黎明期のインターネット上を騒がせた数々のタブーは存在するのか? 都市伝説『裏S区』、祟られた地の真相

インターネットを中心に、日夜生み出される状態が続く恐怖伝説・怪談の類。中でも知名度で群を抜くのが『裏S区』で、恰も実在する地に纏わる現実にありそうな話というのが、人気の理由だろう。今回、この伝説の地を特定し、実際に訪れた筆者が、物語の真相に迫った。 (取材・文・写真/吉田悠軌 -とうもろこしの会-)

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九州のとある地域。投稿者である“俺”は、裏S区出身の級友・Aから、笑いながら殴られるという不可解な苛めを受けていた。だが突然、Aは学校に来なくなる。理由は「“俺”が怖いから」。釈然とせず登校拒否になった“俺”は、ある日、投身自殺に出くわしてしまう。それを境に降りかかる奇怪な現象。更に、Aの親族たちと関わるうちに、彼らの不気味な“笑い”を幾度も目撃することになる。裏S区の住民たちは何かがおかしい。悪霊と対する時も、その為に身内が死んだとしても、只管に大声で不気味に笑い続けるのだ。果たして、本当に恐ろしいのは悪霊なのか、それとも裏S区の人々なのか――。インターネット黎明期に流行った『杉沢村伝説』は、曖昧な目撃情報や突撃した人の証言等、細切れの情報が集合して作られた都市伝説だった。更に、パソコンが普及し、インターネット利用者が増えていくに連れ、インターネット怪談も多様化していく。現在でも強い影響力を持つ『2ちゃんねる』のオカルト板『死ぬ程酒落にならない話を集めてみない?』(通称“洒落コワ”)スレッドが始まったのは、2000年夏のこと。洒落コワの功績は、長尺に亘るストーリー性の強い怪談を受け入れ易くした点だろう。その結果、完成された1本の物語としての怪談、言ってみればホラー小説に近いようなインターネット怪談が多くなっていった。酒落コワにおいてストーリーもの怪談の火を付けたのは、共に2005年発表の『トリバコ』『リョウメンスクナ』だろう。“秘められた村の因習”“古くから伝わる呪い”といった伝奇ロマン要素が、怪談好きから圧倒的な支持を得た。これは現在でも、多くのインターネット怪談に引き継がれたモチーフである。勿論、多くのインターネット怪談は、舞台となる土地を隠して語られている。それらが実話なのか創作なのかは一先ず保留するとしても、“呪われた因習が伝わるところ”“未だに化け物が封印された土地”等のイメージを流布されるのは、地元にとってはいい迷惑だし、そこは投稿者たちもキチンと心得ている筈だ。しかし、これらストーリーもののインターネット怪談の中で、ほぼ唯一、地域を特定できる怪談がある。それが、2007年に発表された『裏S区』『続・裏S区』だ。この物語もまた、典型的な“閉鎖的な地域に伝わるタブー話”ではある。だが、“笑い続ける一族”という個性的な道具立てや、明らかに実在の地域が舞台になっているリアリティー等、突出するクオリティーがあった。恐ろしい化け物が出てくるのではなく、裏S区の人間たちの狂気性や不穏さに焦点が当たっているのも斬新だ。そんな裏S区の舞台を確定していこう。

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九州にて“区”が付く政令指定都市は、福岡市・北九州市・熊本市のみ。更に、“S”というイニシャルが付くのは福岡市早良区のみ。しかし、“裏早良”といった呼称は無い。文中で、“裏S区”を現在では“新S区”と呼ぶみたいな記述があるが、裏から新への地名変更といえば、“裏門司”が“新門司”に変わったことが先ず思いつく。また、S区は「目の前の海を正面と捉えて」いるそうなので、そこから山を越えた裏門司が裏S区となれば合点がいく。門司区ではイニシャルがSとならないものの、この辺りには猿喰という古くからの土地があるので、Sのイニシャルは、この猿喰から取ったのではないか? そこまで推定したところで、実際に猿喰地区を訪れてみた。門司港や門司駅からだいぶ内陸に寄っているものの、現在は高速道路が繋がっている為、車なら寧ろ門司港側よりもスムーズにアクセスすることができる。新門司インターチェンジで降り、猿喰に向かって車を走らせる。地区内をぐるりと廻ってみたところ、確かに作中の描写に沿うように、高校やバス停等が点在しているのが確認できた。アニメの聖地巡礼にも似た気分で車を走らせていると、今度は大きな病院が見えてくる。更に近付いて確かめてみると…。「これ、続・裏S区で言及されていた病院だ!」。思わず、そう叫んでしまった。総合病院の精神科ではなく「独立した精神病院がある」というのは、かなり決定的な証拠である。もう1つの候補である早良区では、精神病院は博多寄りの都市部にあるのみで、それでは作中の描写と当て嵌まらないからだ。ここまで状況証拠が揃ったなら、この猿喰地区が『裏S区』のモデルになっていると断言してもいいだろう。ただ、言うまでもないが、猿喰全体はかなり近代的な郊外地区である。コンビニは勿論、先述した病院・学校・斎場等の大型施設も揃っているし、閉鎖性や因習の匂い等欠片も感じられない。また、裏S区にあるという“Aの親族が住む集落”に至っては、それらしき場所すら見当たらなかったとも言い添えておく。文中では、街灯すら殆ど無い異様な集落として描かれているが、抑々、そんな立地など見当たらない。更に、精神病院の傍と言及されているのに、病院自体は大通り近くの開けた場所にある為、ロケーションとして齟齬が生じている。つまり、『裏S区』は舞台として猿喰をモデルにしているものの、物語そのものは創作だと結論せざるを得ない(勿論、インターネット怪談の真偽を詮索するなど野暮な話ではあるのだが)。投稿者は、この付近をよく知る人間、或いは地元民なのではないだろうか。

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猟奇の最たる事件か、時代が生んだ悲劇か――最後の生き証人が語る群馬人肉鍋事件の知られざる後日談

終戦直後の上州の山深き山村で、小さなあばら屋に6人が所狭しと暮らす一家があった。怠惰な夫は収入も無く、遂に蓄えていた食べ物全てを一家は喰い尽くし、母親は絶望に暮れていた。「このままでは一家全員餓死の危機」。そこで、母親はある考えを思いついた。「夫の連れ子で、知的障害を抱える次女を殺害し、その肉を自分が腹を痛めて産んだ子に喰わせてしまえばいい」と――。 (取材・文・写真/ノンフィクションライター 八木澤高明)

「丁度、山から下りてきたら、おトラさんの家のところで警察官が土を篩にかけているのが見えたんだよ」――。大東亜戦争の終戦から2ヵ月程が過ぎた1945年10月のこと。群馬県のとある村に暮らす川島春治さん(81)は、山で薪拾いを終え、家へと帰る道すがら、普段は見かけない光景を目にした。何人もの警察官が、“おトラさん”という17歳の少女が暮らしていた家の周りの土を掘り起こして、何かを探していたのだった。「事件なんて滅多に起こらない村だから、『何やってんのかなぁ』って思ったんだよ。そうしたら暫く経って、『おトラさんのことを母親のお龍さんが食べちゃった』って聞いて、驚いたんだ」。何も無い村で、この日、何が起こったのか…。

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事件を起こしたのは、山野朝吉(52)の再婚相手で、33歳の龍だった。彼女は22歳の時に最初の結婚をし、その夫との間に娘ができたが、後に折り合いが悪くなって離婚。その娘を連れて、20歳以上年が離れた朝吉と再婚したのだった。一方の朝吉にも、前妻との間に長女、次女の“おトラさん”ことトラ、更に双子と、4人の子供がいた。結婚後、夫婦の間には更に2人の子供に恵まれた。計7人の子供たちの内、龍と血が繋がっていない子供たちは、トラを除いて奉公に出されていた。ひとつ屋根の下に朝吉夫婦・龍の長女・トラ・朝吉と龍の間にできた2人の子供という6人もが暮らしていた。朝吉は土地を持たない日雇い労働者だったので、一家の生活は傍から見ていても厳しかったという。一家の経済的な貧しさは、朝吉の性格的な問題も関係していた。朝吉は食い物に困らなければ、日雇いの仕事に出ない堕情なところがあった。そして、これは朝吉の次女・トラだけが奉公に出されなかった理由でもあるのだが、精神的な障害を抱えていた彼女は人と話すこともままならず、学校にも通えなかったようだ。当時の新聞報道等によると、被害者の父親は“低能”であると書かれている。今ではその真相を知ることはできないが、昭和を代表する小説家の松本清張は、この事件をテーマに『肉鍋を食う女』という小説を書いていて、その中で一家のことをこう記している。「朝吉は少し低能で、怠け者であった。日雇だが、出たり出なかったりした。百姓するにも土地を持たないのである。女房というのは33歳だが、朝吉のところへは連れ子をして来ている」。

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【ホワイトハッカーなんでも相談室】(03) 石川さんってどんな人なんですか?(上)

始まって3回目となるこの連載ですが、読者の皆様から「貴方はどんな人ですか?」という質問が多かったので、今回は自己紹介がてら、私の思い出話でも。1990年代前半、その時代はインターネットが今のように普及していませんでした。私は24歳でサラリーマンとして働く傍ら、パソコン通信を利用した『草の根BBS』という掲示板を自分で作って運営していました。時代は徐々にインターネットへと移行し、草の根BBSのメンバーたちと1990年代後半に『UGTOP』という、日本でそれなりの規模のハッカーグループを作り、主宰することになりました。そこはハッカーたちの情報交換の場で、「どこそこのサーバーにバグがあって不正にログインできるよ」とか、「有料域にタダで侵入できるコマンドがあるよ」とか、所謂“有益”な情報が飛び交う、そんな場だったのです。『不正アクセス禁止法』が施行される前は、他人のネットワークに許可無くアクセスするのが禁止されてはいなかったので、空き地で野球をしていても不法侵入で怒られなかった昔と同じ感覚でした。そんなある日、その頃使っていた『BEKKOAME//INTERNET』というプロバイダーの尾崎憲一社長から、突然、呼び出しがかかりました。「ちょっとハッカーの皆さんに言いたいことがあるので、浅草今半ですき焼きを奢るから集まってくれないか」と。仲間と共に「ベッコアメの尾崎が何の用事?」と話し合いましたが、心当たりは一杯ありました(笑)。BEKKOAMEに無許可でroot権限(そのサーバーの最高権限)を奪って自分のメールボックスの容量を無制限にしたり、海外の友だちと巨大なファイル交換をする為にFTPのアカウントを勝手に追加したり、BEKKOAMEのプロバイダーを使用しているエロサイトをハッキングしてタダ見をしたり(エロサイトでこのアドレスを見た方も多いと思います)…。その他、数多くの有料サイトからタダで情報を得ていたのです。「これは色んなことがバレて怒られるに違いない」、そう思いました。しかし、“ITバブル”なんて言葉も未だ無い時代に、雑誌で尾崎さんがランボルギーニに乗る姿を見たこともあり、とても羨ましい生活をしている有名な社長に是非会ってみたいと、結局は喜んで会いに行ったのです。そこで尾崎さんから驚きの提案をされたのですが、それはまた次号に。


石川英治(いしかわ・ひではる) 『東日本インターネット事業協同組合』理事。1969年、埼玉県生まれ。『西武鉄道』退社後、弁護士秘書・外車販売・訪問販売等の職を経て起業。1998年までハッカーグループ『UGTOP』の主催者として活動。1998年に実業家として、日本初のインターネットセキュリティー専門会社『アルテミス』を起業。2000年から2011年まで携帯電話公式コンテンツを運営する『サイバーエデン』を起業。著書に『まるわかりカジノ読本』(廣済堂ベストムック)・『子どもたちが危ない!スマホの現実』(ロングセラーズ)等。


キャプチャ  2016年7月4日号掲載

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『伊勢志摩サミット』開催地の三重県は魅力ゼロの“未開の地”だ!

5月26日から開催される『伊勢志摩サミット』。安倍首相は、世界の首脳に“日本のふるさと三重”を見てもらいたいらしいです。しかし、三重に見るべきものなどありますか? そうです、それが無いんです!

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安倍晋三首相の個人的なゴリ押しで開催地が決まったという『伊勢志摩サミット』。しかし、この伊勢志摩がどこにあるのか、答えられる人は少ないに違いありません。因みに伊勢志摩とは、明治初期までの令制国における伊勢国と志摩国から名付けられた地域で、三重県の南東部に当たります。つまり、伊勢志摩は三重県なんです。ところが、ここでまた我々は大きな問題に突き当たってしまいました。「抑々、三重県ってどこにあるの? 何なの?」という問題です。正直、三重県の位置がわかる人も、三重県について具体的に知っている人も、日本には皆無と言って間違いないでしょう。場所もわからなければ、何の魅力も存在しない。それが三重県なのです。これがこの原稿の結論なので、最早書くことは何もありませんが、それでは暴論が過ぎるというもの。如何に三重県が語る価値の無い搾りカスのような県なのかについて、詳細に解説していきたいと思います。先ず、安倍首相は何故、三重県をサミットの開催地に選んだのでしょうか? 開催地誘致に名乗りを上げていたのは、志摩市の他に仙台市・新潟市・軽井沢市・浜松市・名古屋市・神戸市・広島市という、全国区の錚々たる自治体です。それを蹴ってまで安倍首相が志摩市を選んだ理由は、「伊勢神宮がある三重県伊勢市を含む伊勢志摩地域が、日本の美しい自然や豊かな文化・伝説を世界のリーダーたちに肌で感じてもらえる場所」とのことですが、ここで既に1つの詭弁が存在します。安倍首相は“伊勢神宮がある伊勢市を含む伊勢志摩地域”と言っていますが、抑々、サミット開催地に立候補していたのは志摩市であって、伊勢市ではありません。『日本書紀』によれば、伊勢国は“美味し国(うましくに)”と称されていたそうで、『美しい国へ』(文春新書)という安倍首相の著書は、伊勢国、延いては伊勢神宮を意識したものであることは明らかです。つまり、愛国右翼の安倍首相は、自分の大好きな伊勢神宮があるから、伊勢志摩でのサミット開催をゴリ押しした。ただそれだけなのです。一応の建前としては、首脳会談の開かれる英虞湾に浮かぶ賢島は小さな島で、本土とは2つの橋で繋がっているだけなので警備がし易いということもあるようです。しかし、嘗ての沖縄サミットや洞爺湖サミットでは、警備のし易さなど問題にもしていませんでした。これも詭弁です。

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扨て、改めて三重県のショボさ問題に戻りたいと思います。ここまで読んで頂いた読者の方はお気付きかもしれませんが、そう、実は三重県には伊勢神宮があるんです。確かに、“何も無い”は言い過ぎでした。伊勢神宮だけはあります。但し、この伊勢神宮にしても、実際は大したことありません。伊勢神宮は、日本全国に10万社が存在するという神社の頂点に鎮座し、神社界の総元締めである宗教法人『神社本庁』の本宗でもあります。こう書くと何か凄いような気がしますが、抑々、神道が偉かったのって太平洋戦争までのお話。大日本帝国の国教として君臨したのは、大日本帝国憲法が発布された1889年から敗戦の1975年までの僅か60年足らずです。意外なほど日本における国家神道の天下は短かった訳です。但し、本当の意味での伊勢神宮の全盛期は、『おかげ参り』(庶民の集団参詣)が盛んだった江戸時代で、明治時代に天皇が行幸して以後は、民衆の伊勢参りへの興味はすっかり失われていたようです。つまり、明治以降は戦争の道具として使われたに過ぎません。勿論、終戦後はGHQによって国家神道は解体された為、衰退の一途です。抑々、初代天皇とされる神武天皇は、伊勢神宮の主祭神である天照大神の子孫とのことですが、正直な話、「皇室は神の血統だ」と言われても常識的に厳しいでしょう。どう見ても天皇は神ではなく、只の人類です。つまり、そんな頭のどうかしちゃったような天皇マンセーの宗教施設があったところで、平成の世では何の自慢にもならないのです。しかも、サミットではそんな大日本帝国の精神的な支柱だった場所に、嘗ての連合国(イタリアやドイツを除く)首脳を連れていき、参拝させようというのですから、安倍首相は本当に頭がどうかしちゃったんでしょう。大体、伊勢神宮に行って「パワースポットだ」とか「癒される」とか「日本人の心の古里だ」とか言っているのは、他人の言葉や雰囲気に流され易いバカだけです。実態は、日本中にある只の森のひとつに過ぎません。仮に特別なものに思えるなら、それは心にお花畑が湧いている証拠です。しかも、伊勢神宮の周辺には、名物として大して美味くもない『赤福』なるあんころ餅が蔓延しています。そして、その赤福を販売する『株式会社赤福』が神宮内宮の前に作ったのが『おかげ横丁』です。このように、伊勢神宮の土産利権を全て独占する気満々の強欲企業ですが、欲の皮が突っ張り過ぎたらしく、2007年に賞味期限偽装が発覚して大問題を起こしています。この赤福は、元会長が商工会議所の会頭を務める等、三重では影響力のある企業だったりするのです。つまり、三重の代表的な企業がこのレベル…。後は推して知るべしです。まぁ、三重県唯一の全国的知名度を誇る伊勢神宮が、どれだけお話にならない施設かについて理解して頂けたかと思います。

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時間とカネと知性をドブに捨てる中毒性極まる害悪…日本社会を衰退させるスマホゲームを即刻禁止せよ!

昨年、スマートフォンの国内普及率が49.7%に達し、特に20代においては実に94%の所持率だ。それに伴い、生産性皆無の劣悪なゲームにハマるバカが急増している。この現状を見逃すな!

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いきなりだが、1つ尋ねたい。「貴方はスマホゲームにハマっていますか?」。若し、迷いも恥ずかしげも無く「ハマっています!」と答えたのならば、ここから先は読んで頂かなくて結構。というよりも、貴方の頭に乗っかっている脳味噌によく似たシワシワの物質では、たとえ読んでも理解ができないだろう。無駄な時間を割かせるのも申し訳ないので、引き続き脂ぎったスマホの画面に没入してくれたまえ。扨て、一般的な知性や羞恥心を持ち合わせた人へ、改めて尋ねたい。「スマホゲームとはどんなものか、知っていますか?」。殆どの人が「否」と答えた筈。真面な品性を携えていれば、いい年こいた大人がスマホゲームなんかに興じている訳がないのだから、知らなくても当然。寧ろ、胸を張るべきだ。そこで、先ずはスマホゲームの何たるかを極簡単に説明しよう。スマホゲーム如きで皆々様の知識の泉を汚すのは心苦しいのだが、日本の未来の為、日本国民の美しい品格を守る為、この“悪”と“病い”を知り、共に考えてほしい。スマホゲームとは読んで字の如く、スマホ上でプレイするゲームアプリのことだが、その中でも特に“課金”によってアイテム等が購入できるオンラインゲームを、一般的に“スマホゲーム”と呼んでいる。パズルゲームの『ディズニーツムツム』や、“モンスト”“パズドラ”の愛称で親しまれる『モンスターストライク』や『パズル&ドラゴンズ』等が有名どころだ。スマホゲームには幾つかの特徴がある。先ずは“簡単にプレイできる”。スマホ上で操作しなければならないからだけでなく、飽く迄も“暇潰し用”に作られているからだ。頭は使わず、指先をポチポチ動かしているだけで続けられるゲームが殆ど。暇潰し前提故に、“短時間で区切りがつけられる”のも特徴の1つ。移動中の電車の中・食事の後・トイレで用を足しながら等、ちょっと空いた時間にサッとスマホを取り出し、さくっと遊べる仕様になっている。そして“課金”。無課金でもプレイできるゲームが大半だが、課金をすれば強力なアイテムが入手できる等、よりスムーズに、より深くまで楽しむことができる。また、“アップデート”もスマホゲームならではだ。コンシューマーゲームやPCオンラインゲームと比べ、回線環境やデータ量の少なさから、小まめなアップデートが可能。不具合の修正だけでなく、ステージやアイテムの追加等、同一ゲームの中で新たなコンテンツが次々投入されていく。スマホゲームに親しみの無い人には、こうした特徴を“長所”として受け取るかもしれない。だが、その誤解が危険である。これらの特徴こそ、スマホゲームがカスでクソでゴミで、社会にとって紛れもない“害悪”である所以なのだ。

誤解という落とし穴でユーザーを泥沼に嵌めるスマホゲームの卑劣な仕組みはこうだ。簡単にプレイできるというのは、有り体に言えば単調極まりないということ。普通の感覚なら、ものの数分もプレイすれば「退屈過ぎる」とスマホを放り投げたくなる。しかし、元々は純粋にゲームを楽しむためのものではなく、暇潰しが目的である為、ユーザーは退屈さすら感じないように思考回路を切断し、ポチポチと指を動かし続ける。暇潰しとはいえ、これほど無為な時間の過ごし方はない。短い時間で区切りがつけられるという点は、一方で“いつでも再開できる”ことを意味している。その為、一旦ハマってしまうと、僅かな時間の隙間にさえスマホを取り出し、プレイ再開。気付けば、1日の大部分の時間をスマホゲームで浪費するようになっている。無課金でも楽しめるというのも大きな錯誤だ。課金せずに暫くプレイしていると、それ以上は進めるのが難しい、所謂“詰む”という状態に陥る。既にある程度の時間を費やしているユーザーが、「折角、ここまでやったのだから…」という気持ちを抱くのは当然の流れだ。有料アプリやインターネットショッピング等で、スマホによるオンライン決済に抵抗が無くなっている現代人。そこに、単調なプレイと予め仕組まれた行き詰まり感で、正常な判断を妨害されるのだ。数千円をポチッと支払うまでには、長い時間を要さない。勿論、課金への誘導は一度では済まない。1つの行き詰まりをクリアすれば、また次の行き詰まりが待っている。更には、アップデートで次々追加される新コンテンツによって、ユーザーは益々“止め時”を見つけることができなくなる。心理的な足元を見た手口の悪質さは、最早“詐欺”と言ってもいい。これらスマホゲームの難点や弊害は、あるものとぴったり一致する。“違法薬物”だ。入り口は簡単だが、直ぐに凶暴な中毒性を現し、扱う者の時間とカネ、つまりは人生そのものを奪っていく。それがスマホゲームの正体だ。大手マスコミも清原和博を叩いている暇があったら、膨大な数の国民を重度の中毒被害に陥れ、社会全体に害をなすスマホゲームの問題を取り上げ、毅然として糾弾すべきだ。

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「私は楽天に偽ブランド販売を持ちかけられました」――ネットショップ経営者が怒りの告発!

20160627 02
私は2012年から、『楽天市場』でインターネット通販の店舗運営を行っていました。参入当時は商品の元値を不当に吊り上げ、価格を大幅に割り引いて販売しているように見せかける“二重価格問題”が指摘され、楽天は混乱しておりました。抑々、この手法は楽天のECから店舗に提案された手法なのです。私の店舗を担当するECコンサルタントは、入社間もないNという若者でした。その彼が、私に無断でポイント還元のクーポンを発行したのです。商品はよく売れました。しかし、ポイントは店舗負担ですから、売れれば売れるほど赤字になり、得をするのは楽天と顧客です。楽天市場は2013年にスーパーセールなるものを始め、Nは「販売価格を大幅に下回る商品を販売する代わりに、15万円相当の広告を提供する」と言ってきました。私が「5万円相当の家電を半額で売りに出しましょう」と提案したら、Nは「5000円でなければ駄目だ」と言うのです。仕方なく5000円で売ったのですが、その後、広告の話は全く無く、Nにその広告の話をすると、「今更、そんなことを言われても困る」と有耶無耶にされました。他にも、私は楽天の価格操作で約3万円の被害に遭っています。また、Nから「紹介したい人がいるから楽天本社に来ないか?」と誘われ、2014年の春頃に楽天タワーに行った事があります。面会したのは、Nと同じ部署のWでした。彼は、驚くべき提案を私にしてきたのです。「偽ブランドを売らないか? バレたら一発退店のリスクはあるが、売り上げは伸びる」と…。私は耳を疑いました。当然ながら断りましたが、その後も私からの広告の話や損害金の請求に、楽天は無視を続けました。

不誠実な態度に業を煮やした私は、Nに偽ブランド販売の件を問い詰めると、「そんな話はしていない」と逃げたのです。だが、「会話を録音している」と私が言うと、Nは俯き、何も喋らなくなりました。楽天市場は、現在も偽ブランドを売り続けています。ある事例ですが、商品を提供しているのは中国人で、定価の15%から20%で卸しています。実際、楽天にある店舗では、靴やバッグ等ブランド品を多数出品しています。手口も巧妙で、海外から直送して税関を潜り抜けている。Wには、莫大なバックマージンが流れていると思います。2013年の夏頃、当時のユニットリーダーが担当になりました。偽ブランド問題を追及すると、こう答えました。「この件は別のところでも問題になっていて、現在、Wに聞き取り調査を行っている。本人は認めているが、偽物幹旋でバックマージンは貰っていないと言っている」。その後も楽天からの返答は無く、殆ど放置状態です。2014年に「偽ブランド幹旋の情報を公開する」と伝えると、楽天の管理部が面会を要求してきました。西新宿の喫茶店で会うことになり、楽天側は3人、うち1人は弁護士でした。ただ、この人物は、事務所のホームページに出ている同じ名前の弁護士と明らかに別人なのです。どうなっているのでしょう。楽天市場は“インターネットの銀座通り”と称しているが、楽天に勤めているECが「楽天市場ではブランド商品を買わない」と言ったのは驚愕でした。今現在、楽天は損害金3万円を私に支払うことを約束したにも拘らず、2年経ってもなしのつぶてです。更に、売上金の数十万円も未だに支払われておりません。 (聞き手/フリージャーナリスト 小林俊之)


キャプチャ  2016年6月号掲載

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「転落死した3名以外にも事故があった」――誰かが死んでも追及しない介護業界の闇

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有料老人ホーム『Sアミーユ川崎幸町』で、86~96歳の入居者3人が相次いでベランダから転落死した。第1発見者で、後に窃盗事件で逮捕された今井隼人容疑者(23)が殺人容疑で逮捕。更に、転落死だけでなく、介護職員による虐待が発覚した。転落死事件後、虐待に関与した4人の男性介護職が退職している。取材に応じたA氏は、その1人。「転落死された3名以外にも事故があった」と語ってくれた。「転落死が始まったのが11月上旬、その前の10月中旬に、ある利用者の脳梗塞か脳出血の前兆を今井が夜勤中に見つけて、救急搬送で入院した。3週間くらいで退院して戻って、また今井が夜勤中に(利用者が)搬送されて病院で亡くなった。その後、11月上旬に1人目が転落死して、12月上旬に2人目の転落死。その後、12月中旬から下旬にかけて、今井が第1発見者で救急搬送して亡くなっている方が、あと2人いる。そして、大晦日の日に3人目の転落死が起こっています」。これまでに6人が亡くなっており、全て第1発見者が今井容疑者だという。殺人事件だった転落死も含めて、施設は全て“事故”として片付けている。「救急搬送されて亡くなった1人は寝たきりに近い状態で、自力で起き上がられる状態じゃなかった。そんな状態なのに、今井は部屋のトイレの前で発見している。こ家族の方は『若しかして殺人じゃないか?』って、疑問に思っているようです」。介護施設は、高齢者たちが人生の終末期を送る場所で、死は日常だ。誰かが死んでも殺人か事故か自然死か、深く追及しないのが一般的だ。介護施設は全国的にブラック塗れで、介護職員たちは根深い不満を抱える。Sアミーユのような凄惨な殺人事件は、既にあらゆる介護施設で起こっているのではなかろうか。逸早く明るみになってほしい“日本の闇”と言える。

■女子社員は“売春婦”としか思っていない…人材派遣業界はセクハラ三昧!
昨年、人材派遣大手『パソナ』の女性新入社員が、経営幹部による常軌を逸した異常なセクハラ体質を告発した。当時の新入社員には、強制参加となっている常務取締役主催の焼肉パーティーがあったという。仕事の話かと思いきや、常務取締役は2時間に亘って延々と下ネタを喋り続け、自分の股間にウインナーで男性器を作って女性新入社員に食べさせる等、異常過ぎる宴が繰り広げられたという。「何人かが『Suck my dick!(俺の股間をしゃぶれ)』って叫んでて、常務は大喜びで腰を振って、常軌を逸していた。『クスリをやっているんじゃないか?』って疑ったくらい。一部上場企業の常務取締役がする行動ではないし、会社の社風とか歴史として、女子社員を慰安婦くらいにしか思っていないことがわかってきた」(元社員Aさん)、「あと、パールが付いた服を着ていた女の子がいて、服にパールが4つあったんですね。常務はそれをゆっくり『イーチ、ニー、サン、ヨーン』って数えて、5と6で絶叫して、『お前のその乳首の色は何色だ!』って…」(元社員Bさん)。セクハラには人事部も介入し、従順な女性社員ほど出世するという。同期で最も美人だった女性は社長秘書になり、「『日々、下半身の世話をさせられている』って社内で噂が立っている」(Aさん)という。 (取材・文/ノンフィクションライター 中村淳彦)


キャプチャ  2016年6月号掲載

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【中外時評】 “ダブルケア”支援急げ――育児・介護が同時、負担重く

日本の社会が直面している少子高齢化。その歴史は1970年代に遡る。1970年、総人口に占める65歳以上の人の割合が7%を超え、“高齢化社会”に突入した。1975年には出生数が200万人を割り、今尚続く減少傾向が始まった。昨年の高齢化率は26.7%になった。長年の少子化に歯止めをかけ、育児や介護をし易い社会をどう作るか。最早、待ったなしの課題だ。中でも、最も今日的なテーマの1つが“ダブルケア”だろう。育児と介護、その2つを同時期に担うことだ。1つだけでも大変なのに、2つ重なると更に大変だ。働いていれば仕事も重なり、一層負担は重い。この対策を考えることは、少子高齢化に立ち向かう試金石になるのではないだろうか。ダブルケアが注目されるようになった背景は晩婚化・晩産化だ。昨年生まれた子供の数は約100万6000人と、5年ぶりに増えた。それを後押ししたのは、30歳以上の母親の出産の増加だ。40歳以上の母親から生まれた子供も5万人を超える。第1子を出産した母親の平均年齢は年々上昇し、昨年は30.7歳だった。その分、育児の時期と親を介護する時期が重なり易くなっている。共に担う人が多ければ、手分けをして介護を乗り切り易いかもしれない。だが、今の子育て世代は、少子化が始まってから生まれた人が増え、兄弟姉妹や親族の数が少ない。自らが当事者となり、介護を担う可能性が高まっている。

「ダブルケアをしている人は約25万人」――。内閣府は今年4月、国として初となる推計値を公表した。8割が働き盛りの30~40代だ。推計の対象になったのは、未就学児の育児と、身体的ケアを中心とした介護とのダブルケアだ。ダブルケアの研究をしてきた横浜国立大学の相馬直子准教授は、「子育ての責任を担う時期が長期化し、介護の内容も多様化する中で、実際にはもっと多い可能性が高い」と話す。政府は“希望出生率1.8”“介護離職ゼロ”を目標に掲げ、出産・育児と介護の支援に力を入れている。其々の政策を深めることは勿論だが、先ずは両者を連携させる工夫がいる。行政の世界は兎角、縦割りになりがちだ。同じ分野の中であっても、母子保健と子育て支援の部署の連携が十分でなかったり、介護保険の担当者が介護休業についてはよく知らなかったり…ということもある。縦割りの壁を越えて、家庭を包括的に支援する。そんな柔軟な発想が必要だ。地域の中での支援を充実することも大切だ。自分の悩みを1人で抱え込んでいる人は少なくない。当事者同士が語り合う場や、住民が主体となった生活支援サービスを増やしていくこと等は、課題の解決に役立つ。そして何より、育児と介護を担う人が、自分の意欲に応じて働き易い仕組み作りが求められる。

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新幹線、だから何ですか?――本当にこれでいいのか北海道新幹線、一足先に開業した北陸新幹線の“現実”とは

20160624 11
新幹線開業――というと、マスコミでも決まってお目出度いこととして取り上げられる。3月26日に開業した北海道新幹線も「お祭りムード」「経済効果年140億円」「つながる日本!」等と囃し立てられているのだが、開業初日の午後には空席が目立ち、3日目の乗車率は僅か31%だという。お祭りというより、早くも“祭りの後”、いや“後の祭り”の気配すら感じられるのである。「抑々、新幹線は何の為にあるのだろうか?」――。開業して1年になる北陸新幹線に乗りながら、筆者は考えた。平日の夕刻、車内はガラガラで、所謂“空気を運んでいる”様相である。予約の必要も無く、乗り易いと言えば乗り易いのだが、総事業費(長野-金沢間)が約1兆7800億円(うち国の負担が3分の2)もかかっているとなると、一納税者としては乗り心地を堪能している場合ではない気もする。最速の『かがやき』に乗れば、東京から金沢まで約2時間30分。確かに時間は短縮されてはいるが、時短はあっという間に慣れて当たり前になり、帰りにもう1つの『はくたか』に乗ると3時間もかかって、「随分と長いな」と不満を覚えたりするのである。『全国新幹線鉄道整備法』の第1条によると、新幹線の目的は“国民経済の発展”“国民生活領域の拡大”“地域の振興”の3つである。時速200km以上の高速度で移動することで、国民は経済的に豊かになり、生活圏を広げ、地域も振興するのだという。北陸新幹線開業は、昭和42年に『北回り新幹線建設促進同盟会』が結成されて以来、50年に亘る悲顧だったらしいが、漸く実現した今、その目的は果たされているのだろうか。

「新幹線で地域が賑わう? それは昭和の発想ですよ」――。さらりと切り捨てたのは、富山市にある一般財団法人『北陸経済研究所』の主任研究員である藤沢和弘さんだ。筆者が「観光等は…」と言いかけると、彼が遮る。「殆ど期待できません。抑々、人口が減っているし、高齢化も進んでいます。観光も斜陽産業なんです。昔のような社員旅行も無くなっているし、後期高齢者は持病もあるし。家族旅行っていったって若者が結婚しないんで、家族ができないじゃないですか」。同研究所の試算によれば、新幹線開業効果は富山県全体のGRP(域内総生産)の1%増にも遠く及ばないという。実際、今年2月に訪れてみると、JR富山駅前は新幹線開業後とは思えないほど閑散としていた。先ず驚いたのは、未だに駅舎が工事中だということ。市街地に近い南口に出ると、右半分は駐車場の工事中。正面では自転車駐輪場の工事をしており、その左向かいでは駅前ビルの解体工事が進行中で、巨大な重機がビルの壁を削っているのだ。新幹線高架下に新設された『きときと市場とやマルシェ』も、名称は如何にも地元の特産品やお土産が集められているように思えるが、売り場面積が最も広いのはドラッグストアの『マツモトキヨシ』。何故か金沢のお菓子・お茶・工芸品も充実しており、果物屋には愛知や熊本のフルーツが並んでいる。「富山のものは無いんでしょうか?」と尋ねてみると、店員は「富山ですか?」と意外そうな顔になり、「富山ですと生憎、干し柿しかありません」とのこと。まるで「ここは富山ではありません」と言われているような気がするのだが、聞けば、この市場はJRの敷地で賃料が高いらしい。「富山の人は、そういうところで商売したりしない」そうで、恐らく“損したくない”のだろう。駅前が未だに工事中なのも、下手に準備して人が来なかったら損するということか。「新幹線が開業してよかったですか?」と富山の人々に訊ねてみても、反応は一様に鈍かった。「東京に日帰りできます」と答える人はいるのだが、「日帰りして何がしたいですか?」と問うと、そこで答えに詰まるのである。インターネットの無い時代は「東京に行かなければ何も手に入らない」と思われていたが、今では通販もあるし、テレビも多チャンネル。若い人は家に引きこもってゲームをするほうが楽しいそうで、日帰りできても日帰りする用事が特に無いらしい。親の介護をする人々(富山出身関東在住)にとっては日帰りは便利に思えるが、日帰りできるからといって頻繁に帰る訳でもない。「いつでも帰れる」という安心感から、「却って帰らなくなるかも」と答える人もいるし、日帰りできるから帰ってくることを親に期待され、「うざい」と感じる人もいる。何れにしても料金の問題もあるので、日帰りできることが実際の日帰りを増やす訳ではないのだ。

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祝・北海道新幹線開業! 終着駅は北海道の財政破綻!? 遅れてきた“夢の超特急”を巡る利権の真相

「風は北へ吹く」――。そんなキャッチコピーと共に、お笑いコンビ『サンドウィッチマン』の2人が仲良く北海道をグルメ旅行。こんな仄々としたテレビCMに、旅行女子たちは「今年は北海道で決まり!」と浮かれ気味。だが、観光客を運ぶ肝心の北海道新幹線は、莫大な資金を要する上に、開業後も採算が取れるかわからない。では、新幹線開業で得をする者とは一体誰なのか? 北海道新幹線を巡る利権の正体とは――。 (取材・文/フリージャーナリスト 小石川シンイチ)

北海道新幹線・新青森-新函館北斗間の運行本数は1日13往復。この内の10往復は東京-新函館北斗間で運行される直通列車の『はやぶさ』、残りの3往復は新青森発・盛岡発・仙台発の区間運転列車『はやて』である。2014年10月時点の日本政策投資銀行北道支店による試算では、新青森-新函館北斗間の開業によって、観光やビジネス等で訪れる観光客が約13万人(内訳は観光が約9万7000人、ビジネスが約3万2000人増)増え、約73億円の直接効果が見込まれている。更に、道内各産業の生産活動が誘発されたり、雇用や所得の増加で道民の消費が活発になる為、約63億円の波及効果を齎すという。総合すると、新幹線の開通で道内に齎す経済波及効果は約136億円にも上るのだ。特に増えると見られているのは、東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県と宮城県からの訪問客(2010年度比約2万人増える見込み)。この為、現在、首都圏を中心に大々的な広告キャンペーンが展開されているのだ。

20160624 08
“風は北へ吹く”と、元不良のお笑いコンビ『サンドウィッチマン』が仲良く、春らしいコーディネートで東北や北海道をぶらりグルメ旅をしているテレビCMに、旅行女子は大盛り上がり。「この春の旅行は北海道で決まり」というムードに包まれている。しかし、実際に足として利用する予定者からは不満の声が聞こえてくる。「抑々、東京直通便が10往復というのは少な過ぎです。運行計画は、年末年始やお盆等の繁忙期には1日最大4往復程度の臨時列車が検討されていますが、それでもまだまだ足りません。北海道新幹線は、廃止予定の特急“白鳥”“スーパー白鳥”の運行時間帯を使う為、同列車と同様の本数になっているのですが、新幹線開業に合わせて寝台特急“北斗星”“トワイライトエクスプレス”“カシオペア”も一緒に廃止されてしまうことを考えると、青函区間の旅客輸送列車の本数は大幅に削減されたと言うべきでしょう」(北海道在住者)。更に、北海道新幹線のネックは青函トンネル区間だ。トンネルを共用する貨物列車にとっても物流を担う重要な幹線の為、その兼ね合いから北海道新幹線の本数が制限されてしまうのだ。北陸新幹線の東京-金沢間の直通列車は、『かがやき』『はくたか』合わせて1日24往復。新大阪-鹿児島中央間を走る九州新幹線『みずほ』『さくら』が23往復(何れも定期列車のみ)という数字と比較すると、その少なさは歴然としている。また、青函トンネル内は最高時速140kmに制限される為、トンネル内の走行時間は30分を超えてしまう。この為、新函館北斗と東京の間は最速4時間2分、仙台との間は2時間半もかかってしまうのだ。『JR東日本』では、函館から東北や関東まで“日帰り圏”に入ることを売りにしているが、片道4時間もかかるようじゃ日帰り客もそう多くはならないだろう。更に、その先の札幌となるとまだまだ遠い。「これまでも飛行機で3時間30分でしたから、スピード競争で負けている。更に、函館駅から札幌駅までは、JR北海道の在来線特急で約3時間30分もかかります。東京から札幌まで行くのに7時間30分もかかってしまうのです。飛行機は東京~札幌間で安ければ1万円台、高くても3万9207円で、新幹線の料金は2万6820円です。多くの人が新幹線より飛行機を使うでしょう」(札幌在住者)。この先、北海道新幹線の札幌延伸は2030年度となり、完成すれば札幌-東京は約5時間となり、現在よりも4時間ほど短縮される。「しかし、札幌延伸となれば、現在の新函館北斗駅は素通りされてしまいます。更に、札幌-新函館北斗間には1兆6700億円も工費が投じられる予定で、青森-新函館北斗間の約5500億円の3倍もかかるのです」(経済ジャーナリスト)。

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