【特別対談】 「ハリルジャパンはこのままではW杯で惨敗する」――ダビド・トレゼゲ×ミチェル・サルガド

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「現在の日本代表を見ていると、世界で戦う為の経験値が絶対的に足りないと感じるぜ」(トレゼゲ)、「あぁ、このままでは間違いなく、W杯は厳しいものになるだろうよ」(サルガド)――。ダビド・トレゼゲ(40)とミチェル・サルガド(42)の2人は、ビールのジョッキを片手にそう切り出した。元フランス代表のトレゼゲは、1998年のW杯で優勝し、2002年にはイタリア『セリエA』の得点王を獲得。元スペイン代表のサルガドは、ジネディーヌ・ジダンらを擁し、“銀河系軍団”と呼ばれた『レアルマドリード』の中心選手として活躍した。そんなサッカー界の大物スター2人が来日し、東京都内のブラジルレストランで“レジェンド対談”が実現。本誌だけに、今年6月に開幕するロシアW杯での日本代表の展望を語ってくれた。


キャプチャ  2018年1月26日号掲載
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箱根駅伝、歪んでしまった国民的行事――留学という名の“人買い”が引き起こした有名選手の関東偏在

「最近の箱根駅伝はあまりに肥大化し過ぎて、弊害も多い」。関東の大学陸上部関係者の1人は、こう批判する。今や国民的イベントとなった『箱根駅伝』は、様々な歪みを日本の男子陸上界に生み出している。そして、そうした歪みの結果として、有能な選手をスポイルし、日本の男子マラソンが勝てない要因となっているという最大の疑惑がある――。

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毎年1月2・3日に行なわれる『東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)』。「これを見ないと新年を迎えた気がしない」という人も多いだろう。関東では従前より人気のあった箱根駅伝が、今日のように全国的な人気を博した原因は、偏に『日本テレビ』の中継によるところが大きい。1986年大会(※第62回)までは、『テレビ東京』がダイジェスト番組として制作し、鶴見中継所からゴールの大手町までの最終10区のみを生放送していた。翌年から日テレが全区間生中継という形で放映を始める。当時を知る日テレ関係者は、こう語る。「難関は箱根の山を走る5区。技術部門スタッフが箱根の山中で中継ポイントを探し、中継車の改造等を重ね、役員会で完全生中継へのゴーサインが出た」。こうして始まった日テレの中継は、毎年、高視聴率を叩き出す。前回2010年の視聴率は、往路27.2%、復路27.9%だった。これが片道6時間余りという長丁場の平均なのだから、昨今の低視聴率時代においてはキラーコンテンツの名を冠すに相応しい数字だ。そして、このコンテンツを“汗の染み込んだ襷”や“翌年のシード権争い”といった小道具を駆使して、感動を演出しながらドラマとして作り上げる。特に、毎年のように起きる“大ブレーキ”や“途中棄権”を余すところなくカメラに収める為に、日テレは「日本のスポーツ中継としては最大規模の850人体制でフォローしている」(同)という。当然のことだが、これは6億円とも言われる制作費に見合うだけのビジネスだからに過ぎない。箱根駅伝は成功した“スポーツビジネス”なのだ。成功したビジネスには人が群がり、徐々に“肥大化”するのは世の習いである。

その弊害の端的な例は、全国大会の“形骸化”に見て取れる。ご存知の通り、箱根駅伝は『関東学生陸上競技連盟(関東学連)』が主催し、関東の大学だけが出場するローカル大会でしかない。全国の大学が集まる駅伝としては、毎年11月の第1日曜日に熱田神宮~伊勢神宮間で行われる『全日本大学駅伝対校選手権大会(全日本学生駅伝)』がある。『日本学生陸上競技連合(日本学連)』が主催し、『テレビ朝日』が中継している。また、『出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)』(※日本学連主催)も存在する。テレビ朝日や、後者を中継する『フジテレビ』の視聴率が毎回1桁であることを持ち出すまでもなく、両大会共に注目されていない。何故なら、主力である関東学連所属校にとって、全日本と出雲は1月の箱根駅伝の“前哨戦”でしかないからだ。特に出雲駅伝は、箱根の予選会直前である体育の日に行なわれる為、「箱根のシード権を持たない関東学連の大学は2軍クラスを送り込み、シード校でも新人起用や調整程度」(全国紙運動部記者)のレースにしかならない。全国大会が晴れの舞台にならないという、学生スポーツ界において極めて稀な現象が起きている。しかも、それでも関東学連所属の大学が上位に名を連ねる。それほどまでに、関東とその他の地域の大学には差があるのだ。これが、有能な選手の“関東偏在”という問題点だ。ある関西学連所属の大学関係者は、こう不満を漏らす。「高校時代に5000mを14分台で走る選手には、関東の大学からの勧誘が殺到する。陸上には、野球のように“栄養費”や“事前交渉”を禁じるルールは無い。学費や寮費の免除等を条件に、争奪戦が繰り広げられている。これにより、将来性のある選手の大部分が関東の大学に進学してしまう」。そして、このことが大きな弊害を生む。選手が一極集中することで、ランナーの多くが4年間を補欠で過ごす。「世界的ランナーになる可能性を持った選手が、“駅伝に向いていない”という理由でものにならなかったケースは、枚挙に暇が無い」(同)という。高校野球における悪名高い“野球留学”と逆の現象だ。これを一般に“飼い殺し”と呼ぶ。また、集められた内、箱根の10人に選ばれるような選手には“大人”たちが忍び寄る。スカウトをする実業団ばかりか、「メーカーから用具の無償提供を受ける等、甘やかされ、世間をナメてしまう」(大学陸上部監督)という。これは勿論、大学経営と密接な関係がある。ある大学は、箱根駅伝で総合優勝した場合の広報効果を60億円と試算した。2006年の5区、当時の“山の神”だった順天堂大学・今井正人選手の力走で、同大の校名はアナウンサーに74回も連呼され、画面の下のテロップに63回も映し出されたという。「大学受験シーズン直前に行なわれる箱根駅伝は、校名周知の絶好のチャンス」(関東の大学関係者)なのだ。実際、2009年に初優勝した東洋大学は、志願者数が前年比で1万人以上増加している。

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【野村貴仁が斬る!】(下) T-岡田の守備、生で観ていたら殴ってやろうかと思うくらい怒りを覚えました

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今季もプロ野球が開幕し、早くも2ヵ月が経過した。交流戦も終盤を迎え、ペナントレースの趨勢が明らかになる中、我らがご意見番であるアニキこと野村貴仁氏は、今日も野球界のプレーに厳しい目を光らせている。さぁ、今回も何の遠慮もなく斬って頂こう。「T-岡田の守備、生で観ていたら殴ってやろうかと思うぐらい怒りを覚えました」。『オリックスブルーウェーブ』の元選手として、後輩たちのプレーには自然と目が向くのだろう。ジャブ無しのストレートから会話が始まった。「守備位置がなっていないんですよ。スタンドから見ていて、豆粒ぐらいに見えるほど深いところを守っているんです。シングルヒットをツーべースにして、更にタッチアップの返球もサイドスローで山なりの球を返していた。ヤツは野球をナメています。そんな姿勢を正さないオリックスのコーチも問題です。コーチは守備位置に関しても、殆ど指示を出していなくて、選手に任せているんだそうです。外野コーチが無能なら、内野のコーチも遠慮なく言うべきなんです。抑々、監督の福良(淳一)がボンクラですから、コーチも含めて総入れ替えしたほうがいいでしょうね」。果たして、アニキの目に適う適任者はいるのだろうか? 「まだまだ頼りないですが、田口(壮一=現オリックス2軍監督)は外野の基本はわかっていますから、彼が監督をやればいいんじゃないでしょうか」。T-岡田だけでなく、各チームの主力選手に目を向けると、筒香嘉智(『横浜DeNAベイスターズ』)や山田哲人(『東京ヤクルトスワローズ』)等のWBC主力選手の調子が上がってこない等、気になる点もある。

「WBCの影響なんて無いですよ。抑々、WBCに出ていたピッチャーの殆どが大したことなかったでしょう。『自分で何とかしろ』ということです。前にも言いましたが、松井秀喜と比べてはいけませんよ」。“ハンカチ王子”ならぬ“ポルシェ斎藤”こと『北海道日本ハムファイターズ』の斎藤祐樹が、『札幌ドーム』で行われた交流戦の対横浜戦で2年ぶりの勝利を上げ、お立ち台に上った。甲子園での田中将大(『ニューヨークヤンキース』)との死闘を制した頃をピークに、嘗てのライバルには大きく水を開けられている。ファンの期待を裏切り続けている斎藤の根本的な欠点は、どこにあるのか? 「ID野球だとかアホなことを言っている野村(克也)が、ハンカチ王子に『俺が捕手をやっていたら2桁勝たせてやる』なんて言っていたでしょう。『高校の時みたいに腕を振れ』とか、どうしたら腕が振れるのか? それなら実際に教えてみろ。それが言えないのなら只のバカ、能なしですよ。抑々、斎藤は高校時代からフォームに欠陥があるんです。ストレートは高校生レべルだから通用していたんです。一番の問題は、投球モーションの途中で足を止めることなんです。簡単に例えれば、自動車のゼロヨンではスタート前からアクセルを踏みっ放しにします。それで強烈なスタートが切れるのです。斎藤のモーションを見てもらうとわかるのですが、途中で一度止まりますよね? あれはゼロヨンで言うと、アクセルを踏んで、またブレーキを踏んでしまっていることと同じなんです。あれでは球が走る道理がありません。大抵のメジャーの投手はショルダーファースト、つまりゼロヨンのスタートと同じで、いきなり全力でいきます。斎藤は、スローアクセルスタートからブレーキ、またアクセルを踏むという状態なんです。野茂は“ヒップファースト”――重心を立てながら肩から倒れるようにして投げます。投げ始めたら間はありません。“1・2・3”です。斎藤は“1・2の3”と、“の”が余計であって、全く無意味なんです。所謂“タメ”と言われるものです。そのタメで打者にタイミングを取られ易いのです」。素人考えだとタメがあったほうが良さそうな気もするが、駄目なのだという。「僕と同時期に阪神・オリックスで活躍された野田浩司さんは、力が入ると、セットで動き出してから0秒台でミットに入ります。だから打者にタイミングを取られ難いんです。だからといって、タメを全否定している訳ではありません。僕の場合は体を捻ってインステップして投げていたので、捻ってインステップという動作が一瞬のタメになっていました。斎藤のタメとは全く違います。あのタメはダメです。あからさまなタメを作ったら、打者にもタメられて捌かれ易いんですよ」。斎藤のストレートはMAX140㎞そこそこと、嘗ての面影は無いが、それ以上に投球フォームに欠陥がある為、何とか低めに変化球を集めて躱していくしか、プロで生き残る術は無い。今シーズン初勝利は上げることができたが、今後も厳しい試練が待っていると言えそうだ。 (取材・構成/ノンフィクションライター 八木澤高明)


キャプチャ  第26号掲載

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中国に出回るロシア発“奇跡の薬物”…闇で広がるスポーツ界の薬物・ドーピング汚染

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今年9月中旬、世界大会上位入賞のプロスノーボーダー・Bが、大麻所持の容疑で逮捕されたとの情報を得た。以降、メディアにその話が長く伝えられなかったのは、警察が公式発表を控えていたからだが、その理由は“別件の捜査”があるという理由だ。「大麻の所持は少量で、大きな罪にはなりそうもないが、Bは別の薬物事件に関する情報を持っていた。こちらは企業も関与する大掛かりな犯罪組織が関与していて、その捜査が主軸となっている」と夕刊紙の警察担当記者。「Bがそこに関わっているか否かに関係無く、捜査協力をしてもらっているらしい。日本では昨年、司法取引がやっと法改正で一部認められることになったけど、未だ施行はされていないから非公表でやっているんだろうね。そうなると、Bは嫌疑不十分で不起訴なんてことになる可能性もある」。そのBが知る別の薬物事件というのは、覚醒剤等の麻薬ではなく、スポーツ界に蔓延る違法ドーピング薬物流通ルートに関するものだという。ドーピングは薬物によって運動能力を向上させるもので、オリンピックは勿論、各大会で禁止されている。しかし、摘発や処分が甘い為に、違反者が後を絶たない。近年、ロシアでは国家ぐるみの使用が発覚し、『国際オリンピック委員会(IOC)』が厳しい対応を迫られていた。禁止薬物のメロトニウムで陽性反応が出た女子テニスのマリア・シャラポワは、1年3ヵ月の出場停止が明けると予選免除の特別待遇で出場する等して物議を醸している。本気でドーピングを根絶したいのか疑いたくなる状況なのは、その背景として、薬物売買が巨大な闇マーケットになっているからという見方がある。

オーストラリア政府やイギリスの調査機関による報告書によれば、ドーピングで使われる薬物の流通には、マフィアのような犯罪組織だけでなく、製薬会社の研究所も関与しているという。未認可で研究段階の薬物を人体実験する為に、アスリートのスポンサーとなって選手をモルモット化することもあるという。「医療や製薬業界が薬品を実証実験している側面だけではなく、ドーピング薬物の一部は食肉用の家畜にも使われています。つまり、食肉業界にとってのタブーでもあるのです」。こう語るのは、20年以上に亘ってドーピング問題を取材してきたアメリカ人ジャーナリストのエイドリアン・ゲイル氏。「だから、ドーピングの摘発は一大産業を妨害することになるので、どこかでブレーキがかかります。ただ、暗躍する薬物マフィアの動きを掴めれば、そこを突破口に切り開くことはできます。未承認の薬物は、輸入自体には規制が無いものもあって、日本の警察が摘発できないことが多いんですが、違法行為である密売に関しては、以前から密かに解明に力が注がれているという話です」。ただ難しいのは、ドーピングをする“ユーザー側”のスポーツ界が、この問題に対して未だに後ろ向きだという点だ。「例えば水泳の世界では、ドーピングで摘発された選手が処分もされないまま大会に出場できているケースが多々あります。これは、水泳大会を後援している企業が、裏でドーピング研究に関与しているからなのです」(同)。その為、企業の悪事が発覚しても捜査協力に応じない傾向があるようだ。一昨年、海外の4名の水泳選手が同時期にドーピング検査で陽性反応が出たが、彼らに対する処分は「その後の追加調査をして決める」というものだった。しかし4選手とも、その追加調査を受けないまま半年後の国際大会に出場。1人はその大会後に再び陽性が出たが、出場停止処分となったのは、大会の開催が少ない冬の時期の僅か4ヵ月間。「世界水泳の前に発覚しても、発表を遅らせて大会には出場させるというケースも沢山あります。競泳界にとっても、違反の悪影響を最小限にしたい姿勢が見てとれます」(同)。そんな状況にあって、日本は“ドーピング後進国”と言われている。これだけ世界中で摘発例があっても、日本国内は非常に数が少ないのだ。一見すれば「日本人はそんな卑怯なことをやらない筈だ」と美化したくもなるが、残念ながら、実態は全くそんなことはない。

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【祭典の課題・平昌から】(05) 融和へ、北の参加に期待

20171130 06
「平昌の扉は北朝鮮にも開かれている。北朝鮮が平昌に向けて踏み出す一歩は、数百発のミサイルを以てしても得られない平和への大きな進展となるだろう」――。韓国の文在寅大統領は先月31日、平昌が位置する江原道で開かれた南北統一関連行事でこう述べ、北朝鮮のオリンピック参加を改めて呼びかけた。南北融和を訴えて今年5月に発足した文政権は、これまでに赤十字や軍事当局間の会談を提案したが、北朝鮮にいずれも無視されてきた。平昌オリンピックは残された数少ない“カード”だけに、選手の派遣や開会式での合同行進を実現し、南北対話ムードへ繋げたい考えだ。「金正恩政権はスポーツを非常に重視している。オリンピックに参加する可能性は相当に高い」。北朝鮮のスポーツ政策に精通する韓国統一省の関連団体『南北体育交流協会』の金慶星理事長は、こう指摘する。実際、『国家体育指導委員会』の委員長は、政権ナンバー2である朝鮮労働党の崖竜海副委員長が務めており、2014年に仁川で開かれた『アジア大会』では、崖氏や軍総政治局の黄炳瑞局長らが揃って閉会式に駆けつけ、対話姿勢を示したこともある。金理事長は2006年からサッカーを通じた南北交流に力を入れており、北朝鮮が韓国側の非武装地帯(DMZ)を砲撃した直後の2015年8月にも、平壌でサッカー大会を開催する等、南北関係の悪化時にも草の根の接触を続けてきた。

「朝鮮半島の緊張は今、嘗てなく高まっている。この緊張を解く為の脱出口がスポーツであり、平昌だ」と話す。しかし、北朝鮮側が呼びかけに応じるかどうかは不透明だ。現段階でフィギュアスケートペアで大会出場権を獲得しており、『国際オリンピック委員会(IOC)』の張雄委員(※北朝鮮)も9月、「政治とオリンピックは別物だ。大会に向けて大きな問題は無い」と述べているものの、正式な参加表明には至っていない。北朝鮮が参加を見送り、軍事挑発を続けて米朝対立が先鋭化した場合、大会の安全性への懸念が広がりかねない。北朝鮮が核実験を強行した9月には、フランスが、選手の安全が確保されない場合には参加を見送る考えを示したと報じられたこともある。約3割に留まるチケット販売への影響も出かねない。オリンピック・パラリンピックの大会期間(※2月9日~3月18日)が、北朝鮮が激しく反発する米韓合同軍事演習の例年の実施時期と重なるのも懸念材料だ。南北関係に詳しい『世宗研究所』統一戦略研究室の鄭成長室長は、「北朝鮮がオリンピック・パラリンピックに参加する条件として、演習の中止や延期を求めてくる可能性がある。そうなれば、米韓は難しい対応を迫られるだろう」と語った。スポーツを通じた南北融和の試みは、1964年の東京オリンピックに遡る。『聯合ニュース』によると、大会前年の1963年1月、南北の当局者が統一チームの結成を目指してスイスで協議したが、合意には至らなかった。転機が訪れたのは、1991年に千葉県の『幕張メッセ』で開かれた『世界卓球選手権』だ。南北が初の統一チーム“コリア”として出場。女子団体で王者の中国を破り、優勝を果たした。初の南北首脳会談直後に開かれた2000年のシドニー大会開会式では、南北の選手による合同入場行進が実現し、和解ムードを盛り上げた。 =おわり

               ◇

社会部 石坂麻子/ソウル支局 水野祥・岡部雄二郎が担当しました。


⦿読売新聞 2017年11月11日付掲載⦿

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【祭典の課題・平昌から】(04) ハイテク機器でテロ警備

20171130 05
イスラム過激派による国際テロと、緊張が続く北朝鮮情勢。平昌冬季オリンピックは、脅威が高まる中で開催される。如何にオリンピックを守るのか? そのカギを握るのは、ICT(※情報通信技術)を活用したハイテク機器だ。「飛行機の到着が遅れたんだけど、旅行会社に連絡するのを手伝って」。日本語で話しかけると、正確な韓国語でほぼ同時通訳される『ハンコム』の自動通訳システム『ハンコムジニートーク』。平昌オリンピック会場には、このシステムを搭載したロボットが設置される。英語や日本語の他、ノルウェー等冬季スポーツ強国の言語まで、29ヵ国語の通訳が可能だ。韓国の警察庁は、ジニートークを改良し、外国人とのやり取りで使う約300の例文を収録。警察官のスマートフォンにインストールする。約520台配置されたスマートパトカーは、車両上部に専用カメラを装着。昼夜を問わず、走行中の車両を自動的にデータベースと照合し、手配車両を発見することが可能だ。競技場には、人目につかない場所や、悪天候・夜間でも不審者や不審物を感知する熱映像観測機を設置。上空には妨害電波を発信し、ドローンを無力化する遮断装置も置く。大会期間中は警察官延べ約15万人に加え、韓国軍からも約5000人を投入。来月開通予定の仁川国際空港と江陵を結ぶ高速鉄道『KTX』新路線の主要駅には、X線検査装置や金属探知機等を設置し、乗客の所持品検査も行う。

「韓国が誇る技術で立体的な治安システムを構築し、大会期間中の安全を確保したい」。警備担当者は話す。韓国当局が警備に力を入れるのは、国際テロの影が韓国でも確認されている為だ。韓国の情報機関『国家情報院』は昨年6月、イスラム過激派組織『IS(イスラミックステート)』の通信で、在韓アメリカ軍の空軍施設2ヵ所がテロ対象に挙げられていたことを明らかにした。ISは、韓国を敵対国の1つとして名指ししている。韓国警察の関係者は、「ISの協力者は韓国にもいるだろう。テロは他人事ではない」と危機感を露わにする。一方、軍事境界線では、北朝鮮軍が地下のシェルター等に、韓国を標的にした数百基の多連装ロケット砲を備えているとされる。今月1日から始まった韓国での聖火リレーが非武装地帯(DMZ)近くを通過する際には、軍のへリコプターが護衛する。今月上旬、警備計画の策定が大詰めを迎えている韓国を、東京オリンピックの警備担当者らが訪れた。平昌のテロ対策は、3年後の東京大会にも直結する。「平昌の警備を検証し、東京オリンピックに活かしたい」。日本の警察当局も注視している。東京五輪でも、ハイテク警備の導入に向けた準備が進められている。警視庁は、昨年2月と今年2月の『東京マラソン』をオリンピック警備の試金石と位置付け、ハイテク警備を試験実施。防犯カメラ映像で不審物を検知し、アラームを鳴らす置き去り検知システムや、人の不意な動きを察知する群衆行動解析システム等を試験運用した。民間も、カメラに映った人の震え等からテロリストを炙り出す感情可視化システムや、画像を人工知能(AI)で分析してリスクを調べるシステムの開発が進む。会場の入場ゲートでは、テロリストのデータと照合する顔認証の導入が検討されている。


⦿読売新聞 2017年11月10日付掲載⦿

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【祭典の課題・平昌から】(03) 韓流ブーム再燃狙う

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平昌オリンピックのスキー&アルペンが行われる『竜平リゾートスキー場』(※右画像)。その山頂にある『ピークレストラン』は10年前、多くの日本人観光客で一杯だった。日本で爆発的な人気を集めた韓流ドラマ『冬のソナタ』の名場面の撮影地だったからだ。「貴女が好きだから。僕が貴女を愛しているからです」。暴風で下山できなくなったミニョン(※ペ・ヨンジュン)とユジン(※チェ・ジウ)。暖炉の前で、ミニョンは愛の告白をした。オリンピック期間中、このレストランは選手や関係者に開放される予定だ。しかし、今では日本人の姿は殆ど無い。レストランが入る建物『ドラゴンピーク』の管理人である咸承国さん(58)は、「オリンピックをきっかけに、また日本人が来てくれればいいのだけれど…」と期待する。冬のソナタがNHKの地上波で放映されたのは2004年。主婦を中心に人気を集め、韓流ブームの先駆けとなった。韓国を訪れた日本人観光客の数は、2003年の180万人から、2004年には244万人に激増。冬ソナのロケ地を巡るツアーも次々と企画され、直ぐに満員になった。山頂のレストランまで2人が乗ったゴンドラリフトも、観光ルートの1つとなった。名場面の1つである『ドラゴンバレーホテル』のバーでは、シーンを再現するように、2人が座った席で、同じように柚子茶とココアを飲む日本人カップルもいたという。

リゾートスキー場の職員である金裕珍さん(42)は、「団体バスが1日に何台も来た。日本人ばかりで、こんな田舎に外国人が来ることにびっくりした」と振り返る。韓国を訪れる日本人観光客は、ピークの2012年には351万人に達したが、日韓関係の悪化や北朝鮮問題等の影響で次第に考ち込んだ。2016年は229万人で、韓流ブーム以前のレベルにまで減少。2013年には、訪韓する外国人観光客のトップが、日本人から中国人に代わった。観光業界は、平昌オリンピックを日本人観光客を呼び戻す起爆剤にすることを狙う。今月から羽田空港に平昌オリンピックのブースを設置。『SUPER JUNIOR』や『T-ARA』といった韓流スターも、日本での平昌オリンピックイベントに動員している。オリンピック・パラリンピック広報大使には、アイドルグループ『BIGBANG』のメンバー等、日本でも人気のアイドルが名を連ねる。また、外国人客が訪れるような飲食店に対しても、衛生状態や価格表示の抜き打ち調査を行い、“ぼったくり”の一掃を進めている。「芸能人・食べ物・ショッピング等、潜在的に韓国に魅力を感じている日本人は多い。オリンピックをきっかけに掘り起こしを図りたい」。『韓国観光公社』日本チーム長の李鶴柱氏(51)は、そう力を込めた。訪日外国人客は2012年以降、5年連続で増えており、2016年には過去最多の約2403万9000人に達した。政府は、東京オリンピックが開かれる2020年には4000万人、2030年には6000万人を目標に掲げている。外国人客が増えたのは、観光ビザの発給要件緩和の他、大型クルーズ船の寄港が増えたことや、航空路線の拡充等でアジアからの訪日客が伸びたことが挙げられる。高額商品を大量に買う中国人観光客らの“爆買い”は失速しているが、体験型の旅行が人気を集めており、政府は2020年の外国人客の消費額の目標を8兆円に設定している。


⦿読売新聞 2017年11月8日付掲載⦿

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【祭典の課題・平昌から】(02) チケット不振、頼みは日本

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「日本から10万人以上は来ると見込んでいる」――。9月下旬、平昌オリンピックのPRイベントの為に東京を訪れた組織委の李熙範会長は、記者会見でそう強調した。102種目が行われる平昌オリンピックで販売されるチケットは計118万枚。この内、約1割を日本で売る計画だ。開催地の平昌と江陵がある江原道の崖文洵知事も、「平昌オリンピックの成功は日本にかかっている」と期待を寄せる。平昌オリンピックのチケット販売は不振が続いている。2月からの第1次販売で売れた約23万枚の内、韓国内で販売されたのは僅か5万2000枚。9月から第2次販売が始まったが、今月3日現在、売れたのは1次分も合わせて約33万枚で、目標の107万枚の3分の1にも達していない。危機感を募らせた組織委が、販売先として目を付けたのが日本だ。販売不振の背景には、韓国ではウィンタースポーツの人気が低いことがある。金姸兒選手の活躍で人気になったフィギュアスケートや、韓国のお家芸とも言われるショートトラックは完売が見込まれるが、バイアスロン、クロスカントリー、スキー複合は目標の15%程度しか売れていない。韓国人選手が少なく、日本と比べて人気が無いスキーを中心に、売れ行きが伸びない。

平昌郡の沈在国郡守は、「韓国ではルールさえ知られていない競技も多い。観戦してもわからないから、興味が無くなる」と話す。これに対し、具体的な枚数は公表されていないが、日本でのチケット販売は第1次・2次共に、全種目で既にほぼ完売状態だ。「フィギュアスケートといった人気種目では難しいが、他の種目で日本側から要求があれば追加販売する意向はある」。組織委でチケット販売担当を務める金禧順部長は、売れ行き次第で日本での販売分を更に増やす可能性を示唆した。一方で、一部の人気種目では高額転売が懸念される。浅田真央選手が出場した2010年のバンクーバー大会のフィギュアスケートでは、カナダドルで定価275ドル(※当時約2万4000円)のチケットが、2枚で2万ドル(※同約175万円)以上の高値で転売された。転売益を狙うダフ屋行為は後を絶たない。平昌組織委は不正転売を防ぐた為、今月から発行される紙のチケットに購入者の氏名を印字し、ホログラムやQRコードを付けて、コピーやダフ屋行為の防止を図る。ただ、都合が悪くなり、知り合いに譲らざるを得ないケースも想定し、チケットと名前が違っても入場は許可するという。抜け道は残る。「警察とも協力し、最大限の対策を取るしかない」。組織委幹部は、そう話している。東京オリンピックでは、招致段階の計画で、チケット約780万枚、平均価格は7700円とされている。大会組織委員会関係者は、「注目度も高く、売れ残ることはないだろう」と自信をのぞかせる。チケットの高額転売は、東京オリンピックでも課題の1つだ。マイナンバーカードを使った本人認証の強化や、価格高騰を抑える為にオフィシャルサイトでのチケット転売が検討されている。スマートフォンを活用したチケットレスサービスの導入も議論されているが、具体策は決まっていない。


⦿読売新聞 2017年11月6日付掲載⦿

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【祭典の課題・平昌から】(01) 宿不足、ラブホテル改装

来年2月9日に開幕する平昌冬季オリンピックまで、あと100日を切った。2020年東京オリンピックの前に開かれる最後の大会。宿泊施設・チケット・国際テロ対策――。東京オリンピックでも共通する課題を、現地で追った。

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韓国と北朝鮮の軍事境界線から約100㎞の韓国北東部の港町・江陵。来年2月9日に開幕する平昌冬季オリンピックのアイスホッケー会場『江陵ホッケーセンター』(※右画像)が、先月30日、報道陣に公開された。地上3階建て、観客席1万9席。1064億ウォン(※約108億円)をかけて建設された。客席の最前列からリンクまでは、僅か約2m。“氷上の格闘技”とも言われるアイスホッケーの激しいぶつかり合いを、臨場感たっぷりに見られるのが特徴だ。照明の光を反射したアイスリンク(※縦30m×横60m)は眩しく光っていた。平昌オリンピック組織委員会によると、12競技場の内、9ヵ所が既に完工。残る3会場も先月29日現在で、98%以上の完成率という。開会式が行われる3万5000人収容可能な地上7階のオリンピックスタジアムは、聖火台に灯がともされるのを待つばかりだ。「ハード面の準備はほぼ完了した。必ず大会を成功させる」。組織委の呂泂九事務総長は、31日の記者会見で胸を張った。会場建設が順調に進む一方で指摘されているのが、観戦客が滞在する宿泊施設の不足だ。組織委の試算では、オリンピック期間中に訪れる観客は最大で1日に約10万人。この内、約6万人が現地に宿泊する。2人1室としても、約3万の客室が必要になる。しかし、客室数が100室を超える規模のホテルは、平昌・江陵を合わせても10棟程度で、殆どが大会関係者に割り当てられている。

会場周辺はビジネスホテルも少なく、江陵市内ではラブホテルの改装作業が急ピッチで進められている。オリンピックを機に、今夏、名前も設備も一新し、ラブホテルからホテルに改装した女性経営者は、「街の認知度が上がり、客も増える筈。今後は普通のホテルとしてやっていく」と力が入る。ログハウス調のテラス・食堂・フロントを新設したところ、北欧の選手団から大会期間中の借り上げの予約が入ったという。内装を白に変えた近くのラブホテル経営者の男性も、「外国人客を何人呼び込めるかが勝負。フィギュアスケートの競技中は日本人の予約が多いね」と期待を膨らませる。大会期間中は予約が殺到しているといい、宿泊施設不足をラブホテルが支えているという現状だ。12月からは仁川国際空港と江陵を結ぶ高速鉄道『KTX』の新路線が開通。バスや電車を乗り継いで4時間以上かかる仁川-江陵間が、約2時間に短縮される。ソウル等都市部のホテルも商機を狙うが、9月13日、試験運転中だった電車が別の車両に追突し、7人が死傷する事故が起きた。韓国内では、「急ピッチの事業が事故の背景にある」との指摘もある。日本大学の綱島均教授(機械工学)は、「原因の究明が必要だ。オリンピックに間に合わせる為、安全確保が後回しになることがあってはならない」と話している。東京オリンピックでは、メインスタジアムになる『新国立競技場』のデザインが変更になり、着工は当初計画より1年2ヵ月遅れとなる昨年12月にずれ込んだ。現在、スタンド部分等の工事中で、2019年11月に完成予定。宿泊施設は、オリンピック特需も見込んで、東京都内を中心に建設・開業ラッシュが続く。外資系の『フォーシーズンズホテル』が大手町で新ホテルを計画している他、老舗の『ホテルオークラ東京』の本館(東京都港区)も建て替えが進む。マンション等の空き室に旅行者を有料で泊める“民泊”のルールを定めた住宅宿泊事業法(※民泊法)も、来年6月に施行される。『みずほ総合研究所』によると、それでも2020年に最大4000室が不足する見通しだという。


⦿読売新聞 2017年11月5日付掲載⦿

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「ポテンシャルは田中将大より上」「投手ならMLBでスーパースターになれる」…愛甲猛が考える大谷翔平進化論

球界の至宝である『北海道日本ハムファイターズ』の大谷翔平選手が、今季限りでメジャーリーグに挑戦する。ピッチャーかバッターか、それとも二刀流か――。MLBで活躍するのは、どの選択がいいのか? どちらも経験した元プロ野球選手の愛甲猛氏が徹底考察。これを読めば、大谷選手に対する見方が変わる! (聞き手・構成/フリーライター 中村裕文)

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率直な話、大谷はMLBで通用するのだろうか? 甲子園の優勝投手にして、プロでは4年目から打者に転向して長く活躍した愛甲猛氏は、どう見ているのか? 「メジャーに行ってもやれると思いますよ。ただ、二刀流は難しいでしょうね。メジャーで野手と先発をやるのは不可能に近い。だからどちらかということになると思いますけど」。現在、日本では評論家ばかりか、現役選手の間でも“投手か打者か”で意見が飛び交っている。愛甲氏はどちら派だろうか? 「ピッチャーでしょう。バッターとしても超一流なんだけど、でもバッターではスーパースターにはなれないと思う。今の大谷レべルの打者であれば、メジャーには沢山いますからね。松井秀喜でさえも中距離ヒッターに徹したでしょう。それで成功した。でも、松井はスターの1人だったと思います。アメリカではスーパースターとまでは言えなかった。最終的にワールドシリーズでMVPを獲ったけど、タイトルホルダーにはなれなかった。他にも野手として何人も海を渡ったけど、結局、タイトルを獲れたのはイチローだけ。でも、大谷がピッチャーとして行ったら、最多勝や最優秀防御率のタイトルを何度も獲れる可能性を秘めていると思います。そうすると、その先にあるサイヤング賞(※日本の沢村賞に該当)も見えてくる。メジャーでスーパースターになれる可能性がありますよ」。ただ、海を渡って直ぐ結果が出るほど甘くはない。「大谷の場合、スピードは桁違いに速いんだけど、思い通りに空振りが取れない。そこがやっぱり成長途上だなと。167㎞を出した時もファールカットされた。上原浩治なんて140㎞前後しか出ないのに、ここぞという時は今でも空振りで仕留められる。その点で、大谷は未だ荒削りの原石に近いままだと思う」。

具体的に、どこがマイナス点なのだろうか? 「空振りを取れる球って、速さだけではダメなんです。初速と終速の差が小さいほど、スピードガンでは計れない伸びる球を投げられる。大谷の場合は、もっと球の回転数を上げないといけない」。では、その為にはどうすればいいのか? 「投げ方でしょうね。彼は着地した左足を最後に蹴っている。それは凄くいいんですけど…」。愛甲氏は「これは俺の持論なんですけど」と、話を続ける。「あの身長、あの腕の長さであのスピードを出すピッチャーって、過去の日本にはいなかった。そこが一番の問題だと思うんです。野球というのは感覚のスポーツなんですけど、大谷クラスの感覚を持った人が日本には存在しない。今の環境では、的確なアドバイスをしてくれるコーチがいないんだと思います。でも、メジャーには沢山いる。現状は誰かに教わって160㎞の連球を投げているんじゃなく、自分の感覚でここまで来ている印象だけど、そこに具体的な技術論が加わったら、もっと進化する選手だと思いますよ」。ここにきて、今シーズン絶不調で“イップス”とも噂されている『阪神タイガース』の藤浪晋太郎にも、アメリカ留学の話が出てきている。「移籍でも一時留学でも何でもいいんだけど、正解だと思います。藤浪も行ったほうがいい。わかんないですよ、日本人には彼らの技術的な悩みって。あのレべルの肉体を持った人間でないと理解できない。被らはベースボールの枠にいる選手だから、日本人の技術論では収まらないと思う」。大谷へメジャー行きを勧める理由は、現在の起用法にもある。「本人が『ずっと日本で二刀流としてやりたい』と言うんだったら、それもいい。本人の気持ちが一番ですから。でも、やるんっだったら本当の二刀流をやってほしいですね。全試合にフル出場することが大前提。今の逆算しての使われ方は中途半端に見えますね。だって、高校の時はエースで投げて打ってとずっとやってきた。全試合は無理でも、投球回数と規定打席をどちらもクリアして初めて二刀流でしょう。2000本安打&200勝。日本に残るなら、本気で目指してほしいですね」。しかし、現実は厳しい。「でも、流石に体がもたない。実際に、今年は怪我の影響で中途半端に終わりそう。現実問題としてハイリスクですよね。二刀流は大きな話題にはなったけど、デメリットは大きい。球団も過保護に見えるくらい、大谷の起用に気を遣っている。どうも、その辺が中途半端に見えてしまうんです」。確かに、最近は話題性も薄れてきた印象もある。「日本のファンは本物の二刀流を見たいだろうけど、彼の将来を考えたら、やっぱりピッチャーとして海を渡るのが一番かなと思います。まぁ、僕は野球はピッチャーが華だと思っているんでね。僕の願望も入っているでしょうけど」。アメリカでスーパースターになる可能性を秘めている。「ピッチャーとしてのポテンシャルは、マー君(※田中将大)の上を行っている。技術的な部分は未だ及ばないけど、ポテンシャルは負けていないと思いますよ。だからこそアメリカに行って進化してほしいですね。未だ若く、伸びしろが大きい大谷が、どんな大投手に化けるか? 楽しみは大きいですよ」。大谷がメジャーで活躍するのは、日本人として誇らしい。しかしそれは、また日本のプロ野球界からスター選手が1人いなくなるという寂しい現実も伴っている。「日本も、韓国・台湾・中国・オーストラリアを巻き込んだアジアンリーグの創設を目指してほしい。そうすれば、選手の働き場所も増える。ソフトバンクの孫正義さんがコミッショナーだったら、実現を目指すでしょう。プロ野球機構も、そろそろ経営能力の高いコミッショナーを選んでほしいですよ」。そして、本当の意味でのワールドシリーズの実現。大谷の進化と同時に、日本のプロ野球も成長してほしい――。愛甲氏は、そう力説した。


キャプチャ  2017年10月号掲載

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