【NHKの表と裏】(下) 営業局…焼け太りを支える“受信料徴取部隊”

20180606 06
昨年12月の最高裁判所による受信料制度合憲判決。この効果は覿面のようで、以降、NHKとの未契約者・受信料未払い者からの契約・支払いの申し出が急増している。昨年12月の申し出による受信契約の増加数は5万6000件と、通常月の5倍超。今年1月も既に2万6000件に達した。地域スタッフや法人委託従業員による契約も2ヵ月間で7万7000件増加。その結果、2017年度末の受信料支払い率80%の目標をクリアした。これで、2018年度の受信料収入見込みの6995億円はおろか、7千数百億円に上る勢いにある。他方、BSの視聴環境が整っていながら衛星契約している割合は、未だ約50%。今後の伸びを想定すると、新放送センターが竣工する2025年には受信料収入1兆円も射程に入る。その主役こそ営業局に他ならない。4月に再任される、営業・視聴営業部・支払率80%を目指すターゲット80統括理事の松原洋一(※1980年入局。大阪や東京等で一貫して営業畑)や、営業局長の砂押宏行(※営業職として入局し、『NHK営業サービス』非常勤取締役も兼務)は判決に酔い痴れているだろうが、忘れてはならないのは、受信料不払いの歴史はNHKへの不信の歴史そのものだということだ。2004年には『紅白歌合戦』チーフプロデューサーによる6000万円超に上る制作費私的流用、更に編成局エグゼクティブプロデューサーのカラ出張、前ソウル支局長の400万円超の経費水増し請求等が相次いで発覚。当の営業スタッフによる徴収した受信料の使い込み事件も起きた。

これを受けて受信料の支払い拒否が急増。ピーク時には約148万件、600億円超の減収を記録し、会長の海老沢勝二(※当時)が翌年に3期目途中で辞任。全国の放送局では、管理職から一般職員まで部署を越えて支払い拒否世帯を戸別訪問したが、回復はままならなかった。この事態にNHKは2006年11月、受信契約の未契約者世帯・事業所や、受信料の長期未納者を専門に担当する『受信料特別対策センター』を営業局内に立ち上げ、“公平負担の徹底”を大義名分に民事手続きの強化を始めた。そのやり口は、先ず未納者に契約締結・料金の支払いを求める督促状を送る。契約・支払いに至らない場合は、各地方の簡易裁判所に提訴する。ここで和解が成立しないと、次は地裁へ。ここでも和解から入るが、本訴に至ることも。9割方はNHKが勝訴するが、敗訴した場合は控訴へと至る。高裁判断に納得できず、最高裁まで争ったのが、昨年12月の事例だった。判決確定後もなお未払いを続ける視聴者に対しては、資産や給与を差し押さえたこともある。ここまでくると、司法の力を背景にした“受信料の実質義務化”だ。これまで強調してきた、受信料は“公共放送を支える為の特殊な負担金”・“NHKサポーター会費のようなもの”との大義名分は、すっかり雲散霧消した。その一方で、NHK職員の厚遇ぶりは、実質的には民放社員以上と言える。41歳平均の年収こそ1126万円だが、福利厚生は充実。今なお都心一等地の職員住宅(※100㎡)に3万~6万円程度で住めるというから驚きだ。更に、退職後の生活も保障されている。ある70代後半の男性元職員は、厚生・企業年金分合わせて年間520万円の年金を受給しているというが、年金積立の不足分は実に2640億円(※2012年度末現在)。受信料収入による補填が続いていると思われる。受信料は、生活保護受給水準スレスレの住民税非課税世帯や低所得世帯、高齢の低年金受給世帯も一様に徴収される。これ以上、公共放送の焼け太りを許してはならない。 (取材・文/フリージャーナリスト 小田桐誠・本誌特集班)


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【NHKの表と裏】(中) 制作局…進む軽薄化と視聴率至上主義

20180606 05
約700人のスタッフを抱え、報道局に次ぐ大規模セクションである制作局。現在の局長は佐藤高彰。これほどの威容であるからには当然、理事ポストも1枠を持つ。同局出身の理事は、ドラマ畑が長い専務理事の木田幸紀だ。隷下の第1制作センターは、『おかあさんといっしょ』等の青少年・教育番組や、『NHKスペシャル』を始めとするドキュメンタリーを担当する経済・社会情報番組部等を擁する。今話題なのが、この4月から有働由美子と井ノ原快彦から、近江友里恵と『博多華丸・大吉』にMCが交代した『あさイチ』(※生活・食料番組部担当)だ。午前8時台は情報番組の激戦区だけに、民放関係者も気になるところだろう。21世紀に入り、視聴率への意識が強まるNHKだが、事実、有働・井ノ原時代は毎日10%超の視聴率を叩き出してきた。2010年にスタートした同番組だが、成功のカギは“事前に決め事をしない”というセオリーだ。具体的には、1本の特集はプロデューサー、ディレクター、デスクがチームを組み、2ヵ月程かけてリサーチしていくが、その過程はMCには一切知らせない。制作者視点が入ると自然体のコメントが出来なくなるからだ。番組の立ち上げから参画し、今もチーフプロデューサーを務める渡邉悟は、「ヒット番組は視聴者をドキドキさせる要素を含んでいる」というのが口癖なのだという。その最たるものが性に関する特集であり、セックスレス特集は番組ブレイクのきっかけになった。新MCがこれまでの良さを引き継げるかは未知数だ。

一方の第2制作センターには、ドラマ番組、エンターテインメント番組、音楽・伝統芸能番組の3部がぶら下がる。やはりNHK制作番組の看板は、朝の連続テレビ小説と日曜夜の大河ドラマ。いずれも1953年にテレビ放送が始まって間もなくスタートした。中でも大河は、ドラマ番組部長のみならず、専務理事や放送総局長に企画を通す必要があるのは勿論、会長が口を挟んだり、特定の番組については介入しない筈の経営委員会でも話題になったりと、担当者は各種調整に忙殺される。まさにNHKならではの“段取り”を要する番組だ。制作費も大河級。1本(=44分)当たり6000万円前後で年50回分、約30億円(※職員の人件費や局内のスタジオ経費を除く)。なお、制作費で言えば、2009年秋~2011年秋まで五月雨式に放送されたスペシャルドラマ『坂の上の雲』(※統括は『NHKエンタープライズ』エグゼクティブプロデューサーの西村与志木)は、大河ドラマをも大幅に上回った。僅か全13回の集中放送に直接制作費が250億円。ロケ地は海外10ヵ国を数え、劇中に登場する戦艦『三笠丸』の実物大セットを作る一方、最新のVFX技術も導入。“皆さまからの受信料”をまさに湯水の如く使った番組だった。他方、制作局は民放に負けず劣らず、芸能界との因縁が深いセクション。近年、『公正取引委員会』が芸能人の契約形態について問題視する中、芸能界のドンとのゴルフや飲食等で蜜月を批判された島田源領(※元NHK総合演出・CP)等もいた。因習ばかりではない。番組の劣化も著しい。ワイプを使って出演者の顔を画面に入れっ放しにする手法や、ストレートニュースでの演出的BGM、フリップを剥がすと同時に効果音を入れる等、民放ワイドショー仕込みの技法も目立つ。また、“NHKの良心”とも言えるNスぺの進行役にマツコ・デラックスを起用する等、視聴率至上主義の萌芽も見える。 (取材・文/フリージャーナリスト 小田桐誠・本誌特集班)


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【NHKの表と裏】(上) 報道局テレビニュース部…人はそこを“NHK記者の墓場”と呼ぶ

20180606 04
NHK各局の中でも絶大なパワーを持つ報道局。その内部にも純然たるヒエラルキーがある。腕利き記者が所属する4つの出稿部があり、全局でプレステージが最も高いとされる。その最上位が政治部であり、以下、経済部・社会部・国際部と続く。この4つに所属する為、全国の記者たちは鎬を削っていると言っても過言ではない。記者職として入局するのは毎年20~30人程だが、同期の中で東京の出稿部に上がれるのは1割程で、多くの記者は地方局を行脚する。記者の憧れである東京報道局だが、実は“NHK記者の墓場”と呼ばれる部署も存在する。それが報道局テレビニュース部。その名称だけでは何を生業としているのか不明だが、この部署が何故“墓場”なのか? 現役職員が説明する。「東京に上がったものの、出稿部に置けない、つまり記者の資質に欠ける者の受け皿になっているのがテレビニュース部。新聞社で言えば整理部門みたいな感じ」。テレビニュース部記者の1日は、出稿部記者の書いた原稿の閲覧から始まる。エントリーされた出稿部の原稿は、デスクのチェックを受けて“汎用化”され、テレビニュース部記者は、その原稿を報道情報端末からプリントアウトする。内容の書き直しはほぼ無く、精々“てにをは”を直すくらい。そして字幕テロップをアートセンターに発注する。主な仕事はこの2つ。学生アルバイトでも出来る仕事だ。

部員の噂も芳しくない。「テレビニュース部に20年程在籍する人物はパワハラで有名。事ある毎に部下やスタッフを怒鳴り散らし、次々と心療内科送りにしてきた。純粋な記者歴は地方局の5年間のみというから、真の記者になれなかった劣等感が出ているのだろう」(同)。過去には、報道情報端末から情報を入手し、インサイダー取引に手を染めた記者もいた。記者として不適格な人物の集まる場所、それが“墓場”と呼ばれる所以だ。テレビニュース部が報道局ヒエラルキーの最下層に位置するのは、幹部人事を見れば一目瞭然。ある報道局出身者が語る。「自分が知る限り、テレビニュース部長は政治部・社会部の出身者だけ。つまり、テレビニュース部の記者は、自らが所属する部署のトップの道を絶たれている。2009年に部長に就任した黄木紀之氏(※現在は理事)は謀略型であるとの評から、“NHKのCIA長官”なんて呼ばれているが、彼も社会部出身」。テレビニュース部の記者は番組毎に振り分けられる。『おはよう日本』・『ニュース7』・『ニュースウォッチ9』。いずれ名だたる全国放送だが、テレビニュース部記者たちが裏方のメインステージに立つことはない。ひたすら出稿部原稿の簡単なリライトとテロップ発注に明け暮れる。他方、局内で“おはポン”と呼ばれる、おはよう日本担当のテレビニュース部記者の労働は過酷だ。“勤務→明け→休み”といったサイクルで動く。放送時間が早朝の4時半なので、昼夜逆転を余儀なくされる。「おはポンは不規則な生活からか、メタボで不健康そうな人や、離婚率が高い」(同)。また、ニュース7は伝統があるだけ、所属記者も偉い気になるのか、傲岸不遜なタイプが多いという。「ニュースウォッチ9のテレビニュース部記者は“ゲリラ部隊”とも呼ばれ、ニュース7の記者とは仲が悪い。ニュースウォッチ9自体、ニュース7とは正反対のニュースにしようというコンセプトから生まれた」(同)。テレビニュース部記者もニュース7の記者を目の敵にしている。ニュースセンターの廊下ですれ違っても、お互い挨拶すらしないという。報道局テレビニュース部は、NHKという巨大組織の陰の部分を体現しているのだ。 (取材・文/フリージャーナリスト 一ノ瀬大士)


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BPO放送人権委員会による勧告で『TOKYO MX』後藤亘会長がピンチ

20180510 05
『放送倫理・番組向上機構(BPO)』の法曹人権委員会は先月8日、『TOKYO MX』に対し、沖縄基地反対運動の実態を扱った情報バラエティー番組『ニュース女子』の昨年1月2日放送分で、政治活動家で在日朝鮮人3世の辛淑玉氏の名誉を毀損する人権侵害があったと勧告した。だが、「国家安全保障に関わる活動で国籍を問うのは当然のことで、一体どこに人権侵害の要素があるのか?」との声がある。一方、MX社内では後藤亘会長(※右画像)の責任論に発展した。同番組は、化粧品大手『DHC』の関連会社『DHCテレビジョン』が制作する“完パケ”番組だが、MX社員は「後藤会長の独断が現状を招いた」と語る。「番組について意見が炎上し、社内で対策を練っている最中の昨年1月22日、後藤会長は取材に来た朝日新聞記者を家に招き入れ、話をした。それが翌週28日付の『MXテレビ幹部は、チェックが不十分だったと認めた』という記事になったことで、BPOは審議入りせざるを得なくなった」。BPOの3委員会(※放送倫理検証・放送人権・青少年)のトップ(※委員長)は、先月末で同時に退任となった。MXは同番組の放送を3月26日で終了し、DHCテレビは他の地方局・衛星放送・インターネット配信に活路を開く。だが、同時に売上高の1割超を占める大口取引先だったDHCを失うMXは前途多難だ。そして、建前の公平原則を掲げた放送法第4条が撤廃されれば、今度はBPOが存在意義を失う。


キャプチャ  2018年4月号掲載

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前川喜平氏“支援”で『NHK』と『朝日新聞』が共同戦線…岩田明子記者の処遇に様々な憶測

20180509 05
これまで、お世辞にも安倍晋三首相に手厳しいとは言えなかった『NHK』が、『森友学園』に関する決裁文書改竄を転機として、スタンスを大きく転換している。前文部科学事務次官の前川喜平氏が名古屋市内の中学校で行なった講演を巡り、文部科学省が内容を問い合わせていた事実をスクープ。この背後で、「NHK社会部と朝日新聞社会部が共同戦線を張っている」(NHK関係者)という情報が出ている。双方を繋いだとされるのは、NHK社会部OBのX氏。現在は在野で活躍しているX氏は、NHK在職中に前川氏の実家が経営する大手冷凍機器メーカー『前川製作所』を取材したことで、「前川家との関係を深めた」(NHK記者)とされる。前川氏は昨年5月、『加計学園』問題を巡って会見し、安倍政権批判を繰り広げたが、この会見のセットも「NHKと朝日が調整していた」(他社記者)とされる。一方、“安倍首相べったり”で知られるNHK政治部の岩田明子記者兼解説委員が、「4月から夕方の情報番組のレギュラーに起用される」(関係者)との情報が駆け巡った。NHKの社会部記者は、「これはNHK上層部が首相交代も睨み、安倍首相に距離を置き始めた証左だ」と話す。しかし、政治部の間では、「この異動は予て岩田氏本人が希望していた。政権とは無関係だ」(別の関係者)との見方が支配的。いずれにしても、朝日も絡んだ水面下の駆け引きが始まっているようだ。


キャプチャ  2018年4月号掲載

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【崩壊する地方テレビ局】(下) 在京キー局が描く“極秘シミュレーション”





20180501 01
「2015年度上期、約10億円の営業赤字」――。10月30日に『フジテレビ』が発表したショッキングな決算内容に、放送業界は大きく揺れた。僅か5年前まで7年連続で視聴率三冠王、営業収入トップの座を不動にしていたフジテレビの凋落ぶりに、テレビ業界の暗雲を感じたのだ。東京のキー局が躓けば、系列局はもんどりうって転ぶ。「フジテレビの発表の2日後に出た貴誌が地方局再編を取り上げ、大きな話題となった。局内にはコピーが出回り、地方局の淘汰が現実味を帯びてきたことを皆が切実に感じた」。福岡県のある民放中堅社員は、こう語る。前回は、キー局から地方局に支払う“配分電波料”に依存する民放経営の歪みや、地方局の苦境等を取り上げた。しかし、地方局が抱える問題はそれだけではない。先月2日、総務省で有識者会議『放送を巡る諸課題に関する検討会』の初会合が開催された。総務省の高市早苗大臣が主催し、民間の有識者16人が来年6月まで、課題を幅広く話し合うという触れ込みだが、実は結論は決定済みだ。この会議は、NHKのインターネット同時配信や受信料の支払い義務化を理論付ける為の検討会に過ぎない。自民党情報通信戦略調査会の川崎二郎会長と並ぶ“自民党放送族のドン”こと佐藤勉国会対策委員長が、自民党の『放送法の改正に関する小委員会』で提言したこの2つの課題を有識者に正当化させ、「自民党と足並みを揃える」(総務省幹部)為の茶番なのだ。

「NHKのことだから民放とは無関係」と考えるのは早計である。特に、インターネット同時配信をNHKが始めれば、民放も取り組まざるを得なくなる。その際に最大の難問となるのが“県域制度”だ。地上波は、関東・関西・中京地区を除けば、各道県のエリアで視聴範囲を区切っている。このことが地方局の“強み”であり、既得権益なのだ。もっと言えば、系列のキー局に対する唯一の存在価値であり、スポンサーに対して「うちのエリアにCMが流れます」と言える営業活動の源泉となっている。「県域制度が壊れたら地方局は終わる」(大手広告代理店幹部)というのがテレビ業界のコンセンサスだ。これまでも、インターネット同時配信のシナリオと県域制度の存廃の是非がしばしば話題になっている。インターネットでの配信を“放送”と見做すよう著作権法が改正され、設備さえ整えば、配信は直ぐにでも可能になる。インターネット配信について、決められた地域でしかアクセスできないようにする「エリア規制はできる」(『NTT』の技術者)という。しかし、ある総務省幹部は「(エリア規制について)視聴者の理解を得るのは難しい」と語る。インターネット配信と県域制度死守という相反する問題の狭間で、地方局は揺れている。キー局は着々と準備を進めている。『日本テレビ』と『Hulu』、フジテレビと『NETFLIX』、『テレビ朝日』と『ビデオパス』が其々タッグを組んだ。また、民放連会長社の『TBS』が主導して、『TVer』というキー局全社の見逃し配信もスタートしている。動画配信市場は、2014年が約1300億円だが、2020年には約2000億円に成長するとの試算が出ている。テレビ広告費が1兆8000億円前後で頭打ちとなる中、キー局は新たなパイ獲得に動いているのだ。地方局も漸く重い腰を上げ、『電通』の仕切りの下で、インターネット上に共通のポータルサイト『ロコチャン』を設け、コンテンツ提供を始めた。但し、費用の出所は総務省の予算で約1億円と、地方再生の一環で申し訳程度についたもの。結局、この取り組みは話題にも上らず、“空振り”に終わっている。地方局が独自にインターネット配信事業に挑戦している例もある。課金モデルではプロ野球やドラマ、無料広告モデルでは高校野球地区予選等が代表的だ。しかし、課金コストや権利処理コストの負担が重く、殆どがビジネスとして成立していない。また、マンパワーが不足し、「3~4名しか人が割けず、止むを得ず断念した」(地方局担当者)という苦しい局もある。地方局再編の号砲はいつ鳴るのか? 前出の総務省幹部が語る。「再編は先ず、ラジオ局が先駆けとなる」。民放ラジオ局は全国に101局あるが、経営の衰退は凄まじい。電通の作成した資料によると、2014年のラジオ広告費は1272億円だった。これは、ピーク時(※1991年)の2406億円の52.9%と半分程度だ。また、『民放連研究所』の試算によると、今年度の営業収入は年初には0.5%増を予測していたが、その後、2%減収と下方修正された。

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【崩壊する地方テレビ局】(上) 総務省と政治が画策する“統廃合”





20180430 24
地上波放送のデジタル化設備投資やリーマンショックの影響で、地方テレビ局の赤字経営が4~5年続いた時代があったが、ここ数年はやや持ち直したとされていた。しかし最近、再び地方局の経営危機が囁かれている。『フジテレビ』系列9社、『テレビ朝日』系列6社、『TBSテレビ』系列4社、『日本テレビ』系列と『テレビ東京』系列0社――。これは、2014年度決算で減収減益となった地方局の系列別の数だ。視聴率不振の影響を受け、フジテレビ系列は最多である。大阪の同系準キー局である『関西テレビ』は、経常利益が前年比85.4%。名古屋の『東海テレビ』も同84.1%と厳しい決算となった。大都市は未だ持ち堪えたほうで、山形県の『さくらんぼテレビ』と『テレビ新広島』の両局は経常利益が前年比約57%と急落した。TBSテレビ系列でも、宮城県の『東北放送』が経常利益前年比86.1%、『熊本放送』が同72.3%等、苦しい経営が続く局を抱えている。東北地方を担当する総務省関係者によれば、『秋田放送』で耐用年数が迫った社屋を新しく建て替えようと検討を始めたが、地元の銀行も経営の先行きに不安があり、融資話が難航しているという。東北地方の中でも、東日本大震災の被災地である岩手県の民放を取り巻く環境は厳しい。岩手県には、小沢一郎氏が主導して、1991年に民放3局目の『岩手めんこいテレビ』が誕生し、その後に4局目となる『岩手朝日テレビ』ができた為、飽和状態にある。岩手県の人口は、隣接する青森県と大差なく、約130万人だ。しかし、青森県の民放は3社で、1局あたりの人口では劣勢に立つ。

老舗の『IBC岩手放送』(※TBSテレビ系列局)のOBが語る。「地デジの設備投資は一段落したが、この借り入れの返済に追われて、岩手の各社は厳しい状態だ」。全国的にテレビ業界の広告の伸び悩みは深刻だ。『日本民放連研究所』の調査によると、地上波テレビの広告費は、2015年が1兆8384億円となる見通しで、前年比0.2%増加だ。これに対し、インターネット広告費は今年8690億円で、5.4%増の見通しとなっている。地上波テレビ広告費は、東京オリンピック開催以降の2021年からはマイナスに転じるという。人口減に伴い、ローカルスポンサーの経営は苦しく、地方局の営業収入は益々東京支社偏重になっている。ある地方局幹部は、「東京支社で営業収入の7割を稼いでいるのが現状だ」と語る。車・化粧品・飲料水といった、所謂ナショナルスポンサーを相手に、東京支社で営業してCM枠を埋めているのだ。愛媛県の民放関係者は、「地元企業のスポットはパチンコ店が多い」と苦しい台所事情を語る。パチンコ店のCMは地方局を席巻し、前述した岩手県でも同様だと地元民放社員が語る。「深夜は殆どがパチンコのCMで占められる。県内に他のスポンサーが見当たらない」。『かもめの玉子』というお菓子を作る『さいとう製菓』等、限られた地元企業しかCMを出稿しない為、各局は奪い合いだ。その場合、歴史の古いIBCが有利だという。ある地方局の役員は、「今の配分電波料より利益率の良いビジネスモデルはない」と言い切る。2000年代初頭、民放BS放送がスタートした際、放送業界に“地方局炭焼き小屋論”が広がった。衛星を通じて全国に一斉に放送が届くことで、地方局の存在感は薄れ、早晩“炭焼き小屋”のようになってしまうというショッキングな話だった。しかし、それから十余年、地方局はゾンビのように生き残っている。テレビのCMには“タイム”と“スポット”の2種類がある。タイムとは、特定の番組を提供し、その放送時間中に流れるCMだ。この内、全国に流れるものが“ネットタイムCM”と言われる。キー局が多額の番組制作費をかけるドラマやバラエティーは、殆どが全国ネットで放送される。その番組を提供するスポンサーは、全国に一斉に流れることを期待してCM料を拠出している。平日のゴールデンタイム(※19~22時)番組なら数千万円単位のCM料が支払われ、その中からキー局が其々の系列地方局に配分する。これが“配分電波料”である。系列局への配分法はキー局によって異なり、フジ型は固定制で、CMの売り上げに関係なく配分額が決まっている。日テレ型は歩合制で、CMの売り上げに応じて配分額が変動する。一方、スポットは番組と番組の間に流すCMで、放送範囲はキー局であれば関東地区、各地方局は自らの県域とエリアが特定されている。現状、各キー局のタイムとスポットの収入比率は半々だ。しかしここにきて、スポンサー企業の志向はスポットに傾きつつある。「人口減や高齢化の進行する地方には、CMを流す価値は減ってきている」と分析しているのだ。これは、配分電波料に依存する地方局の経営を直撃する。

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不法侵入に隠し撮り…フジテレビ『とくダネ!』の乱暴過ぎる取材現場

20180420 17
「お昼を食べようと外に出たら、家の前にカメラマンと男性ディレクターが4人ほどいて、ガーッと走ってきたんです。『止めて下さい!』と叫んでも聞く耳を持ってくれず、揉み合いになりました。私は体を押さえ付けられた。これは間違いありません。こんな取材が許される筈がありません」――。至学館大学学長の谷岡郁子氏(63)は、本誌の独占取材にそう怒りを露わにした。『日本レスリング協会』強化本部長だった栄和人氏(57)のパワハラ問題が、思わぬ騒動に発展している。協会のパワハラ認定を受け、4月8日、『とくダネ!』(フジテレビ系)のディレクターが谷岡氏を直撃取材。その際に軽傷を負ったとして、谷岡氏が被害届を提出したのだ。谷岡学長は「肩にくっきりと指の痕が残っている」と関係者に語っているが、フジテレビ企業広報室は「体は接触しておらず、何故そのような被害届を提出されたのか、当方としては理解に苦しんでおります」とコメント。12日放送の『とくダネ!』でも取材時の映像を公開して潔白を主張し、小倉智昭キャスター(70)は「視聴者の皆さんはどのようにご覧になりましたでしょうかね?」と語った。真っ向から食い違う両者の言い分。しかし、同番組が取材現場でトラブルを起こすのは今回が初めてではない。本誌はこれまで、同番組の“乱暴過ぎる取材”を目撃してきた。

2011年1月10日、東京都目黒区の老夫婦が殺傷される事件が起きた。2月10日に容疑者が逮捕されると、同番組のリポーターらは、15日、福島県いわき市にある容疑者の自宅を訪れた。本誌記者の前を横切り、ズカズカと敷地内に入っていくスタッフたち。裏庭に回り、窓を叩きながら「出てきて下さい!」と、容疑者の家族に大声で呼びかける。だが、偶然にも家には、事情聴取をしていた警視庁の刑事がいた。警察手帳を翳しながら玄関から出てきて、番組スタッフを整列させる(※左上画像)。

刑事「お前ら全員名刺出せ。不法侵入なのはわかっているだろ」
スタッフ「勘弁して下さい…」

スタッフらは平身低頭で謝って解放されたが、「すみません、この件は内密に…」と本誌記者に念を押して帰って行った。2015年8月、大阪府寝屋川市で中学1年生の男女が殺害される痛ましい事件が起きた。メディアでは連日、事件の詳細が大きく報じられたが、同番組のやり方はあまりにも遺族感情を無視したものだった。「撮影と録音は絶対にしない」という約束だったにも拘わらず、8月31日の番組内で、隠し撮りした被害者祖母のインタビューを放送したのだ。当然、放送を見た祖母は怒り、番組に抗議。すると、翌日の9月1日、番組スタッフが祖母の自宅に“釈明”に訪れた。スタッフは苦しい言い訳を繰り返すばかりだった。これらについて本誌はフジテレビ企業広報室に取材したが、不法侵入及び隠し撮りについて、「事実はございません」と回答した。中央大学総合政策学部の市川哲夫特任教授(放送文化論)が言う。「取材上のコンプライアンスは年々厳しくなっている。報道の自由が尊重されるのは当然ですが、一方で『取材によって被害を受けた』と申し出る人がいるならば、その声には真摯に対応すべきでしょう」。現場で仕事に熱中するあまり、取材相手を怒らせてしまうのはないことではないが、トラブルになったら誠実に対応するのが筋というもの。トラブルを“無かったこと”にしたら、より大きなトラブルを招く。本誌はそんな番組の姿勢を心配しているのだが…。


キャプチャ  2018年5月4日号掲載

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BS4K放送のスタート迫り、コスト増に怯える民放各局

20180207 09
今年12月に放送開始予定のBS4Kが全く盛り上がらない。4K対応テレビの累計出荷台数は、昨年10月末時点で328万台と増加傾向が続いているが、実際に4K放送を視聴する為には別途チューナーが必要になる。テレビ局の社員ですら、「購入するならもっと後がいい」と語る始末なのだ。昨年12月1日には、総務省の野田聖子大臣が先頭に立って放送開始1年前のイベントを開催したが、空回り。追い打ちをかけているのが、放送を担うキー局系BS5局の経営状態だ。BSの放送収入は2016年度までは右肩上がりだったが、2017年度の中間決算では伸び悩み、5社全体では前年比0.3%増に留まった。一方で、4K番組の制作費は2Kの1.5倍はかかり、設備費用を入れれば「1社あたり年間10億円程度の費用増となる」(BS局幹部)という事情がある。これは各社の利益をほぼ食い潰してしまう数字だ。インターネットが台頭する中で、BSの視聴率と言われる接触率は「データ価値が無くなってきている」(広告代理店幹部)為、スポンサーが集まらない。総務省は高精細化を前面に打ち出し、「2020年には半数の世帯で4Kを視聴している」との現実離れした目標を掲げている。このまま突っ走れば「赤字局が生まれることは必至」(民放連幹部)だ。


キャプチャ  2018年1月号掲載

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祝・東芝スポンサー降板記念! 日本社会にとって害悪でしかない『サザエさん』なんか即刻終わらせろ!

絶賛経営崩壊中の『東芝』が『サザエさん』(フジテレビ系)のスポンサーを降りる姿勢を見せている。もういっそのこと打ち切りにしたほうがいいのでは? フジテレビを今の泥舟状態にしたのも全部、この昭和の負の遺産のせいの筈。即刻終わらせるべき理由を挙げていこう。多過ぎて、きっとドン引きするから! (フリーライター 花山十也)

20180117 10
2015年に発覚した不正会計問題以来、深刻な経営危機が続く東芝。半導体子会社の売却を進める等、債務超過の解消を図ってはいるが、未だ復活の糸口は見えてこない。そんな中、サザエさんの番組スポンサーを降板する方向で調整していると『共同通信』等が報じている。1969年の番組開始以来、“日曜18時半のファミリーアニメ”として半世紀近く放送を続けてきたサザエさん。1998年までは1社提供、その後もメインスポンサーとして自物家電を中心にCMを出稿してきた東芝。1社提供の時代には、サザエさんとタラちゃんによる「東芝がお送り致します!」「致しま~す!」のセリフも耳に馴染み深く、“サザエさんと東芝”でワンセットのイメージすらあった。しかし2016年6月、東芝は白物家電事業を中国の企業に売却。月7000万円・年間8億円とも言われるスポンサー料を払うだけのメリットが、現在の東芝にあるとは考え難い。前述したような経営不振に端いでいる状況では尚更だ。後継スポンサーが決まれば、2018年3月末にも“東芝のサザエさん”は終了するものと見られている。東芝降板のニュースを受けて即座に反応したのが、美容外科の『高須クリニック』。11月1日、高須克弥院長は自身の『ツイッター』で、「電通とフジテレビにすぐ連絡した。高須グループのハウスagencyと値段交渉開始なう。」とツイート。東芝に替わって“日曜18時半の顔”となるべく、いの一番で名乗りを上げた。若しも高須クリニックによる1社提供が実現したら、「サザエ、プチ整形で若返る」「波平のAGAクリニック訪問記」等のエピソードが制作されるかもしれない。視聴者としては見てみたい気もするが、企業にとって年間8億円以上を支払う価値がサザエさんというコンテンツにあるのかについては、甚だ疑問が残る。

多くの企業は、CMに自社の将来性や社会への夢を投影している。直接的な言い回しが無かったとしても、そこには“未来”が込められているのだが、サザエさんには“未来感”というものが完全に欠落している。未来どころか、“今”すら真面に描かれない。1940年代に長谷川町子先生が描いた“昭和的家族”が、まるでゾンビのように生き残り続けている。現実の世界から目を背け、「あの頃はよかった…」的なノスタルジーに浸ることを視聴者に促しているのだとしたら、ファミリーアニメどころか、子供たちに悪影響を及ぼす“俗悪番組”の様相を呈してくる。実際、今回の東芝降板の報道を機に、サザエさん自体の打ち切りを求める声が、各分野の専門家から寄せられている。労働社会学を専門とする評論家で、千葉商科大学国際教養学部専任講師も務める常見陽平氏も、「家族の在り方も働き方も現実とズレすぎている」と指摘。「自立した女性が描かれておらず、教育上よくない。私の娘には見せない」とバッサリ。病児保育を手がける認定NPO法人『フローレンス』の駒崎弘樹代表理事は、「これを機に終了した方がいい」とツイート。「昭和の家族像を押し付け、サザエさんがパートに出たかと思えば『子どもが寂しがってる』という理由で辞めるような、ステレオタイプな育児観を撤き散らす。サザエさんの放映はもはや、百害あって一利なし」とも。この駒崎氏のツイートに、「ひとり親家庭と共働き家庭を足すと全世帯の7割に達する現代の家族の実態に合わせて再構成し、今日的な社会課題の解決に真剣かつ明るく取り組む地域コミュニティの物語に仕立て直したら如何でしょうか?」と反応したのは、子供の貧困対策推進議員連盟の呼びかけ人でもある希望の党・長島昭久議員。サザエが旧姓の“磯野”に戻ってシングルマザーとなり、地域コミュニティーの中で社会問題に取り組む――。どこまで冗談なのか今ひとつ不明だが、そんな再構成をしたら、それは最早サザエさんではない。要は、長島氏の意見も「サザエ、もう終わっちまえよ」なのである。一切面白くはないが、特に不快にもならない。毒にも薬にもならない人畜無害アニメの印象もあったサザエさんが、今や労働社会学や子育ての専門家から「教育上よくない」「百害あって一利なし」と切り捨てられる。それほどの時代錯誤に違和感や不快感を抱いているのは、専門家たちだけではない。女性向けコミュニティーサービス『ウートピ世論』が、「サザエさんのような家庭は理想的?」というアンケートを実施したところ、「気持ち悪い」「マスオと波平はまったく育児参加していない」等、否定的な意見が続出。何と、約8割が「理想的ではない」と回答したのだ。数少ない肯定派も「できれば家にいたいから憧れる」等、ただ楽をしたいだけの典型的なバカ主婦であることが見て取れる。

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