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【テレビの裏側】(49) ダウンタウンからのりPまで出演…インターネット配信番組が活況な理由

2009年に覚醒剤取締法違反で有罪判決を受けた酒井法子(47)が、『DMM.com』が配信を予定しているドラマ『蛇の道は蛇(仮)』で、約10年ぶりに連ドラ復帰することになった。「最近は動画配信会社がオリジナルドラマ制作に力を入れています。インターネット系はスポンサーを気にしなくていいので、スキャンダルを起こしたタレントの再起の場にもなっている。のりPが出てくれるとあれば、配信会社は大歓迎でしょう」(キー局制作スタッフ)。『AbemaTV』の躍進ぶりを受け、『Amazon.com』や『NETFLIX』等の動画配信会社が、『ダウンタウン』や元『SMAP』の稲垣吾郎(44)等大物タレントの起用に踏み切っている。「Amazonは、目玉企画には制作費や宣伝費を惜しみなく使う。浜田雅功ら人気芸人十数人を起用した車バトル番組の戦闘車シリーズなんて、現在の民放の資金力では不可能でしょうね」(制作会社ディレクター)。インターネット配信番組の隆盛は、芸能プロダクションにとっても追い風だ。『吉本興業』は複数の動画配信会社に出資して、番組を制作している。「嘗て吉本は、スカパーにお笑い専門チャンネルを開局。約8年で大赤字を抱えて撤退した苦い経験がある。だから出資という形をとっているのですが、元々やりたかった分野なので積極的ですね。特に力を入れているのが、NTTぷららと共同で運営している動画配信サイトの大阪チャンネル。NTTがバックについているので、予算も潤沢。若手芸人は、『地上波の倍ぐらいギャラが貰えた』と喜んでいますよ」(放送作家)。

『TikTok』等の動画配信SNSも美味しい仕事だ。「SNSでの発言が即、購買に繋がるようなカリスマ的人気があるタレントともなると、1回の投稿につき数百万円というギャラが発生するケースがあります」(レコード会社スタッフ)。動画配信ブームに乗り遅れまいと、レンタル大手の『TSUTAYA』も『TSUTAYATV』に力を入れ始めたが、前出のディレクターによれば「業界では負け組のレッテルを貼られている」という。「サービス開始当初は、TSUTAYA側が番組制作に口を出し過ぎて大コケ。他社の真似をして大手芸能事務所と組むことにしたのですが…。11月16日からTSUTAYAプレミアムで配信が始まったのは、中尾明慶メインの親子お料理バラエティーでした。どの視聴者層にも“引き”がないでしょ、これ(笑)」。インターネット配信番組の最大の特徴はシビアさだろう。視聴者数が細かく把握できる為、不採算番組は直ぐ打ち切りになる。「民放のように1クール(=3ヵ月)単位で番組を作っていないから、見切りが早い。数字が悪いと制作費やギャラはシビアにカットされます。同業他社が増えているので、競争も激化していますね」(キー局プロデューサー)。本当に面白い番組だけが残るから、視聴者はインターネット配信番組を支持するのだ。


キャプチャ  2018年12月7日号掲載
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テーマ : テレビ・マスコミ・報道の問題
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中国地方当局が民間企業に労組幹部派遣…懸念される経営への“介入”





20181130 17
中国では、民間企業の労組幹部として、地方当局が人材を派遣する動きが一部で始まっている。『サウスチャイナモーニングポスト(SCMP)』によると、この動きが出始めているのは山東省青島市。同市当局は近く、市内民間企業92社に対し、労働組合設立準備の為に同市政府職員を派遣することを決めた。また労組設立後には、この職員が“第一書記”として機能することになるという。中国労働法においては、従業員25人以上の事業所は労組を設立し、その労組活動は当該地当局に報告する義務があるとされるが、これまでは民間企業に対しては厳密には適用されてこなかった。しかし今後、こうした動きが広がる可能性も指摘されている。企業経営者にとっては、組合費の積み立てという金銭的負担も然ることながら、当局から派遣された幹部が労組支配することで、「経営への介入が思いのままになされるのではないか?」との懸念が根強い。既に外資系企業等への“共産党委員会設置”義務化の動きも始まっており、経済活動の自由度は下がる一方になりそうだ。

                    ◇

西アフリカのコートジボワールが、世界の偽薬取引の中心地になっている。同国保健省は、最大都市のアビジャンだけで過去2年に偽薬400トンを押収したが、取り締まる先から船で運ばれてくる。「アビジャンに行けば安い薬がいくらでもある」との評判が流れ、アフリカ各地から仲買人が集まる。押収された段ボール箱の多くに漢字が書かれており、製造元は中国のようだ。アビジャンで最も出回っているのは、偽抗生物質と偽マラリア予防薬。期限切れの古い薬や、出来損ないのコピー医薬品も取引されている。『世界保健機関(WHO)』は、世界に出回る偽薬の7割がアフリカで消費され、その結果、アフリカでは年間10万人が命を落とすと推計している。

                    ◇

中国の大手教育関連企業グループの『北京凱文徳信教育科技集団』が、創立92年のアメリカの名門音楽大学・ウエストミンスタークワイアーカレッジを4000万ドル(※約44億円)で買収する計画が進んでいたが、“待った”がかかった。10月に入り、教授陣・卒業生・資金援助者等が猛反対し、同カレッジを所有するライダー大学当局を相手取って訴訟を起こす事態になっている。中国資本によるアメリカの大学の買収は既に顕在化しており、中国からの留学生を多く受け入れている。主に資金難の学校を買い取る例が多いというが、アメリカ国内では学問の自由への中国の介入等が懸念されているようだ。

                    ◇

韓国で今年2月に施行された延命治療決定法(※尊厳死法)により、延命治療を中断した人は9ヵ月で2万1000人に上り、尊厳死が徐々に広まっている。この内、事前に延命医療を受けないとの意向書を作成していた人は全体の34%、患者の意思確認ができずに家族全員の合意で治療を中断したケースが66%だった。尊厳死議論は日本では未だタブーだが、韓国では同法により、19歳以上の健康な人は指定機関に対し、尊厳死を選択すると事前に通達でき、これまでに約6万人が登録した。ただ、延命治療中断には倫理委が設置された病院での判断が必要で、こうした病院は未だ少ないという。

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テーマ : 中朝韓ニュース
ジャンル : ニュース

【不養生のススメ】(20) オプジーボ“礼賛”の危うさ





20181130 15
今年のノーベル医学生理学賞は日米で分け合う形となったが、受け止め方は両国で大きく異なった。京都大学の本庶佑博士への賞賛の嵐が吹いた日本に対し、テキサス大学のジェームズ・アリソン博士へのアメリカの報道は、精々受賞発表の当日に留まり、実にあっさりしたものであった。ノーベル賞受賞決定のニュース後、お祝いムードに包まれた日本では、病院の窓口や患者団体に「(本庶氏の研究から生まれた薬剤である)オプジーボを使いたい」「手術よりオプジーボが治るのでは?」というような問い合わせが殺到している。その一方、アメリカ国民の反応はもっと冷静だ。というのも、近年、抗癌剤の薬価は異常に高騰し、高価な免疫チェックポイント阻害剤は多くの国民が利用できないからだ。2015年の『全米臨床腫瘍学会』では、『メモリアルスローンケタリング癌センター』のレオナルド・サルツ医師から悲痛な発表があった。「5年前、進行性の悪性黒色腫は治療不可能と考えられていたが、オプジーボの併用で無増悪生存期間(※ある治療を開始してから疾患の悪化がなく生存する期間)が11.4ヵ月も延びたことは、本当に驚く。臨床医として、私はこれらの薬剤を、私の患者の為に直ぐに利用したい。しかし、薬価が高過ぎるという問題がある」。更に、『小野薬品工業』のオプジーボと競合する『メルク』の『キイトルーダ』は、悪性黒色腫の年間単剤治療だけでも100万ドル(※約1億1200万円)以上になる。サルツ医師は、「この新薬を組み合わせた治療を、毎年、癌で亡くなるアメリカ人50万人に投与すると、僅か1年で実に1740億ドル(※約19兆5400億円)の薬剤費が必要になる。ここまでくると、そうした患者の治療に、社会にどれだけ治療費を支払えるか上限があることを認識せざるを得ない」という。

日本でも、オプジーボの薬価は、適応が悪性黒色腫だけであった4年前は、1瓶100㎎あたり約73万円で、年間3500万円という破格なものだった。但し、アメリカでは市場原理によって価格が上がる場合もあるのに対し、日本では、一度決められた薬価から薬価改定毎に段々下がっていくのが特徴だ。実際、オプジーボの薬価は下がり、今月から1瓶100㎎あたり約17万円、年間約1000万円になる予定だ。更に、日本には高額療養費制度があり、患者によって定められた自己負担額を超えた差額は払い戻される。つまり、1ヵ月約8万円程度、年間100万円程度でオプジーボが利用できる。因みに現在の保険適応は、皮膚癌の一種の悪性黒色腫、非小細胞性の肺癌の二次治療、頭頸部癌、切除不能な胃癌等、6種類だ。そうなると、日本では保険収載されてしまえば、どのような患者に使うかは医師の裁量面が大きくなる。その際、費用対効果はそれほど重視されず、患者の為という錦の御旗があれば、90歳でも100歳でも高額な医療を行なえる。若い患者で終末期だったとしても、「若しかしたら1%でも可能性はあるかも…」という理由で高額な治療が提供される。そこで、末期癌患者の希望があり、医師が“試しに”オプジーボを使ってみるケースもあるという。自己負担が100万円といっても、残りの900万円は税金や社会保険料から支払うわけだ。治療法が殆どない時代であれば美談で済んでいたが、これだけ医療が高額化し、高齢化が進み、且つ財政的に厳しくなっている状況では、国民皆保険が破綻する時は遠からずやってくる。ところで、免疫チェックポイント阻害薬の効果と副作用はどうだろう。2017年の『全米癌学会総会』で、ジョンズ・ホプキンズ大学の研究者らは、オプジーボで治療した、進行した肺癌患者の長期生存率を初めて報告した。結果、5年生存率は16%上昇した。これまでの治療法では、進行した肺癌患者の5年の生存が殆ど期待できなかった為、結果に多くの専門家は驚いた。但し現状、免疫チェックポイント阻害薬単独の奏効率は凡そ20~30%程度。癌の種類も限られ、誰にでも効果があるわけではない。また、全身の重度の皮膚障害、Ⅰ型糖尿病、間質性肺炎、脳炎、肺障害、腸炎、副腎障害、神経筋障害、眼の障害、注入時の反応等の重篤な副作用のリスクがある。

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テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

【地方銀行のリアル】(20) 西京銀行(山口県)――疑惑膨らむ“第二のスルガ”





20181130 13
“第二のスルガ”――金融筋の間では、こう取り沙汰されている。アパート購入希望者の預金残高データを水増しし、融資審査を通り易くしていた不正が8月末に発覚した、東証一部上場でアパート経営総合支援の『TATERU』(※旧社名は『インベスターズクラウド』)。今のところ見つかった不正は、預金残高23万円を623万円に改竄した1件だけ。他に同様の偽装等がなかったかは、同社の立ち上げた特別調査委員会が12月を目処に纏めるとしている報告書待ちだが、そのTATERUと手を携え、都心部でのアパート建設向け融資をせっせと引き受けてきたとされるのが、山口県周南市に本店を置く第二地銀の『西京銀行』だ。金融筋がその存在に『スルガ銀行』の姿をダブらせる背景のひとつには、TATERUの桁外れとも言える驚異的急成長と、逆風下でも堅調さを維持し続けている西京銀行の業績があるのだろう。これが、女性専用シェアハウス『かぼちゃの馬車』運営の『スマートデイズ』と結託して高収益を叩き出してきたスルガ銀行同様、「本来なら貸せないところに貸し込んで荒稼ぎしているのでは…」との疑念を掻き立てるのだ。何しろ、2013年12月期で売上高138億円、営業利益9億4600万円に過ぎなかったTATERUの業容は、2017年12月期には其々670億円・58億9800万円と、僅か5年間に売上高で4.8倍、営業利益で6.2倍もの成長を遂げるという膨張ぶりだ。2018年12月期には売上高が766億円、営業利益は71億1300万円を見込む。

一方の西京銀行も負けていない。2018年3月期の単体純利益は41億900万円。伸び率こそ前期比2.2%に過ぎないものの、地銀各行がマイナス金利・地方経済の疲弊・人口減少の「三重苦」(『鳥取銀行』幹部)に喘ぐ中、7期連続増益。しかも過去最高益更新だ。本業の儲けを示す業務純益は57億6100万円。総資産でほぼ同等の『清水銀行』(静岡県)が約31億円、『大光銀行』(新潟県)が同40億円に留まっていることを踏まえれば、「大儲け」(メガバンク関係者)といっても過言ではない。その原動力になっているのが、高水準の利鞘だ。漸減が続いているとはいえ、貸出金利回りは1.68%。第二地銀平均の1.4%前後を凡そ2割も上回る。そこから資金調達原価等を差し引いた総資金利鞘は0.41%。0.3%未満が大半で、中央値が0.14%と言われる地銀界にあっては、「異例の数値」(同)と言えよう。「スルガ銀行は、1.7%という規格外の総資金利鞘で偽りの優良行を演じてきた。西京銀行の利鞘水準にも、何やらスルガを彷彿とさせるきな臭さを感じてしまう」。首都圏地盤の大手地銀幹部は不審を隠さない。事情通によると、西京銀行とTATERUの因縁は、TATERUが未だ福岡県の地場建設会社だった時代、同県内に5店舗ある西京銀行の支店のひとつと取引をもったことから始まったという。その関係は2015年12月のTATERU上場後も途切れず、西京銀行は今も『みずほ銀行』に次ぐ同社の準主力行の地位を占める。それどころか、2017年3月に西京銀行が実施した第三者割当による55億円規模の優先株増資を巡っては、TATERUが『朝日生命保険』2社と並んで、うち約10億円を引き受ける等、蜜月度は増すばかり。2018年3月にはTATERUの扱う物件を小口化し、1口1万円から不動産投資ができる金融商品の開発・販売で提携する等、ビジネス面での繋がりも深めている。「スルガ銀行のケースとは絶対に違う。TATERUの一営業社員が改竄したものであり、うちは一切関知していない。TATERUと癒着して不正融資をしたこともない」。問題が表面化して以降、西京銀行の頭取である平岡英雄はこう強調して、組織ぐるみの“犯行”や不正への関与を真っ向から否定し続けている。が、資本面にまで踏み込んでのTATERUとの関係性は、スルガ銀行―スマートデイズ間の濃密ぶりを遥かに上回る。特別調査委の調査を通じて今後、仮にTATERUで預金残高データの改竄等、次々と新たな不正が見つかった場合、果たして「知らなかった」で誤魔化せるだろうか? 金融筋に“第二のスルガ”疑惑を抱かせるもうひとつの背景となっているのが、西京銀行の“過去の行状”や、その遺産とも言うべき“多少の無軌道ぶりや少しくらい危ない橋を渡るのは厭わない”といった企業風土の類似性だろう。良きにつけ悪しきにつけ、それを植え付けたとされるのが、1997年に頭取に就任した『日本銀行』OBの大橋光博(※現在は『MRI』代表取締役)だ。京都大学経済学部卒業後、1967年に日銀に入行。釧路支店長や広島支店長等を歴任し、1995年に西京銀行入り。副頭取を経てトップの椅子に就いた。その大橋が、いの一番に掲げたのが株式公開の実現だ。その為、首都圏への進出加速や女性の積極登用、当時は未だ黎明期とも言えるインターネットを活用したオンライン専業銀行の新設といったエクイティストーリーを打ち出す。

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<画像4枚> 元貴乃花親方、離婚早々銀座で“壇蜜似”美女と深夜デート!





20181130 08
深夜0時半過ぎ、銀座のカラオケチェーンから出てきた元貴乃花親方。傍らには艶っぽい美女が控えていた。

20181130 09
銀座の街を早足で進む元貴乃花と、彼の後を追う美女。一定の距離を保ったまま、約200m歩いて雑居ビルへ。

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テーマ : 芸能ニュース
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【知られざる戦国武将の真実】(38) 島津義久――武勇武勲だけでなく処世術に長けた名家

20181130 07
鎌倉時代の有力御家人として、薩摩に根を下ろした島津氏の16代当主・島津義久は、1533年に生まれている。義久には、義弘・歳久・家久と3人の弟がいる。島津と聞いて誰もが思い浮かべるのは、大友宗麟を破った耳川の戦い、龍造寺隆信を討ち取った沖田畷の戦い、秀吉の九州征伐の先遣隊を打ち破った戸次川の戦い、更には“鬼島津”と呼ばれて恐れられた朝鮮出兵、関ヶ原の戦いにおける“島津の退き口”と呼ばれる寡兵によって正面突破した退却戦等、上げたら限が無いほどである。島津家当主として、戦いの前面には顔を出さないが、しっかりと手綱捌きをしていたのが島津義久と言えよう。島津家には二度、お家存続の危機が訪れた。秀吉の九州征伐と、西軍に加担した関ヶ原の戦いである。長年の宿願であった九州統一目前の1586年、秀吉は義久に上洛し頭を垂れるようにと、仙石権兵衛を使者として送った。ところが『太閤記』によれば、義久は秀吉を“猿冠者”と蔑んだ上、「そんな下衆の者の言うことを聞けるか!」と、書状を投げ捨てたという。当然ながら激怒した秀吉は、20万もの大軍を九州に差し向けた。流石の島津軍も多勢に無勢、勝機なしとみるや、徹底抗戦を唱える弟や家臣たちを宥めた。太閤記によると、義久は髪を剃り、墨染の衣を着て、いつでも切腹する覚悟で秀吉の前に現れた。秀吉は、鎌倉時代から続く名家であるからと、切腹を命ずるどころか、本領を安堵したのだった。次の危機であった関ヶ原の戦いの戦後処理においても、義久は「参陣した弟の義弘が勝手にやったことだ」と言って、のらりくらりと家康の追求を躱してしまった。関ヶ原の戦いにおいては、毛利氏が減封、長宗我部氏が取り消しと、容赦ない処罰を受けているのだが、義久の抜群の交渉力によって危機を脱している。島津家は武勇だけではなく、処世術に長けた名家であった。 (ノンフィクションライター 八木澤高明)


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【WATCHERS・専門家の経済講座】(26) 米中摩擦、日本の活路は――山本大介氏(『双日総合研究所』副所長)

20181130 06
「米中の貿易摩擦が激しくなっています。両国と経済的な関係が深い日本にとっても、他人事ではありません。アメリカの中間選挙を経て、日本は通商政策でどう対応するべきか。カギは、EUとの連携と、新たな11ヵ国によるTPPにあると思います」。今月、パプアニューギニアで開かれた『アジア太平洋経済協力会議(APEC)』では、貿易を巡る米中両国の対立が根深く、首脳宣言を採択できない異例の事態となった。「アメリカで11月に行なわれた中間選挙の結果、下院で野党の民主党が過半数を占めました。今後、ドナルド・トランプ政権の対外政策は、大統領に権限があり、議会による制約が少ない通商外交に重点が置かれる可能性があります。対外的な要求が強硬になる可能性が高い。特に、中国への対応が焦点になります。中国が“中国製造2025”に掲げた、技術で世界の頂点を目指すとの考え方は、アメリカには認め難いものです。これまでアメリカには、『中国を支援して経済的に豊かな国になれば、開放的で自由な国家になる』との見方が根強くありました。しかし、最近はその考えは間違いであり、『実は、中国は自国を頂点とする世界の再構築を目論んでいて、着々と実行している』という警戒感が広がっています。こうした認識はトランプ政権特有のものではなく、アメリカで3年程前から党派を問わず存在していました。アメリカは、自らの覇権を脅かすような存在を容認することはないでしょう。中国とは、たとえ経済的な面ではある程度、妥協できても、技術や地政学等安全保障に関係する分野では、徹底した対抗措置を取ると考えられます。対立が長期化する可能性もあります」。

「問題は、その中でサプライチェーンが世界に跨って複雑化していることです。中国で作ったものは一切ダメとなったら、アメリカでスマートフォンを買うこともできなくなる。経済運営が成り立たなくなってしまいます。米中間の軋轢は、貿易だけでなく、国際的な企業の投資行動にも影響を与える可能性が高い。日本も無関係ではいられません。その影響は中長期になり、貿易より大きなものになる。日本も自ら行動を起こす必要があると思います。中国以外では、トランプ政権の通商政策はカナダやメキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)見直しから始まりました。結局、米墨加協定(USMCA)で合意し、自動車に関して、決められた輸入台数を上回った場合に高い関税をかけるという、実質的な数量制限が導入されることになりました。次はEUでしょう。アメリカは、EUとの交渉の次に、日本との交渉に軸足を置くという流れになる可能性が高い。アメリカの通商代表部(USTR)は、人員が二百数十人程度と多くないからです。EUと日本との交渉を同時に進めることはできない筈です。日本にとっては、EUの交渉を分析してから戦略を考えることができる時間的な余裕ができます。また、EUも日本も自動車産業に強みを持つことに共通点があります。USMCAのように、車輸入の数量規制を導入されることは何としても避けたい。そこで、日本はEUと連携する方策を考えるべきです。日本とEUとは既に経済連携協定(EPA)で合意しており、協力の余地は大きい」。米中の対立が先鋭化しつつある中、新たな11ヵ国によるTPPが年内に発効する。「アメリカが抜けた後に、日本がTPPの議論を主導して、多国間の貿易自由化のスタンダードを築き上げることができました。今後の世界の自由貿易体制にとって、非常に大きい収穫だと言えます。これからの通商交渉でも、『新たなTPPの水準が基準だ』と主張できます。更に、国際社会の中での日本の評価が間違いなく高まりましたし、新たに加入したいという国も増えています。加盟国を増やしていけば、更に強い交渉のカードになります。世界貿易機関(WTO)の改革も、国際協調への転換に向けたきっかけになり得ます。アメリカの保護主義的な傾向が直ぐに変わることはないでしょうが、WTO改革に関する意見は日米で一致する点も多い。既に中国を念頭に、自国産業への補助金等の優遇策について、WTOへの報告を怠った場合への罰則規定を設ける提案を、日米欧で共同で行ないました。WTOは、中国を牽制しながらヨーロッパと連携して、アメリカを国際協調の枠組みに呼び戻していく可能性を探る意味でも、重要になると思います。世界の利益について、日本が主導権を持って実現していける可能性がある。それは日本にとってチャンスとも言えます」。 (聞き手/経済部 鹿川庸一郎)


キャプチャ  2018年11月28日付掲載

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

【プーチン政権異状あり】(04) サウジアラビアの“最高の友人”

20181130 05
世界が震撼した記者殺害事件で糾弾されるサウジアラビアの首都・リヤドで、先月23日に開幕した『砂漠のダボス会議』(※左画像)。欧米各国の閣僚や企業が次々と出席を見送り、空席が目立つ会場に、ロシアは政府系の投資基金総裁を筆頭とする30人超の代表団を送り込んだ。「誰が最高の友人かわかった」。事件への関与が疑われるサウジアラビア皇太子のムハンマド・ビン・サルマン(33)は、ロシア代表団を熱烈に出迎えた。サウジアラビア側は同月25日、ロシアが北極圏で計画する液化天然ガス事業へ約50億ドル(※約5600億円)を出資する方針を表明。国王のサルマン・ビン・アブドゥルアズィーズ(82)は同日、ロシア大統領のウラジーミル・プーチン(66)に電話をかけ、サウジアラビアへの招待を伝えた。

「真相が究明されるまでは関係を悪くする理由はない」。米欧が記者殺害事件の対応に苦慮するのをよそに、プーチンは涼しい顔で言い放つ。同盟国であるサウジアラビアとの良好な関係維持を模索したアメリカ大統領のドナルド・トランプ(72)が、世論に押されて厳しい姿勢で臨まなければならなくなったのとは対照的に、プーチンは世論や人道問題に縛られず、各国への食い込みを図る。「プーチンの“陰の部隊”が暗躍している」――。政情不安が続く中央アフリカで、こんな情報が駆け巡っている。7月末、同国でロシア人ジャーナリスト3人が殺害された事件を機に、部隊の存在に光が当たった。3人は、プーチンに近い実業家が関与するロシア民間軍事会社『ワグネル』の活動を取材中だった。複数の武装勢力間の紛争が続く中央アフリカでは、国連が平和維持活動を展開するが、治安改善が進んでいない。焦りを強めた同国大統領のフォスタンアルシャンジュ・トゥアデラ(61)が助けを求めたのがプーチンだった。ロシアは、国連安全保障理事会から武器の供与と軍の訓練員を派遣する合意を取り付けた。ロシア外務省の説明では、派遣人数は5人の軍人と170人の“民間人”。現地からの情報によれば、ワグネルの部隊が政府の安全を保障する見返りに資源を得て、武装勢力間の折衝に当たる。1000人超の雇い兵部隊が派遣されているとの見方もある。「ロシアはアフリカで復活した」。ロシア国営メディアは言い囃す。内戦が続くリビア等の首脳も“プーチン詣で”に続く。欧米の間隙に狙いを定めたプーチンの攻勢は止まらない。 《敬称略》 =おわり

                    ◇

古川英治・小川知世が担当しました。


キャプチャ  2018年11月8日付掲載

テーマ : 国際ニュース
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【プーチン政権異状あり】(03) 我が名は“ウラジーミル”

20181130 04
意外な場所がサイバー攻撃の標的になっている。トルコのイスタンブールにあるキリスト教『東方正教会』の中心地、『コンスタンティノープル総主教庁』。高位聖職者である主教らのメールが6月頃からハッキングされ、偽メールが大量発信されている。主教たちは平静を装うが、犯人の見当は付いている。先月11日に総主教庁は、ロシアの侵攻を受ける親欧米国・ウクライナの正教会の独立を承認する方針を決めた。これには、同国の教会を自らの管轄下と見做す『ロシア正教会』と共に、政教分離が建前のロシア政府の高官も強く反発した。外務大臣のセルゲイ・ラブロフ(68)は、「アメリカが後押しした挑発だ」とまで語った。ロシア正教会は、ロシア大統領のウラジーミル・プーチン(66)による統治を“神の奇跡”と呼び、“政権の一機関”と言われるほどプーチンに寄り添う。

プーチンは先月12日、緊急の安全保障会議を招集し、対応を協議した。ロシア正教会はその後、総主教庁との関係断絶に踏み切った。ウクライナが4月、総主教庁の全地総主教・バルソロメオスⅠ世に独立承認を求めたのを受け、プーチンとロシア正教会は承認阻止に注力してきた。東方正教会の分裂をちらつかせ、総主教庁の権威を揺さぶった。ロシアが軍事支援するシリアのアサド政権をアメリカ、イギリス、フランスが攻撃した4月、ロシア正教会総主教のキリルはローマ法王のフランシスコと平和を求める共同声明を発表した。事情を知る外交筋は、「バルソロメオスを加えるよう求めたフランシスコの意向に反した発表だった」と明かす。影響力拡大の為にロシア正教会を東方正教会の“盟主”に引き上げたいプーチンの思惑も覗く。ロシアは、中世にウクライナに誕生したキエフルーシ公国を源流とする。2016年にはモスクワのクレムリン(※大統領府)近くに、同公国大公・ウラジーミルの巨大な像が建立された。プーチンは、10世紀に洗礼を受けて正教を公国の国教とした同じ名の大公と自らを重ねて、権威を誇示する。「名前が同じなのは偶然ではない」。キリルは、プーチンも出席した7月の式典で、こんな発言をしている。今月1日、プーチンは「(ウクライナの正教会の独立承認は)危機的な結果を齎す」と警告した。ウクライナに侵攻し、同国を勢力圏に留めようとするのは、キエフルーシの“神話”を権力の土台にしているからに他ならない。“聖地”奪還にかけるプーチンの野望が世界を揺るがす。 《敬称略》


キャプチャ  2018年11月7日付掲載

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【プーチン政権異状あり】(02) 誰もが捕まり得る

20181130 03
先月28日、モスクワ中心部に聳える情報機関『ロシア連邦保安局(FSB)』前に数百人が集まり、“過激主義”容疑で捕まった若者の無実を訴えた。当局に拘束されるのを防ぐ為、抗議を表す演説やプラカードは無い。警察が拡声器で解散を促す中、沈黙のデモが続いた。始まりは明け方のノックだった。大統領選を控えた3月15日午前5時過ぎ、モスクワに住むアンナ・パブリコワ(18)の母・ユリヤ(44)は、激しくドアを叩く音で目を覚ました。扉を開けると、銃を手にした制服姿の男約10人が雪崩れ込んだ。殴られて倒れた夫を踏みつけ、乱暴に家中のものを床にぶちまける。「20年ぶち込んでやる!」。罵倒されながら、理由も行き先もわからないまま、娘は連行された。

政権転覆を狙い、過激派団体を組織した――。後に突きつけられた容疑は、予想だにしないものだった。根拠は、数回参加したグループで政治を議論したこと。“ルスラン”を名乗るFSB関係者がグループを立ち上げており、囮捜査との見方がある。刑務所で体調を崩したアンナは自宅拘禁になり、今も事件で4人が刑務所に入ったままだ。治安機関は過激主義での摘発を乱発している。2017年だけで783人が有罪判決を受けた。「誰がいつ捕まってもおかしくない」。シベリア南西の中都市・バルナウルで先月法廷に立ったダニール・マルキン(19)は訴えた。約1年半前に警察に連行され、“宗教信者への攻撃”を自白するように強いられた。最大懲役5年が科される起訴の発端は、数年前にSNSに保存した宗教に関する風刺画1枚だ。当局のテロリスト一覧に掲載され、銀行口座は凍結。遠方への移動も許されない。警察に踏み込まれる恐怖で、毎晩のように目が覚める。夏には、機密情報を漏らしたとして国家反逆容疑での逮捕が相次ぎ、有力な反体制派指導者であるアレクセイ・ナワリニー(42)が繰り返し収監された。8割を誇ったウラジーミル・プーチン大統領の支持率は、年金の受給年齢の引き上げをきっかけに6割台まで急落。政権の求心力が衰える中、国内の締め付けが強まる一方だ。SNSの保存画像を理由にバルナウルで摘発されたマリア・モツズナヤ(23)は先月、ヨーロッパでの政治亡命を目指してロシアを後にした。「さようならロシア」。マリアは出国後、自身の『ツイッター』で祖国に別れを告げた。 《敬称略》


キャプチャ  2018年11月6日付掲載

テーマ : 国際ニュース
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