【特別対談】 小池百合子、偽りの都民ファースト――片山善博(前鳥取県知事)×郷原信郎(弁護士)

都政の改革者か、将又破壊者か――。地方自治に精通した前鳥取県知事と、コンプライアンス問題に詳しい元検事が、小池都政の“偽り”を喝破する。

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郷原「小池百合子さんが東京都知事に就任してから、早いもので9ヵ月余りが経過しました。彼女は“東京大改革”を旗印に一大旋風を巻き起こし、新聞各紙の世論調査でも、未だに7割を超える非常に高い支持率をキープしています。その一方で、“豊洲移転”問題を始めとする数々の難題に直面しているのも事実です。これまでの小池都政について、片山先生はどのように評価されていますか?」
片山「昨年7月の東京都知事選で小池百合子知事が打ち出した公約や、その後の言動から察するに、知事の掲げる東京大改革の要諦は、情報公開の徹底にあるのだと思います。確かに、“のり弁”と呼ばれた黒塗りばかりの資料に象徴される都議会を含めた都政の非公開体質、また根回し・談合体質にメスを入れた点については評価すべきでしょう。振り返れば、都政の混迷は鈴木俊一元知事時代の末期から続いてきました。知事がリーダーシップを発揮できず、都の職員と都議会自民党等との癒着の構造が生まれ、“ドン”と呼ばれる存在まで現れた。そうした構造が石原(慎太郎元知事)さんの時代に強化され、猪瀬(直樹)・舛添(要一)の両都政でも基本的に変わることはなかった。つまり、意思決定のプロセスが不明瞭な、情報公開という点では極めて劣悪な環境にあった訳です。その意味で、小池知事が改革に乗り出したことの意義は、決して小さくありません」
郷原「私も、小池知事が誕生した時には、かなり期待を込めて見ていました。『これまでの都知事とは違って、都議会との柵が無く、圧倒的な支持率を誇る彼女であれば、東京都という巨大自治体の官僚体質にも斬り込んでくれる筈だ』と。小池知事の強みの1つとして、コンプライアンスを武器にしていることが挙げられますが、これは私自身が活動する際のテーマでもある。しかも、彼女は単に法令遵守を唱えるだけではなく、社会の要請に柔軟に応え、都民の利益を重視するスタンスを前面に押し出してきました。コンプライアンス的なフレーズを巧みに使い、その方向性も基本的には正しいので、中々正面から批判し難い訳です」
片山「ただ、ここに来て私が危惧の念を抱いているのは、『小池知事がコンプライアンス・説明責任・情報公開の徹底という基本路線から、自分自身は除外しているのではないか?』という懸念です」
郷原「仰る通りだと思います。実際に、都政を任されてからの小池知事の活動を見る限り、そこに確固たるポリシーがあるようには思えません。寧ろ、“都民ファースト”という言葉を背景にして、融通無碍な、謂わばやりたい放題の状態になっている。内実が伴わないまま、イメージ先行で物事を進めていくことで、都政に悪影響を及ぼしつつあります。その結果、泥沼状態に陥っているのが、築地市場の豊洲移転問題です」

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テーマ : 小池百合子
ジャンル : 政治・経済

【不養生のススメ】(04) 小さくなっていく日本人

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最近、気がかりなことがある。それは、日本人が小さくなっていくことだ。昨年7月の科学雑誌『eLife』に、『インペリアルカレッジロンドン』等の約800人もの研究者らが、『世界保健機関(WHO)』と共同で“過去100年間における世界200ヵ国の人々の身長の変化”について報告した。研究者らは、1896年から1996年の間に生まれた対象者が18歳以上になった時、つまり1914年から2014年の身長データを解析した。結果、日本人男性の平均身長は、1896年生まれの156.2㎝(※世界ランキング187位)が、1996年生まれは170.8㎝(※同102位)。女性の平均身長は、1896年生まれの142.3㎝(※同195位)が、1996年生まれは158.3㎝(※同112位)になった。これまでの研究で、身長が高い人は一般的に心臓病や脳卒中を患う可能性が低く、長生きする傾向が報告されている。戦後の経済成長と共に、日本人の栄養状態が著しく改善し、平均身長や寿命が延びた。ところが、日本人の平均身長は、1960年代初期に生まれた世代で頭打ちになった。栄養状態が改善されて、遺伝的な潜在能力の上限に達した可能性がある。但し、気がかりなのは、男性は1979年、女性は1977年に生まれた世代をピークに、毎年平均身長が少しずつ小さくなっていることだ(※左グラフ)。肥満に比べて、身長の低下はそれほど注目を浴びないが、この傾向は深刻に受け止めるべきだと思う。厚生労働省は、子供の栄養素の偏り、朝食の欠食やダイエット等の問題に注意を呼びかけているが、大人の歪んだ“痩せ願望”や、それに伴うバランスの悪い“○○制限食信仰”を改善しない限り、子供の健全育成の実現は無理だ。

抑々、痩せる為に頑張らなくても、私たちの体の殆どの部分は、加齢と共に驚くほど自然に萎縮していく。無理なダイエットをすれば、当然、体の病的な萎縮を促し、老化が進む。例えば身長。誰もが加齢に伴い、身長は低下する。1999年の『アメリカ国立老化研究所』の研究者らの報告によると、男女とも30歳頃から身長の低下が始まり、その速度は加齢に伴って高まり、特に70歳以降に加速した。具体的には、男性だと30~70歳までの間に平均3㎝、80歳までには平均5㎝、身長が縮んだ。女性は30~70歳までの間に平均5㎝、80歳までには平均8㎝と、より大きく減少した。特に急速に身長が低下する人は、骨粗鬆症のリスクが高まり、骨折、高齢者の寝たきりの原因になる。『公益財団法人 骨粗鬆症財団』によると、日本の総人口の10%弱、即ち約1100万人が骨粗鬆症で、予備軍まで含めると2000万人に達すると言われている。因みに、『ロチェスター大学医療センター』の報告では、顔の骨も加齢に伴い縮小し、周りの筋肉や皮膚が皺となり、老け顔になる。更に、南カリフォルニア大学と北京大学等の研究者らの大規模追跡調査では、身長の低下と認知機能の低下に強い関係が認められた。より多く身長が縮んだ人ほど、短期記憶・基本的な計算・日付の認識等の標準的な認知機能のテスト成績が大きく低下した。次に筋肉。サルコペニアとは、加齢に伴い筋肉が減少していくこと。「筋肉組織の量と質の低下は40代より前に始まる」とも言われ、そして徐々に減少していく。以前の研究報告では、40歳以降、一般的には10年代毎に、8%以上の筋肉量を失い、更に70歳以降に加速するということだった。筋肉が減ると、体を動かしたり支えたりする機能が衰えて自立性を失う。また、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究者は、サルコペニアが肥満に関係なく、筋肉量が少ないことが、糖尿病の発症の早期予測因子であることを示した。更に、ジョンズ・ホプキンス大学の研究者らによると、老化に伴い心臓の筋肉も縮小し、血液を送り出すポンプとしての機能が低下するという。そして脳。脳の重さは出生時に約400gで、青年期までに約1.2~1.4㎏まで大きくなるが、20歳を超えると発育が止まり、少しずつ小さくなる。特に脳の重さは、40歳以降、10年毎に約5%の割合で減少し、70歳を超えると加速する可能性が広く知られている。特にアルツハイマー型認知症では、脳が早く萎縮していく。他にも、生殖器や膀胱の容量等も、加齢と共に萎縮していく。つまり、生活の質の高い自立した人生を送る為には、痩せるより痩せないように努力することのほうがよっぽど重要だ。

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ジャンル : 心と身体

寺の子が悩める青春を経て初の“テクノ法要”を実現した志――『YMO』に衝撃を受けた住職の夢は「西本願寺でテクノ法要を」

どのお寺も、法要こそ存在の根幹。方法も宗義と共に定められているが、在家には難解との声も聞く。ところが一転、老若驚くほど大好評な法要を実現した住職がいる。福井市の浄土真宗本願寺派照恩寺の朝倉行宣住職(49)だ。その志とは?

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5月3日、福井市は朝から夏日だった。市中心部から約8㎞の東郷地域は、清流が流れ、麦の穂が風に戦ぐ。JR越前東郷駅から徒歩5分、浄土真宗本願寺派照恩寺には、朝10時を前に市内外から続々と老若男女が集まり始めていた。照恩寺の音楽法要『極楽音楽花まつり』が目当てだ。それも、門徒でもない人たちが、朝早くから近くはない田舎のお寺まで足を運んだのは、“テクノ法要”があるからだった。慣れない様子で、お年寄りに交じって本堂の外陣に坐る若者も決して少なくない。外国の青年の姿もある。定刻の10時過ぎ。暗闇にした堂内に、鐘の音が鳴り響く。法要開始の合図だ。電子音楽が流れ、本尊の阿弥陀如来がピンク色に輝いた。アップテンポな旋律と共に、柱や欄間が赤・青・緑と色とりどりの光の映像で彩られる。仏前にサークル状に立てられた光のスティックも点滅し、ダンスホールのようだ。ふと音が止み、一瞬の静けさのあ後、本尊がまばゆく黄金色のライトで輝いた。うねるようなリズムに合わせ、朝倉住職を始めとする式衆の『正信偈』が響き渡る。「きみょうむりょうじゅにょらい なむふかしぎこう」と、正面の4本の柱に張り出された和紙がくっきりと照らされ、「帰命無量寿如来」「南無不可思議光」「法蔵菩薩因位時」「在世自在王仏所」…と、正信偈の経文が映し出された。経文はコーラスのついた読経と音楽に合わせ、次々と流れるように映し出され、プロジェクションマッピングによる光の文様は渦のように形を変えていく。天井にはミラーボールのように光が跳ね、本尊からは光明が発光するかのようだ。誰一人、余所見をする人がいない。老いも若きも、忘我の様子で目を見張っている。こうして、あっという間に、潮が引くように静かなフィナーレが流れると、思わず合掌する姿も。時間にして約30分。

この日、午前と午後の2回に亘って行われた光と音楽のテクノ法要は、インターネットの動画配信サイト『ニコニコ生放送』でも生中継され、その時間を楽しみに、1万9000人を超えるインターネットユーザーが参加したという。「かっこいい」「鳥肌が立ちそう」「南無阿弥陀仏」等と、興奮したコメントが溢れた。「極楽浄土の世界を伝えたい」。そんな思いから、朝倉住職がこの光の劇場のようなテクノ法要に踏み切ったのは、昨年5月の花まつりが初めてだ。昨年秋の報恩講が2回目で、今回が3回目。詳しくは後述するが、楽曲も照明も全て朝倉住職がプログラムしている。その技術は、20代の時にクラブでDJや照明のアルバイト経験で培ったものというが、並の思いでは務まらないのは容易に想像できよう。それにしても、伝統的な法要を現代的に、しかも光とテクノ音楽でアレンジするのは、かなりのプレッシャーだった筈。誰も手掛けたことがないのだから。それに、完全を期そうとすればするほど機材も必要だし、お金もかかるもの。照恩寺の門徒は約100軒。師父の朝倉成宣前住職(78)も朝倉住職も、兼職しながらお寺と寺族を支えてきたから、余裕は無い。だが、この3度の開催だけでも、テクノ法要は確実に発展を遂げてきた。朝倉住職が語る。「前回・前々回は、お内陣の中だけを照明していました。でも、今回は表の欄間や柱にもプロジェクターで光をあて、光のエリアを増やしたのです。表まで光をあてることができたので、お浄土の光を浴びているような感覚を演出することができました」。これを実現させたのは、朝倉住職の熱い布教への思いは勿論だが、人々の強い期待があったのは間違いない。実は、今回の斬新な法要の機材は、インターネットを使った勧募“クラウドファンディング”を通じた資金援助で揃えたのだ。5月3日の法要に向けて機材を揃える為に、目標額を30万円と掲げて、「テクノ法要の実現に力を貸してほしい」と呼びかけた。リターンの品は額に応じて、テクノ法要の音源CDや手作りの念珠を準備。すると何と、約2週間で42人が支援に応じ、支援のコメントと共に39万8000円が集まったのだ。1人あたり平均1万円近くの支援を、菩提寺でもないお寺の法要の為に行ったことになる。この資金を基に、朝倉住職はプロジェクター・マッピングソフト・照明器具を買い揃えることができた。そんな前段もあったから、多くの人が楽しみにしていたという訳だ。実際、反響は上々。前回のテクノ法要にも参加したという門徒の40代の女性は、満面の笑みで「前回と全く違う。迫力があるし、凄くよかったです。何より、こんなにお寺に若い人が来るのがありがたい」と話す。門徒のお婆さんでさえ、「極楽の家があそこにあると思ったよ」と確信を込めてにっこり。門徒ではないが、同僚に教えてもらい、市街から車で来たという25歳の女性は嬉しそうに、「普通の法要だったら、先ず来なかったと思う。でも、私もテクノ音楽が大好きで、『お寺でテクノ法要をする』というから興味が湧いて来たんです。来てわかったことは、お年寄りから若い人まで、皆が同じ空間でお寺の法要を楽しめる。これって凄いことだと思いました。仏教ってほんと、自由なんですね」。そうなのだ。“テクノ”と冠してはいるが、行うのは法要なのだ。お寺の法要を実現させる為に、見知らぬ人が支援した。門徒でもない人たちが駆け付けた。更に、インターネット中継で2万人近くが参加した。物珍しさもあるとはいえ、そこには惹き付ける何かがあったに違いない。

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【風俗嬢のリアル】(07) シズカの場合――手土産の無い名古屋の客たち

20170728 10
長野のデリへルを終えたシズカは、愛知へ移動し、JR名古屋駅から数駅先にある、とある箱へルで働いていた。店は、風俗のテナントばかりが入った、地元では有名な風俗ビルの一室で、デリへルばかりを渡り歩いてきたシズカにとって、初めての店舗型へルスだった。周辺は飲食店やオフィスビルの並ぶごく健全な通りで、看板1つ出ていないそのビルは、何も知らなければまさか風俗ビルとはわからない外観だ。しかし、「名古屋在住の殿方なら知らぬ者はいない」と言われるほど、風俗のメッカとして有名なビルだという。「そこに出入りする女の子は皆、風俗嬢だってわかるから、マスクして出動する子が多いんですよ」。余所者であるシズカは、そんな女の子たちをよそに、堂々と顔を晒して出動していた。名古屋の店での在籍期間は、約1ヵ月。客の支払う金額は50分約1万5000円程で、女の子の手取りはその約半分だ。店内は20部屋程に分けられ、女の子たちは其々の個室で、専用のコスチュームを着て待機している。店の営業は深夜までだが、シズカは専ら昼をメインに出勤していた。「今日は5時間働いて、お客さんは4人。結構みっちりでしたね」。名古屋に来て、今日で3週間目である。店は忙しく、ひっきりなしに客が付いているようだった。「多分、期間限定って書いてあるから。それと、プロフィールの前職欄に『東京タワーで働いていました』って書いてあるんですよ。その2点に惹かれてやって来るお客さんが多いです。第一声が『東京タワーで働いていたって本当?』って言う人ばっかり。今日も4人の内、2人のお客さんと東京タワーの話で盛り上がりましたもん。1人は70歳くらいのお爺ちゃんで、昔の写真を封筒に入れて、『オープンから1年目の東京タワーだよ』って見せてくれましたね」。

実際にシズカが東京タワーで働いていたのは、学生時代のアルバイトで半年程の期間だ。それでも、プロフィールで“東京の女”をアピールできるのか、多くの男性が反応しているのは面白い現象であった。「名古屋に来て驚いたのは、皆、必ず時間内にイってくれることですね。シャワーに入る時間を抜いて、10分前にタイマーをセットすると、3分前くらいに皆、綺麗にイってくれて、残りの1~2分は脱力して、いい感じの時にタイマーが鳴る。ほぼ皆。それが出来なかった人は2~3人しかいない。『名古屋って凄い』と思いましたもん」。因みに他県では、時間内に射精できない客がザラにいるという。果たして名古屋人の特徴なのか、箱へルのしきたりなのか、シズカにもわからないようだ。「でも、手土産は全く無い。ジュース1つ無い。ここまで一切無いのは、全国回って初めてですよ。大体コンビニで買ってきてくれたりするけど、自分のお茶は買ってきても私には無い。指名のお客さんも、いつもいるほうなのに、名古屋では2人しかいないし、1回こっきりのお客さんが殆どですね。性欲を発散したいだけで、女の子側に気に入られようとは思っていないんだと思う。そういうドライさはかなり感じますね」。それでも、デリへルと違って移動時間のない箱へルは、シズカにとって居心地のいい職場だったようだ。店には寮が無く、シズカは近場で一番安いゲストハウスを自分で探して宿泊していた。今回、名古屋に1ヵ月いるのは、「ゲストハウスの長期割引で、長くいたほうが安く利用できるから」というシンプルな理由だった。「観光も見たいところが多いし、丁度いいかなって」。しかし、安いだけあって、長野より遥かに粗末なゲストハウスなのであった。ドミトリーには2段べッドがギュウギュウに押し込められ、10人寝れば人の熱気でムンムンする。ペラペラの布団はサイズが一回り小さく、足がはみ出そうだ。木の床は、スリッパで歩く度にギィィヤァァと呻き声のように響き、シャワーはチョロチョロとしか出ない。たった1日でも泊まるのを躊躇するレベルのタコ部屋である。しかし、驚くべきことに、このゲストハウスでシズカは珍しく人間関係を楽しんでいた。「ゴールデンウィークが明けたら、残っているのは長期滞在者と常連さんばっかりで、サークルみたいなノリで、皆、仲良いんです。私も学生時代のキャラになって、毎日ウィーイって盛り上がっていますよ。この前も皆でゼリーパーティーやったし」。コミュニケーションが嫌いと言っていたシズカからは信じられないような台詞だ。宿泊客の3分の2は外国人で、東南アジア・中東・ヨーロッパ、アメリカ等多国籍だという。オーナーは日本人で、日本人スタッフも数人いたが、皆40歳前後で、人生に挫折して生き方を模索しているモラトリアムばかりであった。しかも、全員が世界一周を経験してきた元旅人で、一癖ある変わり者ばかり。シズカにはそんな環境が性に合っていたらしく、毎日ハイテンションで暮らしているようだった。

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<画像5枚> 「第2のジャニーズを作る」が口癖…自称“社交界のプリンス”が利用した著名人との親密写真

20170728 05
旧皇族末裔の竹田恒泰氏と熊谷容疑者(右)。「竹田氏の“皇族”の肩書を利用したがっていた」(関係者)。

20170728 06
片岡鶴太郎氏等、大物芸能人をパーティーで見かけると、写真を撮る為に直ぐに近付いていったという。

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消えゆくアベノミクス、試される日本のM&A――日本の買収攻勢は続くとみられるが、お粗末な買収の厳罰化が起こる

20170728 04
“アベノミクス”という言葉が、古着のしまい込まれた棚にある“クールブリタニア(格好いいイギリス)”や、“歴史の終わり”“BRICS”の仲間入りをするのに、然程時間はかからないだろう。こうした言葉たちが齎した概念は、嘗て胸躍るような時代精神の粋があったが、今では表で着られないほどすり切れてしまった洋服のようだ。“アベノミクス”――安倍晋三首相が推進する、今や息切れしている経済再生プログラムの総称は、当然の結果として、その運命を辿るのかもしれない。だが、少なくとも、日本企業の思考に決定的な変化と、外に目を向ける新世代のディールメーカーの創出を促した後で去ることになる。アベノミクスは、誕生から5年近く経つ。海外企業買収に3500億ドル以上注ぎ込んだ日本の記録的な買収攻勢も、同じくらい続く。「日本の対外M&Aが“意味を持つ”のは、これが初めてだ」と、『JPモルガン』のバンカーらは言う。調査会社『マージャーマーケット』によると、2017年上半期に145件を数えた日本の対外M&Aは、2015年に打ち立てられた過去最高記録にほんの数件届かないだけだ。M&A専門のバンカーは既に、「年内に保険・医薬品・化学業界で大型案件がある」と仄めかしている。海外企業買収は昨年、日本の全てのM&A活動の価値の7割を占めた。金額ベースで見ると、日本が2016年に纏めた対外M&A(※調査会社『ディールロジック』によると、約1000億ドル)は、1980年代全体、つまり日本が“世界を買う”ことで悪名を馳せた10年間の実績の3倍近くに上る。インフレはブームの一部しか説明できない。本当に変わったのは野心の大きさだ。「アベノミクスが歴史の彼方に消えたら、この祭りがあとどれくらい続くか定量化せよ」という圧力に曝され、アナリストらは最近、先を争うようにこの現象を分析している。そして、似たような結論に達した。「日本企業の経営幹部は、人口が減少し、国内の成長が鈍り、世界中で競争力と市場シェアが低下する」とみている訳だ。

多くの人は今、「買収こそが救いだ」と確信している。あらゆる兆候を見る限り、資金コストは低水準に留まる公算が大きい。世界の標的企業には事欠かず、エネルギー等の分野では、政府が積極的に対外M&Aを推進している。企業が買収の軍資金として現金を貯め込んでいる為、自社株買いは今年急減した。斯くして、猛烈な買収攻勢が続くとみられる。だが、「取締役会の思考の変化がずっと続くか?」とか、「新たなM&A取引の習慣が、対象企業の適合性や買い手の能力にどの程度勝るのか?」といった面が、アベノミクスの退潮によって大きく試されることになる。日米双方の研究によれば、国境を跨ぐM&Aは長期的に失敗しがちなことが知られており、日本企業の冒険心の無いサラリーマン本能は特に大きな脆弱性を齎す。ある試算によれば、日本企業は今年3月期に、思惑通りに運ばなかった買収案件で、合計180億ドル以上の評価損計上を発表した。ブームの間、疑わしいM&Aに対する罰は一貫して軽かった。長期化する日本の対外M&Aラッシュと、この買収攻勢を先導する企業の株価は、安倍氏の首相就任以降、東証株価指数(TOPIX)の価値を2倍に膨らませた強気相場によって、真剣な監視の目から守られてきた。だが、一部の市場ストラテジストに言わせると、“安倍プレミアム”は急激に消え去る可能性がある。表面上進んでいる改革は、世論調査での首相の高い支持率と共に、アベノミクスの物語にとって常に欠かせないものだった。今やどちらも霧消した。「投資家が若し、『市場の活気は持続不能な操作の産物だ』と判断したら、より大きな災いが現実になる」と言う人もいる。2013年初頭以降、『日本銀行』は12.6兆円相当の上場投資信託(ETF)を買い入れることで、国内株式市場を支えてきた。同じ期間の外国人投資家による購入は13.8兆円だったが、日銀は9月末までに外国人の買いを抜く見込みで、アベノミクスの空想に致命的な打撃を与える可能性がある。『東京証券取引所』を傘下に持つ『日本取引所グループ』の清田瞭グループCEOは今月、「日銀が買い入れを継続したら“恒常的な歪み”が生じる」と警告した。猛烈な調整が生じた場合には、過去5年間の経験により、日本がM&Aに精力的だったのと同じくらい、M&Aに巧みになったかどうかに鋭い目が向けられるだろう。お粗末な買収への罰は厳しくなる。「1985年から2001年にかけて行われた日本企業のM&Aの内、成功したのは8%だけだ」と結論付けた同志社大学・松本茂准教授の著作は、役員室で必ず見かける本になった。『日本電産』のCEOで、著名なディールメーカーの永守重信氏は、大まかに「日本企業の買収の2%しか成功しない」とみる。その推測は重く立ちはだかる。日本の買い手企業にとって、高値掴み・シナジー(相乗効果)の欠如・ガバナンス(統治)の失敗が、最も一般的な落とし穴だ。アベノミクスに触発された3500億ドルの買収攻勢は、多くの企業がこうした穴に落ちるリスクを高めている。 (Leo Lewis)


⦿フィナンシャルタイムズ 2017年7月26日付掲載⦿

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偏っていた独メディアの難民危機報道――懸念を持つ人を顧みず、保守とリベラルの溝は深まる一方

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ドイツのメディアは、2015年の難民危機の際、あまりにも批判能力を欠いていたことで、アンゲラ・メルケル首相が自由に門戸開放政策を実施できるようにし、難民流入に危機感を募らせた人々が、当然ながら抱く懸念の代弁はしなかったことが、調査で明らかになった。フランクフルトの『オットー・ブレンナー財団』が委託作成した報告書によると、報道が過度に偏っていた為、同国のリベラル派と国家主義者・保守派との間のイデオロギー対立の溝を深める結果となった。報告書は、「2015年の秋の終わり頃まで、懸念や恐れ、抵抗感を持つ人が増えているのに、それを論じた社説は殆ど無かった」とした上で、「あったとしても、説教を垂れるようであり、(反移民感情が最も強い)東部では軽蔑した論調だった」と記している。

ドイツの週刊紙『ツァイト』のシニアエディターだったミヒャエル・ハラー氏が主導したこの調査は、ドイツのメディアが移民危機をどう扱ったかを最も総合的に分析している。調査は、「新聞各紙が、急進右派と、難民の流入で政治的な不安を抱いたり『社会に取り残された』と感じた世間一般の人々とを、全く区別しようとしなかった」と指摘。「(移民政策に)批判的な報道をするどころか、ジャーナリストは単に“政治エリートの見解やスローガンを取り入れた”だけだった」という。メルケル首相は2015年夏の終わりに、シリア、イラク、アフガニスタンでの戦争から逃れてきた何十万人もの難民の為に、ドイツの国境を開放する決断を下したが、ドイツのメディアのほぼ全てがこの決断を称賛した。各紙は、新たに生まれた“歓迎文化”に関する記事で埋め尽くされた。これを象徴するのが、2015年9月にミュンヘン駅に集まった群衆が、ハンガリーから到着した難民を出迎えて、お菓子や玩具を手渡す姿だ。報告書は、「歓迎文化は普通の庶民を“(窮地にある人を助ける)良きサマリア人”に変え、新参者に親切にするよう促す時にメディアの一部の部門が使う“魔法の言葉”のようになった」としている。だが、2015年の大晦日にケルンで起きた、主に北アフリカ出身の男たちによる女性への集団性暴行事件は、報道の転機となった。報告書は、「難民に関する記事の論調は、“より控えめ”で“懐疑的”になった」と指摘している。 (Guy Chazan)


⦿フィナンシャルタイムズ 2017年7月25日付掲載⦿

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【東京情報】 デブ税のすすめ

【東京発】ニューヨークから東京に戻ってきたフランス人記者が、うんざりした顔で言う。「帰りの飛行機で酷い目にあった。隣の席に凄いデブの白人が乗ってきて、ずっと酒を飲んでいるんだ。機内食のお代わりまでしていたな。暑苦しいし、臭いし、結局、一睡もできなかった」。アメリカ人記者が笑う。「貴男だって十分デブじゃないの。少しは食事制限や運動をしたほうがいいわよ」。デブに厳しい作今である。インターネットの掲示板には、「公共交通機関ではデブは運賃を倍支払うべき」といった意見が寄せられ、一部で論争になっている。アルバイトの小暮君が言う。「僕はデブは嫌いではありません。女性お笑いトリオの森三中も、オペラ歌手の森久美子も、痩せていたら味わいがない。デブタレントは、デブというだけで心が休まるんです。ドイツでもデブは人気で、“デブ”というテレビ番組があったくらいです」。所謂“デブ税”というものがある。イギリスでは、糖分を多く含む飲料に、2018年から“砂糖税”が導入される。飲料メーカーと輸入業者に対し、100ミリリットルあたり5%以上の糖分を含む飲料に課税するとのこと。増加し続ける小児肥満症や糖尿病患者を減少させるのが狙いだ。イギリス財務省は、2018年度の税収を5億2000万ポンド(約767億円)と見込んでいる。インドでも“肥満税”導入の動きがある。検討グループはナレンドラ・モディ首相に対し、ジャンクフード等への課税を2017年度予算に組み込むよう提言。対象となるのは、コレステロールを増やす飽和脂肪酸や、糖分・塩分を多く含む飲食物だ。

小暮君が資料を配りながら言う。「ソーダ税、つまり砂糖が沢山入った炭酸飲料に税をかける試みが、今、広がっています。フランスやメキシコ、それにカリフォルニア州バークレー市も導入している。ハンガリーには“ポテトチップス税”があります。スナック菓子等の塩分や糖分が多い食品に税をかけるのです。なお、アラブ首長国連邦のドバイでは、1㎏痩せると金1gが貰えるそうですよ」。病気が減れば社会保障費の削減に繋がるし、税収が健康関連予算に使われるなら悪いことではない。デンマークは、飽和脂肪酸が多く含まれる乳製品・肉類・加工食品等に“脂肪税”をかけていたが、導入後1年ほどで廃止した。近隣国のドイツに国民が買い物に行くようになり、期待した効果が得られなかったからだという。しかし、島国の日本では、その心配はないだろう。フランス人記者が唸る。「世界保健機関が推奨する1日あたりの糖分摂取量は、砂糖に換算すると25gほどだ。約40gの砂糖が含まれる炭酸飲料なら、1本でアウトだな。俺は以前調べたことがあるが、砂糖に税をかけるのは中々難しい。政府は製糖メーカーの輸入原料に調整金を課し、国内のサトウキビ農家を保護している。ここに更に税金をかけようとすると、砂糖の業界団体が猛反発するんだ」。今でも鮮明に覚えているが、1966年に英国海外航空の飛行機が、富士山の2合目に墜落した。私は取材の為、車で富士山に向かったが、麓から先は入れなかったので、自衛隊のトラックの荷台に乗せてもらうことにした。幌を外すと、荷台には空の棺桶が積んであった。墜落現場には乗客の死体や荷物が散乱していた。自衛隊員は肉片を回収して棺桶の中に入れていたが、「これはどういうことだ? 3人分はあるぞ」という声が聞こえた。後の報道でわかったが、日本からイギリスに帰る団体観光客の中に凄いデブがいたのだ。海外旅行が珍しい時代だったので、ツアー参加者の集合写真が残っており、右端に写っている男を見て、「確かに棺桶も3人分必要だ」と思ったものだ。

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【管見妄語】 頑張って下さい、ありがとう

『新党大地』代表の鈴木宗男氏の長女で、衆議院議員無所属の貴子さんが、つい先日、第一子を9月中旬に出産予定と、自身のブログで報告した。その中で、「実は今月に入ってすぐの検診で、切迫早産との診断を受け安静生活を続けております」と述べ、現在療養中であることを明らかにした。産婦人科に何故か詳しい私が解説すると、妊娠37週から42週までに生まれるのが正期産で、それより早いと早産と呼ばれる。切迫早産とは早産一歩手前ということで、早産でも育つことは育つが、未熟なので、薬を飲んだり安静にして、早産を防ぐことが大切となる。この貴子さんの下に祝福の声が多く寄せられたが、中には「国会議員の任期中に妊娠とは如何なものか?」「公人としての自覚が足りない」等というのがあったらしい。「こんな暴言を吐く人間が未だいるのか」と驚いた。大手出版社の編集者で、私の信頼していたKさんは、第一子を産み、10ヵ月ほどの産休を取り、職場に復帰して1年ほど経った先日、唐突に辞職した。Kさんは多くを語らないが、「働きながら充分な子育てをするのが、この国では難しい」と淋しそうに言った。あれほど優秀で健康でやる気満々だった彼女がそう感じたのなら、子育てをしながら働く女性の大半は、そう感じているのではないか。貴子さんが受けたような心ない言葉を、毎日、16時に退社して保育園に向かっていたKさんも受けたのかもしれない。安倍政権の謳う“女性が輝く社会”では、「女性の社会進出や雇用促進を目指し、男性優位の雇用環境を改善する」と言っているが、実態は未だこんなものである。抑々、“女性が輝く社会”は女性に評判が悪い。私と付き合う幾多の女性たちに聞くと、「どうせ少子化に伴う人手不足対策でしょ」とか、「女性を安価な労働力としか見ていないのに女性尊重の振りをしている」等と言う。財界の要望を受けた政府が捻り出した巧言に過ぎないのだろう。

“1億総活躍社会”だって同類だ。小泉竹中政権は「官から民へ」「小さな政府」「聖域なき構造改革」「自民党をぶっこわす」等と、空虚な、しかも間違ったスローガンを掲げ、国民を煽った。政治家の常套手段である美辞麗句の裏側にあるものを、国民は読み取らねばならない。私が強く支持する“戦後レジームからの脱却”のほうは、安倍首相にしかできないのに、一向に進展しない。女性は出産・育児・介護という、人間の生死の場において中心的役割を担っている人々なのに、相当する敬意を受けていない。私の学生の中には、就職試験で「産休・育休のリスクがある貴女は採用しません」と言われた者もいた。出産と育児は、自己犠牲や献身とも言える膨大なエネルギーを要する。子供は日本の未来そのものだ。子育てが“国家への最大の貢献”という意識が国民に共有されない限り、“女性が輝く社会”は無い。少子化対策として移民導入等が考えられているが、その場凌ぎの対症療法に過ぎず、将来に禍根を残す結果となるのは、混沌の坩堝となったヨーロッパを見れば明らかだ。本質的な対策とは第一に、若者が結婚できるように正社員を増やすことである。第二は、「苦労して産み育てた我が子が将来幸せになれる」と確信できる社会にすることである。現在の競争・評価・残業という窒息しそうな労働環境を変えることだ。毎日の勤務後に家族団欒を持てるようにすることと言ってもよい。第三は、出産育児に携わる全ての女性に対し、“子育て手当”の付与とか勤務時間の短縮等で敬意を示すことである。最近、街を歩いていて、大きなお腹の女性を見る度に、「頑張って下さい、ありがとう」と心の中で叫ぶ。べピーカーを押すお母さんを見ると、母子に微笑みかける。前と後ろの席に幼児を乗せて全力で自転車を漕ぐお母さん等を見ると、「祖国の為にありがとう」と感涙に咽びそうになる。


藤原正彦(ふじわら・まさひこ) 数学者・お茶の水女子大学名誉教授。1943年、満州国生まれ。東京大学理学部数学科卒。同大学院理学系研究科修士課程数学専攻修了。ミシガン大学研究員・コロラド大学ボルダー校助教授等を経て現職。著書に『藤原正彦の人生案内』(中央公論新社)・『この国のけじめ』(文藝春秋)等。


キャプチャ  2017年7月27日号掲載

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【誰の味方でもありません】(12) 住めば都もラクじゃない

いつの時代も、権力者たちは“大きさ”や“高さ”を求めてきた。江戸城からベルサイユ宮殿、ピラミッドまで、権力者のシンボルとなる建築物は、多くの場合、巨大だ。一般人に威圧感を抱かせ、権力に対する尊敬を育む手法なのだろう。最近、奈良県明日香村の甘樫丘へ行ってきた。ここには、乙巳の変(大化の改新)で中大兄皇子や中臣鎌足に滅ぼされた蘇我氏の邸宅があったとされる。「蘇我家は天皇家以上の権力を持っていた」という説に納得してしまうくらい、飛鳥の町並みが一望できる場所だった。しかし、景色はいいのだが、丘だけあって、上ってくるのはそこそこ大変。丘の上で休んでいたら、中学生軍団が現れた。「放課後に友情ごっこでもするのか?」と思ったら、部活でのトレーニングに甘樫丘が使われているらしい。蘇我さん、貴男たちの権力の象徴が、身体を鍛える場所として使われていますよ…。勿論、蘇我の氏族たちが自分の足で歩いていたとは思えない。それでも、上り下りに時間は要した筈。朝廷への通勤時間が丘の高さ分、余計にかかっていたことになる。考えてみれば、これは現代のタワーマンションも同じだ。一時期はセレブの象徴だったタワマンだが、高層階ほどエレベーターの昇降に時間がかかる。タワマン住民は、部屋からの景観と引き替えに、毎日多くの時間をエレベーター内で費やしているのだ。

高いところに住むのも楽ではない。大化の改新を経て、律令国家の完成を目指した古代日本。ミヤコも飛鳥から移っていった。有名なのは平城京と平安京だが、どちらもとんでもなく広くて立派なミヤコだ。例えば、平安京には“大路”と呼ばれる幅30mの道が16本もあった。今でいう約9車線分にあたり、何と現代の国会議事堂前の正面道路ほどの広さである。唐風の都城をパクって、新制日本の権威を高めようとした訳だ。しかし、当然、そんなインフラを維持するのは不可能だった。桃崎有一郎さんの『平安京はいらなかった』(吉川弘文館)に詳しいが、大路も結局は牛馬の放牧地になっていたらしい。平安京全体で見ても、10世紀末の段階で4分の1しか稼働していなかったという。大いなる無駄なミヤコだった訳だ。天皇家の私的空間である内裏も、室町時代までには極小化していた。一時期の面積は半町ほど。平安期における、ちょっと羽振りのいい受領の家よりも小さい。しかし、内裏がここまで狭くなったことに対して、不満の声は上がらなかった。寧ろ、予てから「内裏が広過ぎて不便だ」と批判され、その縮小が何度も提案されてきたという。“身の丈に合う”という言葉がある。しかし、人体としての“身の丈”は、権力者も一般人もそれほど違いがない。巨大過ぎるものは、やはり不便なのだ。インターネットやVRが発達して、座ったままできることが格段に増えた現代。広くて高いことに価値が無くなる日も訪れるのだろうか。


古市憲寿(ふるいち・のりとし) 社会学者。1985年、東京都生まれ。東京大学大学院博士課程在籍。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。著書に『希望難民ご一行様 ピースボートと“承認の共同体”幻想』(光文社新書)・『絶望の国の幸福な若者たち』『誰も戦争を教えてくれなかった』(共に講談社)等。近著に『大田舎・東京 都バスから見つけた日本』(文藝春秋)。


キャプチャ  2017年7月27日号掲載

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