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【幸音ちゃん心臓移植へ】(下) 娘をぎゅっと抱きしめたい

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2歳になったばかりの女の子、幸音ちゃんは生後間もなく重度の心臓病と診断された。心臓移植以外に次女の生きる道がないことを知った父で埼玉県在住の教員、聡志さん(33)と公務員の妻(33)は、移植まで待機する決断を下す。幸音ちゃんは一昨年3月1日に大規模な病院へ転院し、移植まで命を繋ぐ小児用補助人工心臓『エクスコア』を装着した。術後、集中治療室(※ICU)で眠る娘の姿に、聡志さんは息を呑んだ。太く透明なチューブ(※約2m)が2本、お腹から伸び、血液が循環していた。「生後2ヵ月なのに、こんな痛々しい姿になって…。でも、これで移植を待てる」。退路を断たれた思いがした。「エクスコア装着直後は容体が安定しない」という主治医の言葉通り、2日連続で大手術を受けた。同24日にICUから一般病棟へと移ると、夫婦の付き添いが始まった。交互に2週間ずつ病室に泊まり込み、長女がいる自宅との“二重生活”になった。妻は産休と育休を取り、聡志さんも2ヵ月ほど育休を取得した。夫婦とも“育休は出産から3年間”で、手当が出るのは出産から2年間までだ。聡志さんは家計を維持する為に今月仕事に復帰し、妻が主に付き添うようになったが、移植待機はいつまで続くかわからない。エクスコアは血栓と感染症の恐れがあり、昨年11月15日に約6時間の手術を受ける等、気を抜けない日々が続く。

心労も重なった。幸音ちゃんが発症した心筋緻密化障害は遺伝による家族性の可能性があると考え、エコー検査を家族で受けた。妻は“異常なし”。一方の長女は「心筋緻密化障害と似た特徴がある」。そして、聡志さんは「心筋緻密化障害、及び拡張型心筋症の発症が、軽度だが認められる」。背筋が凍り付くような気がした。「娘の病気は自分のせいなのか…」。そして、長女の再検査の結果が医師から告げられた。「心筋緻密化障害の定義を満たしてはいないが、家族に心筋症発症者がいるので…。念の為、年1回は検査をしましょう」。家族性の判断が下されたわけではないが、自責の念が募る。「無自覚なまま、子供に病気を背負わせてしまったのだろうか」。その後の投薬治療で、聡志さんの左心室拡張は1年前よりやや治まり、長女も医師から「やや気になるものの、現時点では問題がない」と言われている。幸音ちゃんは年を越して“その日”を待ち、命を繋いでいる。「生まれた時からずっと痛みや苦しさに耐えて頑張ってくれている。感情豊かで強い子」。聡志さんは誇りに思う。成長著しく、よく喋り、「パパ」「ママ」「ねーね(※姉)」と家族全員を呼べるようになった。共に過ごす時間が愛おしい。しかし、夜泣きをしても体から太いパイプが伸びている為、娘を抱きしめられない。ドナーの死を前提にした心臓移植への葛藤が続いた。「我が子を失う中で提供を決断なさった時の心境は、想像を絶する」。妻と苦悩を重ね、聡志さんは決断する。幸音ちゃんに不測の事態が起きた際、“待機する側”から“提供する側”に回る覚悟を固めた。すると、ドナー家族への敬意や感謝の念が一層深まった。「若しドナーとそのご家族が許して下されば、その善意を受けたい。娘の命を繋いでいただけるのなら…」。ただ、娘の小さな体はいつまで持つかわからない。「アメリカのように移植医療が“普通の医療”だったなら…」。移植医療が進んだ海外での移植も考え、経験者から話を聞いたこともあった。しかし、リスクの大きさや医師の助言から断念した。聡志さんには夢がある。「若し移植を受けられ、元気になったら…。幸音をぎゅっと抱きしめたい。エクスコアを付けている今はできないから…」。夫婦、長女、幸音ちゃんの家族4人が揃い、小さな幸せを感じられる。そんな“普通の一日”が来る日を、聡志さんは願い続けている。

          ◇

(くらし科学環境部医療プレミア編集グループ)倉岡一樹が担当しました。


キャプチャ  2023年1月11日付掲載
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【幸音ちゃん心臓移植へ】(上) 機器装着、待機は平均3年

明日、2歳を迎える女の子の幸音ちゃんは、生後間もなく重度の心臓病と診断された。一時は生死の境を彷徨い、数度の手術を乗り越えた。現在は体より大きな小児用補助人工心臓に繋がれて、小さな命を紡ぐ。幸音ちゃんが助かる手立ては心臓移植だけだ。

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幸音ちゃんは2021年1月、埼玉県在住の高校教諭・聡志さん(33)の次女として産声を上げた。医師の「若干、心雑音があります」との言葉に聡志さんと公務員の妻(33)は動揺したが、表向きは異常がなく、元気だった。異変は生後1ヵ月になる直前に生じた。泣き声が擦れて呼吸が乱れ、ミルクも満足に飲めない。2月2日朝、幸音ちゃんの胸が陥没していた。受診した近所の小児科医は血相を変え、妻が幸音ちゃんを連れて出産した病院へと向かった。心不全が判明し、更に小児専門の医療機関へと救急搬送される。「心筋症の疑いがあり、場合によっては心臓移植の適応となる可能性があります」。医師が言う。「心筋症? 移植?」。聡志さんは混乱した。「死ぬかもしれない」。医師が告げた病名は、心筋が上手く育たない『心筋緻密化障害』で、後に『拡張型心筋症』と診断される。心臓の収縮力が低下して左心室が膨らみ、血液を送り出すポンプ機能が弱くなり、循環に支障をきたす難病だ。救急搬送から3日後の5日から面会できた。幸音ちゃんは手を触ると指をグッと力強く握り返し、助けを求めるような眼差しで聡志さんを見据えた。しかし、病状は好転せず、2月中旬に医師に問われた。「人工心臓に空きがあれば、その病院に移りませんか? 移植を目指しますか?」。

夫婦で毎晩話し合った。「(娘が)生きる為に人の死を願うだけではないのか」「そんな申し訳ないことはできない。移植は諦めようか」。追い詰められ、娘の命を諦めることさえ考えた。「そんなことはできない…」。2人は日本の小児心臓移植について調べ、その厳しい現実を知る。心臓移植を待つ10歳未満の患者は、昨年11月末現在で43人。2010年施行の改正臓器移植法で、15歳未満の小児も含め、本人が生前に拒否していない限り、家族の承諾があれば脳死患者からの臓器提供ができるようになった。しかし、6歳未満の脳死患者からの臓器提供は25件(※6~18歳は40件)にとどまる(※昨年12月29日現在)。加えて医師から、移植まで命を繋ぐ小児用体外型補助人工心臓『エクスコア』が極めて少ないことも知った。エクスコアは、冷蔵庫程の大きさの駆動装置(※ポンプ)と体をチューブで繋ぎ、心臓が血液を全身に送る働きを助ける。ドイツの医療機器メーカー『ベルリンハート』製で、新生児や乳幼児に使える世界で唯一の補助人工心臓(※VAD)だ。日本では2015年8月に保険適用されたが、1台約4000万円、管理費も年500万円程度と高額で、多くの人手も要する。設置病院も限られ、稼働は30台程度で、空きが出ても直ぐに埋まる。装着できるかどうかさえ“運次第”だった。落胆と苦悩が深まった聡志さん夫妻に一筋の光が差したのは2月下旬。自宅から通える病院でエクスコアの空きが見つかったのだ。「奇跡が起きた」。だが、心が揺れ、“誰かの死があっての移植”が頭から離れない。それでも移植を待つ決意を後押ししたのは、幸音ちゃんの表情だった。「幸音が『助けて』と言っているような気がして…。親として娘の命を繋ぎたい」。3月1日、幸音ちゃんはより規模の大きな病院へと救急搬送され、エクスコアを装着した。「待機生活が始まりますが、いいですか?」と医師が念押しする。心臓移植の日まで、家族が病院に常駐して24時間付き添う必要があったからだ。「(待機は)平均3年。ただ、新型コロナウイルスの影響でどうなるかわからない」。過酷な生活が始まった。


キャプチャ  2023年1月4日付掲載

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【明日への考】(43) 病院の未来、介護も予防も…テクノロジー活用で業務の効率化を

医療だけでなく介護も必要で、通院困難な高齢者が増える一方、医療の担い手となる現役世代が急減するのが今後の日本の姿だ。コロナ禍で再認識された医療提供体制の脆弱性を、高齢者人口がピークを迎える20年後までに私達は克服できるのか。病院や医療の未来について考えてみたい。 (編集委員 猪熊律子)



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石川県七尾市にある『恵寿総合病院』は昨年、病院内に介護福祉士を部長とする“介護部”を設立した。「これまでは退院後の医療・介護連携が重視されてきたが、今後は入院前から既に要介護状態だったり、認知症があったりする患者が急変して入院するケースが増加する。介護の専門家が急性期医療の現場に入る意義は大きい」と、同病院理事長で『全日本病院協会』副会長の神野正博氏が話す。先頃公表された将来推計人口によると、65歳以上人口がピークを迎えるのは20年後の2043年(※約3953万人)。医療、介護の必要性が増す75歳以上は総人口の2割を超す。中でも、要介護認定率が約6割に上る85歳以上は1000万人近くに増える見通しだ。他方、生産年齢人口(※15~64歳)は今後20年間で約1400万人減る。2022年版厚生労働白書によれば、2040年時点で医療・福祉人材は96万人不足すると見込まれている。厚生労働省の医療需要の変化予測では、若年人口の減少や通院困難となる高齢者の増加を受け、外来患者数は全国で2025年にピークを迎える一方、在宅患者数(※訪問診療利用者数)は2040年以降にピークとなる地域が大多数を占める。医療も介護も必要で通院困難な患者が増えれば、病院での介護、介護施設での医療の提供の在り方が課題となる他、在宅医療の充実が急務となる。しかし、“いつでも・どこでも”アクセスが可能な病院に比べて、在宅医療は課題が山積しているように見える。

診療所の医師の平均年齢は60歳を超え、一人開業も多く、夜間や休日の受診が難しい。コロナ禍で明らかになったように、自分のことを責任を持って診てくれる“かかりつけ医”を見つける仕組みや選ぶ材料も十分でない。「結果、軽症でも救急車を呼び、消防や病院の大きな負担となっている。“病院手前の医療”の強化が欠かせない」と、夜間や休日の医療相談やオンライン診療、救急往診を手がける『ファストドクター』代表取締役で医師の菊池亮氏が言う。政府は“かかりつけ医”機能を強化する関連法案を国会に提出、今月12日に成立したばかりだ。担い手不足はどうか。厚労省によると、2018年時点で全就業者の約8人に1人を占める医療・福祉従事者は、2040年には約5人に1人が必要と見込まれる。しかし、少子化が加速する中、働き手の2割が医療・福祉に従事するのは現実的とは言えない。加えて、長時間労働が問題の医師の働き方改革が来年から始まる。では、どうするか。今ある人的資源をより効率的に配置する取り組みが、政府が進める“地域医療構想”だ。日本は国際的に、病床数は多いものの病床当たりの医師や看護師が少なく、人材が“薄まき”に分散されている点が問題とされてきた。地域毎に病床の機能分化を進め、人材配置も“選択と集中”を図る。とりわけ、今後ニーズが高まる慢性期や在宅医療に、より多くの人手を割く工夫が必要となる。テクノロジーの活用も欠かせない。愛媛県四国中央市にある『HITO病院』は、電子カルテやチームチャット機能を搭載したスマートフォンを、2021年から職員に1人1台配布した。医師は病院外にいても画像を見て指示が出せるようになり、業務連絡は時間と場所に縛られずに行なえるようになった。電話連絡も、瞬時に複数人にチャットで伝えられるようになった。「少ない人手で如何に業務を効率化し、捻出した時間を生産性や医療の質の向上に繋げられるかが問われている」と、同病院脳神経外科の篠原直樹部長は強調する。地方で特に深刻な医師不足と、患者の通院困難の問題を同時に解決しようとする試みの一つが、長野県伊那市が全国に先駆けて2021年から本格運用を始めた“モバイルクリニック事業”だ。看護師と、ICT(※情報通信技術)・医療機器を乗せた車両が患者宅に出向き、患者は車内、又は自宅でオンラインを通じて医師の診療を受ける。「ICTは中山間地域でも医療へのアクセスを可能にし、患者に安心感を齎す」と、同市新産業技術推進係長の安江輝氏は説明する。

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【WEEKEND PLUS】(356) 現役社員からも「うちの家族には飲ませたくない」と悲痛な声…疑惑だらけのコロナ治療薬を製造した塩野義製薬の大罪

昨年、緊急承認された『塩野義製薬』の新型コロナウイルス治療薬『ゾコーバ』。国産初の治療薬と喧伝される一方、その有効性と承認に至るプロセスには夥しい疑念がある――。 (取材・文/本誌取材班)



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国産の新型コロナウイルス治療薬であるゾコーバが、昨年11月に緊急承認されて3ヵ月が経過した。この薬は塩野義製薬と北海道大学の共同研究で開発された、国産初となる新型コロナウイルス治療の飲み薬である。ただ、承認までのプロセスは異例づくめだった。承認に向けた審議が行わなれる前だった昨年3月、政府は承認後速やかに100万人分を購入することで、塩野義製薬と基本合意した。承認前の購入合意は、本来であれば考えられない。しかも、5月には承認のハードルを下げる緊急承認制度を新設。審議では専門家から異論が相次いだが、最終的に11月には緊急承認が決まる。すると、翌12月に政府は更に100万人分を追加購入した。合計200万人分のゾコーバが税金で買い上げられたのである。しかし、新型コロナウイルス第八波の最中にあっても、実際の医療現場ではゾコーバは殆ど処方されていない。塩野義製薬によると、今年2月5日時点での投与実績報告数は、全国で2万8050人分に留まる。つまり、1%程度しか使われていないのだ。 「現状としては、予想通りあまり使われていないと感じています」。こう話すのは、東京大学大学院薬学系研究科の小野俊介准教授。小野氏は元厚生労働省薬系技官でもあり、大学では医薬品の承認体制を研究している。緊急承認されたゾコーバの問題点を、次のように指摘する。「薬を承認する為には、本来は有効性を満たしているのかどうかを考えるべきです。ところが、ゾコーバの場合は『有効性を満たしています』と言う人と、『満たしていません』と言う人がいて、有効性とはどういうものかについて、すり合わせもしないまま、最後はよくわからないまま承認が決まりました。日本の新薬承認のいい加減さを浮き彫りにしたのが、ゾコーバではないでしょうか」。

小野氏が説明するように、ゾコーバは薬として最も重要な有効性に疑義がある。容認のプロセスも不可解なものなのだ。以下、ゾコーバの問題点を見ていきたい。緊急承認制度は、昨年5月20日に薬機法の改正に伴って新設された。これまでは全ての医薬品を対象にした通常承認と、海外で流通している医薬品等を対象にした特例承認の制度があり、何れも有効性と安全性を確認した上で承認を決めていた。それが緊急承認制度では、全ての医薬品を対象に、安全性を確認した上で、有効性については推定した段階で承認できるとした。つまり、承認のハードルを下げたのだ。塩野義は同年2月、条件付き早期承認制度の適用を希望する製造販売承認申請を行なっていたが、緊急承認制度が導入されると直ぐに適用申請を行なった。ただ、肝心の薬としての有効性を巡っては、専門家から異論が相次いだ。6月22日に開催された薬事・食品衛生審議会の医薬品第二部会では、ゾコーバの臨床試験の結果が説明された。この結果に対し、医薬品の承認審査等を行なう独立行政法人『医薬品医療機器総合機構(PMDA)』は、ゾコーバによってウイルス量の減少傾向が認められていることは否定しないものの、「塩野義製薬が申請した効能・効果に対する有効性が推定できるものとは判断できない」と報告した。委員の一人である山梨大学の島田眞路学長も、「臨床的にはあまり効いていない」として、「ウイルス量が多少減るからという理由だけで承認というのは非常に危険」と主張した。新型コロナウイルスの内服薬としては、『MSD』の『ラゲブリオ』と『ファイザー』の『パキロビッド』が有用な薬として、既に承認されている。島田氏は、こうした代替薬があるにも拘わらず、効果が弱いゾコーバの緊急承認を審査すること自体にも疑義を唱えた。続く7月20日の審議会は、分科会と医薬品第二部会による合同開催だった。この会議には塩野義側から追加のデータが提出されたが、元のデータを弄って有意差を導き出したもので、委員から「後付けだ」と批判された。PMDAも「有効性を推定できるものとは判断できない」とする主張を変えず、PMDAの藤原康弘理事長も「追加のデータは後付け解析だ」として効果を認めなかった。ところが、この会議に参考人として出席した3人が、揃いも揃って塩野義を擁護する主張をし、緊急承認を求める声を上げる。このうち、『日本感染症学会』理事長で東京大学医科学研究所附属先端医療研究センター教授の四柳宏氏と、『国立がん研究センター中央病院』感染症部非常勤医師の岩田敏氏は、塩野義との利害関係も疑われた。厚労省が緊急承認を認める主張をする参考人を態々選んだ可能性があった。それでも緊急承認は見送られ、継続審議となった。

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【暮らしの救急箱】(40) 薬膳でみる抗加齢の食材とは?

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漢方医学には、薬物療法(※漢方薬)と鍼灸、そして養生の3つがある。養生には食事指導が含まれ、“薬膳”と呼ばれる。現代栄養学とは異なり、漢方医学独自の概念によって、其々の人に適切な食材や調理法を選択するものだ。例えば薬膳では、ビタミンC等といった単独の成分に着目するのではなく、食べ物の丸ごとの味や性質がどの臓腑にどのように働くか、という考え方をする。薬膳レシピを数多く考案した医学博士で薬剤師、慶應義塾大学医学部漢方医学センター共同研究員の宗形佳織氏が、こう説明する。「漢方では両親から“先天の気”を貰って生まれてくると考えます。それは腎(※漢方医学における生命維持や発育、生殖、気を納める、体内の水分調節に関与する部位)に蓄えられますが、加齢と共に減少していきます。ですが、生まれてから食べ物や呼吸により、後天的に気を補うことで、身体全体の気の減少を緩やかにしていけるのです」。今、特別困った症状はないが、抗加齢の食材を選びたいなら、腎を補う食材を選ぶといい(※右画像)。

「加齢と共に腎の機能が弱まると、体が冷え易くなります。そういった時は体を温める食材を取ることも必要です」(同)。長葱、大蒜、生姜、山椒、蓬、羊肉、シナモンがお勧めだ。また、漢方的な視点――気・血・水という物差しを使って自分の体質を大まかに掴むと、薬膳の食材を選べるようになる。“気”は元気、やる気、気力等という言葉が示すように、生命力そのもの。そして春は、気の流れが滞り易い季節とされる。気の流れが滞ると鬱々としたり、眠れないといった症状が起き易いという。そんな時は、気を巡らせる食材――シナモン、辣韭、紫蘇、大根の葉、蜜柑の皮を。また、疲れが抜けなかったり、怠い状態が続いている時は気が不足しているサイン。「うるち米や芋類、豆類の他、鶏胸肉やサワラ、タイ等の味の淡いものを中心に、胃腸に優しい温かい食事を取りましょう」と宗形氏がアドバイスする。“血”は、体に栄養を与える赤色の液体を指し、不足すると乾燥肌になったり、髪がぱさつく症状が起きるとされる。補うには干し椎茸や牡蠣、レバー、卵等。“水”は体を潤す液体(※体液)を指す。尿の出が悪かったり、耳鳴りや目眩が起き易い人は、利尿作用が高い食べものを取るといい。鳩麦や小豆、とうもろこし、冬瓜、海藻類、茸類等が水の偏りを直すとされる。一方で、便秘がちで口が乾き易い人は水不足。不足した水を補うものは、木耳やナッツ類、蜂蜜だ。体質や精神状態、環境、その日の天候等によって、今の自分にベストな食材は変わっていく。気・血・水のうち、どこに滞りが起き易いか、不足しているところがないか、日々自分に問いかけてほしい。


笹井恵里子(ささい・えりこ) 医療ジャーナリスト・『日本医学ジャーナリスト協会』会員。1978年生まれ。『サンデー毎日』編集部記者を経て、2018年よりフリーランスに。著書に『救急車が来なくなる日 医療崩壊と再生への道』(NHK出版新書)・『室温を2度上げると健康寿命は4歳のびる』(光文社新書)・『潜入・ゴミ屋敷 孤立社会が生む新しい病』(中公新書ラクレ)。近著に『徳洲会 コロナと闘った800日』(飛鳥新社)。ニッポン放送『ドクターズボイス 根拠ある健康医療情報に迫る!』パーソナリティー。


キャプチャ  2023年5月号掲載

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【木曜ニュースX】(335) 製薬会社の社長が公明党詣で…承認申請中の新薬について“ご説明”

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製薬会社が公明党に接近している。『エーザイ』の内藤晴夫社長は先月、議員会館で行なわれた公明党の会合に姿を見せた。その場で、承認申請をしているアルツハイマー病治療薬『レカネマブ』について、公明党の議員に効果等を売り込んだという。申請中の医薬品について、特定の政党に売り込むこと自体が「以前ならあり得なかった」(業界紙記者)。レカネマブは今年1月、アメリカで通常より早いプロセスで承認されているが、その効果や副作用について懸念が指摘されている。エーザイとしては、公明党に取り入って承認への後押しを受けたい思惑だ。実は、公明党への“ご説明”は『塩野義製薬』の手代木功社長も行なっていた。新型コロナウイルスの治療薬『ゾコーバ』の緊急承認に向けた申請の直前となる昨年1月、やはり公明党議員の会合に手代木氏が出席しているのだ。昨年7月にゾコーバの承認が見送られた際には、公明党議員が厚生労働省の担当課長を呼び出して不満を伝えるといった一幕もあった。公明党の「製薬会社寄りの姿勢にはどんなメリットがあるのか」(同)と注目されている。


キャプチャ  2023年4月号掲載

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【水曜スペシャル】(591) 東京医科歯科大学発のベンチャー企業、臨床試験で“データ操作”の疑惑

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東京工業大学との統合を控える東京医科歯科大学で、研究モラルを問われかねない騒動が起きている。医科歯科大のオープンラボに拠点を置く『オルトメディコ』は、2005年に設立されたベンチャー企業。“食の安全”を理念に掲げて、食品メーカーに各種サービスを提供している。同社の筆頭ビジネスが“ヒト臨床試験事業”である。特定保健用食品(※トクホ)や機能性表示食品の有効性を証明する試験を請け負う。そして、同社が先月発表した新たなサービスの名称が『ヒト臨床試験有意差保証プラン』というものだった。薬剤等の効果を示す試験における“有意差”は、保証などできる筈がない。批判を浴びると、慌てて名称を『ヒト臨床試験安心プラン』と曖昧なものにした。しかし、発表時に「自社のノウハウで有意差を保証する」と宣伝しており、「都合のいい結果を出す為にデータ操作をしていると自白したようなもの」(医薬メーカー関係者)。同社がこれまでに検査に携わった商品についても、「検証し直すべき」(同)との声が上がっている。


キャプチャ  2023年4月号掲載

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【脳は成長する】(番外編) 脳波でロボット操作

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「先ずは皆さんに手を振ってみますね」。男性の声が響いてから数秒後。白いボディーに、緑色に光る目をした近未来的なデザインのロボットの左手が上がり、ゆっくりと左右に揺れた。数十人の観客から「おおー」と感嘆の声が上がった。このロボットを操っていたのは、全身の筋肉が動かせなくなる難病を患う武藤将胤さん(36)だ。先月23日、東京都内の店舗を借り切り、世界初の公開実験に挑戦した。頭の中で念じるだけで、高さ約120㎝の分身ロボット『オリヒメD』を動かし、接客するという試みだ(※左画像、撮影/手塚耕一郎)。武藤さんは広告代理店に勤務していた2014年、『筋萎縮性側索硬化症(ALS)』と診断された。人工呼吸器を付ける為に気管を切開し、2020年に声を失った。キーボードは打てなくなったが、視線で入力する装置を駆使して文章を作り、過去に録音した自分の声を基にした合成音声で読み上げている。現在は、DJや服飾のデザイナーとして活動する武藤さん。この日はバーが1日限定のアパレル店となり、武藤さんが考案したジャケットやTシャツが並んだ。「ペットボトルを再利用した生地を利用しています」。ロボットの手の動きに合わせ、武藤さんはお勧めの商品や着こなし方も説明した。武藤さんはどのようにロボットを操作していたのだろうか。この日に使用したのは、自身の脳波だった。先ず、頭にヘッドホンと8つのボタン電池のような電極を装着。ヘッドホンから聞こえる3つの異なる音に集中する。客に伝えたいせりふとロボットの動きをセットにして3パターン用意し、予め3つの音と紐付けておく。そこで武藤さんが1つの音に集中することで、脳波に変化が表れ、解析システムを通じて3択から選べるという仕組みだ。

公開実験で最も盛り上がったのは、景品をかけたロボットとの“脳波じゃんけん”だった。武藤さんが念じてグー、チョキ、パーの中から1つを選択。ロボットが手のひらを握ったり開いたりして客と対決した。ロボットは“パー・グー・チョキ”の順番で出し続けた。武藤さんは意図的に、その順番を選んでいたという。「全ての脳波のセレクトに成功しました。皆さん、やりました。人類が前進しました!」。実験終了後、武藤さんの喜びの“声”がこだました。実験では『脳パシー』と呼ばれる解析システムを利用した。武藤さん自身が被験者となり、生体信号の解析を手がける『電通サイエンスジャム』の荻野幹人主席研究員(31)と二人三脚で、2018年から開発に取り組んでいる。荻野さんは、「今は9割ぐらいの精度。トレーニングが必要で、今回のイベントに向け、事前に武藤さんと500回くらい練習してきた」と明かす。武藤さんがそこまでして脳波に拘るのは理由がある。ALSでは症状が進行すると、眼球も動かせなくなることがある。意識があるにも拘わらず意思疎通ができなくなることから、“完全閉じ込め状態”と呼ばれる。不安を抱く患者は多く、武藤さん自身も恐怖と闘っている。実際にそうした状態になった身近な仲間もいて、脳波による意思伝達の実用化への思いは強い。武藤さんは、「たとえ完全閉じ込め状態になってしまったとしても、誰もが脳波で自分の意思を伝えられれば、分身ロボットを操作して、自分らしく挑戦を続けられる未来が作り出せる。そうした希望をALSの仲間を始め、様々なハンディキャップと闘っている仲間に届けたいと思います」と力説する。実験には、オリヒメの開発者で、ロボット研究者の吉藤健太朗さん(35)も同席した。吉藤さんは、重度身体障害者らが遠隔でオリヒメを操作して接客する“分身ロボットカフェ”を都内で運営しているほか、ALS患者らが使う視線入力装置を開発した実績もある。吉藤さんは、「視線入力も、当初はゆっくりとしか文字を打てなかった。脳波の読み取りには未だ安定性に課題があるが、少しずつだけど確実に前進している。昔から脳波には可能性を感じていた」と期待を寄せる。ただ脳パシーは、利用者に合わせて調整する必要がある為、武藤さん以外の患者が直ぐに使えるわけではない。今後は、完全閉じ込め状態の患者に半年間の期間をかけて使ってもらいながら調整し、本当に必要な人が使えるようにしていく。武藤さんらは、今は3択の選択肢を5択にしていきたいという。「5択を高確率で選択できるようになれば、あ・い・う・え・おの母音選択ができるようになるので、脳波でもテキストの入力が可能になる。最終的には脳波で会話ができる未来を目指して、研究を続けていきます」。武藤さんはそう力強く宣言した。 (取材・文/科学環境部 池田知広)


キャプチャ  2022年12月6日付掲載

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【脳は成長する】(番外編) 肉体の“縛り”を科学で克服

肉体を動かせなくても、仮想現実の中で不自由なく生き続ける――。イギリスのロボット工学者、ピーター・スコット・モーガン博士(※右下画像、『スコット・モーガン基金』提供)は“人類初の完全サイボーグ”を目指して、自らを改造して機械と融合し、全身の筋肉が動かせなくなる難病を克服しようとしていた。志半ばの今年6月に64歳で死去したが、博士が希望を見いだしていたのは“脳と機械を繋ぐ技術”だった。

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ピーターさんは2017年、徐々に筋肉が動かせなくなる難病『筋萎縮性側索硬化症(ALS)』と診断された。余命2年と宣告されて思い立ったのは、最新のテクノロジーで身体の限界を超越する道だった。症状が進行すれば、食事や排泄が難しくなる。ピーターさんは未だ体が動かせる段階で、前もって胃瘻や人工肛門・膀胱を付ける手術を一気に受けた。気管を切開し、人工呼吸器も装着。体に多くのチューブが繋がった状態でも操作できる電動車椅子を乗りこなした。更に、デジタル空間の中にCGで自分の分身(※アバター)を作成した。事前に録音した自分の声を元にした合成音声と、視線による文字入力システムを組み合わせて、声が出せなくても恰も自分が話しているような世界を作り出した。そうしてサイボーグ化した体を“ピーター2.0”と自称し、半生を記した同名の著書(※邦題は『NEO HUMAN ネオ・ヒューマン 究極の自由を得る未来』、東洋経済新報社)は世界でベストセラーとなった。パートナーのフランシスさんによると、ピーターさんは視線入力システムでこの本を書き上げたという。「これは病気や事故、老化によって生じる極度の身体障害を、最先端のテクノロジーで解決しようという挑戦です」。ピーターさんは自著でそう述べている。これまでも常識を打ち破って生きることを体現してきた。1979年から苦楽を共にしたフランシスさんと2005年に結婚式を挙げ、同性同士でも婚姻に準ずる権利を認める、イギリスのパートナーシップ制度に基づく最初のカップルになった。

フランシスさんは本紙の取材に、「ピーターは私の人生で最愛の人でした。私は未だ悲しみの中にあります。ピーターの物語が、重度障害に直面している人々が既成概念に挑戦し、必要な援助を求めるきっかけになることを望んでいます」と明かした。ピーターさんの挑戦は、人間存在の在り方を問うものでもあった。再三に亘って「AIと融合する」と宣言。脳と機械を繋ぐ技術『ブレインマシーンインターフェース(BMI)』と仮想現実を組み合わせ、「脳が働きさえすれば自由に生き続けられる」と信じていた。ALSでは症状が進行すると眼球まで動かせず、視線で合図を送れなくなることがある。“完全閉じ込め状態”と呼ばれ、意識があるにも拘わらず意思を伝えられないことに不安を抱く患者は多い。ピーターさんは、そうした閉じ込め状態をテクノロジーで乗り越えようとした。ハイテクの力で障害者の福祉向上を目指す為、ピーターさんらが設立した団体『スコット・モーガン基金』の特使、ラボン・ロバーツさんによると、ピーターさんはBMIを使った2つの方法を模索し、亡くなる直前まで専門家に質問を重ねていたという。その一つは、機器を頭の外に装着するBMIの活用だ。非侵襲型という体にメスを入れないタイプで、ヘッドホンのような形をした機器等で脳波を解析し、画面上で文字入力等ができる装置を、既に複数の企業が開発している。ピーターさんらはこれに注目していた。イギリスの世界的な宇宙物理学者、故スティーブン・ホーキング博士もALS患者として知られ、体を動かし難くても使える『インテル』の意思伝達ソフトウェアを用いていた。ピーターさんらは、それと非侵襲型のBMIを連携させて活用することを検討していたという。インテルのチームが実際にピーターさんの脳波解析に訪れたこともあった。もう一つは、手術で脳の表面に機器を留め置く侵襲型のBMIで、将来的な利用を考えていた。アメリカのベンチャー企業『パラドロミクス』は、頭部に電極を埋め込んで脳波を読み取ることで、考えるだけで合成音声による会話等ができる機器を開発中だ。ピーターさんは完全閉じ込め状態になった後も意思伝達できるとして、同社の技術に可能性を見いだしていた。同社は来年中にも、人体で最初の臨床試験をする予定だ。将来的には電気刺激による精神・神経疾患の治療も見据える。スコット・モーガン基金で技術顧問を務める同社のマット・アングルCEOは、開発中のBMI機器について「身体の麻痺から鬱病まで、脳に関する疾患の治療に使いたい。最終的には何百万人もの人々に利用が広がると考えています」と話す。ピーターさんは、こうしたBMIを体内に埋め込めば、体を動かさなくても仮想空間の中で自由に行動できると考えていた。自著では、同じ仮想空間に入ったフランシスさんと出会う光景を描いている。実際には非侵襲型のBMIを試し、考えるだけで意思伝達できる段階まできていたが、今年に入り容体が悪化し、家族に看取られて亡くなった。ALSの症状が進行していない段階でリスクを伴う手術に踏み切ったことについて、一部の医療関係者から批判されながらも、「障害者にもより良く生きる権利がある」と主張し、変革を訴えたピーターさん。今は彼の人生を描いた映画の製作も進んでいるという。ピーターさんの甥のアンドリューさんは、「ピーターはテクノロジーに対する強い信念を持っていました。スコット・モーガン基金の主な使命は、支援技術の研究と普及に努め、『自分の体に閉じ込められている』と感じている人が、彼と同じような選択肢を持てるようにすることです。私はピーターの遺志を更に継いでいきます」と語った。 (取材・文/科学環境部 池田知広)


キャプチャ  2022年11月8日付掲載

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【暮らしの救急箱】(39) どうすればストレスは消えるのか?

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長く続いたコロナ禍のストレスで体調を崩す人が急増していると、様々な科の医師から聞く。産業医として多くの企業と関わってきた海原純子氏(※昭和女子大学ダイバーシティー機構客員教授)はこう話す。「日本経済が大変な状況で、企業に余裕がなく、人件費削減で正社員に負担がかかっています。一方で、非正規の方はいつまで契約が続くのかと不安になっている。 本来の業務の悩みとは違うところでの心配が起きたり、嫌なことがあっても生活の為に我慢するしかないと気持ちが落ち込んだり…。そういった状況は、心の活気を低下させるのです」。つらさを抑圧し続けていると、心の中は抑え込んだ思いでいっぱいに。ストレスの捌け口としてアルコールに依存する場合もあるし、眠れなくなってしまうことも。先ずは気持ちを表現することが大切で、それは誰かに愚痴をこぼすことは異なる。「感情をノートに書き出してもいいですし、身体は心を表現する場でもあるので、走ったり歩いたり、身体を動かすこともおすすめです。気分が変化しますよ」(同)。

さて、同じつらい環境、酷い条件でも、鬱になる人と回復力がある人がいるのは何故だろうか。海原氏は東日本大震災から2年後、現地で調査やサポートをし、約1200人の回答から“心の健康サポートニーズ調査”を纏めている。「震災で家がなくなって仮設住宅で暮らしている方は、家が流されなかった方と比べて心身の健康状態が当然悪い。但し、仮設住宅に住む人の中でも、周囲と信頼関係を築き、仲間づくりができた人は生活満足度が低下しないのです。この結果から、つらい状況でも“周囲と繋がりを持つ”ことが回復力に重要ということがわかりました」。心の健康を維持するのに不可欠なものとして、海原氏は“適度に体を動かす”・“気持ちを話せる仲間”・“深呼吸”・“睡眠”・“自然とのふれあい”という5項目を挙げる。これを基本とし、集中して嫌なことを忘れられる、又は良い気分になれる“場所”や“事”がストレス対策になるという。「以前、気持ちを表現しない抑圧傾向の男性がストレス健診を受けに来ました。本来、ストレスを溜め易い筈ですが、意外と心の元気度が高い。話を聞くと、私が書いているコラムを切り抜き、体と心に良さそうなことを色々実践していると(笑)。ストレスを溜め易いタイプの人も、補うように工夫すれば乗り越えられるんです」(同)。入浴せずに寝てしまったり、生ごみを捨てずに翌朝まで放置していると気分が悪いように、心も日々、綺麗に洗い流すことが必要という。「“洗い流す”のは、ちょっとしたことでできるんですよ。猫を撫でる、深呼吸する、好きな音楽を聴く、美味しいお茶を飲む等」(同)。貴方は“心を綺麗にする何か”を幾つ持っているだろうか。大変だった日ほど意識して心を洗い、ストレス予防や回復力に繋げていこう。


笹井恵里子(ささい・えりこ) 医療ジャーナリスト・『日本医学ジャーナリスト協会』会員。1978年生まれ。『サンデー毎日』編集部記者を経て、2018年よりフリーランスに。著書に『救急車が来なくなる日 医療崩壊と再生への道』(NHK出版新書)・『室温を2度上げると健康寿命は4歳のびる』(光文社新書)・『潜入・ゴミ屋敷 孤立社会が生む新しい病』(中公新書ラクレ)。近著に『徳洲会 コロナと闘った800日』(飛鳥新社)。ニッポン放送『ドクターズボイス 根拠ある健康医療情報に迫る!』パーソナリティー。


キャプチャ  2023年4月号掲載

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