松居一代劇場に完敗! “荒涼”の2017年夏ドラマをメッタ斬り!

青春ドクター・食み出し探偵・仕事のできない夫・おデブなシングルマザー…。例によって主役は脈絡なく出揃ったが、今夏ドラマも砂を噛む試練の予感。「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ」。星の王子さまはそう言うけれど、これ、井戸無くね? (フリーライター 今井舞)

20170818 03
毎日怒涛の新展開を見せる“松居一代劇場”。あっちに比べてかなり注目度は劣るが、一応、夏ドラマ群も始まっている。ラインナップを見ていこう。瀕死状態のフジ月9に助けが飛んできた。バラバラバラバラ。『コード・ブルー~ドクターへリ緊急救命~』(フジテレビ系・月曜21時)。ドクターへリで患者の元に駆けつけるフライトドクターたちの活躍を描いた人気ドラマシリーズの第3シーズン。優秀で責任感が強い新垣結衣、クールで超一流のオペの腕を持つ山下智久、負けず嫌いで鼻っ柱の強い戸田恵梨香等々、安定感あるキャラクター配置と、「了解、ドクターへリ、出動します。エンジンスタート!」といった派手な画ヅラ、緊張感ある救命のシーンの合間に織り込まれるヒューマンなストーリー。…ザ・盤石。今シーズンは、そこに“ダメな新人たちを一人前に育てる”というテーマが加わり、今時の若者に煮え湯を飲まされている人が溜飲を下げられる作りに。ドクターヘリがあるような大病院に何で若い救急医しかいないの? シーズン1・2に比べて事故現場のセットがチャチ過ぎやしない?――色んなツッコミはさておき、初回視聴率は今期最高の16.3%。だが、これはあくまで昔取った杵柄による延命治療。“月9という病”の根治には、新作成功しか治療法はない。へリは未だか。

「小難しいテーマよりも、偏差値低めで共感し易いポジティブな話を」というのが、今のドラマ制作の基本理念。その見本のような作品が『カンナさーん!』(TBSテレビ系・火曜22時)。主人公は、夫と1人息子をこよなく愛し、パワフルな毎日を送るアパレル会社勤務の渡辺直美。しかし、息子の誕生日に夫の不倫が発覚。即別居。パパがいなくたって大丈夫。保育園の父親ドッチボール大会には私が出るわ。うりゃー、ドカーン、わーい優勝。帰りに自転車でコケて病院。夫が駆けつけてくれたのは嬉しいけれど、いつも笑顔の自分でいたいから「私と離婚して下さい!」。…うーむ。離婚に至るまでの筋運びの感情移入のし難さも然ることながら、シシド・カフカと不倫するようなロマンチストの要潤演じる夫が、容姿もバイタリティーも何もかも“規格外”の渡辺直美と何故恋に落ち、どうして結婚したのか、今ひとつ合点が行く描写がないまま話が進むので、夫婦の絆や歴史が感じられず、仲直りを強要してくる姑の斉藤由貴の鬱陶しさにもリアリティーが伴わない。突飛な風貌でガサツにドタバタ大立ち回りする渡辺直美の姿は、ママドラマの主人公というより、殆どゆるキャラ。育児も家事も仕事も、鼻歌歌いながらあっという間に片付き、4歳の息子は人形みたいに大人しい。端からシングルマザーの細かな心の襞なぞ期待してない人たちが、主な視聴者層なんだろう。「直美ちゃん、明るくて元気貰えるー」って。それが一定数いるから視聴率12%。ビバ、偏差値低めポジティブ! 『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系・土曜22時)。会社でお荷物扱いされている夫の錦戸亮と、それを支える妻の松岡茉優の二人三脚の奮闘の物語。この筋と大仰なタイトルから、「それ、パワハラされていますよ」とユニオン的NPO団体に目を付けられた主人公が、次第にシンボルマークとして扱われるようになり、本人は何も変わっていないのに、会社での扱いや世間からの目線が勝手に変化し、出世するという、映画『メルシィ!人生』(メディアボックス)的な見所を勝手に想像していたのだが。忘れ物を届ける度に錦戸が会社で叱られているのを見てしまい、本屋で買った自己啓発本を頼りに松岡が夫にアドバイスするという、何じゃそりゃあなストーリー。突然、無意味に始まる『ラ・ラ・ランド』(ギャガ)的ミュージカルシーンも、唐突でツラい。錦戸は大手イベント会社勤務なのだが、そこで描かれる“仕事”のチャチさがまた…。閑職の弁当係を押し付けられて、予算無視で仕入れまくり。理由は「皆の喜ぶ顔が見たかったから」。うーむ。そういうべクトルで“仕事ができない”を捌くのか。お人好しで損しているけど、そこを評価してくれる人もいて…ってこれ、『なぜか笑介』(聖日出夫)の世界観だよなぁ。21世紀に『なぜか笑介』かぁ。ズッ。

続きを読む

スポンサーサイト

テーマ : テレビドラマ
ジャンル : テレビ・ラジオ

NHKが子会社の統制を強化…経営目標への介入に反発の声

20170727 11
籾井体制が終焉して、上田良一会長の下で安定軌道に戻ったかに映る『NHK』が、子会社・関連団体の統制強化に乗り出し、激しい軋轢が生じている。「まるで『本体の不祥事は子会社のせいで起きた』と言わんばかり」(グループ会社幹部)の上から目線で、本体が監査に立ち入ったり、経営計画を押し付けたりして、子会社サイドが反旗を翻し始めたからだ。NHKが3月にグループ各社に通達したのは、“経営目標策定の見直し”。各社の2017年度の経営目標を現行より細分化し、重点事業の達成度やNHKへの収益貢献度等を詳細に採点する方式に変更した。子会社の経営目標をNHKが精査して、子会社に“付与する”ことも明文化し、各社の幹部から反発の火の手が上がった。経営目標は、その達成度で、グループ各社に送り込まれた経営幹部の年収を決める重要施策だ。これを本体が決めるのは「お手盛り」と反発に遭い、経営目標をまた見直す羽目に陥った。NHKは、受信料着服・タクシー券不正使用・強姦致傷や住居侵入の容疑で記者逮捕と、不祥事が後を絶たない。だが、総務省への報告を先延ばしする等、批判の声にも馬耳東風。総計約7000億円を稼ぎ出す巨大特殊法人が、子会社に責任を転嫁する体質こそ、この組織を蝕む病巣だろう。


キャプチャ  2017年5月号掲載

テーマ : テレビ・マスコミ・報道の問題
ジャンル : ニュース

日枝院政の“番頭”宮内正喜の人物評――“ボス”が一線から退いても『フジテレビ』の低迷は続く

20170719 09
視聴率低迷と業績悪化にもがく『フジテレビ』が、亀山千広社長を『BSフジ』の社長に“格下げ”する人事を発表した。亀山氏の更迭はある程度予想されていたが、その後任にBSフジの社長である宮内正喜氏(※左画像)が就くという人事は、同氏の73歳という年齢もあり、社内に波紋を投げかけた。巷間言われている通り、『フジメディアホールディングス』の相談役に退きながらも、実質的な代表権を手放さない日枝久氏による“院政”が敷かれるのは当然だが、宮内氏に託されたフジ再建の道筋は極めて険しい。宮内氏は、番組制作等で大きなヒット作がある訳ではない。慶應義塾大学法学部を卒業後、1967年にフジテレビに入社し、編成制作局長等を歴任したものの、幹部になって以降は編成・人事・総務を担当した。企業として危機に直面した2005年のライブドア事件では、宮内氏が事後処理に活躍し、数字と法務に強いことから、“日枝会長の参謀”と呼ばれていた。2007年、専務を務めていた宮内氏は、山田良明常務(※『共同テレビジョン』前社長)等と並び、“次期社長候補”の1人だった。結果的には、宮内氏よりも4期下の豊田皓氏(※当時常務・営業担当)が社長に抜擢され、宮内氏は系列の『岡山放送』社長へ転じた。

しかし、この人事にも日枝氏の配慮が表れていた。日枝氏は岡山の旧家出身であり、故郷に対する思い入れが強い。この為、宮内氏に白羽の矢が立ったのであり、日枝氏の期待を感じるものだった。実際、宮内氏の送別パーティーで日枝氏は、こうした趣旨の発言をしていたという。岡山時代にも日枝-宮内ラインは健在だった。『ロックフェラー財団』と親交の深い日枝氏の意を汲んでか、宮内氏はアメリカのヘンリー・キッシンジャー元国務長官を招聘して、岡山で講演会を企画。また、『有栖川宮・高松宮ゆかりの名品展』を東京と岡山で開催するにあたり、宮内氏自ら協賛社探しに奔走した。同氏は毎週のように上京し、日枝会長に報告・連絡・相談する姿が目撃されていたという。フジの幹部が語る。「日枝会長は宮内氏が可愛くて仕方ない。他のグループ会社幹部からの要望などあまり聞かないが、宮内氏については『何とかしてやろう』と手を差し伸べる」。また、今回の人事に合わせて、「30年来、日枝氏に仕えてきた横山淳取締役を、秘書室長から外す人事が決まった」(同)。宮内氏と横山氏は反りが合わないと言われており、これに配慮した異動とみられている。更には、日枝氏の相談役室と宮内氏の社長室は同じフロアに置かれ、HD新会長の嘉納修治氏は別フロアに追いやるという。「フジが今置かれた環境の中でベストの人事だと思っている」。先月25日、フジテレビの各部門のトップが集まる拡大局長会の場で、日枝氏は今回の人事についてこう自賛した。その上で、宮内氏について、「総力を挙げてフジテレビを立ち直らせてくれると思う」と期待を語った。更に日枝氏は、こう続けた。「私も引き続き取締役相談役として、またフジサンケイグループ代表として、陰ながら応援はしていきたい」。“院政”を明言するボスの下で、宮内新体制が船出する。


キャプチャ  2017年6月号掲載

テーマ : テレビ・マスコミ・報道の問題
ジャンル : ニュース

月9ドラマが遂に2017年一杯で終了! 社長交代でも“日枝院政”が続く『フジテレビ』の絶望

20170719 07
低視聴率で業績悪化の一途を辿る『フジテレビ』で、亀山千広社長に代わり、これまで社長レースに一度も名前が挙がらなかった『BSフジ』の社長で73歳の宮内正喜氏の就任が決定。同時に、フジに長きに亘り君臨し続けた日枝久会長(※右画像)の退任を発表した。6月28日の『フジメディアホールディングス』株主総会で正式決定するが、局内からは「日枝会長は相談役として残る。宮内新社長は日枝氏のイエスマンで、院政を敷くのは間違いありません」という悲観的な声が上がっている。また制作サイドからは、「今回の交代劇でとばっちりを受けるのは、とんねるずとキムタクだ」との情報も。一体、どういうことか? 「低視聴率で、これまで散々打ち切りの噂があった“とんねるずのみなさんのおかげでした”は、“日枝物件”と言われた聖域で、誰も手を付けられなかったんですが、相談役に退いたことで、日枝氏の発言力は多少弱まる。打ち切りは時間の問題ですよ。それと、亀山社長は月9ドラマの幕引きとして、10月からキムタク主演ドラマを予定していたんですが、社長退任で白紙に戻りました」(バラエティー番組制作スタッフ)。実は、発表前から亀山社長の退任は既定路線と言われていた。しかし、「後任は日枝会長が推す、作家・遠藤周作の長男で専務の遠藤龍之介氏が内定した」との情報だった。「ところが、株主総会を待たず、5月9日の役員会で、宮内氏の社長就任を急遽、決めた。一説には最近、局内に亀山氏の“不倫怪文書”が流れ、それが近々、マスコミで取り上げられる為、その前に退任を発表したという情報が実しやかに流れているんです」(フジ系列の制作会社スタッフ)。

一世を風靡したトレンディードラマや、劇場版も作られた『踊る大捜査線』等のヒット作を手掛け、敏腕プロデューサーと言われた亀山社長が、同じくトレンディードラマの旗手と呼ばれた大多亮常務と社長レースを争った結果、2013年6月の株主総会で社長に就圧。就任後、同局の長寿バラエティー番組『笑っていいとも!』を打ち切るという英断を下したが、新たなヒット番組を作るどころか、ドラマ・バラエティー・情報番組で立て続けに失敗。特にドラマは、月9のワースト視聴率を更新した。「2015年の上半期決算で、フジは1997年の上場以降、初の営業赤字に転落。昨年4月から12月までの放送収入も減少の一途を辿っている。更に、年間視聴率は全日・ゴールデンタイム・プライムタイムの全てが民放4位という体たらく」(ドラマ関係者)。亀山社長は「せめて月9の視聴率だけでも回復させたい」と、ジャニーズ頼みでジャニタレを次々に主演に据えた。その第1弾が、『嵐』の相葉雅紀主演の『貴族探偵』だった。「1987年に月9がスタートしてから30年の節目ということで、1本あたり製作費1億円をかけているんです。初回視聴率こそ11.8%でしたが、その後は7%台も記録。まさに“爆死”でした」(フジ編成マン)。また、別のドラマスタッフも、「貴族探偵が放送される前の3月に、フジは社運をかけて松嶋菜々子主演の山崎豊子スペシャルドラマ“女の勲章”を2夜連続で放送したんです。山崎ドラマは、これまで“白い巨塔”・“華麗なる一族”・“沈まぬ太陽”等、ヒットが続いている。制作費は1億4000万円。松島のギャラも破格の2000万円と言われてます」と話す。ところが、1夜目の視聴率は8.1%。2夜に至っては6.2%と“大爆死”だった。そして、立て続けの貴族探偵の低視聴率。「日枝会長は、『亀山社長をこのまま続投させても打開できない』と判断。責任を取らせた形です」(フジ関係者)。次期社長候補に挙がったのは、共に専務の遠藤氏と鈴木克明氏、それにフジHD専務の金光修氏の3名。その内、日枝会長が推したのが遠藤専務だと言われた。これが前出の噂に繋がる。「遠藤専務は、2006年のライブドアによる筆頭株主・ニッポン放送の買収騒動の際、広報部長としてマスコミ対策に奔走したことを、以前から高く評価されていた。更に、広報畑出身ということもあって、局内外からも人望があります」(同)。ところが、新社長に指名されたのは、名前すら挙がっていなかった宮内氏(※左下画像)だった。それも早々の発表とあって、様々な億測が飛び交っている。その1つが、前述した亀山社長の“不倫怪文書”だった。

続きを読む

テーマ : テレビ・マスコミ・報道の問題
ジャンル : ニュース

2017年も“凶作”のオンパレード! “忖度”の春ドラマをメッタ斬り!

今期も安直な設定ばかり。警視庁のエリートと所轄の刑事、初恋の男との不倫に走る新妻と狂気の夫、人造人間と少女の切ない恋…。「お偉いさんの意向を忖度しつつ、筋を考えてみました」って? 制作の皆さん、今井舞の激辛レビューを読んで勉強し直して下さい。

20170609 13
俳優・女優にソッポを向かれ、フジテレビ苦境のシンボルマークと化した月9。「社運を賭けて立て直す」。態々そう宣言して制作されたのが、今期の『貴族探偵』(フジテレビ系・月曜21時)。主人公は、『嵐』の相葉雅紀演じる謎の“貴族”。殺人現場に現れては、自らは何もせず、執事の松重豊、運転手の滝藤賢一、メイドの中山美穂ら使用人が、捜査と推理を代わりに行う。全員、『東京ディズニーランド』のキャストみたいな衣装を着て。あれ、番宣用のコスプレなのかと思いきや、本編もこれを着てずっとやるらしい。うーん。前に織田裕二で似たような設定のドラマがあったけど。“浮き世離れした貴族”を演じるのに、苦肉の策で被り物みたいなとってつけたキャラクターを演じていたが。しかし今回、相葉はキャラすら被らず。いつものあの滑舌・あの棒読みで、「私ですか、そうですねぇ、こころあるひとからは、こうよばれています、きぞくたんてい、と」(※原文ママ)と、包み隠さず大根フルスロットル! 脇には他に、武井咲・井川遙・生瀬勝久・仲間由紀恵等も揃え、“豪華”を謳うが、ただ集めただけ。仲間由紀恵なんて“スマホの音声ガイドの声役”だもんなぁ。松重豊も、どんな作品にも誠を捧げる役者の背中が、前期のドラマ『バイプレイヤーズ』(テレビ東京系)の劇中劇に見えてくる。「フジにはお世話になったし、ジャニーズ事務所とはこれからもやっていくし、ここは1回、皆で泣いとくか。皆でやれば責任も軽くなるし」――。“内容を面白くすること”には全く力を注がず、社運を賭けて忖度を強いる。フジテレビの悪いところが全部出ている象徴的作品。

フジのダメのバリエーションの広がりは更に。『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系・木曜22時)。女子力ゼロのモテない理系の女性研究員たちが一念発起! 服装やメイクやコミュニケーション力を磨いて、キラキラ生活を目指す…というコメディーらしいのだが。乏しい知識で服やコスメを色々試しては失敗、インターネットから得た知識で何とか修正という内容は、ドラマというより情報番組に近い気が。主人公の桐谷美玲は、眼鏡をかけて猫背にしただけで強引に“地味で冴えないブス”となり、水川あさみは“昭和のオバサン”、話題の女芸人・ブルゾンちえみは“デブ”。そして“理系女子=地味”と、人物も設定も物凄く記号的。仕事の描写は一切無く、研究室でいつも3人、インターネットを覗いては、“男は揺れるものに弱い”なんて情報に振り回され、ポニーテールにイヤリングして、頭をゆさゆさ揺らしている。こうした安直な羅列が延々と。このイージーさ、情報番組というより“まとめサイト”に近いかも。「若しもまとめサイトがドラマになったら…」。まとめサイトというものの、俗っぽく頭悪い感じも含めて、まさにこんな感じだろう。不要なジャンルが、また1つ構築されてしまった。誘拐された最愛の1人息子と奇跡の再会を果たした母・沢尻エリカを通し、「母性とは何か?」を描く『母になる』(日本テレビ系・水曜22時)。幼稚園に通う息子が失踪し、捜索が行われる緊迫したシーンからスタート。子を失う親の苦悩が描かれるのかと思いきや、そこから急に夫・藤木直人との馴れ初めに話が飛び、交際・結婚・出産と、まるで『ゼクシィ』のテレビCMみたいなホンワカ話が延々続く。予想していた展開とかなり違う上、幼稚園前で子供が拉致されたのに防犯カメラも無し、園児が行方不明になってもおゆうぎ会が行われていたり、失踪後も家の中は綺麗で、沢尻も藤木もこざっぱりした身形をしている等々、“子供失踪”を描くにはリアリティーが欠如し過ぎで、話に身が入らない。また、幼稚園時代を演じる子役の下手さたるや。今時、もっと巧い子一杯いるだろうに。「ぼくー、ママのこと、いとしいだぁよぅ、いとしいだぁよぅ」の抑揚の無さ。失踪後、「『子供のいない人生もいいな』とちょっとでも思った私のせい」と慟哭する沢尻の姿に、若い母親の心の襞が見えただけに、もう少し力のある子役で丁寧に絆を描いてほしかった。話は急に9年後となり、児童養護施設からの連絡で子供の無事を知らされる沢尻。誘拐事件の子供が9年後に発見されたというのに、何と全く警察の介入無しで話が進行。えぇーっ。「9年間、一体どうしていたの?」という当たり前の疑問もうやむやのまま、「ぼく、ゲーム欲しいな」という中学生になった息子(※ジャニーズの若手。この子も棒読み。子役はここに合わせたか?)と楽しく過ごす様子が綴られる。実は、拉致された部屋の隣に住んでいた小池栄子が、子供を横取りする形でこれまで育て、「これから、知らないおばさんがいきなりあなたの前に現れて、“お母さん”と名乗ると思うけど、優しくしてあげなさい。いい子にして待ってて。ママは必ず迎えに行きます」という手紙を秘密裏に送り、少年はその指示通り動いていたという衝撃の展開となるのだが…。リアリティーの欠如をサイコなパワーで圧倒できるか? 物語の今後は、小池栄子の狂気に託された。

続きを読む

テーマ : テレビドラマ
ジャンル : テレビ・ラジオ

あまりに不可解だった呆気ない幕切れ…『大改造!!劇的ビフォーアフター』再最終回の裏事情

建築のプロたちが、依頼者から持ち込まれた家屋を見事に改造し、喜ぶ家族の姿が印象的だった人気番組が、突然の終焉を迎えた。10年以上も好評を博し続けながら、あまりにも“テレビの事情”に固執し続けたことが原因だった――。 (取材・文/フリーライター 黒川健三)

20170529 14
2002年に放送が開始されるや、依頼人の中古家屋がプロの手によって文字通り“劇的なリフォーム”を施されるという斬新な企画で、瞬く間に人気番組にのし上がった『大改造!!劇的ビフォーアフター』(朝日放送・テレビ朝日系)。その後、様々な事情から一旦はレギュラー放送を終了。すると、視聴者の後押しを得て不定期放送となると、2009年にシーズン2として再びレギュラー放送へ復帰。だが、2016年11月、いきなり“再最終回”を迎え、一先ずのところ、14年間の歴史に幕を下ろすこととなった。同番組の熱狂的なファンからは終了を惜しむ声も相次いだが、そうした巷の熱狂ぶりとは裏腹に、同局サイドは今後、特番としての放送をするという含みを持たせたものの、レギュラー復帰について局側はお茶を濁す形となっている。高視聴率をキープしていたにも拘わらず、何とも呆気ない幕切れとなった同番組。各番組が低視聴率に喘ぐ中、何故鉄板コンテンツを呆気なく手放してしまったのか? 疑問を投げかける視聴者やファンも多かったが、このようなあまりにも不可思議な形での打ち切りについては、その背後に「2002年のシーズン1放送開始時から続く様々な問題があるのではないか?」と指摘する向きも少なくない。「まぁ、あの番組は最初から無理がありましたからね。十数年もよく持ったほうだと思いますよ」。そう語るのは、若手時代に最末端の構成作家として同番組の制作に携わっていたこともあるというK氏(38)。彼の話によると、同番組はスタート直後からクレームが相次ぎ、真面な感覚ならば、とてもレギュラー放送を続けられるような番組ではなかったのだという。

「元々クレームが多かったんですよ、スタッフからも匠からも、そして依頼者からも。以前、訴訟を起こされたりしたこともありましたけど、家の改造を突貫工事で、レギュラー放送のスケジュールに合わせるなんて抑々無理なんです。だから、放送日までに全然間に合わず、『カメラで撮らない部分は後回しで…』なんてことはしょっちゅう。しかも、平気でそのまま放置したりしていたから、依頼者からのクレームが凄いのも当然ですよね」(K氏)。更に番組では、無事に“完成”を迎え、依頼者ファミリーが感動しながら喜び合うというシーンがお馴染みとなっている。だが、驚くべきことに、この段階で完成していたのは画面に映る表側の部分だけで、実際には残る裏側の施工が終わっていないまま“完成”と言って放送していた物件があるというのだ。しかもその後、依頼者側からのクレームにより“無かったこと”にできなくなっても、放送が終わってしまっているコンテンツに追加予算を投入できるほど、今のテレビ局側の財布の紐は緩くない。その為、ここから更なる被害を生むのだという。「…まぁ、工期が延びればそれだけカネもかかる訳ですから、誰かが泣かなくちゃいけない。そうなると、先ず局側は是が非でも建設業者に押し付けにかかる。それが訴訟ヘと繋がったんだと思われるんですけど、それでも業者側が首を縦に振らない場合はどうなるか…。実は、私の知る限り、何軒かの家は、土木作業員のフリをした番組ADたちが仕上げの作業をしたそうです。当然、素人ですから、その完成度はかなりヤバいことになっている筈なんですけどね(苦笑)」(同)。建設業者にサービス残業を強いるだけでなく、建築の知識なぞ何一つ無いADまでもが駆り出されていたというのだ。因みに、依頼者側が予算に応じて支払う金額そのものはガチとのことなので、とんだ不良品を押し付けられた家族もいた訳である。「私が聞いた噂では、実際に大金を支払ったにも拘わらず、逆に欠陥だらけのリフォーム物件を押し付けられてしまって、困り果てている人もかなりいるらしいです。でも、番組側はそれを無かったことにして、いつまでも次から次へとリフォーム物件を乱造している訳ですからね。被害者目線で見れば、『それなら先ず俺の家を仕上げてからにしろ!』とも言いたくなりますよ。今回の打ち切りは、そういう怨嗟の声が積もりに積もって、限界に達したからなんじゃないでしょうか」(同)。虎の子の貯金を叩いてまでリフォームを依頼し、結果として、長年住み慣れた我が家を欠陥住宅へと改悪されてしまった同番組の歴代依頼者たち。家は拙くとも、幸せに暮らしていることを祈りたい。


キャプチャ  第6号掲載

テーマ : テレビ・マスコミ・報道の問題
ジャンル : ニュース

“皆さまのNHK”を腐らせる『放送技術研究所』の闇――研究開発より忖度が優先、有名研究者を“通路案内係”に

20170511 01
籾井勝人氏が会長の座を降り、平時に戻ると思われたNHKで、その後もわいせつ事件等、不祥事が間欠泉の如く噴き出している。だが、一連の事件は、この殿様商売に蔓延する腐敗の断面に過ぎない。ぬるま湯に浸かり、“皆さまのNHK”を蝕む輩の巣窟が存在する事実は知られていない。それは、競争相手の不在と裏方の盲点につけ込み、私利私欲が跋扈する技術畑だ。本来ならば日本の放送技術を牽引すべき頭脳集団だが、一部の人間による独善的な人事や差配に辟易した技術者たちは、愛想を尽かして次々とNHKを去り、今や「人材の流出どころか枯渇の状態」(NHKのOB)。国民から集めた受信料も巡り巡って、公共放送を壟断する邪悪な面々の杜撰な経費に浪費されているのだ。この技術畑の中核は『NHK放送技術研究所』(以下“技研”)だ。職員は約250人で、年間予算は人件費・研究開発費を合わせて120億円。カラーテレビの実用化・ハイビジョン・地上デジタル放送等を牽引してきたテレビ技術の中核であり、公共性と汎用性で一企業の技術部門とは一線を画す。技術畑のトップである技師長も、技研所長の経験者が大半。技師長は通常、技術系の専務理事か理事が兼任する。現在の森永公紀技師長兼専務理事は、報道局の経済部出身。子会社である『NHKアイテック』の社員が架空工事を発注し、約2億円を着服する不正が発覚し、技術畑の出身者が外された結果だ。何故、NHKの技術者集団は堕落したのか? 腐敗の系譜を探ると、退職や転職に追い込まれた人々の証言から、歪んだ支配への転機が浮かび上がった。それは、技研所長から技師長を経てアイテック社長へ天下りした久保田啓一氏の影響力。アイテック事件当時の社長で昨年4月に退任に追い込まれ、現在はNHKのOBの1人だが、そのDNAは今もNHK技術の上層部に継承されているのだ。

「どうなるかわかっているだろうな? 俺は名簿にマルを付けて、誰が挨拶に来たのか記録しているんだぞ!」――。2008年6月、東京都世田谷区砧にある技研のエレベーターで乗り合わせた研究者を恫喝したのは、当時、技研所長に就任したばかりの久保田氏だった。この研究者は「いえ、伺いましたが不在で…」と返したものの、それが気に障ったのだろう。「このままでは研究ができなくなる」と悩んだ末、50歳過ぎで退職し、大学教授に転じた。これだけなら、どこの会社にもありそうな些事と片付けられるかもしれない。だが、独善的な人事はその後も枚挙に暇がない。以下、何れも一流大学の大学院で修士課程以上を修了した人たちの実話の一部である。アナウンサーに代わり、株式市況等を自動的に読み上げる“音声合成”の研究で最先端を走っていた40代のエースは、「成果を上げても全く評価されない。上層部の好き嫌いだけで人事が決められている」と嘆きながらNHKを後にして、この彼も今は大学で教鞭を執る。音声からテレビ字幕を作成する“音声認識”の技術で将来を嘱望された30代の技術者は、大手ポータルサイトへ転職していった。退職の背景を知る関係者は、「研究より、上司の顔色を見ながら仕事しなければならない環境に嫌気が差した」と心中を代弁する。国立大学で博士号を取得した40代の技術者は、特殊半導体技術の研究者として国際的にも注目されていたが、「研究実績が殆ど無い久保田氏にとって目障りだった」(前出のOB)とされ、突如として更迭の憂き目に遭う。今では、飛ばされたNHKの子会社の地方支社で、放送に異常がないか、日がな一日、テレビのモニター画面を眺めて過ごす。「何故、こんな冷や飯を食わされなければいけないのか」。無念の声を聞いた元上司は、絶望のどん底に突き落とされた部下の境遇に、自責の念にかられているという。放電による発光を利用するプラズマディスプレイの高精細化の理論研究で有名な50代の研究者も、長年の研究成果を根こそぎ奪われ、退職後も失意の日々を送る。彼は「8Kスーパーハイビジョンのプラズマテレビを実現しよう」と、高精細化に挑戦。その可能性を世界で初めて実証し、メーカーと共に開発に成功したが、2014年の学会誌の論文に彼の名前は無かった。その彼は、上司から「君がNHKの関連団体へ出向するなら、成果は貴男のものにしてあげるが、拒めば他の人の成果にする」と通告され、腰を抜かさんばかりに驚く。この後、彼は研究とかけ離れたところへ派遣された。その間、彼の成果は本当に他人のものになり、世界的なディスプレイ学会の表彰にも自分の名前は見当たらなかった。しかも、2012年の世界初145インチのスーパーハイビジョンテレビのお披露目セレモニーでは、何と会場の通路案内係として立たされたのである。彼らだって手を拱いていただけではなく、NHKのコンプライアンス(法令順守)室に駆け込んだ者もいる。だが、その1人は、「私たちより職制の上のほうが決めたことをとやかく言えない」と一顧だにされなかったと明かす。

続きを読む

テーマ : テレビ・マスコミ・報道の問題
ジャンル : ニュース

「自分は賢い」と勘違いして公共の電波にアホを垂れ流し中! 中身スカスカのコメントで政治を語っちゃう薄ら寒い芸人たち

カッコつけて高尚なことを言いたいのに、お頭が追いつかず、トンチンカンな発言をしている人っていますよね。非常に痛々しいです。最近、ワイドショー等で、お笑い芸人たちが挙って天下国家に口を出して、そんな痛い姿を曝しているんです!

20170329 02
ドナルド・トランプ氏の大統領当選から2017年1月20日の就任式までの間に、マドンナやレディー・ガガ等、海外の有名人が政治的な発言を連発し、ニュースを賑わせていました。これに、「政治にも熱心な海外セレブってカッコいい!」みたいなイメージを持った人も多いでしょう。そんな中、日本でも芸人たちがワイドショー等の情報番組に出演し、まるで代弁者のように政治や社会問題に言及していますよね。が、はっきり言って、海外の芸能人も日本の芸人も発言の中身はペラペラです。抑々、コイツらみたいな金持ちに庶民の気持ちがわかる訳ありません。特に日本の芸人たち! “物申す”みたいなドヤ顔ですが、言っていることは滅茶苦茶ですよ。という訳で、ここでは“芸人コメンテーター”の発言の傾向を分類&分析しつつ、如何に彼らがどうしようもないことを言っているかをお伝えしたいと思います。先ずは、発言がネトウヨっぽい芸人たちについて。『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演中の『ダウンタウン』松本人志は同番組で、「安保法制反対は平和ボケ」と安保政策に反対する人たちを批判。安倍晋三首相が出演した際には、「日本っていうのが僕はやっぱり大好き」「もう、どこの国にも謝ってほしくない」と、笑える部分がひとつも無い安倍政権にただ賛成するだけのクソみたいなコメントを連発。教養が全く感じられない能無しっぷりを曝しました。鬼才ぶっているのに権力に媚びへつらうってダッセー。戦時中の女学徒みたいな見た目のイモトアヤコは、考え方も戦時中宛ら。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)で、常備軍を廃止し、“世界で最も幸せに暮らせる国ランキング”で1位になったコスタリカについて、「軍隊が無いと何で幸せ?」と疑問を呈し、「若し向こうから来た時に軍が無いとアチャーってなっちゃう…」と発言。国防に目覚めたネトウヨですか? キモっ!

小籔千豊は、情報番組での「“民主主義”において、日本はどこの位置を目指すべきだと思いますか?」という質問に、「民主主義より“ライト独裁”がいい」と仰天発言。「今、民主主義やったら皆で話し合いますやん。じゃなくて、『お前が全部決めてえぇわ』」と持論を展開し…って、こんな大日本帝国時代のようなトチ狂った思想、ヤバ過ぎるでしょ! 一石を投じるネタのつもりなんでしょうが、サムいだけですよ。小籔と同じくヤバさを漂わせているのが、『笑い飯』の哲夫。新聞のコラムで、「今だにGHQの入れ知恵した古文満載の憲法を採用してるなんて、今のアメリカ人もびっくりしてますよ」とべタなネトウヨの受け売りのようなもの言いで、芸人になっていなかったら確実に厄介な痛い人として扱われていますよ。で、そんな小籔よりも哲夫よりも酷い芸人が、『ブラックマヨネーズ』の吉田敬。テレビで「料理なんてものは女の仕事」と女性軽視発言をする頭のおかしい人間で、このコメントからも読み取れるように、古臭い家父長制的価値観を持つ化石みたいな芸人なのです。勿論、自身のツイッターで政治的なことも呟いていますが、「今の政治やばい思う。俺にやらせろよ。どうでもえーわ。俺にやらせろや」と、まるで泥酔した通天閣のオッサンのように喚き散らしています。吉田に言われなくたって今の政治がヤバいのは皆知っていますし、尚更吉田にだけは任せたくないですよ! 一方、リベラル気取り発言の多い芸人も存在しますが、ネトウヨ芸人と同じく、どいつもこいつも救いようがありません。「安倍政権の強権的やり方を、お笑いとしてからかっているだけ」とのたまう水道橋博士。映画『独裁者』でアドルフ・ヒトラーをバカにするチャールズ・チャップリン気取りですか? その割に、いつも知識人ぶるものの、笑いどころの無い話しかしていないような。土田晃之もリベラル気取り。安保法案に関して、「てめぇ(※安倍首相)がただ、歴史に名前を残したいだけなのかな」と自身のラジオ番組で批判し、政治資金の私的流用が問題となった舛添要一氏の「死んでも死に切れない」発言には、「俺、こういうことを軽く使うヤツ、信じられない」とコメント。街頭インタビューでも同じことを言う人が山ほどいそう。芸人としてどうなのよ。因みに、運転中に『ポケモンGO』をプレイする人については、「余程厳しく摘発したほうがいいっすよね」だって。つまんねー。『ピース』の又吉直樹も集団的自衛権に反対で、ワイドナショーに出演した際、「平和でより人が死なないほうがいい」と当たり障りなさ過ぎるコメント。芥川賞作家なんだから、もっと含蓄のあること言って下さいよ。

続きを読む

テーマ : お笑い芸人
ジャンル : お笑い

【仁義なきメディア戦争】(18) テレビは“暇潰し”ではなくなった…『サザエさん』視聴率急落の深刻な事情

20170321 15
先月、『ビデオリサーチ』は、関東地区の視聴率調査において、“タイムシフト(録画再生)視聴率”という新指標を誕生させた。現状、テレビ広告の指標として用いられているのは、テレビ放送と同時での視聴を示す“リアルタイム視聴率”のみだが、タイムシフト視聴率は、放送番組を録画後7日内に再生して見る人の割合を示す指標となる。同社によると、TBSテレビ系で放送されているドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の初回は、リアルタイム視聴率10.2%対して、タイムシフト視聴率は10.6%。今や、録画再生視聴のほうが多い番組もあることがわかった。録画再生視聴は、家族等他の人に邪魔されない時間にじっくり番組を見る行為――つまり“専念視聴”を意味する。“テレビに集中している”という点で考えると、その瞬間に見ることが重要なニュースやスポーツ中継もまた、専念視聴だと言えるだろう。今、こうしたテレビの見方が相対的に増えている。民放のテレビ番組のイメージについて、同社は10年ほど前、次のような調査結果を出していた。「退屈しのぎ・暇潰し」54.1%、「気分転換・ストレス解消」50.5%、「生活の一部になっている」45.2%…。つまり、帰宅し、特に用事が無いとテレビをつけ、ザッピングで何となく見る番組を選ぶことが生活習慣となっている人がかなりいたのである。今や、テレビを取り巻く環境は大きく変わった。例えば、テレビが最も見られるゴールデン帯(19~22時)のHUT(総世帯視聴率)は、過去15年で約70%から62%と8ポイントも下がった。レンタルビデオ・テレビゲーム・カラオケ等が一般化し、娯楽の多様化が進んだことが大きい。

NHKと民放キー5局の合計視聴率は15ポイント以上の縮小と、HUT以上に減っている。しかも、15年間の緩やかな低落傾向は、2014年以降、テンポを速めている。その最大の原因は、デジタル録画機が普及し、録画再生視聴が急増していること。更にはスマートフォン等が急速に普及し、インターネット接続端末の利用時間が増えていることである。民放のイメージ首位だった“退屈しのぎ・眠遺し”という役割は、確実に減っている。スマホ等テレビ以外のメディアが普及し、生活者の多くはそれらに“暇潰し”や“慰安”を求めるようになった。『電通総研』の調査では、スマホ所有者のアプリ起動率がテレビのHUTを上回り始めているという。そこで行われているのは、ソーシャルメディアでの知人・友人とのコミュニケーションであり、ゲーム等である。「テレビを見ながら」という人も少なくはないが、明らかに意識はテレビからスマホに移り始めている。テレビを取り巻く環境が変わると、テレビの見方にも変化が生じる。例えば、ドラマの視聴率は過去20年間で大きく減少した。トレンディードラマ全盛期に、フジテレビの月曜21時台ドラマ(月9)の視聴率は、年間平均で20%を超えていた。ところが、2013年には15%を切るようになり、今年は1桁がほぼ確定的だ。「月9がつまらなくなった」等の批判もあるが、ドラマを録画再生で見ることが一般的になり、テレビ局が作った編成時間に合わせて見る人が減ったことが理由だろう。1969年の放送開始から今年で48年目に突入している日本最長寿のアニメ番組『サザエさん』(フジテレビ系)の視聴動向には、まさにこのテレビの見方の変化が表れている。番組の月間平均視聴率は、2014年2月に21%超だったが、2015年には15%を割り込むようになり、今年度に入ると13%に届かなくなった。しかも、今年5月22日放送分は7.7%、7月3日は9.9%、8月14日は8.2%、8月28日は8.6%と、1桁が4回もある。今年度は、このまま行けば13%未満は必至だ。ここ2~3年で視聴率は半分近くに急落している。右上図は、『データニュース』が毎日3000人のテレビ視聴動向を追う“テレビウォッチャー”の同番組に関する過去5年のデータである。月間平均接触者数は視聴率と同じように右肩下がりだが、録画をする人の数は5年間殆ど変化がない。つまり、「是非見たい」と思っている人の数はあまり変わっていないが、「テレビをつけたらやっていたから何となく見た」といった人が、ここ数年で急速に減っているということになる。これは、“暇潰し”番組という位置付けの限界を示していると考えられる。サザエさんの視聴率調落は、テレビ全盛期の終焉を意味する。だが一方で、新たなビジネスモデルを開拓する転換期と見ることもできそうだ。

続きを読む

テーマ : テレビ・マスコミ・報道の問題
ジャンル : ニュース

今期も手堅いのはテレ東だけ! 身も心も凍える2017年冬ドラマをメッタ斬り!

何と言っても元『SMAP』同士の因縁の対決だ。キムタクドラマは今期の視聴率トップだが、内容は惨憺たるもの。一方の草彅も、ストーリーはショボいが、注目すべきはその表情。憎しみを湛えた瞳は、リアルな分裂劇を想起させる吸引力。2017年も“テレビの天敵”今井舞の毒舌が炸裂するぞ!

20170221 01
逃げ恥にドクターXに真田丸と、ドラマシーンが熱かった昨年末。余勢を駆って今シーズンも盛り上がるのかと思いきや、稀に見るレべルの不作の冬に。ひもじさに凍えながら、ラインナップを見ていこう。先ずは月9。『突然ですが、明日結婚します』(フジテレビ系・月曜21時)。結婚願望の強いヒロインと、結婚したくないクールな毒舌男とのラブコメディー。元々、別の俳優で全く違う話をやる筈が、降板。その後、キャストも脚本も白紙のまま迷走し、放映ギリギリに滑り込みで配役と中身が決まったという裏事情が筒抜けで放送が始まった本作品。あらゆるところに“突貫工事”が見て取れるエマージェンシードラマである。先ず、話の筋が。出てきて数秒で、「私には夢があります。それは結婚すること」「結婚? 絶対やだ。無理」と心の内を直接声に出す登場人物たち。昔のトレンディードラマに出てくるような友人のお洒落マンションが溜まり場で、ここで偶然会っては話が前に進んでいくご都合主義。ちょっと話しただけで直ぐくっついたり離れたりの沸点の低さ。画面に映っているのが、どれもこれも見たことのない拙い一見さんばかりなのも辛い。ヒロイン・西内まりやの相手役である山村隆太は、人気バンド『flumpool』のボーカルで、これがドラマ初出演。うーむ。演技といい所作といい華の含有量といい、どう見ても二番手三番手にしか見えないが。それが主役級のドラマ。今回の突貫工事の象徴的存在と言えよう。フジの弱り目につけ込んで履いた下駄ではあるが、そのヤマっ気は本人というより、主に事務所から漂っている。福山雅治や星野源の成功に気を良くし、“ミュージシャン→俳優”枠を独自ルートとして確保せんとする『アミューズ』の野望。それが結願するのが先か、誰も出たがらない月9枠が消えるのが先か。消耗戦はこれからが正念場だ。

戦国時代、お家断絶の危機に立ち上がり、女ながら城主となった井伊直虎の生涯を描く『おんな城主 直虎』(NHK総合テレビ・日曜20時)。何となく不安だったのだが、それがそのまんま現実になった印象。未だ子供時代のエピソードが続き、主演の柴咲コウの出番は未だなのだが。“おてんばで利発で男顔負けの度胸の持ち主”というキャラクターを刷り込みたいのはわかるが、兎に角、子供中心に話が進み、大人がそれに振り回される筋運びには鼻白む。『あんみつ姫』とか『一休さん』ならいいんだが、これ大河だからなぁ…。常に子役中心の画ヅラで、その人数もどんどん増えていき、拙い演技が大渋滞で、まるで『劇団ひまわり』のオーディション会場のよう。これから幼馴染みの2人の男性の間で心揺れたりするらしいし。徹底的にオンナコドモ目線の予感。これって朝ドラでやるべき路線だと思うのだが、何故大河に持ち込む? 武将たちによる複雑に野太く渦巻く人間ドラマ、それが大河の醍醐味なのに。『真田丸』で戻って来ていた太客を、みすみす逃す作りが残念無念。カムバーック、おっさん劇ーっ! 秘密を抱えた男女4人が織りなす、ちょっとビターな味付けのラブサスペンス『カルテット』(TBSテレビ系・火曜22時)。松たか子・満島ひかり・松田龍平・高橋一生と、腕に覚えありの面子を揃え、「唐揚げにレモンをかける、かけない」「壁に画鋲を躊躇なく刺せる、刺せない」といったデリカシーの部分を快る作家性の高い会話劇で、話が紡がれていく訳だが…。全体的に理屈っぽいセリフの応酬が続く様は、テレビというより舞台劇やラジオドラマ向きな印象。何かこう、言葉弄り過ぎでスッとセリフが入ってこないというか。満島ひかりの悪いとこ出ちゃっているというか。演技は巧いんだけど、見ていて息が詰まるというか。感想を尋ねられたら、多くの人が「好きな人は好きだと思う」と答えるだろう。「だけど、私はちょっと…」とも。恋に仕事に悩める3人の崖っぷちアラサー女の日々を描く『東京タラレバ娘』(日本テレビ系・水曜22時)。人気漫画原作なので、痛いところを突かれると主人公たちにCGの矢が刺さったり、デカい鉄球に吹っ飛ばされたりといった漫画的表現が随所に。『アリー my Love』で見たことある。あれ、20年前の作品だけど。うーん。“漫画をドラマ化する”というのは、“漫画のページをそのまま映像化する”ということではない。ドラマにはドラマに即した表現法があり、パロディーやCGの取り入れ方の成功例は逃げ恥が提示してくれていた筈なのに。CGキャラクターのかわいい“タラ”と“レバー”に下手を責められ、「うわーん」と机に突っ伏すという描写で描かれる恋の悩み。前にフッた男がカッコ良く成長していて、気付いた時には若い女に取られていた。売れないバンドマンだった昔の彼がスターになっていた。うわーん。…いやいやいや。もっと女が感情移入できる細かい痛恋ディテールあるだろうに。女性視聴者は、そこに共感しようと待っていたのに。収穫ゼロの合コン帰り、「今日の為にバリッバリに固めてきたのにィッ!」とオールバックにセットした髪を掻きむしって去ったという、先日報道された西川史子の姿のほうがよっぽど痛恋あるある。

続きを読む

テーマ : テレビドラマ
ジャンル : テレビ・ラジオ

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR