【木曜ニュースX】(344) 野球のWBCにも興味なし! 将棋の藤井聡太六冠が最近読み始めた意外なものとは?

「将棋一筋で、そのことが全く苦ではない。何かを我慢したり、ストレスを感じながら勉強していても、あそこまで突き抜けた強さは得られないでしょう」。藤井聡太六冠(20)の“強さの秘密”について、叡王一期のタイトル経験を持つ高見泰地七段はそう語る。4月5~6日に行なわれた名人戦七番勝負の第一局は、挑戦者の藤井六冠が渡辺明名人(39)に先勝。シリーズを制せば、八大タイトルのうち七冠を保持し、同時に“史上最年少名人”の座に就くことになる。この局の立会人を務めた中村修九段は、こう驚嘆する。「藤井さんの読みの精度は非常に高く、一局を通してほぼノーミス。渡辺さんからすると、最善手を指しても常にそれが読まれているように感じたのでは。多くの棋士は20代半ばまで、竹のように際限なく強くなります。つまり、第一人者の渡辺さんを圧倒する藤井さんの将棋は未だ完成しておらず、成長過程にあるということなんです」。一方で、成長期の“20歳の青年”でもある藤井の素顔は、盤外でどのように変化しているのだろうか。前出の高見七段が明かす。「先日行なわれた岡崎将棋まつりで一緒になったのですが、控室で2人で話した時も、延々と将棋の話ばかりを楽しそうにしていました。野球の大谷翔平選手も『生活の全ての時間を野球の為に使っている』と言われていますが、藤井さんも同じタイプだと感じます」。
そんな藤井は、名人戦第一局を終えた翌朝、主催の『朝日新聞』のインタビューでWBCの話題を振られ、「選手の方たちが楽しそうにプレーしているな、という印象があります。仲間と何かやるということに憧れはないですが、とても良いなと思いました」。そこで「記憶に残ったシーンや選手は?」と聞かれると、「あ、いえ、試合は見ていないので(笑)」。また、中学生の頃から新聞を読んでいるが、「自分の記事は読みません」と言う一方、最近興味を持って読み始めたものを明かした。「経済面を読むようになりました。(経済は)色々なものが関連して連動して動いている。その仕組みが分かると面白いのかな、と」。知的好奇心の強さは変わらないが、年齢相応に変わったものも。『日本将棋連盟』の関係者が言う。「最近、藤井さんの髪型が格好よくなったと評判なんです。天然パーマでモコモコしていたのが、毛の流れがすっきり決まるようになった。昨年、王将のタイトルを獲得した時に高級ドライヤーが副賞として贈られましたが、これは本人の希望によるものでした。身だしなみへの意識が高くなっているのかも」。師匠の杉本昌隆八段も、「確かに髪型はすっきりしましたね」と笑う。「彼はとても合理的な思考をするので、変化するということは何か明確な理由があるんだと思います。逆に変わらないのは靴。学生時代は制服に黒いスポーツシューズでしたが、スーツになっても同じような靴を履いている。棋士は対局中に靴を脱いだり履いたりするので、革靴は手間がかかると判断しているのかも」。 “食”の好みも変わらないという。杉本八段が続ける。「研究会等で私がお弁当を用意する事がありますが、彼は以前から味が濃くてボリュームが多いものを好みます。『何がいい?』と聞くと、即答で『カツカレーと焼きそばのセットでお願いします』とか」。そして、気になるのは“恋愛事情”だが――。「彼女はいないと思いますよ。いたら報告を受けるかも知れませんが、こういう取材で私は正直に答えないといけないから困ってしまう(笑)。しかし、SNS全盛の今、どこに行っても“見られている”ので、デートしようとしても大変でしょうね。私への報告は結婚する時くらいでいいですよ。ふふふ」(同)。今は未だ将棋が恋人のようだ。

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