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“恐怖の暴走カー”と化した『プリウス』――福岡での10人死傷事件は単なる事故なのか?

20170228 11
「またプリウスの暴走か…」。ユーザーの口コミ情報を取材する自動車ジャーナリストは、表情を曇らせる。福岡市博多区の原三信病院に、タクシーとして利用されていた『トヨタ自動車』のプリウスが突っ込み、3人が死亡した事故(右画像)から1ヵ月。福岡県警は、イベントデータレコーダー(EDR)の解析から、「運転手がブレーキとアクセルを踏み間違えた」と断定した。だが、果たしてそう言い切れるのか? 「『プリウスがコンビニや駐車場等で暴走事故を起こしているケースが多い』という噂は絶えない。その殆どは、警察によって“ドライバーの不注意”で片付けられている」(前出の自動車ジャーナリスト)というが、今回ばかりは少し事情が違った。職業ドライバーであるタクシー乗務員が引き起こした事故だったからだ。一般ドライバーによるアクセルとブレーキを踏み間違えた暴走事故にしても、「病気による意識障害や認知症等を除いては、異常走行した距離は精々数十m程度」(同)。プロドライバーが踏み間違えたことに気付かず、350mも走行し続けるとは考え難い。事故を起こしたドライバーは64歳だが、「ブレーキを踏んだが車が止まらなかった。ギアを変えてエンジンブレーキをかけようとしたが、減速せず突っ込んでしまった」等と具体的な供述をしていることや、事故直後に警察官とやり取りできていたことからも、認知症や運転中に意識を失った可能性は低い。ここで浮上してくるのが、プリウス自体の欠陥問題だ。決め手となったEDRは、事故で大きな衝撃が生じた際に車体の前後左右にかかる加速度・ロール角・エンジン回転数・アクセル開度・ブレーキ動作等を記録する装置だ。このEDRの解析結果が出るまでに20日近くかかったことも、臆測を呼んでいる。交通事故分析を手がける専門家は、「取り外したEDRをパソコンに接続してデータを吸い出すには、十数分しかかからない。何故、こんなに時間がかかったのか」と訝る。

今回はEDRのデータがトヨタにとって“シロ”となる結果だったが、それでも「完全に問題が無い」とは言い切れない。「ブレーキを踏んだデータが残っていても、トラブルがブレーキの制御ソフトにあったとしたら、仮にブレーキを踏んでいたとしても、実際には利かなかった可能性もある」(同)からだ。しかも、EDRのデータはトヨタの独自仕様で、同社のシステムでなければ分析できない為、中立的な検証が難しい。今回の事故と同様、アメリカで車両の不具合が問題視された時は、トヨタ側が「EDRシステムは実験装置であり、信頼できるものではない」との声明を出し、データ提供に消極的だった為、「隠蔽工作を疑われたこともあった」(同)という。ここで本筋に戻ろう。EDRは記録装置に過ぎない。車体に不具合があったとしたら、事故の原因は制動系と駆動系に絞られる。両系統は、ガソリン又はディーゼルエンジン車ならば其々独立しているが、ハイブリッド車(HV)であるプリウスは一体化している。何故なら、ブレーキをかけた時に生じる制動エネルギーで発電し、駆動系のエネルギーとして再利用しているからだ。「プリウスのようなHVは、低速時の制動力を回生エネルギーとして利用している為、ブレーキ抜けが起こる可能性がある」(同)との指摘もある。事実、トヨタもユーザー向けの取扱説明書で、そうした場合のハイブリッドシステムの緊急停止方法を明記している。2010年以降に実施されたプリウスのリコール9件の内、今回の事故との関連が疑われる制動系(※パーキングブレーキを含む)が3件、駆動系が2件の計5件と過半数を占める。しかも、その5件中3件は、制御ソフトの不具合でリコールが実施された。国土交通省に寄せられた2012年以降の不具合情報件数は、制動系に限っても同じトヨタのHV『アクア』の7件に対し、プリウスは76件と10倍以上も多い。勿論、販売台数が多ければ不具合情報が増えるのも当然だが、2012年1月から2016年11月までの累積販売台数を比べると、アクアの113万4427台に対し、プリウスは111万7945台とアクアのほうが多い。にも拘わらず、制動系の不具合情報はプリウスが大きく突出している。つまり、同じトヨタのHVでも、プリウスだけが制動系等に構造的な問題を抱えている可能性が高い。「ここまで不具合情報が寄せられている以上、国交省や警察が徹底的な調査と解析をする必要がある。単なるドライバーのミスで片付けるのは問題だ」と、前出の専門家は警鐘を鳴らす。

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テーマ : 自動車バイクのニュース!
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経産省、エラー重ねる日本の頭脳――「経産省が出たら進まない」、焦燥が判断を誤らせた

政権を支える内閣官房だけでなく、他省庁へも数百人規模で人材を送り込む経済産業省。首相の安倍晋三も、経産省やその出身者に信任を寄せる。彼らがこの国を“統べる”存在と言っても過言ではないだろう。しかし、活躍の舞台は広がれど、担い手である官僚の視野は狭く、結果が“スベる”ことも少なくない。深掘りすると、判断を誤る・攻めない・守り切れない・見ていないという課題が見えてくる。自動車とシェアリングエコノミーについて検証する。 (取材・文/本誌 林英樹・井上理・藤村広平)

20170228 13
①判断を誤る…次世代自動車 ドイツの猛追、焦りの代償
「EV(電気自動車)の販売台数を、2025年までに年300万台に引き上げる」──。2016年、世界大手の『フォルクスワーゲン(VW)』がブチ上げた目標に、世界が驚いた。300万台は、同社の世界販売台数の25%という高い水準だ。VWは2015年、ディーゼル車の排ガス不正問題が発覚。VWは制裁金やリコール等の費用として、182億ユーロ(約2兆1780億円)を引き当てたばかり。「市場の厳しい目を逸らす煙幕ではないか」。そんな見方もあったが、彼らは本気だった。先月、ドイツ北部ヴォルフスブルクの本社で取材に応じた同社CTOのウルリッヒ・アイヒホルンは、「EV量産に不可欠な電池の性能向上に関する新たな投資を決めた」と述べた。研究開発費だけでなく、技術者もEV関連に集中させる考えだ。『メルセデスベンツ』を傘下に持つ『ダイムラー』も今月、2025年までにEV等電動車両分野に総額100億ユーロを投じる計画を明らかにした。民間企業と前後して、ドイツ政府も動いた。昨年5月、電動車両の購入補助制度を導入すると共に、官民でEV普及の為に10億ユーロの基金を創設。2020年までに、延べ約1万5000ヵ所の充電ステーションを整備する計画を打ち上げた。排ガス不正後にCTOに就任したアイヒホルンの前職は、政府との折衝を手がける業界団体『ドイツ自動車工業会』のマネージングディレクター。官民が阿吽の呼吸でEVシフトの戦略を次々と打ち立てた結果、“山”が動いた。『KPMGインターナショナル』が2016年に世界の自動車関連企業幹部を対象に聞き取った調査で、2025年までの主要トレンドについて「EV」と答えたのは、最多の50%。2年前の5倍に増え、EVが次世代自動車の主役に躍り出た。

では、日本の自動車業界はどうなのか。ドイツとは対照的に、悲愴感が漂い始めている。「信じていたものが裏切られた」。『トヨタ自動車』系部品メーカーの役員が昨年11月、機関投資家向けの決算説明会でこう漏らした。FCV(燃料電池車)の普及が、当初の計画通りに進んでいないことについての発言。直後に慌てて、「…と言えなくもない」と言葉を濁したところに、却って同社の苦悩が滲み出ていた。FCVは、水素と酸素を反応させて電気を作る燃料電池を搭載した自動車だ。走行時に水しか出さない為、“究極のエコカー”と呼ばれ、トヨタを筆頭に日本の自動車メーカーが世界をリードしている。経産省は2013年、FCVの普及を目指して『水素・燃料電池戦略協議会』を設立。自動車メーカーやインフラ会社が参加し、2014年には「2015年度内に水素ステーションを国内で100ヵ所整備する」という普及ロードマップも打ち出した。謂わば、“日本を支える次世代自動車の本命はFCVにあり”と判断し、大号令をかけたのだ。経産省の旗振りの下、日本メーカーも動き出した。トヨタは2014年12月、世界初の量産型FCV『MIRAI』を発売。2016年3月には、『ホンダ』も『クラリティFUEL CELL』(左上画像)のリース販売を始めた。だが、現状を見ると、FCVの普及ペースはあまりに遅い。『デロイトトーマツコンサルティング』が2014年11月に公表した予測では、FCVの国内販売台数は2016年までに累計3000台。かなり控えめな数字と言えるが、実際にはこの予測を更に下回り、トヨタが昨年末までで国内約1370台。ホンダに至っては104台という低水準に留まっている。車だけではない。FCVの普及と“ニワトリと卵”の関係にある水素ステーションも、整備が遅れている。国内の水素ステーションは、先月時点で約80ヵ所に留まり、“2015年度内に国内100ヵ所”とする当初の目標は達成できていない。経産省は、設置費用や運営費を補助金で手厚く支援しているが、それでも「事業としては利益が出ず、厳しい状態」(『JXエネルギー』水素事業推進部長の佐々木克行)だ。2014年に策定した普及ロードマップでは、水素ステーションが事業として独り立ちする時期を“2020年頃”と定めていたが、昨年6月の改訂版では“2020年代後半までに”と遅らせた。「経産省の思いを受け入れる」(『岩谷産業』常務取締役の間島寛)。謂わば、採算を度外視した“手弁当”の状況が未だ10年は続く。これでは、企業の積極投資や新規参入は呼び込み辛い。

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テーマ : 経済・社会
ジャンル : ニュース

【教科書に載らない経済と犯罪の危ない話】(34) スワンナプーム空港地下で見た入国管理体制の非人道な実態

自動小銃を肩にかけた警備員に囲まれ、エレベーターで地下に降りると、コンクリートの通路だった。頑丈な鉄扉を開けると、その先にも長い通路が続き、左右には鉄格子の入った部屋が幾つも並ぶ。突き当たりを曲がると再び鉄扉があり、警備員のチェックを受け、先に進んだ。そこで目に飛び込んできたのは、アフリカ系と思われる数人の黒人の姿だった。異様なのは、彼らの手足が其々手錠と鎖で繋がれ、椅子も無い廊下に直接座らせられていることだ。更に先へ進むと、東南アジア系と思われる男数人が、これも互いの手足を鎖に繋がれ、床に転がされていた――。バンコクのスワンナプーム国際空港地下にある入国管理施設での話である。ドナルド・トランプ新政権が誕生したアメリカでは、テロ対策を理由にイスラム圏7ヵ国出身者の入国を一時禁止する大統領令が出された。その後、連邦地裁の判事が相次いで、この大統領令の執行を差し止める等、混乱が続いている。年間7500万人以上が入国するアメリカでは、9.11事件以来、イスラム過激派によるテロの脅威に曝されており、この大統領令を支持する声も多い。勿論、それ以外の理由で入国拒否になる人も沢山いる。日本でも、昨年度に4600人が入国を拒否されており、世界中の入国審査で毎日起きていることだ。冒頭の様子は昨年3月、タイへ渡航した際に入国を拒否された時の実体験である。この時は、入国審査官がパスポートをチェックすると、直ぐに武装した警備員が10人以上駆けつけてきた。事前旅客情報システム(APIS)によって待ち構えていたのだろう。

APISは、警察庁・財務省・法務省等が管理するリストに該当する人物が搭乗したら、到着次第、空港へ通報するシステムだ。筆者の場合、過去にタイで身柄拘束を受けたことがあり、その記録から入国拒否になったのだろう。単なる入国拒否なら、自費で航空券さえ調達すれば第三国へ向かうことができる。だが、犯罪性のあるケースや、当該国が要注意人物としてブラックリストに登録してあると、勾留、若しくは強制退去の処分となる。強制退去の場合、航空券を買う資金が無い者は入管難民施設へ収容され、自国の援助を受け、国費で帰国することになる。この場合、順番待ちとなる為、日本人の場合は約6ヵ月の収容生活を覚悟しなくてはならない。これは、不法滞在者が多く、手続きに時間がかかる為だ。6ヵ月で帰れるのは、実は早いほうで、アフリカ諸国や中国など何年かかるかわからない。今から5年ほど前、筆者は数ヵ国から国際手配される状況に陥った。この時、筆者は1年半ほど世界中を逃げ回ったが、最後にバンコクで身柄を拘束された。そして、警察庁が迎えに来るまでの3週間を、タイの入管施設で過ごした。タイは、ラオス、ミャンマー、カンボジア等陸続きの国から、不法入国者が毎日押し寄せて来る。彼らは不法に入国して就労し、ある程度のカネを稼いだら、集団で入管施設に出頭する。そうすれば、タダで送り返してもらえるからだ。タイ政府も、近隣諸国からの不法入国者を送り返す為、毎日2便のバスを用意している。集団で収容されて、集団で送り返される様子を毎日眺めていたが、その様子はまるで動物を扱うようだった。彼らは、20畳ほどの部屋に鞭や棍棒で追われながら放り込まれる。その数は、1部屋当たり30~40人。男女は別だが、乳幼児も一緒に入れられる。そして、狭い部屋なので、座ったまま眠る。ここで過ごした3週間は、まさに悪夢の連続だった――。 (http://twitter.com/nekokumicho


キャプチャ  2017年2月28日号掲載

テーマ : 国際問題
ジャンル : 政治・経済

映画宣伝に名前が無かっただけで作家引退を表明しちゃう小物っぷり…“豆腐のメンタル”な薄毛ベストセラー作家・百田尚樹の華麗なるアホ伝説!

此花商案高校(現在の大阪偕星学園高校)卒業、吉本新喜劇研究生出身、『吉本興業』大阪本部所屬、代表的なギャグは「あ~りが~とさ~ん」…ん? あ、失礼。これは“アホの坂田”のプロフィールでした! お話したいのは、“アホの百田”のアホ伝説! (フリーライター ダテクニヒコ)

20170228 08
同志社大学法学部中退。関西ローカルで放送されていた恋愛バラエティー番組『ラブアタック!』(朝日放送)でフラれまくりの“みじめアタッカー”の常連を経て、放送作家に。視聴者参加型の長寿娯楽番組『探偵!ナイトスクープ』(同)のチーフ構成作家を29年務める男、百田尚樹大先生。一時期、テレビによく出ていた為、アホの坂田のように頭を丸めた風貌を覚えている方も少なからずいるだろう…。いや、これは失礼致しました! 大先生をアホの坂田と比べ称するなんて、万死に値します! 非常に弁の立つ聡明な大作家であられる百田大先生。当然、小説の人気は頗る高く、50歳の時に発表した処女作『永遠の0』(太田出版)はミリオンセラーを達成。2013年に発表した『海賊とよばれた男』(講談社)に至ってはダブルミリオンを達成し、その年の本屋大賞に輝いているのです! そう、押しも押されぬ大ベストセラー作家! ところが、昨年末に『海賊とよばれた男』が映画化されて公開となった時、主演の岡田准一は映画のプロモーション活動でテレビに出まくっていた一方、傍らに百田大先生の姿は無し。それどころか、百田大先生の原作を映画化したという宣伝も聞こえてくることはなく、キャッチコピーには“岡田×山崎 『永遠の0』チーム再結集!”と書かれていた…。おいおい、そこは“岡田×百田×山崎 『永遠の0』チーム再結集!”でしょうが! おいおい、どうした広告代理店! 因みに、同作の製作委員会に名を連ねる日本テレビの報道番組『NEWS ZERO』で特集が組まれた時も、百田大先生の話は一切出ずに、原作の文庫本が映されただけだったという。黙殺っぷりが半端ない。

当然の如く、お怒りになった百田大先生は、自身のツイッターにてこう呟かれた。「“海賊とよばれた男”の映画の宣伝に私の名前はほとんど出てこない。映画会社は、百田尚樹の名前を出せば客の入りが悪くなると考えているのかもしれない。たしかにこの三年くらい朝日新聞はじめマスコミから、百田尚樹は極右とかネトウヨというイメージキャンペーンをはられていたからなあ(^^;」。それ、マジですかぁ! 「新刊を出しても一切紹介されないし、どれだけ売れても報道されない。地上波テレビには絶対に呼ばれない。マスコミの世界では既に百田尚樹はいないものとなっている」。マスコミ、正気か! 「“海賊とよばれた男”の映画の宣伝で、私の名前がまったく出されないので、もう小説家を辞めると決めた」。大先生、落ち着いて! 「この際だから、小説家引退と同時に、作品も全部絶版にしようかな」。先生! 先生ー! 何がどうしてこうなっちゃったんですかー! 放送作家に小説家と、表舞台に登場することの少ない筈の百田大先生がメディアに顔を出すようになるのは、2013年頃からであった。『海賊とよばれた男』が本屋大賞に選ばれた年の末、映画『永遠の0』が公開された。この時、百田大先生は主演の岡田准一と共に『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)にゲスト出演する等、プロモーション活動を積極的に行っていた。「原作はあの百田尚樹!」と大々的に謳って。同時期に『情熱大陸』(毎日放送/TBSテレビ系)に密着取材されたり、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)で先生役をしたり、作家が出ることは殆ど無い『ライオンのごきげんよう』(フジテレビ系)でサイコロトークをしてみたり、まさに引っ張りだこであった。そして遂に、同年11月、安倍首相自ら百田大先生をNHKの経営委員に抜擢したのである! 快挙! これに対して周囲は「首相までも百田大先生人気に便乗した」という向きもあったが、いやいや、その前年。月刊誌『WiLL』2012年10月号において、百田大先生は安倍首相と対談し、「もう一度、内閣総理大臣を目指すように」と背中を押したのである! そう、再び安倍政権が誕生したのは百田大先生のおかげだ! 言うなれば、アベノミクスで景気回復となったのも、百田大先生のご尽力の賜物であることを知るがいい! 百田大先生、バンザーイ、バンザーイ!

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テーマ : ネトウヨ・ネット右翼
ジャンル : 政治・経済

映画『海賊とよばれた男』がまさかの大コケで原作者の百田尚樹センセイが“ご立腹”

20170228 06
2016年12月10日に公開された映画『海賊とよばれた男』(東宝)。言わずとしれた百田尚樹原作の映画化だが、はっきり言っていまいちな評判しか聞こえてこない。「注目の動員のほうも、それほど勢いはついていないようです」とは然る情報誌編集者。「初日の土日動員は22万4000人、興行収入2億8600万円と発表されましたが、思っていたよりも淋しい数字でした。同作と全く同じ百田氏の原作で、山崎貴監督・岡田准一主演の“永遠の0”(東宝)は、其々42万9000人・5億4200万円という数字でしたから、スタート時点で半分くらいという感じです。最初がこれだと、『最終的な興収は3分の1以下になるのではないか』と予想されますね」。勿論、映画は数字だけでなく中身が大事。しかし、各種のレビューを見ると“可もなく不可もなく”といった調子で、これも『永遠の0』と比較すると明らかにトーンダウン気味なのである。「原作者が公開前から映画をクサしていたのは、明らかにマイナスでしたね。百田氏得意のツイッターで、『映画作品のプロモーションに原作者である自分の名前が無い』だの、『意図的に隠されている』だのと批判。仕舞いには、何度目になるかわかりませんが、作家引退を宣言して、これが各所で面白おかしく紹介される始末。若し本当に映画を見てもらいたいのだとすれば、自分で自分の首を絞めているとしか思えません」(同)。

何があったのかはわからないが、百田氏は映画公開直前の同月2日、こんな呟きを連投している。
映画業界に精通するプロデューサーも首を傾げる。「百田氏の名前を隠したら動員が伸びるのなら誰でもひた隠しにしますが、そんな作品であれば抑々映画化しないでしょう。敢えて偽悪的に放言しているだけだとは思いますが、原作者がこれでは、配給も宣伝も本気で“百田”の2文字を隠したくなりますよ。抑々、映画と原作は別物というのが常識で、文芸作家には『映画化は結構だが、自分はあまり興味がないので、名前を入れてもらわなくて結構です』というタイプのほうが多いですよ。『あの人はどこまで自分大好き人間なんだ』と思いますね」。

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テーマ : 芸能ニュース
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満州でボロ儲け・政界工作・労組潰し・社員の自殺…映画『海賊とよばれた男』は真っ赤な嘘! 『出光興産』の超絶ブラックな正体

累計発行部数364万部を突破した百田尚樹原作の小説『海賊とよばれた男』が映画化され、全国で公開されている。だが、そのモデルとなった『出光興産』は、とんでもないブラック企業だった! “人間尊重”・“大家族主義”と嘯きながら、裏では労働者を搾取する――。そんな出光の真っ黒な真実を暴く! (取材・文/フリージャーナリスト 小石川シンイチ)

20170228 02
「日章丸、万歳!」と叫んだ。次の瞬間、全員が口々に「日章丸、万歳!」「国岡商店、万歳!」と叫んだ。狭いキャビンの中に「万歳!」の声が何度も轟き、軈てその声は1つになった。「日本、万歳!」――。百田尚樹氏の小説『海賊とよばれた男』(講談社)でも描かれている『日章丸事件』の万歳シーンである。同作は累計発行部数364万部を突破し、映画化。全国東宝系の映画館で上映されている。主人公の国岡鐵造を演じるのは『V6』の岡田准一で、監督は山崎貴。明治・大正・昭和の時代、名もなき青年だった国岡の生涯を通して、『国岡商店』が数々の苦境を生き抜きながら大企業へ成長していく様が描かれている。この作品は、石油元売り大手『出光興産』の創立者である出光佐三の立志伝を基にしており、そのストーリーのクライマックスがこの日章丸事件だ。敗戦後の占領下では、石油の元売り業者は石油の取り扱いを許可されたものの、軒並み欧米の国際石油資本(メジャー)との不利な提携を強いられ、それを受け入れざるを得ない状況だった。消費者も高い石油を買わされていたのだ。そのような中で、独立民族資本の出光に、イランから「半値の安価な石油を提供する」という話が持ち込まれた。但し、当時のイランは嘗ての宗主国であるイギリス資本の支配から抜け出そうと、石油の国有化を表明していた。それに怒ったイギリスは、ペルシャ湾に艦隊を派遣し、港を封鎖。イランの石油を買おうとするタンカーには、実力行使も辞さない構えだった。関係国は緊張状態にあったのだ。しかし、「日本復興の為には、石油メジャーに牛耳られた状態から脱し、消費者本位の石油施策を促すことが必要だ」と確信した出光佐三は、強行突破に出る。それが日章丸事件である。

1953年、自社のタンカー『日章丸』を送り出し、買い付けと日本への輸入に成功。映画の中で描かれているように、タンカーが帰港する川崎港で「万歳!」という大衆の叫び声が実際にあったのかどうかは知らないが、当時の日本では議論を呼んだ事件だった。これを機に、出光の名は民族資本として一大ブランド化。『日本石油』(現在の『JXエネルギー』)に続いて、石油元売り業界2位にまで上り詰めたのだ。書店では松下幸之助等と並んで、出光佐三は昭和を代表する経営者の1人に崇め立てられつつある。しかし最近、出光は別の意味で再び世間を賑わせている。石油業界再編の渦中にいるのだ。先細りする国内需要と価格競争の激化で、危機感を抱く経済産業省が業界再編を後押しし、業界首位の『JXホールディングス』と『東燃ゼネラル石油』が経営統合に合意。売上高11兆3656億円の巨大企業となる。それと並んで、出光と『昭和シェル石油』の合併話(※売上高5兆7378億円の業界2位になる)が進んできた。2大大手体制で、欧米の石油メジャーに対抗していこうという動きなのだ。JXと東燃ゼネは臨時株主総会での承認を経て、2017年4月に統合新会社『JXTGホールディングス』の発足を予定し、順調に進んでいるが、もう一方の出光と昭和シェルの合併は暗礁に乗り上げている。出光は創業家の反対によって、合併の延期に追い込まれているのだ。抑々、出光株の33.92%は創業家(※出光佐三の家族創業家の代表は佐三の長男で89歳の出光昭介)の所有だ。1981年、95歳で出光佐三が亡くなった後も、家族重視で、株式を公開せずに経営を行ってきた。しかし、競争の激化もあり、2006年に株式公開に踏み切ったのだ。その後も、石油持株会社の『ロイヤルダッチシェル(RDS)』が日本市場から撤退を決めた為、出光が買収を検討したが、すぐさま創業家が反対。買収は頓挫した。しかも、その理由がはっきりとしない。関係者の間では、「創業家は『外部資本が入ると創業者の理念が崩れる』と反対している」と言われている。創業者の理念とは、“人間尊重”・“大家族主義”だ。例えば、現在も出光には形式的な規定があるだけで、事実上の定年は無く、“社員自身が会社人生の潮時を決める”といったもので、“人間尊重”の精神で、働く人に重きを置いており、タイムカードも労働組合も無いのだ。だが実際は、こうした社風は大嘘で、本当は創業家の威光が弱まってきていることに対し、“影響力を誇示したい”という老人の我が儘が反対させているだけのようなのだ。「出光の人間尊重・大家族主義なんて大嘘です。同社の歴史を見てみればわかりますよ。日章丸事件の美談なんて所詮、イランの安い石油を買って国民に高く売った銭ゲバ事件なんですから」(労働ジャーナリスト)。

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テーマ : ブラック企業
ジャンル : 就職・お仕事

【労基署ショックが日本を襲う】(11) 働き方改革で激変中! 労基署対応マニュアル2017年版

突然、調査にやって来る可能性がある労基署。でも、企業側に備えあれば憂い無し。マニュアルを読み込み、スマートに対応できるようになっておこう。

20170228 05
①政府や労働局の運営方針を注視せよ
長時間労働削減に本腰を入れる厚生労働省は今年4月、重点監督対象を改めた。同省は昨年1月から、月100時間超の残業が疑われる全ての事業場を重点監督対象としていたが、“月80時間超”へと範囲を拡大。これによって、今年度の対象事業場は昨年度比2倍の2万ヵ所に増えた。また、労働基準監督署は限られた人数で運営されている為、ターゲットを絞って監督している。毎年4月発表の厚労省と各都道府県労働局の行政運営方針に重点業種やテーマが書かれており、定期監督が入る見通しを知る上で参考になる。

②残業時間の実態は正直に申告せよ
労使で締結した36協定を労基署に届け出るのが対応の第一歩。その際、残業時間の実態が、国が基準とする限度時間を超えてしまう場合、嘘は吐かずに正直に届け出よう。違反がバレたら元も子もない。基準を超えている為に労基署が受理を渋るようなら、①ノー残業デーの設定や医師との面談等、健康管理の取り組みをアピールする②労組の上申書を添える③過半数代表者に同行してもらう――等して労基署を説得しよう。業種によっては年間1000時間まで受理された事例もある。

③パソコンデータの消去はバレる
パソコンに保存された残業時間等のデータを改竄したり消去したりしても、労働局は削除されたメールやファイルを復元する証拠収集技術『デジタルフォレンジック』で対応するので、するだけ無意味だ。初めから誠実に対応しよう。

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テーマ : 働き方
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【オトナの形を語ろう】(14) 人間は誰しも、どこか狂ったものを持ち合わせている

今週は引き続き“無頼”の話をする前に、若い頃、私が教えられ、教わった話をしておこう。それは、人間の“狂気”の話である。狂人・狂奔・狂乱…と書くと、それがどこか普通の人と違う風に取られがちだが、読者もご存知だと思うが、人間(人間以外の生物全てが)は誰しも、どこか狂ったものを持ち合わせて、この世に誕生している。それとは別に、病いとしての血脈や、突発的な事故や、出来事に遭遇したことによって起こる“狂気”もあるが、ここではそれは外して語りたい。人間は、この世に誕生した直後から、ある種の保護、それに伴っての教育を受けなくては、正常に成長をできるものではない。それが人間という生きものなのである。食事を与えられ、昼間はうろつき、眠たくなれば眠るだけの繰り返しなら、いくら若くて体力があっても、何れは破綻する。善悪の問題だけではなく、“何故生きねばならないか”という根本の命題にぶち当たれば、いとも簡単に他人を殺めるか、自分を殺める。――全ての人間は、必ずどこか狂っているものを持っている。要は、その程度、深さの差異があるだけで、正常に近いように思われる・映る者を、人は正常と見做しているだけなのだ。

私はこれまで、何人かの、他人から見ると正常には見えない人たちと接してきた。その人たちは、私にとって大切な友人もいれば、憎むべき相手もいた。それでも圧倒的に、共に過ごしていて、安堵を与えてくれる者のほうが多かった。「“無頼”は、ある意味、彼らと似ている点が多いのではないか」と思う。彼らの共通点は幾つかあって、1つは“計算ずくで生きていない”という点である。私は人相学をする人間ではないが、「計算ずくで、若しくは拙い計算でそれまで生きて来た者は、その顔の相に出る」と思っている。その人が世間でどれだけ評価をされようが、例えばくだらないことだが、たかだかオリンピックの金メダリストであっても、「コイツは屁だ!」と私は思ってしまう。先ず、オリンピックの金メダリスト等というものは、その競技がただ優れていただけで、況してや、その種目に才能があれば同じく(運もあろうが)なれるものだ――。私はそう考えている。それは、別のノーベル賞を取ったのか、貰ったのかはわからぬが、学者面した連中も同じである。読者にわかって欲しいのは、世間で「偉い」「素晴らしい」「天才だ」と言われている輩が、如何に贋者かということなのである。話が逸れたので、“狂気”の友の話に戻そう。確かに、彼らが違う次元に入り込んでしまった時は、余程注意をして接しないと、彼らは自死に近い行動に平然と向かうことがしばしばあった。しかし、ある歳月、共に過ごしていると、彼らが(実は私も含めて)生きたい、生きることに希望を持っていることが、彼らを通してよくわかり、それを身を以て教えてくれたことに今も感謝している。

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テーマ : 生き方
ジャンル : ライフ

【Test drive impression】(10) 『マツダ ロードスター RF RS 6MT』――ソフトトップと何が違うのか? ロードスターRFを徹底試乗!

「果たしてこいつをロードスターと呼んでいいのか?」という話題が、意外とファンや自動車関係者の間で盛り上がっているのが、『マツダ』の『ロードスター』に新たに加わった『RF』というモデルだ。何故ならこのモデル、通常の手動式幌製のソフトトップ機構を持つノーマルに対して、電動開閉式ハード素材のオープントップ機構を持つ訳だが、何とオープンにしてもドライバーの頭上部分とリアのウインドウが開くだけで、周りを取り囲む柱が残る構造をしているのだ。しかし! 実際にオープン状態にすると、写真とは裏腹に開放感は意外やちゃんとあるのだから驚く! しかも、電動開閉式且つ幌ではないハードルーフなので、通常の幌製ソフトトップより耐候性や防犯性も抜群だ。そんな理由から、ロードスターの中でもかなりの販売割合を持つモデルでもある。因みに、先代ロードスターでは、同様のモデルが『RHT』というモデル名だった。RHTとはリトラクタブルハードトップの略。要するに、「折り畳み式のハードトップですよ」ということ。実際に、幌と同じようなフォルムのハードトップが見事なカラクリで収納されていた。では何故、今回はRHTではなくRFなのか? RFとはリトラクタブルファストバック。つまり、折り畳み可能なファストバック(というスタイルのモデル)って意味合いを持つ訳だ。そうして屋根が開いた状態でのフォルムを見ると、「なるほど納得」ということになる。しかも! このRF。屋根を開けても閉じてもそのスタイルがほぼ変わらない上に、冒頭で書いた通り、そのスタイル自体が実に美しい! 実際に後ろ斜めから眺めてみると、その姿はどこか懐かしい感覚が漂う。

1960~1970年代のスポーツカーのような雰囲気が、どこかから不思議と漂ってくる。そして、如何にもスポーツカーらしい情感や佇まいを感じる。そんな文句無しのスタイルなのだ。「でも、電動開閉式且つハードな素材の屋根を与えたら重くなるのでは?」と勘のいい人は思うだろう。確かにその通りで、ノーマルよりも重量は増している。が、ロードスターは元々軽量で、実際にノーマルモデルは1トンを切るものから、1トン台に収まる軽量っぷりなのだ。なので、このRFとなっても、車両重量は僅かに1100㎏。更に搭載エンジンは、ノーマルの場合は1.5リッターだが、このRFには新たに2.0リッターモデルが用意されたのがトピック! 最高出力158馬力、最大トルク20.4を発生するので、走りに全く非力な感じは無し! 寧ろ1.5リッターにはない力強い感じに加え、低速から力があるので、扱い易さも上々なのだ。とはいえ、エンジン自体のフィーリングに関しては1.5リッターのほうが一枚上手。1.5リッターのほうがエンジン回転が気持ちよく高まっていくし、組み合わせるトランスミッションがMTの場合は、やはり1.5リッターに組み合わせられるMTが新設計されたものだけに、操作フィーリングが超絶に気持ちいいからだ。だがエンジンは、ATとの組み合わせの2.0リッターがいい。気楽なAT運転の際に、低回転からの力強さでアクセルをあまり開けずとも滑らかに走るし、シフト操作が無い分、エンジンの回転上昇の良し悪しもそれほど意識せずに運転できる。ただ、ATだと乗り心地がちょいと気になる人もいるかも。というのも、ATの場合はトランスミッションを抱えるトンネルに補強パーツが付かないので、路面の段差や荒れたところでちょいとブルブルした動きが出易い。それに比べると、MTは全体的にスッキリした乗り味になる。

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テーマ : 新車・ニューモデル
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【Jazzyの裁判傍聴ライフ】(29) 何問正解できるかな? 裁判傍聴クイズ!

今回は裁判傍聴クイズをお届け致します。全問正解を目指して頑張って下さい!

Q1. 傍聴人の服装で禁止されているものは?
Ⓐはちまき Ⓑマスク Ⓒサングラス   A1.
裁判所のホームページには、「はちまき、ゼッケン、たすき、腕章、その他これに類するものを着用しない」とあります。帽子もNG(但しカツラはOK)。サングラスをかけて傍聴している人を見かけたことがありますが、大丈夫のよう。マスクもOK。被告人に結核等感染症の疑いがある場合は、傍聴人にマスクが配られるそうですよ。ただ、マスク程度で感染が防げるのか…。別の意味でドキドキの傍聴になる!?

Q2. 検察官だと一発でわかる特徴は何?
Ⓐ風呂敷 Ⓑ威圧感 Ⓒ眼光の鋭さ   A2.
公判担当検察官は裁判に沢山の資料を持っていきますが、持ち運びに便利という理由で風呂敷に包んでいるのです。この風呂敷は、紺地にカッコいい桐紋入りで国からの支給品! 但し、規則ではないらしく、可愛い柄ものを使用している検事さんも結構います。

Q3. 保釈中の被告人が判決公判に持参するものは?
Ⓐハンカチ ⒷAED Ⓒお泊まりセット   A3.
執行猶予が付かない懲役・禁錮刑判決を受けると、直ちに保釈が取り消され、収監されてしまいます。その為、被告人は衣類等必要なものを準備。判決の内容によっては泣くこともあり得るのでハンカチ、また心臓発作を起こした場合に備えてAEDも必要なのかもしれませんが、AEDは霞が関の裁判所には沢山あります!

Q4. 傍聴人がやってOKなことはどれ?
Ⓐ被告人に質問 Ⓑ途中退出 Ⓒ判決を言い渡す   A4.
途中退出はどんな裁判でも可能ですが、公判によっては再入場できないことがあります。また、傍聴人は傍聴することだけが許されているので、公判廷で被告人等に質問したり、判決を宣告することはできません。

Q5. 裁判所で起こる意外なハプニングとは?
Ⓐ裁判員の中でカップル成立 Ⓑナンパ Ⓒ犯罪   A5. 全て!
1ヵ月半にも亘った某凶悪事件の裁判。その裁判員を務めた男女が付き合ったことを聞きました。一定期間顔を合わせ、真剣に1つの問題に取り組んでいたら、そういうことになってもおかしくないですよね! そしてナンパは…私事ですがあります! 「地下の食堂にランチ行こうよ」「一緒に傍聴しよう」といった普通にチャラい系から、ちょっと危ない感じの付き纏い系まで。最後に犯罪ですが、先日、東京地裁が入っている合同庁舎に警察官が来ていたので、何事かと思ったら、男子トイレ内でトイレットペーパーが燃やされるという事件が発生! 敗訴した当事者の腹いせでしょうか…。離婚の無効を訴えていた元夫が、裁判所入り口で元妻を刃物で切りつけるという事件もありました。一見、安全そうな裁判所でも犯罪は起こるのです。扨て、皆さんは何問正解しましたか?


キャプチャ  2017年3月6日号掲載

テーマ : 刑事事件・裁判関連ニュース
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