【崩壊する教育現場】(02) 教員のジレンマ解消! 杉並区はプロが部活を指導する

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部活改革を積極的に行っているのが東京都杉並区だ。同区は、顧問の補助をする地域ボランティアによる“外部指導員制度”を2001年に導入。2013年には、更に踏み込んだ“部活動活性化事業”を始めた。民間企業等からの専門コーチが生徒に技術指導を行う。これによって、競技経験が無く、指導できないのに顧問をする先生のジレンマを解消。生徒もプロから指導を受け、競技の基礎を身に付けられる。なお、部活指導をやりたい教員は従来通り行える。予算は、両制度・事業で年間約5000万円だ。杉並区教育委員会の小林淳氏は、活性化事業導入の目的について「先生の負担軽減と楽しい部活の復活を目指す」と言う。現在は野球やサッカー等10種目の運動部に対応。区内23校150ある部活動の内、19校42の部活動で導入されている。効果の検証はしていないが、教員へのアンケートでは「他の仕事や家庭に時間を充てられるようになった」という回答があった。導入する部活数を今後も増やす計画だ。 (取材・文/本誌 富田頌子)


キャプチャ  2017年9月16日号掲載
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【崩壊する教育現場】(01) 過労死ライン超えが続出! 教員の異常な勤務実態

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中学校教諭の1.7人に1人、小学校教論の3人に1人が、過労死ライン(※月80時間の残業)を超える長時間労働を強いられている――。今年4月末に文部科学省が公表した2016年度の教員勤務実態調査(速報値)で、そんな衝撃的な事実が明らかになった。公立学校教員の勤務時間は週38時間45分と定められている。だが、過労死ラインに相当する週60時間以上勤務(※週20時間以上残業)した教論は、中学校で約6割、小学校で約3割に上る異常事態だ(※左図)。教論の1週間当たりの勤務時間は、10年前と比べて約4~5時間増えた。しかも、このデータには自宅に持ち帰った残業は含まれていない。「休日も全く休めない」「このまま働き続けると体が壊れてしまう」。多くの教員から悲痛な声が上がる。2011年6月、大阪府堺市の市立中学校に勤務していた26歳の男性教員が、自宅アパートで倒れて亡くなった。死因は虚血性心疾患だ。男性教員がその学校に赴任したのは2010年4月。1年目から担任を任されると、学級通信をほぼ毎週発行する等、熱心に取り組んだ。部活動では、経験の無いバレーボール部の顧問になった。平日や土日の指導に加え、同部員が記入する個人別のクラブノートに励ましや助言をびっしり記す等、人格形成にも力を注いだ。発症前6ヵ月間の時間外勤務は月60~70時間前後と、過労死認定基準に届いていない。だが、授業の準備・テストの作成・採点等、日常的に自宅に持ち帰って仕事をしていたことが考慮され、2014年11月、『地方公務員災害補償基金』は過労死と認定した。「業務量の多さや部活動が、過重労働・過労死の温床になっている」と、遺族の代理人で過労死問題に詳しい松丸正弁護士は警鐘を鳴らす。

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長時間労働によって教員が過労死するというのは、決して可能性の話ではない。現実に起こっていることなのだ。「朝から晩まで学校にいますよ。忙しい理由ですか? 毎日、色々とやらなければならないことが本当に多い」。東京都内の公立中学校に勤務する40代の女性教員は、そう話す。彼女の出勤は毎朝8時前。打ち合わせや担任のクラスでの学級活動を済ませて、授業に臨む。1時間目が始まるのは8時45分、6時間目が終わるのは15時20分だ。途中に昼休みはあるが、生徒の指導や授業の準備があって休めない。授業が終わった後は、夕方の学級活動や掃除を行う。生徒が下校するのは16時頃。そこから職員会議・学年会・学校運営に関する会議等があり、それが終わるのは17時頃になる。都の教員の勤務時間は8時15分~16時45分である為、本来ならここで帰宅できる筈だが、実際にはかなり難しい。生徒は放課後、部活動に勤しんでいるからだ。勤務する中学校では、教員全員が顧問を割り当てられており、活動中は目を配らなければならない。部活動が終わるのは18時30分。この時点で既に2時間弱残業をしているが、仕事は未だ終わらない。というより、教員が自分の業務にじっくり打ち込めるのは、実はこの時間からだ。小テストの採点・翌日の授業の準備・資料の作成等を片付けていく。ここで保護者からの相談の電話があったり、保護者の帰宅が遅い家庭への連絡事項があったりすると、学校を出る時間は更に後ろ倒しになる。結局、学校を出るのは早くても20時以降だ。つまり、1日12時間以上勤務しているのである。

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テーマ : 教育問題
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超人気少年漫画家の森田まさのり氏が仏教絵本を出版! その理由は“恩返し”?

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人気漫画家が初の絵本、それも仏教絵本を手掛け、注目を集めている。4月、『本願寺出版社』から発行された森田まさのり作・絵『とびだせビャクドー!ジッセンジャー』(※B5判・全32頁・1300円)だ。森田氏(50)といえば、大ヒットした少年漫画の『ろくでなしBLUES』や『ROOKIES』等の作品が有名だが、どんな物語か? 主人公は小学生の男の子、ゆうち。恥ずかしがりやで、転校先で中々友だちができず、日頃、お婆ちゃんと唱えていたお念仏をいつの間にか唱えていた。すると突然、「ほとけのくにからやってきた、せいぎのヒーロー ジッセンジャー ビャクドー!」と、胸に数珠を下げたビャクドー(白道)が登場。ゆうちに友だちを作ってあげようとするビャクドーだが、上手くいかず、逆に悪い心から生まれたジャカツ(蛇蝎)とミドーク(三毒)が現れて――。実はこれ、龍谷大学大学院実践真宗学研究科の学生有志が行っている、仏教をテーマにしたヒーローショー『ジッセンジャープロジェクト』の絵本化だ。「阿弥陀様に見守られている世界を子供たちに伝えたい」という学生たちの活動を、森田氏がオリジナルの絵本にした。いや、何と森田氏も滋賀県の同派寺院の生まれ。「『お寺の跡は継がなかったけれど、仏教に縁のある絵本を作ったことで、少しでも恩返しできたかな』と言われていました。絵も全て森田先生自ら手がけられました。多くの子供たちに手に取ってほしい」(本願寺出版社担当者)。子供に夢を与える漫画家の新境地かも。


キャプチャ  2017年7月号掲載

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アメリカを蝕む巨額学生ローン、“100兆円超”財政と家計を壊す爆弾――不良債権化する連邦政府の資産、需要の先食いと将来の財政悪化

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「多くの新入社員が学生ローンを抱えて大変そうだ」――。在米日系企業関係者は、心配顔で囁いた。相変わらず、アメリカの信用創造の質は低い。アメリカの家計債務残高は、今年の第1四半期末に12.73兆ドルを突破し、過去最高だったリーマンショック前の2008年第3四半期の12.68兆ドルを8年半ぶりに更新した。ただ、サブプライムローン問題が顕在化した8年半前と決定的に異なる点は、住宅ローンの家計債務に占める比率が厳しい規制で低下した一方で、学生ローンが構成比2番目となったことだ。今や、その債務総額は1.34兆ドルと、自動車やクレジットカードのそれを上回っている。我々が生きている“極端に金融依存化した現代”では、利息を支払う“経済成長の奴隷”を見つけることが必要だ。高等教育にそれを見出したアメリカでは、既に学生ローン利用者が4420万人に達している。しかも、膨張は止まりそうにない。アメリカの若者は苦しい。景気拡大により、失業率が5%を切り、完全雇用が近付いているが、25歳以下の失業率は9.9%、黒人で高卒の場合は26%だ。17歳から20歳までの高卒、且つ進学していない若者全体の不完全就業(※パート等能力以下の就業)率は、31%にもなる。“大卒”は今なお就職に有利であり、学生や親にとって投資価値があると言えよう。学費はどうか? 1978年から現在までの40年間で、アメリカでは292%のインフレが起こったが、同期間に自動車の価格が99%上昇したのに対して、大学の学費は1297%の上昇と、最早“学費のハイパーインフレ”状態となっている。アメリカの学歴社会と学費高騰が、現在の学生ローン問題の基本的な背景にある。

結果として、30歳以下の学生ローン利用者数は、2004年から2015年までに1.5倍、ローン残高は2.6倍に増えた。『ピューリサーチセンター』の調査では、40歳未満の若年世代の学生ローン利用者の純資産は8000ドル程度という結果が出ている。未利用者の7分の1しかない。解雇のような収入上のトラブルが起これば、忽ちホームレスにでもなりかねない状況なのだ。更に問題は、その上の世代。学生ローン利用者の内、30歳未満は1700万人で、総額3763億ドルである一方、30歳以上が2700万人もいて、しかも総額は1兆ドルを超えている。具体例を示そう。コロラド州に住む70歳と65歳の夫婦は今、2人合わせて学生ローン残高が18万ドルもあるという。無論、子供や孫のローンではない。軍に勤務していた夫は、50代の頃、IT技術を磨く為に大学へ入学。その際、7万ドルを借り、月々300~400ドルずつ、20年近く返済してきたが、現在は8万ドルと逆に残高は増えている。妻も同様で7万ドルを借り、残高は10万ドル近くになっている。利息も払えないこの夫婦は、「死ぬまで働き続けるしかない」という。これは特殊なケースではない。アメリカでは、学生ローンが残っている60歳以上が急増し、今や280万人(※2015年末時点)にもなり、全体の6.4%を占めている。60歳以上の債務総額は660億ドルと、60歳以上だけで『日本学生支援機構』の年間貸与総額1兆円の6倍に達している。2004年比で人数は4.5倍、債務総額に至っては11倍と、他の世代を大きく上回る膨張ぶりだ。次に、債務不履行者に占める年代別の割合をみてみよう。50歳未満が17%、50~64歳が29%、65歳以上が37%と、年齢に比例して債務不履行が多いことが分かる。つまり、60歳以上の学生ローン利用者の増加は、将来の債務不履行の増加に直結する。では何故、例に挙げた夫婦は、中年になってから学生ローンを借りられたのか? それは、貸し手が銀行ではなかったからだ。52.6%――。これは、連邦政府の金融資産2兆600億ドルの内、学生ローンが占める割合である。学生ローンの貸し手は、連邦政府(※州政府も多少はある)と民間の2種に大別できるが、政府は金融危機後に民間の貸し手への規制を厳しくする一方で、民間以上に政府自身が学生ローンを貸しまくった。その残高は、2007年末の1150億ドルから、今年第1四半期末には1兆850億ドルまで、実に9.4倍にも膨れ上がった。この出鱈目融資の結果、政府資産の半分が学生ローンという異常事態となっているのだ。民間がやるべきことを政府がやるとどうなるか? 中高年・女性・黒人等への貸し付けが増えていった。政府であるが故に、借りる機会を公平に提供しようとするからだ。だが、残念ながら就業率や給与水準でみると、現実の返済能力は平等ではない。つまり、連邦政府の資産の多くが、遠からず不良債権化するということだ。

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日本の医学部は京大・阪大の“2強時代”へ――スカウトの京大に育成の阪大、“人材と生産性”で東京大学に大差

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かの東京大学でも、医学部医学科は特別な存在だ。偏差値で見れば、日本の大学の最高峰。イギリスの大学評価機関『クアクアレリシモンズ(QS)』が先月発表した世界大学ランキングで、東大は日本の大学でトップの28位。前年から6つ順位を上げ、大半のメディアはその健闘ぶりを好意的に報じた。だが、その内実を因数分解していくと、最難関の医学部が意外にも足枷になっている現実が浮かび上がる。逆に、医学部に限って言えば、京都大学と大阪大学の勢いが東大を凌駕している。世間の表層的な受け止め方とは裏腹に、日本の医学部は今や、この関西の“2強時代”に突入しているのだ。「東大の足を引っ張る“戦犯”」――。東大関係者の中で、医学部はこんな隠語で呼ばれている。例えば論文数。東大・京大・阪大の各医学部を比べると、2014年以降、この3大学の研究者を筆頭、或いは最終著者として、イギリスの『ネイチャー』とアメリカの『サイエンス』に掲載された論文は、東大6本、京大11本、阪大は7本。臨床医学誌の頂点に立つアメリカの『ニューイングランド医学誌』とイギリスの『ランセット』に同様に掲載された論文は、京大4本、東大と阪大は各1本ずつ。合計で京大15本、阪大8本、東大7本の順だ。ノーベル生理学・医学賞も、2012年に受賞した山中伸弥(※右画像)を始め、候補者として名前が挙がるのは、京大の本庶佑・坂口志文(※2010年に阪大に異動)、阪大の岸本忠三・審良静男らといった京大と阪大が優勢。医学研究も京大が圧倒し、その後を阪大と東大が追いかける構図である。

規模の違いを勘案すれば、東大は更に劣勢だ。附属病院に勤務する医師数は、東大病院が1175人に対し、京大947人、阪大は792人ほど。他方、文部科学省から交付される運営費交付金は、東大805億円に対し、京大は548億円、阪大は437億円(※2016年度)。職員数を考慮すると、京大の医師1人当たりの生産性は東大の約3倍、阪大は東大の2倍という計算が成り立つ。何故、こんなに差がつくのか。それは、其々の大学の体質の差に起因する。東大の特徴は政府との距離の近さだ。政府委員に任命されるのは、圧倒的に東大が多い。端的に言えば官僚色に染まっている。文科省の『科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会ライフサイエンス委員会』の委員は、東大5人、京大3人で、阪大はゼロ。厚生労働省の『厚生科学審議会科学技術部会』は、東大から1人。官邸の『健康・医療戦略推進専門調査会』も東大の2人が入っているが、京大と阪大からは任命されていない。東大病院関係者の中には、「東大医学部は官僚機構。官僚の意図を忖度し、角が立たない“7割の仕事”で十分」と言い切る。大過なく過ごせば医学界の要職に就ける。『日本医学会』会長の髙久史麿、『日本内科学会』理事長の門脇孝、『日本外科学会』理事長の渡邉聡明…。何れも東大OBだ。退官後は『国立病院機構』等といった厚労省が所管する独立行政法人、『虎の門病院』を筆頭に『国家公務員共済組合連合会』が経営する病院、総務省所管の自治医科大学の幹部に転じることができる。まるで官僚の天下りそのものだ。その点、京大は違う。阪大医学部の教授は、「ブレイクする前のスター教授をスカウトするのが上手い」と話す。その代表こそ、2004年に奈良先端科学技術大学院大学から京大教授に就任した山中伸弥だ。iPS細胞の開発でノーベル賞を受賞し、その名は人口に膾炙した。京大は、山中を中心に『iPS細胞研究所(CiRA)』を設立。『日本医療研究開発機構(AMED)』は、年1400億円以上の予算を差配するが、この内の140億円以上が再生医療に振り向けられ、50億円以上が京大に配分された。京大は、研究を支える人材のスカウトも巧みだ。例えば、元厚労省事務次官の阿曽沼慎司。阿曽沼は京大経済学部卒のOB。2013年3月に退官後、CiRAの特定研究員に転身し、翌2014年10月には京大理事(産官学連携担当)に就いた。大物官僚を一本釣りする手法は、官僚機構の順送り人事に組み込まれた東大とは趣を異にする。京大がスカウトしたのは山中だけではない。腫瘍生物学教授の小川誠司もその1人だ。小川は東大医学部を卒業後に東大附属病院へ入ったが、病院長と折り合いが悪く、京大へ移籍。それ以降、ネイチャー・サイエンス・ニューイングランド医学誌と相次いで論文を発表し、“最も生産性が高い医学部教授”と称賛されている。余所者でも有為な人材には門戸を開く度量が、京大の強みだ。他方、阪大の特徴は若手の育成にある。心筋再生医療の第一人者である心臓血管外科教授の澤芳樹(※左下画像)、角膜再生医療の大家である眼科教授の西田幸二、自然免疫の研究でノーベル賞候補に名前が挙がった審良静男ら現職は生え抜き。『中外製薬』と共に関節リウマチ治療薬『アクテムラ』を開発した元阪大総長の岸本忠三も、阪大卒業後、この附属病院で力を付けた。実は、大阪府は人口比で東大合格者が少ない。2017年度入試で、18歳人口1000人当たりの東大合格者数は0.43人。優秀な高校生が地元の大学、特に阪大医学部に進学するからだ。これも阪大の強さの一因である。

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『加計学園』問題異聞、獣医師不足という“虚構”――問題の本質は“不足”ではなく“偏在”だ

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新緑が美しいパリ。先月21日の昼下がりに、モンソー公園北側の豪邸に約800人の紳士淑女が吸い込まれていく。『国際獣疫事務局(OIE)』の年次総会に参加する為、世界180ヵ国・地域から集まった“Vet.(ヴェット)”たちだ。畜産業の歴史が浅い日本では想像できないかもしれないが、英語で獣医師(ヴェテリナリアン)を意味するVet.は、“Dr.(ドクター)”と同格か、それ以上の社会的な地位が認められている。学識・人格共に優れたエリートとして尊敬されるのだ。口蹄疫等家畜の伝染病は、各国経済に破滅的な大打撃を与える。陸続きのヨーロッパでは、各国が協調しなくては家畜伝染病を防げない。外交大国のフランスで獣医学が発展したのは偶然ではない。ヴェットの本拠であるOIEは、1924年に28ヵ国で発足した歴史ある国際機関だ。『世界保健機関(WHO)』の家畜版と説明されることが多いが、陸上動物だけでなく、魚類から蜂等の昆虫まで情報を収集・分析する。『世界貿易機関(WTO)』が発足した1995年以降は、食肉等の衛生基準の策定や家畜伝染病の発生・清浄化判定等の面で、通商上の役割が強まった。牛海綿状脳症(BSE)の流行が終息した後も、口蹄疫や鳥インフルエンザの流行が相次ぎ、その重要性は高まるばかりだ。2001年春に日本で初のBSE発生の第一報を伝えたのは、フランスの通信社『AFP』のパリ発だった。恐らく、情報源はOIEだろう。当時、日本の農林水産省は、この大ニュースを全面否定。国内では殆ど報道されないまま、約半年後の9月10日に千葉県でBSE感染牛が確認されるという大失態を招いた。日本の獣医学、特に伝染病を予防する公衆衛生分野の水準は、欧米の畜産大国と比べれば月とスッポン、大人と子供ほどの違いがあることが露呈した。

更に、2010年に宮崎県で発生した口蹄疫で、獣医師の構造的な欠陥が明確になった。口蹄疫のウイルスを撲滅する為、牛の場合は静脈注射、豚の場合は電気ショックを与えたり、ガス室に追い込んだりして宿主を殺す。牛豚合わせて計約30万頭。この肉体的にも精神的にも厳しい作業の為、全国の獣医師に応援が要請された。しかし、犬猫病院の獣医師は全く役に立たず、養鶏が専門の産業獣医師は大型家畜に不慣れ。牛に蹴られて眼球破裂の大怪我をした獣医師もいた。日本で獣医師になるには、6年制の獣医師養成課程を終え、国家試験に合格しなくてはならない。この点は医師と同じだ。獣医師養成課程を備えた大学は、全国に国公立11校、私立5校の合計16校あり、毎年合計1000人弱が卒業する。東京大学や北海道大学等、国立大学の獣医師課程の定員は、各校1学年30~40人程度、エリート養成に相応しい少数精鋭教育を続けてきた。約50年続く“16校1000人体制”は少なく感じるかもしれないが、前述したように、獣医師は国際的には選び抜かれたエリートだ。問題の本質は、獣医師の絶対数の不足ではなく偏在であり、これは政府も認めている。農林水産省は先月17日の衆議院文部科学委員会で、「不足している状況にないという認識は変わっていない」(小川良介参事官)と明確に答弁した。“偏在”とは、獣医師の就職先のことだ。合格者の実に約38%が、犬猫病院のようにペットを相手にする職業に就く。犬猫病院の顧客は富裕層が多く、高い年収を期待できる為、特に女子学生の就職先として人気が高い。公務員・地方公務員が約24%、大学や製薬企業の研究者が約14%と続く。牛・馬・豚・鶏といった畜産に関わる動物を相手にする臨床の産業獣医師になるのは、僅か12%ほどに過ぎない。更に問題なのは、日本では獣医師の周辺業務が育っていないことだ。医療だと看護師・歯科衛生士・放射線技師等、法曹だと司法書士、会計だと税理士のようにサポートが充実しているが、畜産現場で働く動物看護師が決定的に不足している。産業獣医師が抱え込む診療以外の業務は膨大であり、斯くして“獣医師の不足”という虚構が生まれた。こうした事態を憂いてきた『日本獣医師会』は、“量より質”の重要性を指摘。学部・学科の統合による教育の充実と、動物看護師等周辺業務の整備を訴えてきた。漸く、2012~2013年にかけて国立大学8校(4組)が“共同化”、相互乗り入れで教員不足に対応するリストラが始まったところだ。このような状況で、“国家戦略特区構想”の名の下に安易に獣医学部を増設すると、教員が不足し、獣医師の質の向上に結び付かない。儲かるのは犬猫病院と、その経営予備軍を育てるビジネス化した学校だけだ。加えて、恰も広域的に獣医学部が存在しない“空白地域”が四国だけのように伝えられているが、日本海側は鳥取大学しかなく、畜産業が盛んな秋田や山形、北陸や甲信越も空白地域だ。

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米中つなぐ精鋭育成校、初の卒業生――米中欧のエリート集う、日本はかやの外

アメリカの投資会社『ブラックストーングループ』のスティーブン・シュワルツマンCEOが、私財を投じて中国の清華大学に設立した『シュワルツマン学院』。今年7月に初めての卒業生約110人を送り出す。どんな学校なのか訪ねてみた。 (中国総局 原田逸策)

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周囲を歩けば軽く1時間はかかる広大な清華キャンパス。中央やや北寄りにシュワルツマン学院があった。灰色の煉瓦造りの低層の建物は、緑に囲まれ、違和感無くキャンパスに溶け込んでいた。入り口付近の壁に“蘇世民書院”と書いてある。蘇世民は、シュワルツマン氏の中国語名だ。シュワルツマン氏が学院創設を公表したのは2013年。清華大学に1億ドル(※約110億円)を寄付して奨学金プログラムを作り、校舎も新設した。「中国で共に学び、中国を理解し、何かあれば電話1本で話ができる将来のリーダーを、50年間で1万人育てる」という構想だ。同氏が参考にしたのが、イギリスの大富豪で首相も務めたセシル・ローズによる『ローズ奨学金』。アメリカ等、世界の優秀な学生をオックスフォード大学で学ばせるもので、アメリカのビル・クリントン元大統領もその1人だ。米英間の深い絆は、アメリカの政官界にオックスフォード大学で学んだ人が少なくないことが関係する。ローズがアメリカを将来の大国とみたように、シュワルツマン氏は「中国が更に巨大化する」と睨み、中国とアメリカのパイプ作りを進める。学生は、45%がアメリカ、20%が中国、残りがヨーロッパ等その他の国々。応募できるのは、30歳以下で学士以上の学歴を持つ人。初年度の学生は約110人だが、今後は200人まで増やす。

興味深いのは、陸軍等アメリカの若い軍人も数人が学んでいること。単なる奨学金プログラムではなく、アメリカの安全保障分野でも“知中派”を育てる狙いが浮かぶ。校舎に入ると先ず、ロビーに並んだ国旗が目に飛び込む。真ん中に米中の国旗があり、全部で30ヵ国以上の国旗が飾られる。生徒の出身国という。国旗の脇にはシュワルツマン氏の肖像画もあった。絨毯が敷かれ、高級ホテルのような雰囲気だ。豪華ではないが落ち着いている。家具や調度品も、品の良いものが置かれる。全て、シュワルツマン氏の夫人が選んだという。地下1階に下りると中庭があり、生徒が運動していた。地面を掘り下げていて、授業を受ける教室が並んでいる。先生が真ん中に立って講義し、両側から挟み込むように階段状に生徒の机が並ぶ。黒板を背に授業をする中国や日本の大学とはだいぶ異なる。『ハーバードビジネススクール』を参考にしたという。授業は全て英語で行われる。4学期制で忙しい時には、朝9時から17時までずっと授業があるという。卒業論文があり、1年で学位を取得できる。国際経済・国際関係・公共政策の3つのコースから選ぶ。アメリカの金融機関やコンサルティング会社から既に内定を得ている学生も多く、国際経済の人気が高いという。中国語の授業もある。清華大学やエール大学の教授が教えることが多いが、アメリカのローレンス・サマーズ元財務長官、ジェイコブ・ルー元財務長官ら大物ゲストの講義も頻繁にあるという。ダリオ講堂という部屋があった。世界最大のヘッジファンド『ブリッジウォーターアソシエーツ』の創業者であるレイ・ダリオ氏が寄付したという。ブリッジウォーターは、同学院で採用イベントも開いたという。外にも、半導体の『紫光集団』、不動産の『華夏幸福基業』等が寄付した教室もあった。米中企業が優秀な人材を取り合う構図が浮かぶ。シュワルツマン学院の特徴の1つは、全寮制であること。生徒は全員が校舎内に住み、1年間寝食を共にする。2階から5階は全て寄宿舎で、ホテルの大きめのシングルルームほどの部屋が並ぶ。生徒らは、寄宿舎内のリビングに夜遅くまで集まって語り合う。

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【天下の暴論2017】(10) “聖職者”を見たら“性職者”と思え

20170627 06
のっけから昔の話で恐縮である。未だ次男坊が中学生で、小生には似ず些か可愛らしい少年の頃、確か1970年の夏だった。音楽が好きで、学校のブラスバンドに入って、夜遅くまでホルンを吹いていた彼がある日、いつもならとっくに帰宅している時刻になっても戻らない。夜も8時を過ぎた頃、ブラスバンドの指導者の若い女音楽教師から電話が入った。部活の帰りに何人かが教師の家に寄り、晩飯も食べた。「今夜はこのまま自分の家に泊めたい」と、その女教師は言ったという。配偶者は、この時点で「おかしい」と咄嗟に感じ、「突然でご迷惑だろうし、今夜は帰宅させてほしい」と告げて、女教師の家に迎えに走ったのである。当時は教師と生徒の住所は一覧表になって、各家庭が所持していたから、女教師の家は直ぐにわかった。迎えに行くと、他の子などいなくて、我が次男坊だけがのほほんとしてテレビを観ていた。母親の姿に、困ったようなホッとしたような顔つきになったという。この話の顚末を帰宅した小生が聞いた時には、既に日付も変わり、次男は寝ていたが、翌日、「断りも無しに他人の家になど泊まるな」と叱責したところ、頷いてから「当夜、玄関に現れた母親の形相が怖ろしくて驚いた」と次男は呟いた。女という性の怖さを一晩で二度知った次男は、その後、女でしくじることがなかったという。

これも昔、小生が商社勤務だった頃のお話である。独身時代、ロンドン駐在を命じられた小生は、夕方になるとオフィスを離れ、住んでいたアパートメント近くのパブ『ハーウッドアームズ』で1パイントのギネスをやるのが日課だった。これが美味いのである(※日本で飲むギネスの味は贋物と心得るべきだ)。1950年代のイギリスは、まだまだ大英帝国の風格が残っていて、カウンターに凭れかけていると、窓外を馬車が駆けていく。タイムスリップして19世紀の世界にいるような錯覚に陥った。そこで、老若男女、アッパークラスからミドルクラスの人々の会話にじっと耳を傾けるのである。暫くすると、イギリス人のシニカルさがよくわかって、中々の聞きものなのである。ある晩、近所にある英国国教会(アングリカンチャーチ、基本的にカソリック)の教師の話になった。「聖歌隊で歌を唄っている息子に牧師が色目を使い、体に触れたがり、気色悪い」と中産階級の紳士が嘆いている。イギリス人は比較的、宗教には生真面目な姿勢なのかと思いきや、国教会の牧師のことを、陰では“性的な倒錯者”としか見ていないことが知れてくる。居合わせた男たちは、「体に直に触ってきたら、直ぐに息子に報告させろ」と助言している。ここでは、「あの牧師は女好きで…」というのは寧ろ褒め言葉なくらいで、大抵はゲイ(※今は牧師にも女性が増えてレスビアンが多い)か少年愛の変態ということになる。何れにせよ、“ペルソナノングラータ”なのである。イギリス人は簡単に他人を信用しない。中でも、聖職者と呼ばれる人々への猜疑心は非常に強い。それでも結婚式・葬式を教会で執り行うイギリス人は、教会という威儀を正した建造物にだけは一定の敬意を払ってきた。だが、イギリスでも牧師や教師による未成年者への浮行事件が多発するに及び、シニカルな笑い話では済まされなくなっている。ご時世である。事ほど左様に洋の東西を問わず、子を持つ親にとって聖職者は侮れない存在である。我々日本人には、牧師や神父の性犯罪に然程の関係があるとも思えないが、教師に関しては監視の目を怠ると、とんでもないことに巻き込まれる。昨年3月、幼児に猥褻行為をした上、カメラで撮影する等の犯行を繰り返した立川市在住の小学校教員・橋本顕(45)他5人が逮捕された。この6人は男子児童ポルノ愛好家で、小中学生対象のキャンプやスキーツアーにボランティアとして参加し、犯行に及んでいた。被害を受けた男児は約170人もいたという。警察庁の『犯罪統計白書』によれば、平成23(2011)年、猥褻の検挙人数は4978人。教員は64人。教員の占める割合は約1.3%。翌平成24(2012)年、同5328人。同86人。教員は1.6%となっている。数値そのものは大したことはない。しかし、「教員による猥褻の数値が小さいのは、表面化しない事例があまりにも多いからだ」と関係者は言う。関係者とは、北海道で長く市立中学の教員を務め、今では教頭の地位にある人間である。この御仁は小生の次男の中学時代の同級生であるが、彼によると、校長や教頭の耳に入る、つまり“表面化する”事例は、全体の1割にも満たないのが通例だという。

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またぞろきな臭い慶應義塾大学の塾長選挙――医学部の内ゲバと新たな醜聞、岡野陣営に手痛い不祥事

20170531 07
慶應義塾大学の塾長選挙を巡り、医学部と病院で異例の事態が続いている。塾長は、一般の私立大学でいう理事長と学長を兼ねる役職。経営と学務を束ねる最高権力者だ。慶應の最高意思決定機関『評議員会』で選出される。現職の清家篤塾長は、規約にある任期4年・通算2期を今年度末で満了。今月16日に開かれる臨時評議員会で、後任が決まる運びだ。当初は、「無風状態の中、衆目の一致する後継者へと禅譲が行われる」との読みが専らだった。ところが、昨年暮れに状況は一変する。“本命”前病院長vs“対抗馬”現医学部長――。医学部と病院は、完全に股裂き状態に陥った。陰で糸を引く人物の思惑も見え隠れする。旧帝大の医学部・病院や、国立高度専門医療研究センター6法人に対抗し得る総合力を持つ唯一の私学。名門中の名門である慶應の医学部と病院で何が起きているのか。清家氏が後事を託そうとしたのは、戸山芳昭常任理事。整形外科教授や病院長を歴任している。一昨年の医局忘年会では、「次の塾長は俺だ」と高らかに宣言した。慶應医学部は来年、創設から100周年。「『病院は慶應にとって大きな課題になる。病院のことがわかっている人物に後を継いでもらわないと、困ったことになる』と清家さんが言っているんだ」と、戸山氏は周囲に吹聴してきた。戸山氏をよく知る慶應関係者が言う。「良くも悪くも気のいい人物。口癖は、『皆仲良く頑張ろう』です。慶應医学部では、ここ10年ほど様々な問題が噴出してきた。どの局面でも、戸山氏が指導力を発揮することはありませんでした」。清家氏や戸山氏にしてみれば、ポスト清家は戸山が既定路線。実現すれば、医学部出身者としては初の塾長就任となる。だが昨年末、事態は急変。現医学部長の岡野栄之氏が反旗を翻したのだ。

「戸山氏は塾長選に備え、岡野氏に研究担当常任理事への就任を打診。同意を得ていた。岡野氏の出馬表明は想定外。戸山陣営には困惑が広がっています」(慶應OB)。岡野氏は生理学教室の教授。再生医学の旗振り役として、一般的な知名度も高い。前任の医学部長で『日本医療研究開発機構(AMED)』初代理事長に転じた末松誠氏や、医学部長補佐を務める循環器内科の福田恵一教授とは同級生の間柄。末松氏が医学部長に就任した2007年以降、この“お友だちトリオ”が慶應医学部を恐怖政治で支配してきた。「学部内には、“物言えば唇寒し”の空気が蔓延しています。執行部の意向に逆らえば、機器の購入ひとつにも支障を来す」(医学部教員)。岡野氏擁立の黒幕は末松氏だ。選対本部長役は福田氏が務める。選挙戦でもトリオは健在。だが、年明け早々、岡野陣営の前に大きな障害が立ちはだかった。「慶應が開発したスマートフォンアプリケーションの提供で、研究計画違反が発覚しました。開発に当たったのは、福田氏の部下である循環器内科・木村雄弘特任助教らのグループ。福田氏は監督責任者の立場にあります」(医学部関係者)。計画では、アプリの公開前に慶應病院の患者が利用。事前検討を行い、その後で一般ユーザーが利用する流れ。だが、実際には院内での事前検討前にアプリは一般に公開され、利用が開始されていた。厚生労働省は態度を硬化。“特定機能病院”承認解除も検討された。岡野医学部長は、今年1月17日付で研究実施の許可を取り消す。同20日には、小児科の高橋孝雄教授を委員長とする調査委員会設置を決定。先月末までに3回の会合を持った。委員には、岡野氏らと同級である元厚労省老健局長で臨床研究推進センターの三浦公嗣教授も選ばれている。「不祥事が公表されたのは2月28日。提供中止から1ヵ月半後では遅きに失する。塾内では、『塾長選の票集めに影響する為、執行部が発表を遅らせたのではないか?』との観測が、早くから飛び交っています」(三田会関係者)。同級生トリオによる専横は、何も今に始まったことではない。「末松君はAMEDへ行くに当たり、慣例を破って医化学教室の教授職に留まった。今でも、毎週土曜日には研究室に来る。“教授不在”の医化学教室で、研究や教育はどうなるのか? 将来、塾長になる為なら何でもする。戸山塾長が実現すれば、同じ医学部出身の末松君の出る幕はありません。そこで、岡野を当て馬にした。末松君の狙いは、あくまで“戸山潰し”。岡野が塾長になれるとも、その器だとも思っていない」(私大医学部教授)。末松氏の“実力”は、岡野・福田両氏より一枚も二枚も上。学部長となった選挙戦は、今も語り草だ。「後に8人も教授を出した同期を中心に、票固めに奔走。准教授連中には、『俺が学部長になったら、お前らは皆、教授だ』と手形を乱発しています。関与したベンチャーを計画倒産させ、浮いた金をばらまいた」(当時を知る元教授)。

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「男性保育士に女子の着替えをさせるな」は完全に正論! 日本の教育現場に跋扈するロリコン教師の驚くべき実態

「男の保育士に着替えをさせるな」なんてクレームを保育園に入れる親は非常識? いやいや、真面じゃないのは完全に先生のほう! 読んだら絶対に子供を預けたくなくなる教師たちの実態を、教育学部出身のフリーライター・武田陽子が暴露する!

20170510 10
今年に入って、「男の保育士が園児の着替えを手伝ってもいいのか?」という議題がヒートアップしているのをご存知でしたか? 何でも最近、「男性の保育士に娘の着替えをさせないでほしい」と幼稚園にクレームを入れる親が増えているらしいのです。それに対して、千葉市の市長が「それは男性差別だ」と自身のツイッターで主張。瞬く間にインターネット上でも賛否両論が巻き起こりました。「ガキの裸に大の大人が欲情するか!」と思ったそこの貴方、考えが甘いですね。教育学部を出た私(女)から言わせると、保育園や小学校の先生なんてほぼロリコン。性的倒錯者ばかりですよ! 考えてもみて下さい。日本では成人男性の4人に1人がロリコンとも言われていますが、18歳未満に手を出せば“淫行条例”に引っかかって、確実に性犯罪者の仲間入り。実際、20歳の大学生が17歳の女子高生と付き合っていただけで逮捕された事例もあるぐらいですからね。それこそ、40代のおっさんなんて、未成年を見つめただけで即アウト。近年のケースを見ても、女子中学生の後ろを歩いていたら通報、18歳未満の少女に「虫がついていますよ」と教えてあげたら通報、女子中学生を自転車で追い越したら通報、ハゲの男が女子高生を見ていたら通報…と、男性は存在しているだけでロリコン呼ばわりされる世の中です。インターネット上や新聞に名前を晒されてロリコンの変態だとレッテルを貼られたくなければ、18歳未満は視界に入れないほうが懸命でしょう。ただ、手頃な成人女性で事が済むノーマルな人なら未だいいんです。幼児でしか性的欲求を発散できないガチ勢からしてみたら、この世は恐ろしく生き難い場所に違いありません。何しろ、セックスはおろか、触るのも、見るのも、画像や映像を所有するのも禁止。欲望の捌け口を完全に制限されているに等しいのです。

しかし、そんなロリコンにとってポイズンな世の中でも、ただ1つ合法的に児童と触れ合える方法があります。そう、“教師”になればいいのです。この日本において、ロリコンたちが自分の欲望を職業的聖域に昇華させつつ、世間の尊敬を勝ち得るには最早、教師になるか、アニメ監督にでもなってアカデミー賞を獲るしか方法はありません。そんな訳で、毎年、大学の教育学部には、邪な志を持ったやる気溢れる教師の卵たちが大挙して押し寄せてきます。嘗て、大学の教育学部に籍を置いていた私は、それを身を以て経験したのです。それはまさに地獄のような日々でした。遡ること10年前。同級生の4分の3はDQNという超ド田舎県から大学進学を機に上京してきた私は、浮き足立っていました。「あわよくば同じ学部の爽やかイケメンと付き合いたい…!」と細やかな欲望を抱き入学するも、次第にクラスの男子たちの様子がおかしいことに気付き始めます。私が学籍を置いていたのは、教育学部の国語専修。国語の教師を目指すところですね。やる気次第では、小学校教師の免許も取れちゃういい学部です。文系学部は女子の比率が高いので、私の所属するクラスは、20人の女子学生に9人の男子学生といった人数構成。ところが、程なくして、その9人いる男子学生の内の5人はロリコンだという事実が判明するのです。因みに、文学をやる学科というのは、総じてアニメオタクの比率も高くなります。その為、私のクラスの男子たちは、ロリコンである上に2次元美少女萌えオタクという重いハンディキャップを背負っていました。当時、彼らが回し読みをしていた漫画は、『苺ましまろ』・『こどものじかん』・『柊小学校恋愛くらぶ』。どれも小学生が主役ですね。教師と小学生女児の恋愛ストーリーも好んで読んでいた様子ですが、学生のうちから、教員になった時の為にモチベーションを高めていたのでしょう。その情熱には頭が下がります。一緒に飲み会でもしようものなら、ロリコン談義に花を咲かせる彼らの会話が嫌でも耳に入ってきます。「小学生ぐらいの女の子ってさ、胸も尻も下の毛も無いじゃん? 無い無い尽くしなのに、それが却っていじましいというか…」「わかるわ~。あっ、でも俺は下の毛が1本2本ちょろっと生えているのもいい! 重要なのは割れ目だから!」。悲しいかな、同族で集まってしまったが故に、彼らは自分たちの性癖の異常さに気付かず、つい大声で話をしてしまいます。そのせいで、誰が“地雷”なのかは一目瞭然。字が綺麗で、親戚の小1女児の写真を丁寧にファイリングして持ち歩いていたA君。運動が苦手で、体育の授業では『進撃の巨人』に出てくる巨人のように、上半身ブレブレで走っていたメガネのB君。元柔道部の185㎝高身長、同級生のロリータ女子と付き合うも、「何か違う気がする」と数ヵ月で別れてしまったC君…。彼らは皆、常識的で、心根が優しく、紳士だったのですが、“ロリコン”という要素で全てが台無しです。18歳の私が、「性癖と常識は全くの別物だ」と理解した瞬間でもありました。とはいえ、ロリコンも一応人間ですから、其々個性があります。性格も見た目も違っている彼らですが、敢えて共通点を挙げるとしたら、皆、オレンジか赤の暖色系のチェックシャツを好んで着がちだという点。チェックのシャツを着ている男子学生を見たら、それは九割九分ロリコンです。斯くして、田舎からはるばる上京してきた私は、とんでもない人外境に足を踏み入れてしまったのです。

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