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【水曜スペシャル】(298) ヤフーニュースがLINE問題を“隠蔽”…ウェブ報道の身勝手な姿勢に疑問符

20210421 01
『朝日新聞』の第一報に端を発した『LINE』の情報流出疑惑は、新聞・テレビ各社が一斉に後追い報道をする騒動となった。そんな中、3月1日にLINEと経営統合をした『ヤフー』の対応に批判が出ている。共に『Zホールディングス』傘下に入った両社が、協業を進めていくことを大々的に謳った矢先に露呈した今回の問題だが、ヤフーの運営する日本最大のポータルサイト『ヤフージャパン』では当初、情報流出問題について取り扱いを小さくした。ヤフーが各社の配信した記事に、短い見出しを付けてトップページ等に掲示されるヤフートピックス(※ヤフトピ)でLINE問題を取り上げず、ユーザーが検索しないと表示されない状態にしたのだ。ヤフー側は、「ヤフトピでは自社のニュースを取り扱わないとする掲載ポリシーがある」と説明する。しかし、それは本来、ヤフーのPR記事掲載を制限する為の自主規制の筈で、不都合な問題を隠蔽する為のものではない。その後、ヤフトピでもLINE問題が掲示されるようになったが、公正な取り扱いがされているかはブラックボックスの中だ。


キャプチャ  2021年4月号掲載
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テーマ : テレビ・マスコミ・報道の問題
ジャンル : ニュース

【ビジネスとしてのYouTube】(06) “MV置き場”以外の活用法も登場…集客の新機軸を探る音楽業界

20210419 01
他業界に先駆けて『YouTube』の活用を進めてきたのが音楽業界だ。自社アーティストの楽曲の認知を広げる為の場として、YouTube黎明期から多くの事務所がミュージックビデオ(※MV)やプロモーションビデオ(※PV)を公開してきた。中でも、事務所として最多のチャンネル登録者数を持つのが『エイベックス』だ。545万人という規模は日本の累計登録者数でも9位につけ、存在感を放つ。『エイベックスエンタテインメント』でYouTubeを管轄する丹雅彦氏は、「当初はPR手段という側面が強かったが、今はファン深耕や新人発掘の場として役割が拡大した」と話す。近年はYouTubeで自身の楽曲を発信する人も多い。エイベックスはそこでスターの原石を見つけ、実際にレーベル契約に至ったケースもある。基本無料のYouTubeで音楽を聴けてしまうと、CDやサブスクリプションサービスの売り上げが落ちる懸念もある。だが丹氏は、「会社がオフィシャルの音源をきちんと置き、UGC(※“歌ってみた”等ユーザーが既存の楽曲を使って制作するコンテンツ)にも向き合えば、回り回って本業にプラスになると証明できている」と、得られる効果に重点を置く。

YouTubeの拡大は、音楽業界で新しいコンテンツの登場も促している。特に注目を集めるのは、『ソニーミュージックエンタテインメント』等が運営する『THE FIRST TAKE』だ。同チャンネルの特徴は“一発撮り”。歌唱直後に涙を浮かべ、楽曲への思いを語る等、綺麗に編集された姿とは違う人気アーティストの一面が映し出される。2019年11月の開始から1年足らずでチャンネル登録者240万人を達成。MVやPV等、既存の動画を再利用する形が多かった音楽事務所系YouTubeに新風を巻き起こした。現在はラジオ番組やフェス開催、グッズ販売等、YouTube以外の展開も行なう。エイベックスでも「そうしたメディアミックスを意識したコンテンツの立ち上げも検討し、既に動き始めている」(丹氏)という。一方で、YouTubeが不得意なこともある。コロナ禍によりライブの中止や延期を迫られた音楽業界では、有料ライブ配信が一気に普及したが、YouTubeではそうした実施例が見られない。各社が個々に配信プラットフォームを有することや、YouTubeに有料ライブチケット販売機能が実装されていないことが要因だ。ただ、オンラインライブの一部をYouTubeで無料配信する活用は出始めている。エイベックスは今夏、オンライン開催したフェス『a-nation』を有料ステージと無料ステージに分け、無料部分をYouTubeで配信した。「来たことがない人にもフェスの存在を広く知ってもらえるきっかけになった」(丹氏)。直接的に稼ぐだけでない、様々なYouTube活用が広がる。 (取材・文/本誌 井上昌也)


キャプチャ  2020年11月14日号掲載

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

【ケータイ戦争2021】(04) 「通信だけでは成長できない」

20210414 05
「ドコモに対抗するなら1980円にするしかない」――。昨年12月2日の夕方、『日本通信』社長の福田尚久は、スマートフォンで『NTTドコモ』の新プランの料金を知った。翌日に予定していた2980円の新プランの発表を急遽、延期。料金を1000円引き下げた。直前に変更できたのは、6年かけてドコモと交渉していた要望が昨年6月に実ったからだ。ドコモからの回線貸出料の引き下げが決まり、値下げの原資を得た。何とか価格競争力を維持した福田だが、「格安スマホだけでは生き残れない」と話し、スマホを使ったオンライン契約システムの商用化を進める。2010年代前半に始まった4G時代は、スマホの普及期に重なった。2010年に10%だった国内のスマホ保有率(※世帯別)は、2019年に83%に高まった。拡大するスマホ市場に商機を求め、2013年に約150社だった格安事業者は、2020年に1400社超に膨らんだ。だが、今回の値下げで薄利に拍車がかかり、東北の格安事業者は「大手に顧客が流れれば撤退せざるを得ない」とこぼす。

値下げで経営が揺らぐのは格安事業者だけではない。大手3社は今回、聖域だった販売手法にも踏み込んだ。全国8000店のショップを抱える為、対面販売の原則を貫いてきたが、オンライン専用プランを設けた。値下げで販管費の削減が必要なためだが、ショップの経営には痛手だ。西日本で販売代理店を営む経営者は今年に入り、会社売却に追い込まれた。大手の大幅値下げは、通信費と端末販売で稼ぐ従来の事業モデルを根底から揺さぶる。高速通信規格である5Gが始まり、スマホと通信網は多様なビジネスのインフラとなった。収益の源泉は決済等周辺サービスに移りつつある。『ソフトバンク』は3月、傘下の『Zホールディングス』と『LINE』を統合し、電子商取引(※EC)等を成長の柱に据える。大手3社は非通信の営業利益が全体の2割にとどまるが、幹部は「最早、通信だけでは成長できない」と話す。アメリカの通信『AT&T』は、2018年にメディア大手の『タイムワーナー』(※現在の『ワーナーメディア』)を買収する等、通信とメディアの融合に逸早く舵を切った。競争環境が一変した日本で今後、何で稼ぐのか。自己変革をできた事業者だけが次の果実を得られる。 《敬称略》 =おわり

                    ◇

太田明広・中藤玲・広瀬洋平・藤井太郎・堀田隆文・工藤正晃・清水石珠実が担当しました。


キャプチャ  2021年2月25日付掲載

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

【ケータイ戦争2021】(03) 官邸値下げで“格安”窮地

20210414 04
「低廉化を可能とするよう3社に要請する」――。今月9日の記者会見で、総務大臣の武田良太はこう述べた。『NTTドコモ』等大手3社は既に携帯電話料金値下げを打ち出したが、武田には未だ他にも要求があった。この日、求めたのは、大手が格安スマートフォン事業者に貸し出すデータ回線の接続料の引き下げだ。『日本通信』等の格安事業者は自前の回線を持たず、大手から借りてサービスを展開する。データ使用量が10GB未満で2000円台といった限定的なプランを工夫し、一定の顧客を獲得してきた。しかし、大手が値下げに打って出ると棲み分けは崩れる。通信品質の高い大手が格安並の料金を出せば、顧客は大手に逆戻りしかねない。格安スマホ事業者は先月の総務省の有識者会議で「現在の接続料では対抗できない」と訴え、武田も「モバイル市場の競争環境に重大な影響を与える」と応じた。携帯電話大手からすれば、国の要請に応じる形で値下げを表明したのに、それが「競争環境にマイナス」と言われるのは理不尽にも映る。

こうしたちぐはぐな状況が生じる原因は、携帯電話を巡る政策が菅義偉政権の誕生前と後で揺れていることがある。巨額の設備投資が必要で参入障壁が高い携帯電話市場は、寡占に陥り易い。総務省は格安スマホの参入を後押ししてきた。「格安スマホにも5Gのネットワークを提供してほしい」。5Gの商用サービス開始が迫った2019年末には、総合通信基盤局長だった総務審議官の谷脇康彦が大手3社に要請する等、顧客の囲い込みに目を光らせていた。だが、プレイヤーを増やして値下げに繋げる基本路線は、菅政権の発足で微妙にトーンが変わった。首相の菅はあくまで大手のメインブランドの値下げに拘った。3社ともメインブランドでの新プランを決定し、『KDDI』と『ソフトバンク』はサブブランドの料金も見直した。この結果、格安事業者が追い込まれ、大手による寡占を加速しかねないという皮肉な状況も生じている。日本の格安スマホのシェアは未だ1割程度とみられる。5割近いドイツ等に比べて未成熟な市場が、このまま尻すぼみになりかねない。通信政策に関わる関係者は、「“官邸値下げ”で競争政策が歪んでしまった」とこぼす。大手の値下げで当面の家計負担の軽減という目標に目処はついても、十分な競争が失われるなら、消費者が恩恵を享受し続けられる保証はない。 《敬称略》


キャプチャ  2021年2月24日付掲載

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

【ケータイ戦争2021】(02) #さよならau

20210414 03
「お客様視点に立って、わかり易い料金を検討した」――。先月13日、『KDDI』の新料金発表会。普段は冗舌な社長の高橋誠は、慎重に言葉を選んでいた。冒頭の発言は、昨年末に起きた炎上事件への反省でもあった。発端は、『NTTドコモ』の新プラン『ahamo』の発表直後に開いたKDDIの新料金会見。「飯田橋(※KDDI)も値下げを出すんじゃないか」。『ソフトバンク』幹部が警戒する中、出したのは月9350円で動画等をセットにしたプラン。5つの割引を組み合わせると3760円になると訴えたが、わかり難い料金表示に批判が集まり、『ツイッター』上では「#さよならau」「企業姿勢を見損なった」と解約を示唆する声が相次いだ。KDDI幹部は「炎上は想定外だった」と吐露する。テレビCMや店頭で割引適用後の価格を強調するのは、携帯電話会社の常套手段だった。だが、菅義偉政権発足後に料金への注目が高まるにつれ、長年募っていた消費者の不満が爆発。KDDIは世論を見極められず、値下げに真剣に向き合うことになった。

追い込まれた高橋は「他社が出揃うまで動かない」と後出しに回ることを決め、年を跨いで新料金を練った。背水の陣で出したのは、20GBで2480円の『povo』だ。多様化する需要に対応する為、1回5分以内の通話を切り離し、ドコモやソフトバンクより500円安くした。これに噛み付いたのは、総務大臣の武田良太だ。通話条件を揃えると他社と同額になることを挙げ、「最安値と言うのは紛らわしい」と批判。だが、今度はインターネットユーザーがKDDIに加勢した。「使用実態をわかっていない」。反論を受けた武田は、「プランは指摘していない。通話しない人にはありがたい」と釈明した。一連の騒ぎを他山の石としたのがソフトバンクだ。「下手なことを言って悪目立ちしたくない」(幹部)。ドコモが大容量の値下げを発表した4日後に、同水準の新料金を公表。今月18日には20GBの新プランから無料通話分を抜いて2480円とし、今度はKDDIを追いかけた。インターネット世論に翻弄されたKDDIと、“後出しジャンケンのあいこ狙い”に転じたソフトバンク。対照的な両社だが、ウェブアンケート(※昨日時点)では上位のドコモと楽天に差をつけられた。誰の為の値下げか。価格だけでなく、消費者に対する企業の姿勢が問われている。 《敬称略》


キャプチャ  2021年2月23日付掲載

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

【ケータイ戦争2021】(01) 「料金はゼロでいい」

菅義偉政権発足から僅か半年で実現した携帯電話料金の大幅値下げ。その内幕に迫る。

20210414 02
「料金はゼロでいい。自分が責任をとる」――。先月下旬、『楽天』本社で携帯電話の新料金の議論が過熱していた。『NTTドコモ』等が打ち出したデータ容量20GBで月2980円の新プランに、どう対抗するのか。会長兼社長の三木谷浩史は値下げに慎重な意見を一蹴。1GBまで無料という業界の常識を破るプランが生まれた。同月29日の新プラン発表会。三木谷は「全ての人に最適にした」と強調した。データ使用量に応じて料金が決まり、20GBまでならドコモより1000円安い。大手が手をつけなかった、10GB未満の小容量の値下げにも踏み込んだ。「どの携帯電話会社を選ぶか」というウェブアンケート(※今月19日時点)で首位のドコモに迫り、値下げ発表の最後尾から一気に追い上げた。携帯電話料金引き下げを目標に掲げたのは、当時、内閣官房長官の菅義偉だ。楽天はその方針に呼応するように、昨年4月、価格破壊者として携帯電話に参入した。料金をデータ無制限で月2980円に設定。テレビCMで「日本のスマホ代は高過ぎる」と訴え、開始から3ヵ月後の申し込み件数は100万件を超えた。流れを変えたのは菅自身だった。新政権が発足すると、政府は大手に直接値下げを迫る方針に転換した。大手を攻め立てていた楽天は一転して、大手の攻勢を受ける立場に追い込まれた。

“官製値下げ”の攻防戦で主導権を握ったのは、格安携帯電話への顧客流出でこれまで守勢に回っていたドコモだ。親会社の『NTT』による完全子会社化の手続きで身動きの取れないドコモを横目に、『KDDI』と『ソフトバンク』が昨年10月に先行してサブブランドでの値下げを発表した。総務大臣の武田良太は当初評価したが、11月に「主力ブランドでの値下げがない」と批判に転じた。「総理が『サブだけの値下げかよ』と不満を示したからだ」(総務省幹部)。ドコモは、楽天が参入した昨年4月頃から水面下で割安なサブブランドの設計を進めていたが、急遽、主力での値下げに転換。12月の社長就任が決まっていた井伊基之は、「安さが売りの楽天を霞ませろ。価格破壊でこれまで流出した顧客を取り戻せ」と檄を飛ばした。12月3日に発表した『ahamo』は、先行2社より約1500円安く、最安値をアピールする楽天を牽制した。ドコモは楽天と因縁がある。インターネット通販等サービス拡大の為、楽天に連携を呼びかけたが、条件が合わず、合意寸前で破談となった過去がある。「楽天の好きにはさせない」(ドコモ幹部)との思いを料金に反映した。ドコモの動きに応じて、『ソフトバンク』と『KDDI』は主力ブランドで同水準の値下げを発表。海外と比べて割高とされていた20GBの料金は、5000円以下の合格ラインを達成した。総務省幹部は「劇的な変化だ。政権の意向とスピード感が相まって、大きなパワーになった」と一定の評価をする。通信各社はこぞって「これ以上の値下げは会社の体力が低下する。5Gの基地局整備等成長投資の余力がなくなる」と話すが、なお値下げの余地はありそうだ。値下げをリードしたドコモの井伊には、更なる価格競争の腹案があった。楽天のようにデータ利用量に応じて料金が決まり、5Gを4Gより安くするサプライズを用意していた。今後の可能性として、データ容量の追加や小容量の値下げも選択肢として残る。基地局の先行投資で、2020年12月期に1141億円の最終赤字だった楽天。値下げで利用者1人当たりの収入が低下するが、三木谷は「料金で差をつけ、契約数を想定より増やせばいい」と意に介さない。2100万人を抱える楽天カードの会員に対して、ポイント付与で携帯の利用を促し、「グループの総力戦で勝つ」(楽天幹部)とのシナリオを描く。ドコモが仕掛けた値下げ攻防戦は、楽天まで波及した。だが、6割の消費者が使う小容量プランは、大手3社とも主力ブランドで手つかずのままだ。各社の新プランが揃う3月以降も、消費者の動向次第では再び値下げ競争が動き出す可能性がある。 《敬称略》


キャプチャ  2021年2月22日付掲載

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

【火曜特集】(297) ヤフーニュースよりも酷い!? ポータルサイト『goo』の“ウェブ記事タダ食い”の脱法商法

20210414 07
『NTTコミュニケーションズ』の子会社『NTTレゾナント』が運営するポータルサイト『goo』には『いまトピランキング』というコーナーがある。他のウェブニュース媒体が公開した記事を任意でランク付けするものだが、その構成に媒体運営者から批判が上がっている。コーナーの構成は、タイトルの下に編集部作成のサマリーを置き、その下にオリジナル記事へのリンクを配置する形。問題は、「いまトピ編集部がこちらの許可なく作成したサマリーが、引用の範囲を超えている」(媒体運営者)と見られることだ。一例を挙げよう。2月17日にランク上位に入った元『AKB48』の小嶋菜月が引退宣言した記事について、いまトピ編集部は約500字のサマリーを付けた。これに対し、オリジナル記事は約900字だが、書き出しからオチまでオリジナルの構成を引き写している。「これでは、読者はサマリーだけで満足し、オリジナル記事を読みに来ない。コストをかけて作ったコンテンツを、NTTレゾナントはタダ食いしている」(同)。著作権法に詳しい弁護士も、「著作権の侵害に当たらない“引用”と認められるには、引用部分と自己の著作物の区分が明瞭であることや、自己の著作物が“主”であり、引用部分が“従”であること等の要件を満たす必要がある。また、引用の目的も問われることになる」。更には、NTTレゾナントがサマリーを自社記事としてニュースアプリに配信していることも問題だ。多くのニュース媒体はポータルサイトやニュースアプリ配信契約を交わし、自社サイトにトラフィック(※読者)を誘導して広告収入を得ている。NTTレゾナントは一部媒体とは配信契約すら結ばず、トラフィック還元の配慮もしていない。法的対応を準備する媒体もあるという。


キャプチャ  2021年4月号掲載

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

【ビジネスとしてのYouTube】(05) 任天堂のゲームも人気タイトルに…加熱するゲーム実況

20210412 01
ゲームをプレーしている様子をライブ配信するゲーム実況が、長引くコロナ禍を追い風に盛り上がりを見せている。ゲーム実況サービスの世界最大手は、『Amazon.com』が2014年に買収した『Twitch(ツイッチ)』。ゲームのライブ配信チャンネルを持つ『YouTube』は2番手だ。ただ日本国内では、YouTubeが視聴時間の過半を占める。元々『ニコニコ生放送』等でゲーム実況をしていた人が、YouTubeに活動の場を移した例も多い。配信者は“ストリーマー”と呼ばれ、人気チャンネルなら十数万人が同時に視聴することも珍しくない。その人気に拍車をかけるのが、コロナ禍による在宅時間の増加だ。ゲーム分野のデータ分析を手がける『配信技術研究所』のデータベース『Giken Access』によると、今年5月の連休中のゲーム配信の合計視聴時間は、2月の2倍に増えた。緊急事態宣言が解除されて久しい9月末時点でも、勢いは衰えていない。ゲーム実況の醍醐味は、ストリーマーが独自の趣向を凝らした動画を視聴できる点にある。配信を通じて、まるで自分がゲームをプレーしているかのような感覚を味わえる。Yo9uTubeの“スーパーチャット”という投げ銭機能を使い、ライブ配信中にファンとストリーマーが気軽に交流できることも人気の理由の一つだ。


人気のゲーム実況だが、実は法律上の問題を抱えている。ゲーム実況の視聴画面には、ゲームのプレー動画が映し出される。RPGのようなシナリオのあるソフトの場合は、ストーリーのネタバレになる恐れがある。更に、ストリーマーが動画に広告を付けて収益を得れば、ソフトの開発メーカーに帰属する著作権を侵害することになる。そこで『コナミ』や『カプコン』は原則として、一部のゲーム機の機能を使った配信を限定的に許諾するにとどめており、広告による収益化も禁じている。ただ、実況が多くの人に見られればソフトの宣伝に繋がる。それ故、多くのメーカーは、無許諾で配信されるゲーム実況を黙認してきた。だが、リスクを避けたいストリーマーは、配信が正式に許可されていないソフトの実況は控える傾向にある。こうした状況下、ゲーム実況に前向きな姿勢を示したのが『任天堂』だ。同社は2018年11月にガイドラインを発表し、同社が定める方針に沿った配信やその収益化であれば「著作権侵害を主張しない」と明記した。それまでは、収益化をする際に任天堂による審査が必要だったが、これも廃止した。ストリーマーを含む多数のYouTuberが所属する『UUUM』等7社と、ゲーム著作物の配信を認める包括契約も結んだ。その結果、任天堂のゲームソフト『あつまれ どうぶつの森』やスーパーマリオシリーズ等は、動画実況の人気ソフトの常連だ。更に、同社の公式YouTubeチャンネルでのお笑い芸人を起用した企画の配信等、YouTubeを積極的に活用している。ゲーム実況がエンターテインメントとして存在感を高めつつある中、メーカーが曖昧な態度を取り続ければ、折角の成長機会を失うことになりかねない。ストリーマーへの歩み寄りが求められている (取材・文/本誌 菊地悠人)


キャプチャ  2020年11月14日号掲載

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

【虚実の狭間】第1部・海を越える拡散(05) 識者2氏に聞く

20210407 05
■フェイクニュースへの免疫をつけて  山口真一氏(国際大学グローバルコミュニケーションセンター准教授)
他国の選挙なのに誤情報が拡散した今回の問題は、日本でもフェイクニュースが深刻な問題になる危険性を示している。事実よりも拡散され易いのは、主に3つの理由がある。“目新しさ”・“怒り”・“知人の情報は信用できるというバイアス”だ。「バイデン氏の票が急に増えた」等の情報は一見、“報道されていない話”という目を惹くもので、ドナルド・トランプ前大統領が“不正で負けた”という説は怒りの要素も含んでいた。SNSで繋がる人らが発信していたので、拡散した人も多かったのではないか。社会不安が広がると、インターネット上で批判が殺到する“炎上”が増えることがわかっており、コロナ禍の閉塞感が影響した可能性もある。人間は、信じたい情報を否定されるほど強固に信じることがある。“バックファイア効果”と呼ばれ、誤りを指摘することが逆効果になることもあり得る。見聞きする情報に偏りが生じることは避けられない。重要なのは、それを自覚する姿勢だ。似たような意見の人の情報ばかりに接していると、嘘を正しいと思い込むリスクが高まる。また、どんな情報でも嘘が含まれている可能性がある。そうしたことを知っておくこと等が、フェイクニュースに強い免疫力をつけることに繋がる。

20210407 06
■情報を読み解く力が必要  鍛治本正人氏(香港大学ジャーナリズムメディア研究センター准教授)
今回の大統領選では、香港でも「不正があった」という様々な誤情報が流れていた。香港では、中国に強硬な姿勢を取ったトランプ前大統領を支持し、当選を望む人が多かった。本当に「トランプ氏が勝った」と信じた人は少ないと思うが、中国に弱腰の大統領は望まないという意図を発信したいように見受けられた。一方で、世界では他国の世論を操作する目的でも偽情報が使われる。オックスフォード大学が2019年に公表した調査結果では、中国、ロシア、イラン等7ヵ国が、他国にSNSで情報操作をしていると指摘されている。自国に都合がいいように誘導するには、先ず相手国を分断する手法が使われる。移民問題等意見が分かれるテーマを選び、疑心暗鬼にさせたり、感情を煽ったりする偽情報や陰謀論をばらまくと、更に対立が深まり易い。日本も今後、他国から狙われる可能性は捨てきれない。日本人の協力者を雇い、世論が割れるテーマについてデマを拡散させれば、大きな影響を与えることもあり得るだろう。偽情報の対策には、情報を読み解くリテラシー教育が重要で、この分野で先を行くフィンランドが注目されている。日本も他国を参考に対策を急ぐ必要があるのではないか。 =おわり

                    ◇

喜多俊介・桑原卓志・田中俊之が担当しました。


キャプチャ  2021年1月29日付掲載

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

【虚実の狭間】第1部・海を越える拡散(04) 問題投稿の規制、論議

20210407 04
「そのニュースは嘘ですよ」――。ノーステキサス大学の前田耕准教授(政治学)は、昨年11月のアメリカ大統領選以降、『ツイッター』でそんな投稿を続けてきた。アメリカで20年以上、選挙制度を研究する専門家。アメリカの選挙なのに、日本のツイッターで「不正だ」「裁判で無効になる」等の情報が溢れているのに驚いた。前田准教授は、選挙制度を理解していない人にもツイッターで誤りを指摘し、「公式発表を見れば惑わされずに済みます」等と記し、現地の州政府のデータが掲載されたウェブサイト等を紹介した。これに対し、間違いに気付いた人もいたが、返ってきたメッセージの多くは「お前がデマだ」「不正に目を瞑るほうがおかしい」といった内容だった。「根拠を示しても信じてもらえない」。前田准教授は無力感を覚えた。メディアや専門のNPO法人等が、流布する情報の真偽を検証し、公表するファクトチェックにも、限界があったという。海外発の取り組みで、日本では『ファクトチェックイニシアティブ(FIJ)』が2017年の設立以降、国内の選挙等で検証を支援。大統領選でも、提携するメディア等と約20件を“誤り”・“根拠不明”等と判定し、判断理由と共にサイトで公表した。しかし、今回は情報が大量でチェックが追いつかなかった。

アメリカの誤情報が拡散した要因の一つが、SNSに搭載された自動翻訳機能の精度向上だ。英語の投稿でも、ある程度自然な日本語が表示される。FIJの楊井人文事務局長は、「真偽不明の情報が、言語の壁を越えて飛び交うようになった」と危機感を抱く。SNS等を提供するプラットフォーマー(※PF)と呼ばれるIT企業に対し、「問題がある投稿への規制を強めるべきだ」との声が以前から世界中で高まっている。『フェイスブック』とツイッターは大統領選を前に、誤りや根拠不明の投稿等に“警告ラベル”を表示する取り組みを強化。『グーグル』も、運営する『YouTube』で動画の発信を制限する等し、何れも多数の投稿が対象になった。一方、日本での対応は遅れているとの指摘があった。大統領選でも、ツイッターで大量拡散した誤情報の内、警告が表示されたのは一部だった。YouTubeでは、デマや陰謀論等を流す大量の動画が連日発信され、削除されずに再生回数を稼いでいた。総務省が2018年、PFの問題を研究する為に設置した有識者会議でも、偽情報等が「欧米のように社会の分断を招きかねない」との懸念が示されていた。昨年2月の報告書では、“表現の自由”の観点から、政府の介入は極めて慎重であるべきだとし、PF側に自主対策を促した。だが、投稿が意図的な偽情報なのか誤解か等を見極めるのは難しい。発信内容への過度な介入や恣意的な判断を危惧する声もある。関西大学の水谷瑛嗣郎准教授(情報法)は、こう指摘する。「(PFは)今や国家に対抗できる程の権力を持っている。判断過程の公開や検証等の透明性が益々求められる」。


キャプチャ  2021年1月27日付掲載

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