【天下の暴論2017】第2部(02) 成人した子供と同居の親は所得税2倍

20171019 13
人間は動物である。これは紛れもないファクト(事実)である。そうであれば、人間は動物としてやってはいけないことを本来やるべきではないのだ。幾つか例を挙げて論じよう。先ず、動物は生後暫くは親の下で暮らすが、成獣になると親の下を離れて一人立ちしていく。大人になるということは、自分のご飯は自分で稼いで食べるということだ。我が国では成人は20歳と決められている。大学進学率が50%程度なので、20歳というのは丁度学業を終えて社会に出る平均年齢でもある。人間が動物であることを踏まえれば、20歳で親元を離れるのが自然だろう。ところが、我が国では25~39歳の親同居率が40%を超えており、アメリカやドイツの10%強と大きな差が生じている(※『世界価値観調査2010』による)。僕が3年間幕らしていたロンドンでは、18歳になると誰もが家を出ていた。それが社会の常識だった。若者はお金が無いので、大体がルームシェアを行う。ウィリアム王子もそうだった。そして、ルームメイトであったキャサリン妃と結婚している。我が国では、“婚活”という言葉が流行るほど結婚相手を探すのが難しいと言われて久しいが、その大きな理由として親との同居が考えられるのではないか? 親と同居すれば、基本的には衣食住の面倒が見てもらえる。自活に比べると楽なことこの上ない。そうであれば、結婚に食指が動かないのも当然だろう。そこで、学業を終えて成人した子供と同居している親には、所得税を2倍ほど加重してはどうか? 勿論、親か子が病身であったりしてケアが必要な場合は例外とする。

この効果としては、親は子離れ、子は親離れができて、お互いが精神的にも自立することができる。同棲、若しくは結婚のニーズが自然と高まり、その結果として赤ちゃんも生まれ易くなる等のメリットが生じるだろう。ルームシェアに適した賃貸住宅やコレクティブハウスの供給とセットで政策を打てば、更に効果が高まることが期待できよう。勿論、中学校や高等学校の教育現場でも、成人すれば親元を出ていくことが人間としてごく自然な姿であることを教えなければならない。第二は定年の廃止である。動物は、子供には餌を与えるが、大人には大して与えない。そうであれば、高齢者が若い世代に養ってもらう(※“young supporting old”)という考え方(※敬老原則)自体がおかしいということに、誰でも気付く筈である。定年という制度は、戦後の我が国の“冷戦構造”・“人口の増加”・“工場モデルによるキャッチアップ戦略”という3つの特別な前提条件の下に初めて成立した“一括採用”・“性分業”・“終身雇用”・“年功序列”とワンセットのガラパゴス的な労働慣行に他ならないのであって、先進国にはあまり類を見ない特殊例外的な仕組みなのである。世界地図を少し回転させ、ロシアや中国を下において眺めてみよう。ロシアや中国が太平洋に出ていこうとした時、沖縄に至る日本列島が如何に邪魔をしているかが一目でわかる。冷戦の最中には、日本はまさに不沈空母として、アメリカにとっては戦略的にとてつもない価値があったのだ。戦後の日本は、繊維・鉄鋼・電化製品・自動車・半導体とアメリカの脛(※基幹産業)を齧り尽くして大きくなった国だが、それでも日米関係が大事に至らず、アメリカが大目に見てくれたのは(※日米経済摩擦)、不沈空母故のことであった。戦後の高度成長が主として人口の増加によるものであったことは、アトキンソンが実証した通りだが(※デヴィッド・アトキンソン『新・所得倍増論 潜在能力を活かせない“日本病”の正体と処方箋』-東洋経済新報社)、日本の生産年齢人口は1995年まで伸び続けた。吉田茂が戦後の復興を企図する中で選択した、製造業を中心とする工場モデルでアメリカに追いつき追い越そうというキャッチアップ戦略は、1940年体制と上手くマッチして奏功した(※野口悠紀雄『1940年体制(増補版)』-東洋経済新報社)。この3条件の下で、戦後の我が国の経済は、バブルがピークを迎える1990年まで、平均約7%の高度成長を成し遂げたのである。“72のルール”というものがあり、“72÷金利若しくは成長率=元本が倍になる年数”であるので、7%成長によってGDP(≒所得)が10年で2倍に膨れ上がる経済が、30年・40年と続いたということである。これだけの高度成長が続けば、恒常的に人手不足が生じ、且つあまり頭(※考える力)を使わない工場モデルであったので、採用はそれに適した新卒一括採用が主流となった。

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【2017衆院選・検証アベノミクス】(05) 上がらぬ潜在成長率

20171019 11
「日本経済最大の課題は、潜在成長率の引き上げだ」。先月26日。茂木敏充経済再生担当大臣の記者会見での言葉こそ、アベノミクスの狙いである。国の経済の実力を示すとされる“潜在成長率”。先進国は低下傾向にあり、特に日本は低い。①企業の設備投資や投資を増やす②労働力を増やす③技術革新等によって生産性を高め、新たな成長産業も生み出す――。これらを実現すれば潜在成長率は上がる。女性の活躍推進や法人減税といった政策の目的も、全てそこにある。2016年の就業者数は6465万人で、2012年から185万人増えた。女性と高齢者の就業者の増加が寄与したとみられる。だが、日本に詳しい世界的な経済学者であるハーバー ド大学のデール・ジョルゲンソン教授の見方は厳しい。「日本経済は成長したが、労働力が増えたからで、生産性が高まったからではない。アベノミクスの第1段階では、生産性の向上は殆ど見られなかった」。働く人が如何に効率的に成果を出したかを示す“労働生産性”。『経済協力開発機構(OECD)』の統計からも、生産性が伸び悩んでいるのがわかる。今後、生産年齡人口(※15~64歳の人口)の減少ペースは速まる。女性や高齢者の労働参加には限界がある。だからこそ、安倍首相は先月25日の解散表明の記者会見で、こう決意を示した。「生産性革命、そして人づくり革命、この2つの大改革が、アベノミクス最大の勝負だ」。『Apple』や『Google』といった成長企業が次々と登場するアメリカに比べ、日本は生産性が低い。どうすれば高めることができるのか? 一例が技術革新だ。

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客が商品を入れた買い物かごを、店員のいないレジに置くと、直ぐに支払金額が表示される。袋詰めも自動。『ローソン』が大阪府守口市のパナソニック前店で、今年2月に行った無人レジの実証実験である。価格等の商品情報が記録された電子タグ(荷札)を活用する。客が電子マネー等で精算した場合、会計の時間は従来の平均40秒から23秒に短縮できたという。無人レジが広がれば、店員は新たな仕事に回ったり、労働時間を減らしたりできる。生産性は上がる。規制緩和も、潜在成長率を高める有効な手段になる。新潟市の田園地帯の一角にあるレストラン『ラ・トラットリア・エストルト』。朝採れ野菜のサラダ等が評判で、平日でも満席になることがある。店が立つのは本来、農業目的の利用しかできない“農用地区域”。出店できたのは、国が指定した地域に限って規制を緩和する国家戦略特区に新潟市が加わっているからだ。農家レストランは市内に3軒あり、周辺の加工品直売所や観光農園等を含めると、年間で約45万人を集客する原動力になった。同市の担当者は、「農地を抱える全国の自治体に広がれば、多大な雇用創出と経済効果がある」と話す。イギリス等が先行する“レギュラトリーサンドボックス”も、政府は採用した。規制を緩め、先端技術や新しいビジネスモデルを試す実験場を設ける内容だ。サンドボックスとは砂場のこと。子供の砂遊びのように、失敗してもいいから挑戦を後押しする。自動運転の実証実験等への活用が期待されている。首相は、幼児教育の無償化等を柱にした“人づくり革命”も掲げ、今回の衆院選に臨んでいる。少子高齢化が急速に進む日本経済の課題を克服するのは簡単ではない。アベノミクスをどう評価するのか? 野党は有効な対案を示せるのか? 今月10日公示・22日投開票の衆院選で、有権者の判断が問われることになる。 =おわり


⦿読売新聞 2017年10月2日付掲載⦿

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【2017衆院選・検証アベノミクス】(04) 財政出動でGDP上昇

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十和田湖を抱え、八甲田山を望む青森県十和田市。人口6万2000人の同市に本社を置く『十武建設』の赤坂憲孝社長は言う。「仕事は抱えきれないほどある。この状況はアべノミクスさまさまだ」。請け負う仕事の約7割が公共事業。大手から仕事を受注し、国の経済対策に盛り込まれた道路工事等に参加してきた。社員17人で、6つの現場を掛け持ちするフル稼働の状態が続く。2012年12月の第2次安倍内閣の発足と歩調を合わせるように、5年ほど前から業績が拡大している。今春、“決算手当”を初めて支給した。夏冬2回の賞与とは別の“臨時ボーナス”で、その額は1人あたり10万円を超える。アべノミクスの“3本の矢”の1つ、“機動的な財政政策”の恩恵だった。財務省の統計によると、2016年度の建設業の経常利益は約6.4兆円と、2012年度の約2.3倍に急増した。政府は毎年のように、公共事業や中小企業支援等を盛り込んだ経済対策を打ち出してきた。2016年の対策には、低所得者2200万人に対し、1人1万5000円の給付金の支給を盛り込んだ。消費税率8%への引き上げの影響を和らげる狙いからだ。名目国内総生産(GDP)は、2012年度の495兆円から、2016年度には538兆円に増えた。安倍首相は一昨日、衆議院解散後の自民党両院議員総会で、成果を強調した。「私たちは政権を奪還し、経済の低迷に終止符を打った。昨年とうとう、名目GDPが1997年以来、最高を記録することができた」。首相は今回、消費税率を2019年10月に予定通り引き上げ、増税分を幼児教育の無償化等に充てる“使途変更”を掲げている。

20171019 10
安倍首相の経済政策ブレーンで、内閣官房参与を務める京都大学の藤井聡教授は今月、インターネットメディアで持論を展開した。「増税によるブレーキを上回る“アクセル”を、数か年の大型景気対策(15兆円規模を、3~5年程度)という形で確保できるのなら、(消費)増税をしてもデフレ脱却ができる可能性は皆無ではない」。成長を最優先にすべきとの考えを示したとみられる。経済が成長すれば、税収が増え、財政再建も進む――。これが首相の主張である。2012~2015年度に、国の税収は毎年度、当初の見積もりより1兆~4兆円程度上回った。政府は、この上振れ分の多くを借金返済に充てるのではなく、補正予算の財源に回して景気をてこ入れしてきた。しかし、2016年度の税収は55.5兆円と、円高の影響等もあって、7年ぶりに前年を下回った。シナリオに狂いが生じ始めている。国の歳出は97兆円。この内、高齢化の進展で社会保障費が3分の1を占める。只でさえ毎年30兆円を超える借金を新たにしなければ、予算を執行できない。バブル崩壊後の1990年代前半から財政出動を重ねてきた結果、国債等“国の借金”の残高は1000兆円を超えた。GDPの約2倍の規模で、先進国では最悪の水準にある。7月26日。ワシントンに本部を置く『国際通貨基金(IMF)』の理事会は、日本経済に対する評価が議題となった。定期的に行われる対日審査の為だ。「短期的には経済に対する財政支援が必要だ」「財政再建を急ぐべきだ」。中期的な財政健全化の必要性では一致したものの、目先の対応を巡っては専門家の間でも意見が割れた。経済・財政運営の舵取りは、難しさを増している。


⦿読売新聞 2017年9月30日付掲載⦿

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【2017衆院選・検証アベノミクス】(03) 金融緩和で設備投資改善

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「10年後・20年後に向けて、生き残る為の投資に踏み切った」――。神奈川県綾瀬市の部品メーカー『ミズキ』は、約55年ぶりの大型投資を決断し、新工場を建設中だ。水木太一社長は、「2008年のリーマンショック後、規模縮小を考えたが、(アベノミクスで)円高が是正され、業績が改善した。医療機器やロボット等にも使えるような精緻な金属部品の製造を増やす」と意気込む。総工費は約11億円。この内、約7億5000万円を『横浜銀行』等から借りた。『日本銀行』の金融緩和で金利は低い。神奈川県の補助制度も使い、“実質ゼロ金利”で借りられたという。日銀の黒田東彦総裁は、就任直後の2013年春、デフレ脱却を目指し、「2年程度で物価上昇率を2%に引き上げる」と宣言した。アべノミクスを支える“量的・質的金融緩和”が始まった。日銀は、国債等を金融機関から大量に買い取る。金融機関はその分、手持ちの資金が増える。それで融資を促し、企業の設備投資に繋げる狙いがある。世の中に出回るお金が増えれば、その国の通貨は安くなり易い。ものが増えれば価格が下がるのと同じような理屈だ。第2次安倍内閣が発足した2012年12月に1ドル=85円台だった円相場は、急速に円安に傾く。 円高に苦しんでいた経済は息を吹き返した。日銀は、その後も金融緩和を強化していく。内閣府の統計によると、2012年10~12月期に約72兆円(※名目ベース・年換算)だった企業の設備投資は、2017年4~6月期には約85兆円まで回復した。『全国銀行協会』の纏めでは、銀行の融資残高は先月末で477兆円。6年間に亘って前年同月を上回った。

20171019 08
横浜市でマンションの大規模修績等を行う『大和』の佐藤正道社長は、「今は設備投資のチャンス。新たに土地を購入し、新社屋を建てる」と言う。金融緩和の効果は出始めている。だが、肝心の物価が上がらない。今年7月の消費者物価の上昇率(※生鮮食品を除く)は、前年同月比0.5%に留まる。エネルギー価格の影響を除けば、伸びはほぼゼロである。首都圏のバイク販売店の店長は、「1万円値上げすれば、全く別のバイクではないかというくらい売れ行きが落ちる」と話す。消費者は価格に敏感だ。企業は値上げを躊躇う。こうした構図も、物価を上がり難くしている。景気が良くなれば、人々の給与が上がり、消費が増え、物価も徐々に上がっていく――。そんな日銀の思惑は外れた。黒田総裁は6月、イギリスでの講演で、「(物価は上がらないと考える)人々の認識を変えるのは容易ではない」と述べた。そして、半ば匙を投げるように語った。「問題は心理的なものだ」。物価の伸び悩みは、先進国共通の問題でもある。アメリカの中央銀行にあたる『連邦準備制度理事会(FRB)』。ジャネット・イエレン議長は、同国の景気が良いのに、物価上昇率が2%を下回る現状について、「ミステリーだ」と表現した。一方、金融緩和の弊害を指摘する声も出てきている。日銀の国債保有額は、この4年半で3倍以上の430兆円超に増え、全体の4割に達した。「金利が低くなり過ぎることで、金融機関の収益が悪化する等、副作用が大きくなっている。日銀が国債をこれ以上買い集めると、流通量が減り、価格の変動が大きくなる可能性が高い」。7月まで日銀の審議委員を務めた『野村総合研究所』の木内登英氏は、警鐘を鳴らす。


⦿読売新聞 2017年9月29日付掲載⦿

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【2017衆院選・検証アベノミクス】(02) 人手不足でも給与増えず

20171019 05
求人数が全国最多の『ハローワーク品川』(東京都港区)。毎月1万件以上の求人が集まるのに対し、仕事を求めて訪れる人の数は1日あたり200人程度。5年前からほぼ半減した。同雇用開発部の水野治部長は、「企業の採用活動が目に見えて難しくなっている」と語る。求人票を出しにきた中堅運送会社の人事担当者(28)は、「インターネットでものを買う人が増えて仕事量が増えているのに、人手の確保が追いついていない」と溜め息を吐く。1人の求職者に何件の求人があるかを示す有効求人倍率は、7月に1.52倍と約43年ぶりの高水準を記録。安倍首相は今月25日の記者会見で、「力強い経済成長が実現している。正社員の有効求人倍率は調査開始以来、初めて1倍を超えた」とアピールした。だが、良いことばかりではない。それどころか、企業の生産活動に深刻な影響を及ぼし始めている。栃木県の部品メーカーの関係者が打ち明けた。「自動車メーカーの注文を捌き切れず、納品を後ろにずらしてもらっている」。しかも、他に求人が多い為、大変だと感じたら直ぐ辞めてしまうという。人手不足なのに、労働者の収入も中々増えない。厚生労働省の調査によると、残業手当等を除いた所定内給与(※月額)は、2016年で平均30万4000円。第2次安倍内閣が発足した2012年(※29万7700円)より増えたとはいえ、上昇率は4年間で2.1%。この内、非正規雇用の給与は7.8%伸びたが、それでも21万1800円と正規より11万円低い。

20171019 06
今年7月、長野県軽井沢町で開かれた『日本経団連』の夏季フォーラム。ゲストとして呼ばれた麻生太郎財務大臣の発言が、財界で波紋を呼んだ。「所得が上がらないから景気が良くならない。これは事実だ。企業は大量の内部留保を溜め込んでいる。住宅手当に回してはどうか?」。財務省の統計によれば、企業が生み出した付加価値(※利益等)の内、人件費に回した割合を示す労働分配率は低下傾向が続く。麻生大臣が苛立つ理由はここにある。安倍内閣は、政府主導で企業に賃上げを働きかける“官製春闘”を定着させた。最低賃金(※時給)も全国平均で1000円に引き上げる方針を掲げ、2012年度の749円は今年度には848円になる見通しだ。では、平均賃金が上がらないのは何故か? 1つは、終身雇用・新卒一括採用といった日本特有の雇用慣行が影響しているとみられる。自動車メーカー幹部は、「一旦上げた基本給を下げるのは、日本では難しい」と語す。長期的なコスト増に直結するからだ。2つ目は社会保険料の増大にある。企業は、健康保険料や厚生年金保険料を労使で折半する。『ニッセイ基礎研究所』によると、企業の社会保障負担は、2000年度の19.1兆円から、2015年度には25.7兆円に膨らんだ。それが、賃金が低い非正規雇用を企業が増やしてきた動機の1つでもある。実際、労働者に占める非正規雇用の割合は37.,5%(※2016年)と、10年前の33.0%から上昇し、人数は345万人増えた。非正規雇用の平均賃金は、正規の約6割の水準。非正規の割合が高まれば、統計上の平均賃金は上がり難くなる。高齢化で求人が多い福祉分野は、介護保険制度で報酬が決められる為、賃金の上昇が鈍いという特殊事情もある。社会福祉・介護の所定内給与の伸び率は2012~2016年で1%と、全産業の半分程度に留まる。雇用問題に詳しい東京大学の玄田有史教授は、「非正規雇用の拡大には限界があり、今後、賃金上昇が広がる可能性はある」と指摘する一方、「企業はボーナスを非正規雇用に支給する等、将来不安を打破する工夫が必要だ」と話す。


⦿読売新聞 2017年9月28日付掲載⦿

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【2017衆院選・検証アベノミクス】(01) 将来不安、続く節約志向

20171019 03
「アベノミクス改革の矢を放ち続け、漸くここまで来ることができた。これからも本当に成長していけるのか。漠然とした不安に答えを出す」――。安倍首相は一昨日の衆議院解散表明の記者会見で、こう強調してみせた。既に、“不安”が若者らの意識を変えつつある。『東京証券取引所』が主催する投資セミナー。今年度の出席者に占める10~30代の割合は、2016年度からほぼ倍増した。その1人、東京都内のIT企業で働く五嶋麻里奈さん(26)は、「年金等将来不安は大きい」との理由で生活費を削り、月3万~5万円は貯金する。それでも、「貯蓄だけではお金は増えないから」と参加した。手取り収入が消費に回したお金の割合割合を示す“消費性向”。29歳以下では、2001年の75.9%から2016年は64.6%まで低下した(※総務省の家計調査)。それだけ貯蓄を増やしている訳だ。貯蓄に回す割合は、30~39歳・40~49歳でも高まっている。消費者は価格にも敏感だ。『イオン』傘下の『ダイエー』は、今月13日から期間限定で10~20%値下げする食品や日用品の数を約600追加し、約1300品目にした。効果は劇的だった。販売数量は前年より約3割伸びた。近沢靖英社長は、「消費者にとって必要な物を安く買って節約することは普通だ」と話す。『セブンイレブン』も今年1月、洗剤や歯ブラシ等61品目を平均5%値下げし、販売量は36.9%増えた。金融緩和や財政出動等で、景気拡大期は戦後2番目の長さになった可能性が高い。しかし、消費者の不安や節約志向は変わらない。

安倍内閣は、政府自ら賃上げの旗を振り、毎年、平均2%前後の賃上げ率を実現させてきた。経済対策は4回打ち出し、低所得者への臨時給付金等、消費喚起策を講じた。それにも拘わらず、国内の消費支出は振るわない。何故か? 第一の理由が、手取りである“可処分所得”の伸び悩みにある。ある子育て世帯の例をみてみたい。東京都中野区に住む46歳の主婦。夫は飲食業を営み、自身はパートに出ている。中学3年生と1年生、小学5年生の子供がいる5人暮らしだ。毎月の世帯収入は、2011年の40万8400円から47万2820円に6万円以上増えた。しかし、社会保険料の引き上げ等で、可処分所得は39万8820円と約3万6000円増えたに過ぎない。支出は子供の成長に連れて大きくなる。教育費は約1万6000円多い7万9000円に、食費も約2万1000円多い9万1000円になった。この2つで、可処分所得の伸びをほぼ相殺する。教育費や、親の介護が必要になった時にかかる費用を考えると、「切り詰められるものは切り詰めたい」。今夏の家族旅行は見送った。可処分所得が増えなければ、消費は増えるどころか減ってしまう。企業も危機感を強めている。「2020年には全世帯(※2人以上)の6割弱が年収400万円未満になる」――。食品卸最大手の『三菱食品』は、こんな独自の試算を纏めた。2015年度の47%(※厚生労働省の統計)から約10ポイント増える計算だ。安くて美味しくて栄養のあるレシピをスーパーマーケットやコンビニエンスストアに提案しようと、本格的な検討に乗り出した。一例が“なんちゃって厚切りステーキ”。木綿豆腐を薄切り肉で挟んで焼いた。野菜ジュースを染みこませた高野豆腐を焼き、食パンで挟む“なんちゃってカツサンド”も評判を呼んだ。同社マーケティング本部の原正浩部長は、「今のままでは(購買力の点で)消費者がついてこられずに、消費者が離れてしまう」と話す。スマートフォン等を通じて中古品を売買する“リサイクル消費”の広がりも、統計上の消費支出を抑える理由の1つとみられる。スマホにダウンロードして、個人同士で中古品の売り買いができるフリマアプリ。代表格の『メルカリ』は、月間の取引額が100億円を超える。衣類・電化製品・日用品等、あらゆる品が売りに出され、「この1年、店で新品の服を買ったことはない」(24歳・男性アルバイト)という利用者も多い。リユース市場は1兆6000億円規模とされ、6年連続で5%前後の成長を遂げる。新品より中古品のほうが通常は安い分、消費支出は少なくなる。高級ブランドのリユース店『コメ兵』。店内には、『エルメス』のバッグや、『グッチ』の靴、高級時計・宝石等の中古品が並ぶ。価格は新品の2~7割程度。顧客の中心は30~40代で、全体の6割以上を占める。担当者は、「ブランド志向が強いバブル世代の人でさえも、状態が良ければ中古で満足する人が増えている」と明かす。

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『神戸製鋼』の不正、日本企業のイメージ低下に拍車――「東芝から何も学ばなかったのか?」、社内での発見に希望の兆し

20171018 05
法曹界と学界の専門家によると、『神戸製鋼所』のデータ改竄スキャンダルの最も不安な側面は、不正行為の規模ではない。これまでに世界で500社以上の顧客企業が影響を受け、訴訟リスクが会社の財務を破綻させる恐れがあるが、規模以上に不安なのは、これが見慣れた不祥事だという問題だ。神鋼が自ら発見し、自ら宣言した危機は、品質証明を偽造して、飛行機・自動車・ロケット・列車・原子炉に使われる部材を売っていたことに起因している。この慣行は10年以上前に遡る可能性がある。今のところ、安全性に影響が出た例は未だ明るみに出ていないが、神鋼の顧客基盤全体で調査が始まっている。先週、スキャンダルが公になった4日後、川崎博也会長兼社長は発覚した事実に「愕然とした」と述べ、会社の信頼が「ゼロに落ちた」と認めた。問題が会社の複数部門に広がっており、不正製品の出荷先の顧客リストが以前の発表の2倍以上の長さになることを川崎氏が認めた今月13日夜までには、神鋼の株価は1週間で4割以上も落ち込んでいた。無資格の品質検査員の問題(※『日産自動車』)から粉飾決算(※『東芝』)、安全性の問題の隠蔽(※『タカタ』)、過労自殺(※『電通』)まで、日本企業のスキャンダルが2年間集中的に勃発した後、“日本株式会社”全体に共通する危機の要素が、以前よりはっきりしてきた。だが、個々のスキャンダルの詳細は独特かもしれないが、コーポレートガバナンス(企業統治)の不備とリスク管理体制の問題は違う。

「我々は東芝から何も学ばなかったのか?」――。コーポレートガバナンスの専門家である牛島信弁護士は、日本で最も有名な企業の1つに数えられる東芝を今年、破綻の瀬戸際まで追い込んだ一連の災難に言及し、こう問いかける。「東芝の問題は、取締役会が如何に重要かを示した。(神鋼の)取締役会は何をしていたのか?」。これは、詳細が更に明らかになるにつれて、一段と大きく響き渡る疑問だ。1年以上前に神鋼のグループ会社で全く同じデータ改竄問題が明らかになったにも拘わらず、何故問題が起き続けたのか説明するよう川崎氏が迫られている今は、特にそうだ。「この圧力は、過去よりずっと強力なものになる」とアナリストらは言う。というのは、2015年のコーポレートガバナンスコード(企業統治指針)が、危機を解明する優れた手段を日本に与えたからだ。「今のところ、このスキャンダルは、その他多くの日本企業が犯したガバナンス関連の失敗に共通する側面を反映しているように見える。物凄く恥ずかしいことが行われ、たとえ発見されても社内で周知徹底されず、その為に再び起きる。また、企業の一部のレベルでは、これが隠蔽となり、事態を各段に悪化させることになった」。日本のガバナンスコードの策定に携わったニコラス・ベネシュ氏は、こう語っている。アメリカの中堅証券『ジェフリーズ』のアナリストであるタン・ハ・ファム氏によると、コーポレートガバナンスの失敗を示す証拠の1つは、問題が一部門に限定されず、神鋼グループ全体で出てきたことだ。「経営陣は各事業部門で起きていることを見ていない」と同氏は述べ、「スキャンダルからいずれ生まれる利点は、日本株式会社全体を揺さぶり、この失敗を認識させることかもしれない」と付け加える。関西大学の森岡孝二教授(経済学)は、「神鋼の危機は日本企業全体のせいにすることができ、自国を卓越した品質の提供者として打ち出そうとする日本の取り組みにとってダメージになる」と指摘する。「グローバル競争の為に、企業はコストを削減し、労働法に敢えて逆らい、往々にして限界まで従業員に無理をさせることを余儀なくされた」。企業は正社員より訓練が少なく、忠誠心も薄い非正規労働者の割合を引き上げた。「個々の企業には独自の文化があるが、日本では一般に、全ての会社にミスを隠す非常に淀んだ空気が漂っている。内部告発はあまり上手くいかない。どういう訳か握り潰されてしまう」と森岡氏は続ける。

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【働く力再興】第2部・改革に足りぬ視点(03) 聞こえぬ“雇用流動化”の声…失業を生かせる国に

20171017 04
働く場所を持たない人のストレスは大きい。だが、欧米と日本の受け止めはだいぶ違う。欧米は失業期間を能力に磨きをかける時間と捉え、前向きに職探しに励む人が多いようにみえる。ピンチをチャンスに変える。労働力は不断の鍛え直しがあってこそ輝く。東京都渋谷区の雑居ビルの一室。最新のIT知識や営業スキルを学ぼうと、30人ほどの若者が熱心にメモを取っていた。大学を出て正社員になれなかったニートやフリーター向け就活支援教室『ウズウズカレッジ』だ。民間版職業訓練の1つで、内定獲得まで面倒を見るのが売りだ。運営する『UZUZ』(東京都新宿区)は、7月の開校後、100人ほどを企業に送り込んだ。草野倫輝氏(28)は、エンジニア講座の受講を都内IT企業への就職に結び付けた。「大学卒業から4年経ち、不安だったが、手厚いサポートで自信が持てた」。ビジネスの現場に即した指導が、市場の外にいる人を戦力に仕立てる。企業は、目まぐるしく移り変わる成長分野に資源を集中したい。労働者もそのニーズを汲まねば、職にありつけない。

『テンプスタッフ』は昨年末、派遣社員向けに細胞培養の研修を始めた。「iPS細胞を活用した医療分野等が伸びる」とみて、技術や知識を身に付けてもらうことにしたのだ。今年8月末までの受講者は凡そ30人。8割ほどが就職したが、大半が文系出身者という。終身雇用を重んじてきた日本では、働き手のスキルアップもまた企業が果たすべき役割だった。一括採用した若者が成果を出すまで、丸抱えで手厚く面倒をみる。だが、企業は時間とお金をかけて人に投資する余裕を失いつつある。そんな日本の現状に、イギリスの人材サービス大手『ヘイズ』は手厳しい。「急速な技術の進化やグローバル化に、日本の人材が持つスキルは追いついていない」。ヨーロッパ等海外は、企業の内と外で労働者の磨き上げを怠らない。スウェーデンでは、机上の勉強と就業体験を組み合わせた2年の公的な職業訓練が原則無料。教育訓練の為の休暇取得も法律で認める。労働市場の流動化を前提としているから、欧米の労働者は失業後も腰を据えて次を目指せる。“無職”になると悲壮感が漂う日本と違う。失業してもスキルを上げて再就職の道が開けるとなれば、労働者は転職や離職を前向きに受け止められる。技能や経験値が上がるから、再就職先での処遇が良くなる可能性もある。企業も、有能な人材を躊躇い無く外から引き込むようになる。政府の改革論議では、“流動化”という言葉遣いを避けていないか? 不当解雇を巡る紛争を金銭補償で解決する仕組みも、議論は膠着。職業訓練の充実や、退職した正社員の復職支援等と合わせ、働き手が自由に企業の間を動き回れる仕組みを整えなければ、企業の競争力も強まらない。職の無い期間は苦境でない。雌伏の時だ。


⦿日本経済新聞 2016年10月29日付掲載⦿

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【解を探しに】第3部・私の居場所(01) ヒルズに憧れ、今も

価値観や時代の変化と共に、人々が暮らしや仕事の拠り所とする場所もうつろう。変わるもの、不変なもの――。“正解”を求めて模索する人々と共に、現場を歩いた。

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「全国から外車で集まった取引先と、ヒルズのオフィスで会議をする。格好いいでしょ?」――。東京都港区六本木の雑居ビルの一室で、羽田野真寛さん(27)は“10年後の夢”を語り始めた。衝立に隔てられた僅かなスペースには、机とパソコンだけ。『六本木ヒルズ』まで徒歩10分の“1坪オフィス”には、羽田野さんの会社を含め、20社ほどが入居する。「いつかはヒルズ族に…」と夢見る若い起業家たちの出発地点だ。羽田野さんが友人と農業支援企業『Educo』を立ち上げたのは、今年1月。きっかけは、農家だった祖父母の引退だ。「このままでは日本の農業がダメになる」と、“儲かる農業”を目指し起業した。「六本木のことなら日本中の農家が知っている。大金を稼ぎ、若い人から憧れられる農業の象徴に、これ以上の場所はない」。銀行からは「レンタルオフィスでの開業は印象が良くない」と言われ、8行に口座開設を断られたが、六本木に拘った。今の月商は数十万円。家賃4万5000円と諸経費を除くと、給料は出ない。それでも、「ヒルズを見上げたり、若い起業家をみかけたりすると、『絶対に成功してやる』と元気が湧いてくる」。『ライブドア』・『楽天』・『ヤフー』、勢いのあるIT企業が入居し、成功した起業家らが競って居を構えた六本木ヒルズ。今年、開業13年を迎えた。

運営する『森ビル』によると、地上54階・地下6階の超高層オフィスビル『森タワー』の入居率は、現在もほぼ100%。オフィス事業担当部長の小柴正徳さんは、「空きフロアの問い合わせは今も多い。旬の企業に入居してもらっている」と胸を張る。ITや投資ファンド中心だった入居企業は、製造業やコンサル等裾野が広がっている。「旧財閥系企業等が入る丸の内や銀座とは違う、六本木が持つ“遊び場”としてのカジュアルさがIT起業家を惹き付けた」。東京の街に詳しいコラムニストの泉麻人さんの分析だ。更に、入居する企業による経済事件が注目を浴びたことで、「“成功=六本木ヒルズ”というブランドイメージが逆に広まった」とみる。栄光と挫折に彩られた時代のシンボルは、今も成功を夢見る若者にとって憧れの場所だ。六本木周辺には数多くのレンタルオフィスが点在する。「20代の学生起業家から50代の脱サラ組まで、幅広いニーズがある」(運営会社)。「どうしても六本木で…」というニーズが高いという。事業を軌道に乗せ、広いオフィスに移る経営者がいる一方、「家賃を滞納し、夜逃げ同然で行方を晦ます人もいる」(同)。「今の自分があるのは、東京で上司に叱られながら学んだ経験のおかげ」。真鍋邦大さん(37)は、東京大大学院を修了後、アメリカの証券大手『リーマンブラザーズ』に入社した。ヒルズの32階で3年間、無我夢中で過ごした日々を今も思い出す。朝6時から深夜まで働き、仕事が終わると先輩と夜の街へ。電話1本で100億円単位のカネを動かし、年収は1000万円を超えた。充実感はあったが、「窓の外に見える富士山を眺める余裕は無かった」。そして2008年9月、会社が破綻した。今、真鍋さんは故郷の香川県に戻り、四国の食材の通信販売会社『四国食べる通信』を営む。生産者の思いを取材した情報誌を、食材と一緒に届ける。会員は全国で450人を超えた。「東京の最前線で働くことに誇りもあった」と懐かしく思う一方、こうも考える。「あそこに“暮らし”は無かった」。再び六本木。営業を終えた羽田野さんが帰路を急ぐ。夕日を浴びたヒルズの足元で、夢を追う若者たちの人生が交錯する。

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【熱狂!アニメビジネス最前線】(22) 2.5次元演劇の聖地を取得! 『代アニ』が劇場を作る理由

20171017 01
昨年2月、『代々木アニメーション』は大手芸能事務所『ホリプロ』から『天王洲銀河劇場』(東京都品川区・右画像)を取得した。今年4月から運営を開始する。銀河劇場は、1年間に上演される演目の内、7割程度が2.5次元演劇を中心としたアニメ関連作品。それ以外のミュージカル・演劇・音楽ライブの公演等は、残り3割に過ぎない。過去には、舞台『弱虫ペダル』やミュージカル『ダイヤのA』等が上演されており、2.5次元演劇ファンの聖地となっている。2.5次元演劇の人気で、劇場貸し出し希望の問い合わせは絶えない。とはいえ、劇場の運営費だけで1日60万円かかる。年間約2億円もの負担となり、利益は限られるが、「劇場運営を単独の事業とは考えていない」(代アニ)。銀河劇場を教室として使うことに加え、在学中にプロの舞台に立つチャンスを増やしていくことで、競合他社との差別化を図り、入学の増加に繋げる狙いがある。代アニの劇場運営に対する意気込みは、今年4月に新設した“2.5次元演劇科”に表れている。『テニスの王子樣』・『刀剣乱舞』・『NARUTO-ナルト-』等、2.5次元のヒット作を次々と生み出している『ネルケプランニング』・『マーベラス』・『ぴえろ』3社のバックアップを受けたカリキュラムを準備する。教本には『幕末Rock』の台本を使う。

更に、銀河劇場で上演されるこの3社の企画や出資・主催作品では、オーディションに参加できる資格が受講生に与えられる。既に、銀河劇場のこけら落とし公演『犬夜又』には、昨年10月に開講したプロコース“2.5次元俳優・女優コース”の受講生7人の出演が決まっている。在学中にプロの舞台に立つという実績は、入学志望者にとってはこれ以上ない魅力に映る。3社の支援に頼るだけでなく、銀河劇場で上演される2.5次元作品への出資も増やしていく。出資作品のバックステージやゲネプロ(※公演の本番間近に舞台上で行う最終リハーサル)の見学の機会を増やすことで、受講生はプロの動きを間近に見て学べるという訳だ。学校行事にも使う方針で、プロデューサーの秋元康氏等が参加する“豪華入学式”を皮切りに、アニメの上映会等を検討中。2.5次元演劇科の学生に限らず、声優科やアニメーター科等、幅広い学生が使えるようにする。「2.5次元演劇に留まらず、学生と劇場のファン双方を意識した劇場運営を行う」(同)。日本で初めて声優養成コースを設置した代アニの学生数は、2000年前後に7000人に達し、ピークを迎えた。しかし、相次ぐ同業参入で競争が激化し、過度な広告宣伝で対抗。更に学生数を増やす為に、学費を半額にする施策によって、経営は悪化の一途を辿った。2006年には民事再生法の適用を申請し、外資系ファンドの『RHJインターナショナル』が再建に乗り出した。再生完了後の2014年に『キョウデンエリアネット』の傘下となったが、現在の学生数は全国8拠点で2000人程度と、ピーク時の約3割に留まる。18歳人口の減少や競合他社の乱立で、学生の獲得は厳しさを増す一方だ。この現状を打破する為に、声優以外の新分野として2.5次元演劇科を設立することで、学生数の増加を目指す。「今後5年で声優科並みの学生数を集めることが目標」(同)と意気込む。 (取材・文/本誌 中原美絵子)


キャプチャ  2017年4月1日号掲載

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