信賞必罰・スッポン営業、『大和ハウス』売上3兆円の秘密――10年で売上高・利益とも約2倍、雰囲気は“軍隊”・“中小企業”

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JRの最寄り駅から車で約10分。千葉県内の住宅街の一角に、“ダイワハウス”と書かれたシートで囲った建設現場があった。広さは約2300㎡。「ここは賃貸アパートが建つ予定。向こうにオフィスビルが見えるでしょ。あれも大和ハウスが建てた」。嘗て、地元で農業を営んでいた為、広大な土地を所有する須藤覚氏・作一氏親子(右画像)はそう語る。須藤親子と『大和ハウス』の付き合いは、約40年にも上る。1970年代後半。所有する別の土地をどう活用するかに悩んでいた覚氏の元を、「倉庫を作りませんか?」と大和ハウスの営業マンが訪ねてきた。「大通りに近く、倉庫にすれば『借りたい』という企業は多い筈。安定した賃料が入りますよ」。何度も足を運んでは熱心に説明する営業マンに心を動かされ、1982年に倉庫を建設したのが最初だ。この倉庫は今、店舗に姿を変え、ドラッグストアが営業している。県内にある別の土地は、先ず中華料理店の店舗にしたが、その後はオフィスビルに建て替えた。賃貸アパート経営には乗り気ではなかったが、「相続税対策に有効」という提案を受け入れ、今や保有物件数は建設中のものを含めて14棟にも上る。合計2万㎡はある土地の約7割で、大和ハウスが物件を建てた。大和ハウスの今年3月期の連結売上高は3兆4600億円、営業利益は2800億円の見通し。この6年間で売上高は9割増、営業利益は2.4倍に増える。売上高の伸び率は、1兆円を超える内需企業の中でトップ。外需企業と比べても、『富士重工業』・『村田製作所』に次ぐ大きさだ。人口減少等、国内住宅市場を取り巻く環境が厳しさを増す中でのこの成長は、異様と言ってもいいだろう。

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住宅業界で比較すると、大和ハウスの飛躍ぶりはより鮮明だ。同じ6年間で、『積水ハウス』と『住友林業』の売上高は共に3割増に止まる。千葉の須藤親子に対するように、商業施設やオフィスビル等、住宅以外の用途を幅広く提案できるのが成長率の差となっている。「祖業の住宅以外の分野に注力し、今や同じ土俵で勝負していない」(大手住宅メーカー幹部)。不動産・住宅企業の多くは、物件を一度建てたら、顧客との付き合いはそれで終わりにしがち。しかし、大和ハウスはとことん付き合う。この深い付き合いを可能にしているのが、顧客の地主向けに定期的に開く“オーナー会”だ。今月17日。オーナー会の初詣イベントが東京都内で開かれた。集まった土地オーナーは、永田町の日枝神社にお参りし、近くのホテルで食事。その後、皇居東御苑を散策した。オーナー会は初詣以外にも、税理士や司法書士を呼んでの相続税対策セミナーや、食事・観劇等、様々な催しを開く。2015年には土地オーナーの夫人等、女性限定のハワイ旅行を企画。夫人らは、浴衣姿で街を練り歩いた。他の住宅メーカーにも土地オーナー向けの親睦会はあるが、大和ハウスの徹底ぶりは抜きん出ている。大和ハウスは、オーナーとの密な意見交換を通じて、保有・運営する物件の最近の悩みや、地域の経済情勢を把握できる。周辺の地主が持つ土地の活用の話も入り易い。こうして一度、物件を建てた土地でも、より有効な活用策が見つかれば別の物件への建て替えを勧める。顧客に対して広く、深く──。食いついたら離さない“スッポン営業”が、大和ハウスの急成長を支える。相手は土地オーナーばかりではない。保有する土地の有効活用に悩む企業にもあの手この手の提案をし、ビジネスに繋げている。神奈川県の工場跡地の活用に頭を悩ませていたメーカーに対しては、車を使ったアクセスの良さや、近くに競合する施設が少ないことを考えて、ショッピングセンターを提案し、開発。テナントのパチンコ店が抜けた後のビルの活用を考えていた大阪府の会社に対しては、ビルを増築。前面をガラス張りにして明るい雰囲気に変え、食品スーパーを新たなテナントとして誘致した。街の雰囲気や人の流れをも変えかねないような提案営業。何故、これほど猛烈な攻勢をかけるのか。JR大阪駅近くにある大阪本社15階の役員フロア。この一角に、喫煙スペースとして活用する会議室(通称“たばこ部屋”)がある。足を踏み入れると、そこには驚くべき光景が広がる。

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【教科書に載らない経済と犯罪の危ない話】(31) “水とダイヤの逆説”を唱えたジョン・ローの天才的発想

人間が生きていくのに、水は欠かせない重要な物質である。ところが、美しいけれども必要不可欠とは言えないダイヤモンドが高価で、水が安価なのは何故だろう? これは、交換価値と使用価値が必ずしも一致せず、“希少性”こそが価格を決定するからである。例えば、水に不自由を感じない地域では、ダイヤモンドは非常に高い交換価値を持ち、高価で取引される。しかし、水の無い砂漠では、ダイヤモンドより水が貴重で高価となるかもしれない。つまり、通常、ダイヤモンドは希少性が高いから高価で、水は希少性が低くて低価格だということである。“希少性”は物の供給に対して需用が多ければ増し、交換価値が高くなる。この“希少性”は、経済学の基礎となる。この理論については、『国富論』で有名なイギリスの経済学者であるアダム・スミスが、“水とダイヤモンドのパラドックス”として説いたとされている。だが、アダム・スミスより遥か50年も前に、スコットランドの経済思想家であるジョン・ローは“希少価値論”を提唱している。このジョン・ローこそ、近代のリフレ政策を考案・実行した人物なのである。ジョン・ローは1671年、スコットランドのゴールド・スミス・バンカーの家に生まれた。ゴールド・スミスとは金細工職人のファミリーネームで、スミスはアングロサクソン語(古英語)の“職人”という意味である。鍛治屋はブラック・スミス、銀細工職人はシルバー・スミスというように、職種が姓になっている。アメリカのスミス姓は、ヨーロッパから大量に移民した鍛治屋がルーツである。ゴールド・スミスは、金を保管する堅牢な大型金庫を持っていた。その為、客の金を預かる“金保管業務”が自然に発生する。

この時に発行する金の預かり証が“ゴールド・スミス・ノート”だった。これは、現在のSKR(金保管証券)に当たる。ゴールド・スミス・ノートは、いつしか交換の手段に使われるようになっていった。“銀行券”の始まりである。そこでゴールド・スミスは、保管された金が引き出されることが少ないことに気付き、金の貸し出し業務を始める。その為、保管している金の量より多くのゴールド・スミス・ノートが発行されていった。この頃にはゴールド・スミスの信用は高く、金の保管に関わらず、自らの責任でゴールド・スミス・ノートを発行するようになっていた。これが、『ゴールド・スミス・バンク』と呼ばれる近代的な銀行の始まりである。現在の銀行も、保有する金より多くのSKRを発行し、貸し出すことで手数料を得ているのは、17世記と全く同じ構図なのだ。ジョン・ローは父親の死後、その遺産で放蕩生活をしていた。ところが、イギリスで殺人事件を起こし、絞首刑を宣告されるも逃亡。その後、ヨーロッパを転々とした後、財政難に喘いでいたフランスに辿り着く。彼は先ず、王立銀行を設立して王室銀行券を発行。その紙幣を国が借り入れ、国債の償還に充てた。それと同時に、出回った紙幣を吸収する為、『ミシシッピ会社』という実態の無い金鉱探査の政府系企業を創った。そして、ミシシッピ会社の株を売り、国債を株券に変えていった。現在のセキュタイゼーション(証券化)業務である。実態の無い会社だったが、金鉱という架空の裏付けによって株価は上昇し、国債の償還も順調に熟した。このシステムは“ミシシッピシステム”と呼ばれ、“管理通貨制度”として各国中央銀行が今も採用している。このように、現在の金融システムは、17世紀に開発されたものと基本は変わっていないのである。 (http://twitter.com/nekokumicho


キャプチャ  2017年1月31日号掲載

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【霞が関2017冬】(05) 改ざんに計上ミス…揺らぐ政府統計

政府の統計が揺れている。経済産業省が纏める繊維流通統計では改竄、国土交通省の建築着工統計では計上ミスが相次いで発覚した。政府内で統計の司令塔的な役割を担う総務省の統計委員会は今日、これらの事態を重くみて、両省が報告した原因と再発防止策を検証した。浮かび上がるのは、各省で統計に基礎的な知識を持つ人材の不足と統計軽視の姿勢だ。「はっきり言って捏造ですよ。犯罪に限りなく近い」。統計委員会の西村清彦委員長は、怒りを露わにした。出席した有識者からは、「政府一丸となって統計改善に取り組む矢先の問題」「公的統計全体の信頼を揺るがす」等と危惧する声が相次いだ。「信頼性を損ないかねない。心から詫びる」。経産省製造産業局の糟谷敏秀局長が事態を報告して謝罪。統計法の研修やチェック機能の強化といった再発防止策を説明した。「局長が出るのは極めて異例。それだけ事態が重大ということだ」(統計委員会幹部)。会議は、予定の終了時刻より30分長引いた。事態は、調査票の電子化等を請け負っていた業者が昨年11月に経産省を訪れ、「集計結果と公表結果が違う」と指摘して発覚した。調査対象は約730社としているが、その内の315社は指定された名簿に載っていない業者を形式的に追加。実際に回答が得られたのは257社しかなかった為、担当者が過去の回答を流用して回答数を水増し。更に6年間かけて、水増しした分を徐々に減らそうとした。改竄は2012年からなされていたことが確認されたが、それ以前のデータは既に破棄され、改竄の有無も把握できなかった。

経産省の内部の調査によると、報告書では、一連の処理が課長まで了解を得た上での組織ぐるみの対応であることが明らかになった。更に経産省は、「実態に近付ける目的で実施した」と理由を説明したが、「調べてもいないのに実態って何なのか?」といった反論を招き、報告書を再度提出することになった。経産省は昨年9月分を以て、同統計の廃止を発表。繊維産業が盛んだった頃は景気動向の把握に役立ったが、近年は「殆どユーザーがいなかった」(関係者)。ニーズを考えず、惰性で調査を続けていた現実も浮き彫りになった。国土交通省は先月、建築着工統計を2013年までの過去に遡り、4ヵ月分修正した。国内総生産(GDP)の推計に使う部分も一部含まれており、額の大きさによってはGDPの修正に繋がる恐れもある。同統計は、建築業者等が出す工事届の内容から都道府県が調査表を纏め、国交省が集計する。都道府県が工事費予定額を1桁誤ったり、着工月から2年遅れて集計したりしていた。国交省は「外部からの指摘で判明した」と説明したが、複数の関係者によると、指摘したのは『日本銀行』だ。商業施設等の大きな工事は、不動産業者が投資額含めて公表する場合が多い。「リリースと統計の前月からの動きを照合すれば気付けた筈」と関係者はみる。今回の問題が発覚したのは、何れも統計を公表している政府自身ではなく、統計作成の請負業者と金融政策における統計ユーザーという外部だった。「自浄作用が働かなかったのは非常に深刻」(西村氏)。今でこそ統計改善への関心が高まり、予算や人員の配分増を訴える声も多い。だが、長年の統計軽視の姿勢は、国の統計職員数が10年間で7割減ったことからも明らかだ。「公務員の総数を増やせない中、統計部署は各省のスクラップ源となってきた」(内閣府幹部)。ビッグデータの活用等、新たな分野開拓に沸く裏で、“人材育成”という地道に取り組むべき課題が待ち受けている。 (大島有美子)


⦿日本経済新聞電子版 2017年1月27日付掲載⦿

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「新会社はゲーム会社ではない」――小島秀夫氏(『コジマプロダクション』代表)インタビュー

昨年12月、大手ゲーム会社の『コナミデジタルエンタテインメント』から独立し、去就が注目されていたゲームデザイナーの小島秀夫氏の新会社が今月、本格始動した。『メタルギア』等のヒット作で知られ、欧米からも最も注目されるデザイナーの1人だ。新会社では、ゲーム以外の分野にも取り組むという。映画や文芸の造詣も深く、“監督”と呼ばれる男は何を企んでいるのか。独立の狙いと、今後の展望を聞いた。 (聞き手/企業報道部 新田祐司)

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「“ものづくり”だけに集中できる環境を作りたかったのです。大企業では、会社全体の予算に合わせて定期的に作品を発売しないといけなかったり、部署間の調整作業もやらなければいけませんでした。これからは、自分に残された10年くらいの期間で何ができるかを考えていきたい」。コジマプロダクションは約1年前、4人の同志と僅か一間のオフィスから始まった。会議室さえ無く、採用面接の会場にはオフィス近くのカフェを指定し、コピーを取る時はコンビニへ走った。それでも人材募集を呼びかけると、世界中から応募が殺到。「凄い実績のあるアニメーター等、本当に色々な方から応募を頂いた」と驚く。今月から本格始動する新オフィスは「最大100人くらいが入る」という規模で、パーティションが無い。オフィス前方にはバーカウンターがあり、一段高いところから全体を見渡せる。「イギリスの会社を参考にした」という小島監督は、この場所を“司令室”と呼ぶ。「会社を大きくしたり、上場したりするのがコジマプロダクションの目的ではありません。会社ではなく、スタジオ。人数を増やして、複数のゲームを同時に作るような経営はしません。作品は一つ一つ手がけていくつもりです」。独立後の第1作目は『DEATH STRANDING』。支援は『ソニーインタラクティブエンタテインメント』から受け、『プレイステーション4』向けに優先発売する予定だ。「先ずはファンの方々が望んでくれているハイエンドなゲームを作っていく」。詳細は秘密だが、「“なわ”の繋がりを表現する」と話す。これまでのゲームは、殴ったり打ったりして相手を追い払う“棒”のゲームだったという。安部公房の小説『なわ』(新潮文庫の『無関係な死・時の崖』に収録)の一説を引用し、「なわは自分にとって善いものを引き寄せる為の道具」と話す。「インターネットが普及し、SNSができて、人は繋がっているが、未だ棒の使い方になっている」と小島監督。「インターネットで繋がった世界中の人々が、なわの繋がりを実感できる作品になる」と言う。「コジマプロダクションは、ゲームだけの組織ではありません。将来は“ゲーム”という言葉が残るかどうかわからないし、ゲームは別の物になるでしょう。架空と現実が一緒になり、医者に行く時も、どこへ移動する時も、日常生活にゲームが入り込んでいくようになります」。

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【日本の政治・ここがフシギ】第1部(05) 強すぎる? 議会解散権

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“解散風”――。日本の政治ニュースでは、よくこんな言葉を目にする。最近では2009・2012・2014年と、2~3年毎に衆議院解散があった。主要先進国をみると、ここまで頻繁に解散をする国は珍しい。世界では、解散は時代遅れになりつつある。「解散権をいつでも行使できるのは変だ。勝てる時に都合良く選挙をするのは、ずるいやり方だ」。こう話すのは、イタリア出身のパンツェッタ・ジローラモ氏。イタリアは1948年の共和制移行後、16回の解散を経験した。だが同国では、慣例の任期満了直前の解散や不信任を突き付けられた例等を除くと、大統領が自ら解散権を行使したのは1回だけだ。『主要7ヵ国(G7)』の内、解散の制度があるのはアメリカを除く6ヵ国。過去60~70年で、ドイツは3回、フランスは5回しか解散していない。イギリスは2011年、解散を任期満了か下院の可決時に限る法整備をした。安定政権で財政再建に取り組む目的だが、連立与党が“抜き打ち解散”封じを求めた面もある。

カナダは2007年、解散を原則4年に1回にした。解散権は残るが、「政府は法律を守る筈」(『日本カナダ学会』副会長で中央大学の佐藤信行教授)という。「安定した政権を維持する為だった」。京都大学の待鳥聡史教授は、イギリスやカナダの動きを説明する。日本は1947年の憲法施行後、解散は23回に上る。首相の主体的な判断で、憲法第7条に基づいて天皇の国事行為として解散する“7条解散”が定着し、回数は多い。解散権は首相の“伝家の宝刀”・“専権事項”と言われ、所謂“大義”が無くても、いつでも国民に信を問える政治的な武器だ。2005年には小泉純一郎首相が郵政解散で大勝し、『郵政民営化法』を成立させた。解散は、難しい政策を実現する推進力になる。時機を選んで民意の支持を得れば、政権の安定にもなる。一部の衆議院議員は参議院について、「緊張感が無く、市井の声に鈍感」とまで話す。「選挙が遠いなら、もっと政策に力を入れられるのに」。昨年暮れ。ある野党議員は、地元で支援者との忘年会をハシゴして嘆いた。昨年は7月の衆参同日選や2017年初めの解散が噂され、文字通り“常在戦場”だった。野党からは、「解散は内閣不信任の際に限定すべきだ」との声も上がる。一方の安倍晋三首相。「野党が『何で解散するんだ』と言ったので仰天した。野党は『早く解散してくれ』という気持ちで臨めば、初めて論戦も建設的になる」。今月8日放送のNHK番組で、こう語った。

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【刑務所のリアル】(04) 苛められても和田真一郎を信じた元エリート大学生の末路…『スーパーフリー』逮捕者・Aの悲惨な少年刑務所生活

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2003年に発覚した『スーパーフリー事件』は、早稲田大学の学生を中心とした学生サークルによる悪質な強姦事件で、集団強姦罪・集団強姦致死傷罪創設のきっかけになる等、社会に大きなインパクトを与えた。サークル内では“芸能人より有名な大学生”として崇められていた代表の和田真一郎に懲役14年、13名のサークル幹部に懲役10年から2年4ヵ月の実刑判決が確定している。その内の1人で、当時、学習院大学に通っていたAと函館少年刑務所で一緒だったという安藤誠氏(仮名・33)が、Aの刑務所での様子を詳細に教えてくれた。「自分がAと一緒だったのは、函館少刑の炊場工場です。ヤンチャなヤツらに混じって1人だけ真面目な口調でしたし、見た目も眼鏡をかけたガリ勉タイプで、明らかに浮いていました。声だけはデカいんで、『お前、うっせぇよ』とかいつも怒られていましたね」。安藤氏が配属されたのは、Aから遅れること1年。炊場内では、Aがスーパーフリーの事件で捕まったことは周知の事実だった。「2週間ぐらい経った時、『あいつはレイプ。スーフリだよ』って教えてくれるヤツがいて知りました。本人も『スーフリでは幹部だった』『週刊誌にも載ったんです』なんて言っていたし、担当の刑務官も『お前、Aが何で捕まったか知っているか?』なんて雑談のネタにしているぐらいでしたから。知らないヤツはいなかったですよ」。収容者の食事を作って運搬する炊場は、時間に追われながらの重労働を求められ、体力的に最もキツい配属先だ。配属順に役割が決まっており、新人には単純でキツい仕事が割り当てられていた。

「Aより後に入ったヤツは多いのに、間抜けで失敗ばかりしていたんで、Aは一番下っ端の洗い場をやらされていました。後から入った年下からもタメ口で、まぁ苛められていましたよ」。延長食として出される甘味物は、キツい仕事に対するご褒美だ。しかし、Aの分はというと、コーヒーの中にグチャグチャになった揚げパンが突っ込まれていたりする。炊場が嫌で態と懲罰になり、他の工場へ行きたい新人が、「何でテメェがもたついている分を俺がやんなきゃいけないんだよ!」と胸座を掴んで居直る相手も、Aの役目だった。炊場は少年刑務所のエリート工場ということあって、舎房は個人の居室と集会室を自由に出入りできる開放処遇が取られていた。「集会室で雑談とかしている時、Aは皆の暇潰しにスーフリのことを聞かれていました。Aが『パーティーを開いてですね。まぁ、自分、7番目の幹部だったんですけど』とかって言うと、他の受刑者から『お前、最初“3番目”って言っていたじゃねぇかよ』『どうなんだよ、A!』って詰められて、『すみません、見栄張っていました』とか…。兎に角、ツッコミどころが多いんですよ」。私本の購入時、Aに選択権は無い。「お前んち金持ちだから、俺らの分も宜しく」と、皆が読む雑誌を数冊買わされていた。それでもAは打たれ強く、天然なところがあり、「自分、女をバックでイカしたことがあるんです」等と余計なことを言う。すると、「じゃあ、どうやったのかやってみろ」と皆の前で腰を振らされ、この余興は飽きるまで数日続けられたという。「Aぐらいだと皆に部屋を勝手に開けられちゃうんですけど、1回、Aがズボン下げていた時があったんです。『てめぇ、センズリこいてたべ』って指摘されて、勃起してんのに『いや、違いますよ、違いますよ。デキモノができていたんで』とか言い訳して、また皆の笑い話にされたり…。まぁ、暇潰しのアイテムでした。あれだけ苛められても折れないから、『頑張ってんな』って思いましたけどね」。Aより先に出所した安藤氏だが、Aと交わしたこんな会話を覚えている。「俺が『和田さんってどうなの?』って聞いた時、目を輝かせて『いや、あの人は凄い人ですよ』って言うから、『出たらあの人について行くの?』って言ったら、Aは『はい。また和田さんのところに行きたい。一緒になんかやりたいですよ』って、和田さんを崇拝していましたね」。 (取材・文/フリーライター 池田潮)


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持っているだけでダサい端末! AndroidはiPhoneと比べ物にならない欠陥スマホだ!

iPhoneとスマホのシェアを二分しているAndroidは、実はとんでもない欠陥品だった! 使い難い、セキュリティーが甘い、そしてGalaxyに至ってはいつ爆発するかわからない危険物。そんなAndroidのクソっぷりを徹底解説する! (フリーライター 高田純一)

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2016年9月16日に発売された『iPhone7』シリーズの売れ行きが上々だ。旧モデルに比べ、デザイン面での変わり映えがしないばかりか、満を持して投入された防水・デュアルカメラ(『iPhone7Plus』)・『Suica』対応といった機能も、「やっとAndroidに追いついたか」と揶揄されたものの、『Apple』の発表によると、全世界の初回出荷分は予約だけで完売し、同社株も年初以来の高値を更新。とりわけ、新色のジェットブラックは今も尚、入荷待ちが続いているほどの人気で、このまま年末商戦に雪崩れ込みそうな勢いだ。片や、ダダ下がりなのがAndroidの評判。そのA級戦犯が、ご存知、“爆発スマホ”との異名を持つ韓国『サムスン電子』製の『Galaxyノート7』であることに異論はないだろう。発売当初からバッテリーの爆発事故が相次いだ同機は、世界中で旅客機への持ち込みが全面禁止となったばかりか、リコール対策後の交換品ですら爆発事故が発生した為、現在では生産・販売自体が中止と“残念な事態”となっている。Galaxyはスマホ黎明期、開発に出遅れていた日本メーカーを尻目に、唯一、iPhoneに対抗していたAndroid陣営の雄。そのブランド力から、嫌韓ムードが日本社会に漂う昨今ですら一般ユーザーからの支持が厚く、一時、『NTTドコモ』が“ツートップ”として大々的に販売プロモーションを行った通り、『ソニー』の『Xperia』と並ぶ国内の携帯キャリアの稼ぎ頭でもあった。謂わば、Galaxyのハイエンドモデルは、順調にアップデートしていれば間違いなく売れる端末。なのに何故、爆発事故を起こしてしまったのか? 「それがiPhoneのせいだ」と言ったら、皆さんは驚くだろうか。しかしここに、いつまでもiPhoneに敵わないAndroidの残念さが表れているのだ。

その理由は簡単。韓国でのGalaxyノート7の発売は8月19日と、例年9月に発表・発売されるiPhoneを兎に角出し抜く必要があったからだ。これは、嘗て秋にデビューしていたiPodに合わせ、夏に『ウォークマン』の新型を投入し、三日天下の売上げベストをマークしていたソニーと同じ不甲斐なさ。王者のAppleに先んじる為、何が何でも夏にはリリースしなくてはならない――。Galaxyノート7が“バッテリー爆発機能付き”という恐怖のスペックを備えることとなった背景は、「安全に纏わる十分な開発や検証の時間を確保できなかったから」とも推測できるのだ。その証拠に、Galaxyノート7は、イメージ面でもiPhone7に引けを取らないよう、先代モデルの『Galaxyノート5』から“6”を飛ばして、一気に7とナンバリング。未だサムスンが“追いつけ追い越せ”の姿勢でiPhoneを意識していることが窺えるだろう。残念なのはサムスンだけではない。中国製を中心に、iPhoneのデザインやネーミングをパクったようなスマホは、相変わらず市場に溢れている。尚且つ、6月には北京市知的財産権局が「iPhone6が佰利公司のスマホ“100c”を模倣している」として、iPhoneの販売禁止を命じたのを始め、8月には同じ北京市の高級人民法院が“IPHONE”の商標権を中国企業に認める等、国を挙げてそのブランド力に乗っかっている始末。如何にも中国らしいエピソードだが、我々日本人も笑っている場合ではない。9月に『ロイター通信』が報じたところによると、公正取引委員会が独占禁止法違反でAppleを捜査する可能性があるという。大手3キャリアが等しく廉売しているiPhoneを取り締まるのが大義名分とのことだが、全く魅力が無く、売れ行きが悪い国産スマホを援護射撃する為の“Apple苛め”といった見方もある。しかし何故、こうもAndroidは残念なのか。普段、iPhoneの恩恵に与っている人ほど、家族や友人から「iPhoneとAndroidのどっちがいいの?」と改まって訊ねられると、モゴモゴと口籠ってしまうのではないだろうか。そんな時、「素直にiPhoneにしておけば間違いない」と断言できるよう、そのポイントを整理したい。先ず挙げられるのが、一口に“Android”といっても、メーカーや端末によって、ハードウェア、ユーザーインターフェイス(使い勝手や操作性)、プリインストールアプリに至るまで仕様がバラバラで、最悪の場合、対応要件を満たしているアプリでも動かない場合がある点だ。iPhoneと違い、膨大なモデルが存在するAndroidスマホだけに、アプリメーカーが動作状況をチェックできるのは、世界的に売れている一部の端末のみだからだ。

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【オトナの形を語ろう】(10) 己以外に一切頼らない“無頼”という生き方

今週は、この連載の担当者のS君が「“無頼”について話してほしい」というので、“無頼”を書く。この頃は、街場をうろついていても、「あれが“無頼”だ」という男に逢うことは殆どなくなったし、“無頼”という言葉さえが消えようとしている。一昔前の世間の印象だと、無頼な連中は何か滅茶苦茶なことをして生きている人たちに思われたが、そんなことはない。無頼だからといって、理由も無く他人に暴力を振るったり、見ず知らずの他人を傷付けるようなことはしない。寧ろその逆で、本当に無頼としてしか生きられなかった男は、静かで、大人しい生き方をしている人のほうが多かった。ただ、無頼の連中が、結果として起こした行動だけを見ると、「とても普通の人間ができる行動ではない」と思われただけだ。その行動とて、一生の間に一度、二度あるくらいである。私が見てきた“無頼”の話をしよう。先ず、“無頼”とは読んで字の如く、頼るもの無しである。“頼りない”とは違う。頼るもの、頼る者、人を含めて、「己以外の他人・物事に一切頼る生き方をしない」ということだ。しかし今、君たちが生きている社会と、日々の暮らしを見てみれば、あらゆるものに頼らない生き方ができるか? いや、そうじゃなくて、「そういう生き方が可能か?」と問えば、それは普通できないのである。

何故、そんな風に生きるのか? それは、当人がこの世に「オギャーッ」と生まれて、誰かに育ててもらい、誰かに飯を食べさせてもらい、誰かに“生きるとは何事か”を教えてもらい、そこまでしてもらってきて尚、それらの人全てに恐縮の念、“有難い”という気持ちは持った上で、それらの人との関係をも基本的に断ち、「己一人で生きていく」と決め、あらゆることを他人に頼らず生きていく男たちだからである。その生き方が楽と思われるかね? 何? 他人にとやかく言われないで静かなのは悪くない? 他人は“無頼”に対して、とやかく以上のことを口にし、バカにするものだ。そんな他人の口から出てくるものなどどうでもよくて、そんなものは端から耳に入らないのが“無頼”である。いや、他人からどう思われようが、どう言われようが、そんなことは全く当人の身体の中に入ってこないのである。それでも楽に見えるかね? そう、「よくわからない」と言うほうが、君たちの正直な感想だろう。“無頼”は、それはしんどいものである。辛いものである。ところが、私が見てきた“無頼”と呼ばれた男たちからは、微塵もしんどい・辛い・苦しいという印象は感じることがなかった。何故だろうか? 最初の内はわからなかったが、「“無頼”の内にあるものに、半端なものが何一つ無いからだ」とわかった。彼らの身体の中にある精神の強靭さは、想像を超えるものであった。

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【Test drive impression】(08) 『レクサス IS200t F SPORT』――フジトモこと藤島知子がIS主要グレードを徹底試乗!

「国産車で最もインテリジェント(知的)なメーカーは?」と問われたら、真っ先に頭に浮かぶのが『レクサス』。中でも、今回ご紹介するISは、レクサスのエモーショナルな走りを象徴する小柄なFRスポーツセダンとして、20代の若者から隠れ肉食系の男性、将又マダムの足として活躍する等、幅広い層の支持を得てきたレクサスの稼ぎ頭。フロント回りに存在感を与えるスピンドルグリルが採用されたのは、2013年にデビューした現行モデルですが、それから約3年の時を経て、昨年10月末にビッグマイナーチェンジ。変更点のハイライトは、内外装の仕様変更と走行性能のレベルアップ。中でも、走りについては自信の表れなのか、メディア試乗会は一般道だけでなく、車にとって過酷なサーキットでハンドルを握らせてくれるんですって! 外観で目に留まるのは、ワイドに低く構えて見せるグリル下部のデザイン。先進的な3眼式のLEDヘッドランプは、目を細めて遠くを見据えたような表情で、その端正な顔立ちに思わずウットリ。世知辛いご時世をスマートに生き抜くオジサマのイメージと重なる姿が、女心を擽ります。テールランプには多灯式のLEDが採用され、夜間は艶やかな後ろ姿を印象付けてくれそうです。切削高輝度処理を施した新意匠のアルミホイールは、全体をアグレッシブなイメージに。やっぱり、“お洒落は足元から”ですね。車内に乗り込んでみると、ダッシュボードの上部に埋め込まれたナビのディスプレイが10.3インチに拡大されていることに気付く。画面が広くなり、地図やオーディオ等の情報がより見易く表示されるようになったのは嬉しい。

インテリアのアクセントとなるオーナメントパネルは、本アルミの他に、温もりを感じるウォームメタルや、日本古来の名栗といった加工技術を披露する辺りも、日本の美学が息衝く高級車らしいですね。扨て、肝心の走りですが、先ずは袖ヶ浦フォレストレースウェイのコースで、『IS300h F SPORT』に試乗。2.5リッターエンジンにモーターとバッテリーを組み合わせたハイブリッド仕様ですが、車重はエントリーモデルの200tと比較すると50㎏ほど重たいものの、コーナーリングでは嫌な癖を感じさせない素直な姿勢変化を見せる辺りがお見事。重量物を車両の前後にバランスよく配置したレイアウトも効いているけど、ちょっとやそっとのことじゃタイヤが路面を捉えて離さない抜群の安定性、連続走行でもヘコタレないブレーキも信頼感の高さを感じさせます。但し、アクセルを踏み込んだ加速時は少しのっそりとした印象で、瞬発力を期待するならV6の3.5リッターのIS350か、IS200tのほうがオススメと言えそう。ハイブリッドはモーターの後押しが得られる強みがあるけど、どちらかというと一般道や高速道路でゆったり流す時のほうが、静けさや快適性の面でメリットが光りそうですね。いやはや、それにしても驚かされたのは、操縦安定性が大幅に向上していたこと。今回のマイチェンでは、ドライバーが安心して気持ち良く車を操縦できるように、“感性”で感じ取れる領域を磨き上げていて、足回りはフロントサスペンションのロアアームをアルミ材に変更して、剛性アップと軽量化を両立。更には、スプリングブッシュの特性、電動パワステのチューニングを最適化する等、ボディーの上屋の動きはフラットに、足はしなやかに動くことで、意のままに車を操縦していけるFRらしい素直な走りを実現してくれていました。

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【Jazzyの裁判傍聴ライフ】(25) 法廷で大号泣! 感情表現豊かな外国人

私が主に傍聴している東京都内の裁判所で裁かれる被告人は、実に多国籍! アジアや北中南米、更にはヨーロッパ、アフリカ諸国まで。殆どの外国人被告人には“法廷通訳人”が付くので、被告人は自国の言葉でコミュニケーションを取ることができ、日本人の証人が出廷した場合、その証言内容は随時訳されて、正確に伝えられます。そんな外国人被告人の公判では、日本人ではあり得ないようなリアクションで驚かされることが結構あるのです! ストーカー規制法違反の罪に問われた韓国人の女(20代)は、好意を抱いた日本人男性に対してメールを送ったり、職場から出てきた男性の後をつけて同じ電車に乗る等の付き纏い行為を、1年以上繰り返しました。初めのうちは冷静に質問に答えていた被告人ですが、家族のことを聞かれると感情が抑えられなくなり…突然号泣! 「わ―――――――ん!」。女は物凄い大声で泣き叫び、証言台に顔を伏せました! それでも裁判長は続けます。「2ヵ月間勾留されていますが、韓国にいる家族とは連絡を取っていないんですね?」「わ―――――――ん!」「今後、日本に来るつもりは無いですね?」「わ―――――――ん!」。裁判長は相当面倒臭そうに、「被告人質問を終わります」。子供の号泣よりも酷いやつでした。大人があそこまで取り乱すとはビックリ!

続いては、物凄い挙動不審のアフリカ系被告人。ビクビク、オドオドしながら入廷。これから殺されるかのようなビビりっぷりです! 彼は路上で20代の女性の頬にキスをし、着衣の上から陰部を触り、強制わいせつ罪で起訴されました。生年月日は「わからない」と答えましたが、見た目は30代でしょうか。日本人の妻がいるそうです。罪状認否では、日本語で「スイマセン、ゴメンナサイ!」といきなり泣いちゃいました。彼の母国の公用語であるフランス語の通訳人が付きましたが、あまりフランス語はわからない模様。審理が全然進まず、通訳人(女性)は終始キレ気味です! 「前に捕まったことは?」「1日オサケ飲む、グループのトコロ、オレはタタカレタ、警察があとでキタ、警察にイッタ、翌朝カエサレタ、その後、オレ、飲むのヤメタ」…何の話やねん!(笑) その後、事件のことを聞かれると…。「オレがやったこと本当にヨクナイ。オレはみんなを許す。もし出たら働く、お金払う。許してクダサイ!」。続く反対質問では、検察官が強めの口調で「女性にしたことをどう思っている?」と聞くと、「許してほしい。許して~!」と泣き出して床に! 私の位置からはその姿を確認できませんでしたが、恐らく命乞いスタイルで跪いて懇願! 証言台から勝手に離れた被告人を見たのは、この時が初めて! 論告・弁論が終わり、最終陳述では「オレは悪い犯罪者じゃない。働いてお金を払う、許してほしい。イッパイ後悔している。許して! もうヤラナイ、誓うよ。許して!」等と、かなりしつこく許しを求めました。どちらの被告人も初犯ということで、執行猶予付きの有罪判決に。号泣や懇願の効果があったということではないですよ~。


キャプチャ  2017年2月6日号掲載

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