つは、運用型広告の単価はずっと下がり続けていることだ。出稿量が潤沢で市場全体の規模が大きいからこそ、単価はこれまでも、そして今後も下がり続ける。メディアが収益源として依存し続けるのは、根本的に難しいのだ。だから、優良な顧客層を持つメディアなら、運用型広告を選ぶのは賢明ではない。私自身は編集者で、広告業務には関わってこなかった。だが、運用型広告はクオーツが目指すビジネスではないということは、メンバーの明確な総意だった。だから、見るに値する美しい広告だけを、適切な大きさと位置で表示してきた。収益的にも昨年は黒字。今年もその延長線上にある筈だ。細かい数字は私にはもうわからないが。一方、MITTRは有料購読型だ。技術そのものを理解し、それを如何に人間社会に役立てるかを考える上で役立つ良質な情報を、知的な読者に有料で提供している。読者は我々の努力と成果に、敬意と対価を払う意思がある。MITTRだけでなく、良質なメディアは今どこも、記事そのものでの課金を志向している。直近では、『ワイアード』がペイウォール(※一部のコンテンツを有料化し、無料閲覧を制限すること)を導入したのが好例だ。嘗て、多くのメディアが「広告こそがデジタル時代のマネタイズ策だ」と信じた。だが、今明らかなのは、「この策は十分には儲からない」という事実だ。この流れの中で最も重要なのは、どんな読者層を持ち、彼らが何を求めているのかを、メディア自身がクリアにすること。それが明確になって初めて、何でマネタイズすべきかがわかるのだ。


キャプチャ  2017年12月23日号掲載

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【岐路に立つウェブ広告】(14) 『ZARA』は何故広告無しで強いのか?

20180416 09
「広告によって利益を得るのは企業であって、顧客ではない。だからこそ、私たちは広告に投資する分を、商品の質を上げて価格を下げることに使うと決めたんだ」――。これは、ファストファッションの世界的なブランド『ZARA』のオーナーであるアマンシオ・オルテガ氏が以前、社員たちに対して発した言葉だ。ZARAを傘下に有する『インディテックス』(※本社はスペイン)は、世界最大のアパレル専門チェーン。毎年2桁成長を続け、その規模や収益性はアパレル業界で群を抜いており、時価総額は約13兆円(※今月13日時点)に上る。同社は『Bershka(ベルシュカ)』や『Stradivarius(ストラディバリウス)』等といった複数のブランドを展開。中でもZARA事業は、グループ全体の売上高・利益の7割近くを稼ぎ出す、文字通りの大黒柱だ。ヨーロッパモードをベースとしたトレンドファッションを手頃な価格で提供するブランドで、メインの顧客像はオフィスで働くファッション感度の高い20~30代の女性。地元のヨーロッパを始め、北米やアジア等90ヵ国以上で約2200店舗を展開している。そのZARAの経営スタイルの大きな特徴が、殆ど広告宣伝費をかけていないこと。ファッション業界では、広告で消費者の購買意欲を刺激し、自社店舗への来店を促す“プッシュ型”の集客プロモーションが常識。インターネットやファッション雑誌に殆ど広告を出さないZARAの方針は、極めて異例なのだ。世界のファッション業界を見ると、売上高に対する広告宣伝費の比率が2~5%程度の企業が多い。実際、『ユニクロ』を展開する『ファーストリテイリング』は、売上高の約3.8%に当たる年709億円を広告宣伝に投じている(※今年8月期実績)。

一方、ZARAは具体的な金額を開示していないが、売上高広告宣伝費率は精々0.3%程度とみられる。その分、自社の店舗に戦略的に資金を投じている。ブランドイメージと顧客のアクセス性を優先し、賃料は高くても、好立地やランドマーク的な場所に厳選して出店するのがポリシー。日本でいえば、銀座・渋谷・原宿・六本木・新宿等の店舗がその典型例だ。店内の設計も重視。ウィンドウディスプレイや、顧客が商品を見ながら回遊し易い通路、高級感のある内装等に徹底して拘っている。スペイン本社では、約30人の専属内装デザイナーがインパクトのある店舗内装を研究。“店舗こそ最大の広告宣伝”というのがZARAの考え方なのだ。そして、こうした店舗への来店を促すのに重要な役割を担うのが新商品だ。ZARAは週2回、日本であれば毎週月曜と金曜に新商品を投入し、同時に店内の配置も変える。この施策は世界中の全店舗に共通で、顧客を常に刺激し、飽きさせないようにする為の仕掛けだ。熱心なファンの中には、新商品をチェックする為に、毎週月・金の夕方に欠かさず店を訪れる人もいるという。単に広告宣伝費をかけないだけでは店に客が来ず、商売にならない。ZARAは店舗の立地や内装、新商品投入のオペレーションにお金をかけることで、広告に頼らずとも顧客が自然と店に足を運ぶ“プル型”の集客プロモーションにチャレンジし、それを見事に成功させていると言える。これは他社が直ぐに真似できるものではなく、高度な戦略とオペレーションがあってこそだ。特に必須なのが、ファッションに敏感な女性が衝動買いしたくなるような魅力的な商品を次々に供給できるサプライチェーンである。価格を抑えたファストファッションは、中国・バングラデシュ・ベトナム等アジア低賃金国の協力工場で生産されるケースが殆ど。だがZARAは、全体の65%を占めるトレンド商品をスペインと近隣国で生産し、ベーシックな商品だけアジアの協力工場に生産委託している。スペインの本社近くには数多くの自社工場があり、これらの工場で裁断したパーツと付属品を、同じスペインやポルトガル、モロッコの協力工場で縫製。出来上がった商品は本社工場で検品・アイロンプレス仕上げを施し、自動倉庫内で仕分けして世界各国の店舗に届ける。ファッションの商売は、如何に値下げせずに商品を売り切るかで利益が左右される。とはいえ、気候や流行等不確定要素は多い。商品の売れ行きには必ずばらつきがあり、人気の商品はシーズンの早い段階で欠品になる。逆に、不人気な商品は大量に売れ残り、大幅値下げを余儀なくされる。そこでZARAは、人件費が割高でも柔軟な生産体制が組み易い、本社のあるスペインやその周辺国での生産を選択した。商品を多品種少量でスピード生産できる柔軟なサプライチェーンを構築し、新商品はデザインから4週間、追加商品なら最短2週間以内に各国の店頭に並べられる体制を整えている。これはZARAの大きな強みである。顧客の反応を見た上で、売れる確度の高い商品をシーズン中にスピーディーに投入できるからだ。その結果、買いたいと思わせる魅力的な商品が常に店頭に並んで、消費者を引き付けるだけでなく、“死に筋商品”を大量に抱えるリスクも極力減らせ、同社の高い利益率に繋がっている。ファッション業界と広告は切っても切れない関係だった。その常識をZARAが覆せたのは、生産から店舗まで、サプライチェーンと顧客体験を計算し尽くしたからに他ならない。 (ファッション流通コンサルタント 齊藤孝浩)


キャプチャ  2017年12月23日号掲載

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【岐路に立つウェブ広告】(13) 「消費者のハートに火を点けろ! 人に愛されてこそ広告だ」――鹿毛康司氏(『エステー』執行役)インタビュー

「ショーシューリーキィー♪」。外国の少年がアカペラで歌うだけのテレビCMだったが、その力強い歌声に多くの視聴者は心が洗われる思いをした。東日本大震災の直後に、この『消臭力』のCMを企画したのが、『エステー』のエグゼクティブクリエイティブディレクターである鹿毛康司執行役だ。消臭力ブランドは2011年から7年連続で『CM総合研究所』のブランドオブザイヤーを受賞。今や同社の中核商品でもある。“宣伝の名人”とでも言うべき鹿毛氏の目に、インターネット広告の現状はどう映るのか? (聞き手/本誌 若泉もえな・杉本りうこ)





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――インターネット広告は今、テレビ広告に迫る勢いで急拡大しています。この流れをどう見ますか?
「『インターネットなら魔法の箱のように何でもできる』と、日本企業のトップは勘違いしているよね。『デジタルマーケティングは凄い』とどこかで聞いてきて、それで現場に行なわせている。だが、現場にいる社員は『そこまでの効果は無い』と知っているので、冷めている。大企業になればなるほどそう。確かに、通販業界ではデジタル化が上手くいった。インターネットを使ったダイレクトマーケティングがはまった。その延長線上で、デジタルマーケティングは万能といったイメージが持たれている」

――『P&G』のような世界の大企業は、インターネット広告の効果に疑問を感じて、出稿を見直し始めています。日本企業の動きは全く逆?
「ダイレクトマーケティングの効果については否定しないが、限界もある。何故なら、人が何故その商品やサービスを買うに至ったのかを分析しても、論理的に説明することは難しいから。人が合理的に行動していないことは、よく指摘される。経済的に見て自分が損することだとわかっていても、『皆と同じでないといけない』とか、そういった感情に左右されて人は行動する。でも、ダイレクトマーケティングでは、そこまでの心理を織り込んでいない。だからこそ広告には、人の深層心理にまで踏み込んだインサイト(※洞察)が必要となる。インターネット広告では、“如何に見てもらうか”という手法論が注目されてきた。だけど、『この商品やサービスに共感できるのか?』『どのような企業が提供しているのか?』ということも広告では見られる。人に嫌がられたら広告ではない。愛されて初めて広告になる。大切なのは、広告を見てくれる消費者のハートに火を点けることじゃないかな」

――消臭力のミゲル君のCMは、インターネット上でも好意的に捉えられたようですね。
「第1作放送後の2011年5月に、ミゲル君の打ち出し方を含めて、その後の展開について色々なアイデアを白板に書き込んで考えたんだよね。あのCMには、『東北の人たちへ応援歌を送ってほしい』という当社の鈴木商会長(※当時は社長)の思いが込められている。それで、既存のメディアでちゃんと出した上で、インターネット上ではCMを使って遊んでもらおうと思った。あの頃はMAD動画(※2次創作)を作って投稿することが流行っていたので、その素材にされることも見込んでいた。ツイッターで“高田鳥場”という僕のペンネームで呟いていると、MAD動画投稿者たちが『動画を見て下さい』とアプローチしてくる。勿論、CMには著作権があるから、『容認できないけど面白いよね』とコメントを返すと、“エステー匿名宣伝部長 非公認”等とインターネット上で盛り上がっていった。つまり、裏で会話をしていた」

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