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毒を毒で制してきた『日本ボクシング連盟』山根明元会長排除でアマチュアボクシングの未来は潰える!

まさに“ザ・老害”。スポーツ界において不祥事が相次ぐ中、極めつけの人物が登場した。『日本ボクシング連盟』の山根明元会長である。何故、山根氏がボクシング界のドンとして君臨していたのか? その理由は、アマチュアボクシング界の歪な構造にあった。 (取材・文/フリーライター 西本頑司)





20181031 10
何とも強烈な御仁であった。勿論、“男・山根”のことである。2018年7月31日、日本ボクシング連盟に関わるアマチュアボクシング関係者333人が、連盟の終身会長であった山根を告発した。“アスリート助成金の不正流用の教唆及び隠蔽”・“試合用グローブ等の不透明な独占販売”・“公式試合における組織的な審判不正”・“山根会長の暴行疑惑”等、13項目に亘る山根による連盟の私物化の実態が暴露されたのだ。そこでメディアに登場したのが、ヤクザ顔負けの言動を繰り返す“男・山根”。ワイドショーの生出演中に突如、「ヤクザに脅された」だの「ボクシング歴は無い」等と何故かファイティングポーズをとり、会長辞任会見では4人目の妻に口を押さえられて退場する等、この胡散臭さ満載の御仁が、あろうことかアマボク界のドンであったという事実に、世間は驚愕した。実際、“男・山根”のエピソードは事欠かず、アマ大会では自身専用の特大革張りチェア、大会役員が山根用の“おもてなしリスト”を基に必死に接待。会長が奈良県連盟出身というだけで奈良出身の選手を贔屓する“奈良判定”等々、如何にもヤクザチックな話ばかりが出てくる始末。それだけに、2012年のロンドン五輪で48年ぶりの金メダルを齎したボクシング界の英雄である村田諒太もすぐさま参戦し、山根体制の連盟を「リング外の敵だった」と痛烈に批判した。「先ず、五輪強化指定選手の助成金の流用だけで公費の私的流用にあたるわけで、辞任案件ですよ。連盟指定の用品を高値で売りつけていた件でも、その振込先が孫の口座だったのは、『指定暴力団の構成員の為に自分の預金口座が作れなかったのでは?』と言われており、暴力団関係者説の疑惑は増すばかりです」(ボクシング専門誌編集長)。

ともあれ、世間から大バッシングを浴びた結果、騒動発覚から10日足らずで終身会長という絶対的な地位をあっさりと引きずり下ろされ、ボクシング界の“膿”は排除された。多くの人が、「今後、アマチュアボクシング界は正常化する」と考えていることだろう。ところが、である。アマボク界では、「山根の退陣で日本のアマチュアボクシングは崩壊する」と心配する声のほうが大きいのだ。先の専門誌編集長もいう。「山根は、腐り果てたアマボク界にとって必要悪というか、山根という毒でアマボクという毒を制していた。山根という強力な毒を失った日本アマボク界は、これから腐り果てていきますよ」。山根の存在がアマボク界を“正常化”させていたというのだ。山根が連盟の表舞台に登場するのは1983年。それ以前の経歴は韓国の『聯合ニュース』が詳しい。1994年に広島で開催された『アジア大会』関連のニュースで、「日本ボクシング界の重鎮が在日同胞」と、その経歴を含めて大々的に報じたからである。「これらの情報から、戦前、日本に出稼ぎにきた韓国人家庭で大阪に生まれ、6歳の時に日本が敗戦して釜山に帰国。10歳だった1950年に朝鮮戦争で密入国、1980年に日本に帰化したことがわかっており、本人もそれを告白しています」(山根を取材する週刊誌記者)。学歴も無い韓国出身者だけに、ボクシング歴が無いというのも当然であろう。そこで信憑性が高まるのが“暴力団関係者説”である。山根は8月3日、朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)に生出演した際、元暴力団の森田組長から脅されたことを告白。『森田組』は三代目山口組系の大阪の二次団体であり、興行関係を得意としてきただけに、先の週刊誌記者も「17歳から森田組の構成員だったといわれている」と話す。「これまで、ヤクザとボクシング界の関係は、有望なアマ出身選手を自分たちに近いジムに入れるよう脅したり、カネを出したりといった国内の話でした。ところが冷戦崩壊後、ロシアを筆頭に旧東側諸国のアマボクが急速にマフィア化していったんですよ。世界大会やオリンピック等のボクシング会場では、世界各国のマフィアが勢揃いするような状況でして、今やAIBA(国際ボクシング協会)は国際的な犯罪組織の社交場と言っていいほどです」(前出の専門誌編集長)。これは大袈裟な話ではなく、2018年1月にアメリカ財務省は、AIBA会長代行に就任したウズベキスタンのガフール・ラヒモフ氏を「ゆすりや自動車窃盗、ヘロイン売買にも関わる重大な犯罪者だ」と認定したほど。AIBA幹部の多くが、其々のマフィア組織の代理人と目されているらしい。

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テーマ : スポーツニュース
ジャンル : ニュース

【コラム】 未熟なガバナンスが生む不祥事

スポーツ界で不祥事が相次いでいる。多くの場合、強い意志を持った選手が必死に訴えることで問題が明らかになっている。監督を強める方向で、国も検討を始めるとのことだ。個人の誤った言動を責めればいいというものではない。非営利法人・大学・病院・宗教団体といったあらゆる組織において、ガバナンスの未熟さという構造問題が横たわるからだ。例えば大学の場合だと、多くは学長や理事長、或いはその両者を兼ねる総長への権限の過剰な集中と、モニタリング機能の弱体化という問題を共有している。「経営的観点が足りない」等といって、ともすれば学問研究へ思いの足りない経済人が乗り込んでくるような対策が取られがちなのも、大学のガバナンス自体が未熟で、対症療法しかできないからだろう。コーポレートガバナンスは企業統治と訳される。これは決して不祥事防止策や株主価値最大化の為の仕組みではなく、経営を握る者による支配が正当かどうかの根拠となり得る問題である。そこで求められるのは先ず、少数意見の尊重だ。少数意見は、安易な多数意見が幅を利かせる中で、何らかの根拠をもって主張されている。結果的に多数意見より正しいことも多い。取締役会や理事会等において一定数の外部者が必要なのは、彼らが少数意見を述べてくれるからだ。「どうせ余所者にはわからない」等という感覚こそ、悪いガバナンスの発生源である。経理や意思決定のプロセスを中心に、記録を作成して長期保存する体制も重要だ。これができていない組織には不正があると考えて間違いないだろう。昨今の官僚組織の劣化は、この点を見るだけでもわかる。トップによる公開の場での質疑が保証される必要もある。トップが記者会見等に出席せず、説明を避けるような対応は、それだけで疑惑の正しさを自ら証明しているようなものだ。不正行為等に関する通報制度に第三者を関係させるといった方策も、真剣に検討されるべきだ。各組織の固有の理念や事情が尊重されるべきなのは当然だが、共有すべきガバナンスの水準というものがある。外部に対して理念や事情を明快に説明できるかどうかは、組織の存立基盤である。 (盤側)


キャプチャ  2018年10月20日付掲載

テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

【日本の聖域】(43) 南京大虐殺――有名作家も地雷を踏んだ絶対タブー、右翼と左翼による永遠の“百家争鳴”

20181031 09
2004年、『週刊ヤングジャンプ』で連載されていた『国が燃える』(画/本宮ひろ志)において、南京の一般市民を日本軍が機銃掃射する等のシーンが掲載された。発売後、直ぐに政治家・歴史家・民族派団体等から「参考資料や描写が捏造である」との非難が殺到し、休載に追い込まれた。現在でも史実を巡って度々論争が起きている南京大虐殺が起きたのは1937年。盧溝橋事件に端を発する日中戦争は拡大し、同年12月の南京攻略戦で一大局面を迎える。12月13日に南京は陥落し、その後、6週間に亘り、日本軍が一般市民・中国軍の捕虜・中国語でゲリラを意味する便衣兵等を殺傷したとされる行為が南京大虐殺と呼ばれる。中国政府は、死者が30万人、日本兵によるレイプの被害者も8万人に及ぶと主張している。南京では、『南京大虐殺記念館』が2007年12月13日にリニューアルオープンした。虐殺で亡くなったとされる人骨を始め、『中国の旅』で南京大虐殺を告発し、中国共産党にとっては“御用ジャーナリスト”である『朝日新聞』の本多勝一記者の写真や、既に“虚構”とされた、南京陥落前に100人斬り競争をしたという日本軍士官の写真等、虐殺とは関係のない写真を展示してまで、30万人を超える犠牲者を認めさせようと必死なのだ。

1997年には、中国系アメリカ人のアイリス・チャンが出版した『The Rape of Nanking』が、アメリカで9万部の大ベストセラーとなった。この本は未検証の写真を誤用する等、中国政府のプロパンガンダが色濃く反映されたものだ。出版から7年後にアイリスは自殺。彼女は内容の誤りを気にして鬱状態になっていたともいわれ、南京大虐殺という素材の持つ影響力の大きさを物語っている。中国側の主張に対して、日本側では中国の片棒を担ぐ左翼と、それに反する右翼の主張があり、一筋縄ではいかず、大虐殺肯定派から、果ては全く無かったという“幻派”まで存在していて、まさに百家争鳴の状態である。1930年代当時、国民党の御用商人として南京に駐在し、中国寄りの姿勢を見せていたドイツ人商社員のジョン・ラーベ氏は、ドイツへの帰国後、アドルフ・ヒットラーへの上申書の中で、「南京での犠牲者は5~6万人ではないか」と記していた。中国政府の主張する30万人と大きな隔たりがある。因みに、当時の南京の人口は20万~30万人程といわれていて、中国側の主張には無理があると言わざるを得ない。中国が南京大虐殺を政治的な“道具”として利用していることもあり、30万人という数字は、中国共産党が存在する限り、増えることはあっても減ることはないだろう。 (ノンフィクションライター 八木澤高明)


キャプチャ  キャプチャ

テーマ : 右翼・左翼
ジャンル : 政治・経済

『日本経団連』中西宏明会長への失望広がる…『日立製作所』が要請した加盟社アンケート

20181031 08
就任から3ヵ月が経過した『日本経団連』会長の中西宏明氏(※『日立製作所』会長・左画像)の周辺が、財界での“中西評”を探っている。今年の夏季フォーラムの前後には、「経団連事務局に対し、加盟社へアンケートを取るよう、日立側から要請があった」(財界担当記者)。アンケートの指示など「前例が無い」(同)為、事務局側に戸惑いが広がった。しかも、出所は中西氏本人ではなく、「広報経由で日立役員からの要請だった」(同)という。別の記者は、「前任者の榊原定征氏が『安倍晋三首相べったりだ』という批判を受け続けたので、評判を気にしているのだろう」と分析する。何かと安倍政権に追随してきた榊原路線との決別を期待されているとの思いがあるようだ。その中西氏は当初、「安倍政権に物申す」と威勢が良かったが、参議院の定数6増については明言を避ける等、見事な有言不実行。財界内部からは、「原発事業を抱えながら政権批判などできない」との声も出始めている。だからこそのアンケート要請だろうが、会長出身社の肝の小ささが露呈し、「久しぶりの本格財界総理を」との呼び声は急速に萎みつつある。


キャプチャ  2018年10月号掲載

テーマ : 経済ニュース
ジャンル : ニュース

携帯電話料金4割値下げ発言…菅義偉官房長官の“先兵”に業界の悲鳴

20181031 07
携帯電話事業者への競争政策を担う総務省の総合通信基盤局長に谷脇康彦氏(※右画像)が就任し、携帯電話各社は戦々恐々だ。折しも自民党総裁選を控え、安倍晋三首相の三選を狙う菅義偉官房長官は、「携帯各社は公共の電波を使っているのに儲け過ぎだ。利用料金の4割は下げる余地がある」と断言する。谷脇氏はその先兵なのだ。谷脇氏は10年程前、総合通信基盤局事業政策課長として、携帯電話の端末販売奨励金の廃止に加え、端末価格と通信料金の分離といった新しいプランを策定した。その後ろ盾となったのが菅氏その人だった。ところが、この改革で端末価格が高額となり、端末の販売台数が減少。日本の電機メーカー大手が携帯電話市場から撤退し、“谷脇不況”と揶揄される状況を作り出したと、業界関係者は今も嘆く。ただ、一連の競争政策が携帯電話料金引き下げの効果を齎すたのも事実。携帯電話事業者の間では、「利用料金の値下げは国民にわかり易く響くだろうが、我々にとっては“もらい事故”のようなもの。4割も引き下げられては、会社も業界も立ちゆかなくなる」と、悲鳴と反発の声が交錯している。


キャプチャ  2018年10月号掲載

テーマ : 政治のニュース
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大手電力のメンツを潰す『Jパワー』…新電力との提携に怒りの『関西電力』・『中部電力』

20181031 06
卸電気事業を生業とする『電源開発(Jパワー)』が、敵対関係の新電力『エナリス』に出資して小売りへの参入を決め、大手電力の怒りを買っている。「これまでの恩を仇で返された」と憤激する急先鋒は『関西電力』。Jパワーは『KDDI』と組んでエナリスに株式公開買い付けをすることになったが、KDDIは電力・ガス事業で関電と蜜月関係にある。電力業界関係者によれば、「Jパワーは関電に無断でKDDIと組むことを決め、関電はメンツを潰された」。この関係者によれば、『中部電力』もJパワーへの憤りを露わにしている。Jパワーは立て続けに、『鈴与商事』という会社との新電力設立も発表した。鈴与は静岡を地盤にする企業で、Jパワーが中電の法人顧客を奪おうとしていることが窺える。別の電力関係者は、「Jパワーの電源は価格競争力があり、自分の力を過信している。石炭火力発電に偏った電源構成は大きなリスクで、大間原子力発電所という爆弾も抱える。顔に泥を塗られた関電と中電も黙ってはいまい」と話す。Jパワーは元々、国の特殊法人で競争とは無縁だが、関電や中電も微温湯体質で大同小異。“Jパワーvs大手”のバトルの行方に注目が集まる。


キャプチャ  2018年10月号掲載

テーマ : 経済ニュース
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中国企業がイスラエル港湾の管理権獲得…アメリカの同盟国でも『一帯一路』拡大





20181031 05
中国企業がアメリカ海軍第6艦隊の寄港地で、イスラエル最大の港湾であるハイファを25年に亘り管理・運用する権利を獲得し、アメリカ海軍を慌てさせている。中国の港湾管理最大手『上海国際港務(集団)股份有限公司(SIPG)』が、イスラエル運輸・交通安全省との間で2021年から、刷新される港の一部を運用する権利を獲得した。中国は『一帯一路』に沿ってイスラエルを重要拠点と見做し、SIPG等が年間1500億ドルを投じてイスラエルでインフラ建設を進めており、港湾管理もその一環となる。しかし、地中海を管轄する第6艦隊やペルシャ湾に展開する第5艦隊にとって、ハイファは海洋戦略に不可欠な戦略拠点となってきた。イランとも密接な軍事関係を持つ中国の企業が港の運用を担当すれば、アメリカ海軍の動きが筒抜けとなり、中東戦略に支障を来すことになる。対中経済関係を重視するイスラエルと中国の貿易額は近年急増しており、今回は実利が最優先された。アメリカ海軍は蚊帳の外に置かれ、イスラエルの対中傾斜を懸念している。

                    ◇

チベット亡命政府が存在するインドで、難民キャンプに暮らす亡命チベット人が、この7年でほぼ半減していることがわかった。『Voice of America』中国語版がインド現地報道として伝えたところによると、インド国内45ヵ所の難民キャンプに居住するチベット人は、7年前には15万人を数えたが、最新統計では8万5000人だった。大多数がアメリカ等へと更に移住、一部が中国のチベット自治区へと帰国しているとみられるが、詳細は不明だ。インドは、1959年のダライ・ラマ亡命政府成立以降、チベット人を受け入れたが、難民ではなく外国人として分類。彼らの就業や不動産取得の斡旋をしてきた。つまり、“受け入れはするが定住は認めない”という姿勢の為、多くのチベット人が逃げ出している格好だ。2014年以降、基準に合格した者のみに民間・非政府分野での就業が認められるようになったが、それを選ぶのは一部に留まっている。

                    ◇

中国が一昨年、一人っ子政策を終了したことで、人口計画部門の公務員少なくとも50万人がリストラの危機に直面しているという。『台湾中央通信』等によると、人口計画を主管する『国家衛生健康委員会』の計画出産部門等が統廃合され、転属やリストラが進んでいるようだ。同委員会の下部組織である『計画出産協会』は全国に約4万ヵ所あり、関連従事者を加えると、1000万~5000万人にリストラの波が襲うとの推測もある。一方で、一人っ子政策違反には罰金が科されたが、巨額の罰金総額が追跡不能になっていることが報道され、政治問題に発展する可能性がある。

                    ◇

中国でアフリカ豚コレラの感染が拡大し、これまでに4万頭近くが殺処分されたが、中国共産党の機関紙『人民日報』傘下のサイト『人民健康網』が先月、「人に感染しないので、安心して食することができる」と食用を奨励し、国民の猛反発を買っている。ロシアから伝播したこの菌は、確かに人には感染しない。しかし、中華料理に欠かせない食材とあって、消費者にパニックが広がった。「コレラ豚を中南海に送り、幹部が食べる見本を見せてほしい」といった強烈な皮肉も投稿され、最終的に消費推奨記事は削除された。

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テーマ : 中朝韓ニュース
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【地方銀行のリアル】(19) 埼玉縣信用金庫(埼玉県)――海外不正送金18億円の大罪





20181031 03
埼玉県のほぼ中央に位置する比企郡ときがわ町。そこに本社を置く自動車輸出入会社の社長を名乗る男が、最初にその信用金庫の窓口に姿を現したのは、約2年半前。2016年5月のことだった。来店の目的は海外送金。「仲介貿易で輸入した中古船舶・砂糖・コメといった商品の代金を、相手先の銀行口座に振り込みたい」という依頼だった。その銀行と取引がなかった信金では早速、コルレス契約のある某メガバンクに送金の実務を委託。全ての手続きはマニュアルに沿って流れ作業的に行なわれ、送金処理は滞りなく完了した。だが――。熊谷市を本拠とする『埼玉縣信用金庫』、通称“さいしん”が今、マネーロンダリング騒ぎに揺れている。発覚したのは今年2月の内部監査。男が送金を依頼した資金の出所がはっきりしない上、受取先の法人の実態も不明といった処理例が相次いで見つかったのだ。さいしんでは泡を食って金融庁に報告。同庁が確認したところ、送金先の国や取扱商品が異なるのに同じ金額が同時に振り込まれている等、多数の不審点が浮かび上がってきたという。更に確認作業を進めると、受取人の住所が架空だったり、北朝鮮系企業との取引が指摘されている相手先だったりした送金も判明。男が記載した自動車輸出入会社の登記上の本店所在地には、全く無関係の中古車修理・販売会社があり、ペーパーカンパニーだったこともわかった。しかし、時既に遅し。内部監査で問題が見つかって、さいしん側が慌てて取引を打ち切るまでに繰り返された不正送金は、何と計23回。総額で約18億7000万円にも上るカネが「闇組織に流れる形」(金融庁筋)となった。

実は、さいしんでは今年1月、海外送金業務の担当セクションが件の男と一度面談を行なっている。「昨年12月以降、送金の頻度が一気に増え、送る金額も急激に膨らんでいた」(関係者)からだ。送金相手国が香港やインドネシア、台湾から、果てはアラブ首長国連邦(UAE)やブラジル等にまで及び、「貿易そのものが架空ではないか?」との疑いを抱いたことも理由だろう。ただ担当部署では、「バングラデシュ出身で、昨年に日本国籍を取得。バングラデシュの商社の代理人をしている」といった男の説明を真に受けて、取引を継続。結果的に傷口を広げてしまったらしい。「少しでも疑念を抱いたなら、逸早く実効性のある調査に踏み切るべきだった。男が社長をしているとする会社を実際に見に行くだけでも、その後の資金洗浄を食い止められた筈」。金融庁関係者の1人は脇の甘さをこう詰るが、後の祭り。同庁では先月中旬からさいしんの立ち入り検査にも着手。橋本義昭理事長ら経営陣に対し、法令順守体制の徹底を促す構えだ。グローバル化が益々加速する中で、さいしんの主要取引先となっている県内中小企業も、ビジネスの舞台を海外へと広げている。さいしんでもこれを受けて、『日本貿易振興機構(JETRO)』や『中小企業基盤整備機構』等の公的機関や、海外コンサルティング会社と相次ぎ提携。「企業の海外進出を支援」「貿易実務のサポート体制も充実」等と謳ってきた。しかし、自身のグローバル対応ができていない現実につけ込まれて、マネロンに手を貸す形になっただけに、内部からは「今後は“資金洗浄のサポート体制充実”とでも標榜しては?」といった自虐ネタも漏れる。さいしんは、熊谷・浦和・大宮等県内9市街地信用組合を糾合する形で、1948年2月に誕生した。1951年10月、信用金庫法に基づき信金に。2001年には、破綻した『小川信用金庫』の事業を譲り受けて業容を拡大。県内に張り巡らせた店舗網は本支店合わせて95店と、埼玉県内の地方銀行である『武蔵野銀行』の93店舗(※他県分を含めると98店)を凌ぐ。今年3月末の預金残高は2兆7021億円。川口・飯能・青木(※川口市)のライバル3信金を大きく上回って断トツだ。全国的にみても業界上位につけ、京都中央・城南・岡崎の“ビッグスリー”に次ぎ、多摩・尼崎等と共に四番手グループを形成。貸出金残高も1兆6343億円と、『埼玉りそな銀行』や武蔵野に次ぎ、県内シェア3位を誇る。規模ばかりではない。財務内容も「中々の健闘ぶり」(金融筋)。2018年3月期のコア業務純益は、前期比6.6%減の50.29億円。『日本銀行』によるマイナス金利政策等、超金融緩和の逆風が吹き荒れる中、2期連続の減益に陥ったとはいえ、地銀中下位行並みの水準だ。今年3月末の不良債権残高比率は1.65%。県内4信金中“無類”とも言える健全性で、5%前後とされる業界平均を大幅に下回る。地域金融機関がここ数年傾斜してきた外債投資等による含み損も50.39億円。ほぼコア業純の範囲に収まっている。相対的に堅調な業績を下支えしているのが、貸出金の伸びだ。2014年3月末に1兆3930億円だった貸出金残高は、マンション建設ラッシュや自動車部品関連企業の設備投資等域内の資金需要を取り込む形で、年々拡大。2015年3月末で1兆4535億円、2016年3月末には1兆5189億円となる等、ここ5年間で2413億円・17.3%も増加し、「利回り低下による利益水準の落ち込みを最小限に食い止めた」(さいしん関係者)のだ。

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テーマ : 地域のニュース
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【不養生のススメ】(19) 手術を拒否する勇気





20181031 01
『カイザーファミリー財団』のニュースに、長年、心不全や慢性肺疾患等様々な健康問題に苦しむマキシン・スタニッヒさん(87)の話がある。スタニッヒさんは“心肺蘇生の拒否(DNR)”を指示していたが、2008年、サンフランシスコに旅行中、息切れの為に緊急治療室へ運ばれ、胸部に除細動器が埋め込まれた。除細動器は、心臓の状態を常に監視し、危険性の高い頻脈が起こると直ぐに電気ショックにより、心臓の正常な動きを取り戻す為の装置だ。スタニッヒさんは、DNRにも拘わらず、緊急治療室の医師が除細動器を示唆した時に、説明の意味がよくわからずに同意した。何故なら、彼女の世代の多くのアメリカ人にとって、医師は神様で、決して医師に疑問を呈したことはないからだ。また、ウィスコンシン大学のマーガレット・シュワルツ准教授は、「高齢の患者は保険(※65歳以上を対象とした公的健康保険メディケア)が医療費の大部分を負担する為、手術の金銭的苦痛を感じないことが多い」と指摘する。除細動器の総費用は約6万ドルだが、除細動器が埋め込まれているアメリカ人の12%以上は80歳以上だ。こうしてアメリカでは、スタニッヒさんのように、人生の終わり近くに手術を受けることが、より一般的になっている。2011年のハーバード大学公衆衛生大学院の研究者らの、医学誌『ランセット』の報告によると、2008年に死亡した約180万2000人で、メディケアを利用する全米高齢者の約3分の1が、人生の最後の年に手術を受けていた。更に、5人に1人が人生の最後の月、10人に1人が人生の最終週であった。研究者らは、それらの手術の多くは不要で、患者が望まず、医療費を過剰に費やし、ヘルスケアシステムに害を及ぼすことを警告している。

更に高齢者は、手術で却って具合が悪くなることがある。バージニア大学の研究者らの報告によると、約7700件の手術における合併症の発症率や死亡率を解析した結果、加齢自体がそれらの重要な危険因子(※右上画像)であることが判明した。特に、体が弱っている高齢者にとって手術は脅威だ。「外科医は、多くの他の医師のように、命を守る訓練をしている。但し、高齢の患者は守るべき人生が短い。そこで、認知機能を維持して、独立した生活を送ること、自分自身の世話をすること――つまり、人生を生きる価値のあるものにすることという他の要素がより重要になる」と、カリフォルニア大学サンフランシスコ校高齢者外科センターのエミリー・フィンレイソン所長は『ニューヨークタイムズ』で語る。所長らは、全米約7万1000人のナーシングホーム(※NH…日本の特別養護老人ホームに近い施設)に住み、メディケアを利用する患者の手術後30日以内の死亡リスクを調査した。対象は、感染した虫垂の切除や胆嚢の摘出、十二指腸の出血性潰瘍、大腸憩室炎のような非癌性大腸疾患の手術だ。これらの病気は、数日間かけて最善の治療方針を決める癌等の病気と異なり、痛みの為、即時に治療を決めなければならない。すると、NHに住む虚弱な高齢者は、NHに住んでいないメディケアを利用する高齢者と比べて、手術によって却って死に追い込まれた。因みに、70歳以上のアメリカ人の3分の1以上が、人生のある時点にNHで過ごすと推定されている。具体的には、虫垂切除術・胆嚢摘出術・潰瘍の手術・大腸の手術の後、NH住民は其々12%・11%・42%・32%、NHに住んでいない高齢者は其々2%・3%・26%・13%が亡くなった。更に、たとえこれらの手術で生き残っても、NHの住民は、術後に何日間も息を吸う為の人工呼吸器、食べられない時の胃瘻、心臓の機能を監視する為の中心静脈カテーテル法という処置を受ける可能性が高まる。勿論、これらの痛みを伴う処置は余計なリスクを齎す。実際、病院に入院する高齢者のかなりの割合が、目的の病気が上手く治療されても、決して身体や精神的な能力を完全に回復しない。フィンレイソン所長はニューヨークタイムズに、「NHに住む高齢者は、独立して生きる為の強さ・機能・エネルギー・活力が無いことを実証した」という。

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テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

破綻招く“限界現場”、KYB問題で浮上

20181030 10
検査データを改竄し、国の認定に適合しない免震装置を出荷していた『KYB』。今月19日には、改竄の疑いのある装置が設置された70件の公共施設名を公表したが、それも987件の内の7%にすぎない。マンション等住居は未公表の為、波紋は広がる一方だ。市民の不安を募らせる今回の不正の手口は2つ。1つは、建築基準法で免震ダンパーに求めている“性能が基準値の±15%以内”という規定や、社内で個別に設けていた“±10%以内”という許容範囲を超えた製品に対する偽装だ。何れも規定内に収まるようにデータを改竄していた。もう1つが、規定内の製品であっても、より基準値に近くなるようにデータを書き換えていたケースだ。規定内に収まっていた製品ですら手を加えていたわけだ。その理由について、KYBの齋藤圭介専務執行役員は同日の会見で、「(顧客が工場の視察に来た時に)規定ぎりぎりの数字だと『何故なんだ?』と質問されることが多かったようだ。それでデータの見栄えを良くしようとしたと考えられる」と話した。

『三菱自動車』で発覚した燃費データ改竄でも同じようなことがあった。社内で定められた高い燃費目標があり、それを達成しようとデータを書き換えていた。安全や性能を担保する為の基準が、顧客にアピールする為の基準になっていたわけだ。これだけでも現場の規範意識の乏しさを裏付けるが、問題の根っこには、極限まで負荷が高まった“限界現場”を経営陣が放置してきたこともあるだろう。『日産自動車』の検査不正や『神戸製鋼所』の品質不正で見られた構図だ。KYBの場合は、2004年の新潟県中越地震以降の免震装置の需要拡大に対し、当初1~2人だった検査員を5人に増やし、検査に必要な設備も2台から3台に増やしたとする。だが、それも不十分だった。ネックになったのは基準を満たさない製品への対応だ。KYBでは装置を分解して修正するようにしていたが、一連の作業にかかる時間は5時間。これでは、その日の生産計画を達成することも難しい。人員を増やしていれば、現場が偽装することはなかったかもしれない。対岸の火事ではない。2019年4月から働き方改革関連法が順次施行されるのを控え、どの企業も残業抑制や有給休暇の取得率向上といった取り組みが強く求められている。“限界現場”への適正な人員配置や設備投資を伴わずに働き方改革を唱えれば、現場は破綻しかねない。KYBの不正は、現場の検査員の内部告発で発覚したという。この検査員は本人の希望で既に退職しており、告発に踏み切った理由は不明だ。ただ、告発が人手不足に対する不満からだとすれば、働き方改革が本格化する今後、同様の悲鳴があちこちで上がる可能性は否定できない。 (取材・文/本誌 池松由香)


キャプチャ  2018年10月29日号掲載

テーマ : 経済ニュース
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George Clooney

Author:George Clooney

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