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「政界最強の“花”と共に日本を取り戻す」――津川雅彦さん遺稿

20181231 23
我々は“運が良いのも芸のうち”とよく言う! だが、役者の値打ちは芸でも魅力でもない。世阿弥が言うところの“花”があるかないか、だ。“花”とは強運をもった存在感のこと。安倍晋三さんには、珍しくその“花”がある! 政治的センスもあり、人間的魅力に溢れ、何よりその強運をもった存在感は圧倒的だ。彼が歳若くして総理の座についたのも強運あってのことだが、逆に不運にも難病に見舞われ、総理の座を降りた。だがその挫折こそ、いまの強運を得るために必要な条件だったように思う。安倍さんが無役でいた頃、人を通じて「津川さんのブログが面白い、一度お会いしたい」と連絡があり、食事をする機会を得た。僕はこれまで橋本龍太郎さんをはじめ五十嵐広三さんなど多くの政治家とお付き合いしたが、安倍さんには全く政治家臭さがなく、柔軟な人間味を感じた。「普段、どんなことをしてるんですか?」「アポなしでアパートを訪ね、有権者にご挨拶をしています」。暇な間にドブ板選挙! 一所懸命なのだ! 彼が患った難病は、うちの親戚の子と同じ潰瘍性大腸炎だった。その子に訊いた。「安倍さんは、なぜ元気になれたと思う?」「良い薬が発明されたのと、僕と違って部分的発病だったからじゃないの?」。冷静な分析だ。だがそれにしても、いまのあの元気は、強運によるものとしか言いようがない。お会いしたあと、総裁選に出ると聞いて心配した。自民党に仲間がたくさんいたわけでなく、泡沫候補の域を出ないようだったからだ。

だが、様子が変わっていく。本命の石原伸晃さんが谷垣禎一さんを押しのけて総裁候補に名乗り出た。だが、「女房が亭主の足を引っ張るなんて、この渡世にはない」という麻生太郎さんの一言でポシャ。石破茂さんは第1回投票で1位だったが過半数を得られず、決選投票では一度自民党を裏切っているため不人気で、安倍さんに敗北。結果、2位の安倍さんが奇跡的に総裁になれた。これを強運と言わずなんと言う! さらにその直後の党首討論で、当時の民主党・野田佳彦首相が安倍さんに解散を約束した。なぜそんな無謀なことを? 安倍さんの強運に圧倒され、トチ狂ったとしか思えない。総選挙は民主党に愛想を尽かした国民が自民党を選んだ、これは不思議でも何でもない。しかし安倍さんが総裁になった途端、あっと言う間に総理に返り咲いた…これは不思議でしかない。こんなあり得ないことが続く強運は本物だ! 総理就任を祝う官邸での食事会に招かれた僕は、「今回の功労者の席に座るのがふさわしい人は、野田さんじゃないですか」と言った。出席者全員からブーイングを頂戴したが、後日、安倍さんから「僕も津川さんと同じ意見ですよ」とメールをもらった。芸人の冗談が楽しめるユーモアの持ち主だ。その後、2014年12月、2017年10月と安倍さんは総選挙に打って出た。「なぜいま?」と思う意表をつくタイミング、マスコミからは総スカンを喰ったが、意表は強運を呼び、逆風が強運を招き、大勝を続けた。また、対する野党にいる議員たちが、見事にみっともない人たちが勢揃いしちゃった、この現状もまた強運! メディアの説得力のない幼雅さも、強運の片棒をかついでいると言っていいだろう。さらに強力な次期総裁候補がいない自民党の現状が、安倍さんを歴史上最長の総理にする日がくれば、最強運と存在感を持った、政界の“花”が誕生することになる! 安倍さんが第1次内閣の時、“美しい国へ”という国家像を掲げた。明治以来、政治家は“文明開化”・“文化廃絶”をうたい、ユダヤ金融の援助を受け、西洋化へ邁進した。国作りには3つの体系の整備が必要だが、維新を成し遂げた侍たちは優秀だった。まずは“利益の体系”である経済力を高め、次に“力の体系”である軍事力強化を成し遂げ、世界第2位の国力を身に付けるに至った。しかし、“価値の体系”である文化力を高めなければ品位ある国作りはできない! しかし…。「文化は苦手でねぇ」「一票にならないからね」。政治家からよく聞くセリフで、西洋かぶれした日本人は、日本独特の文化に無関心になってしまった。そんな中、安倍さんは“美しい国へ”と言ってのけたのだ! 日本が世界に誇る文化国家だという誇りを持っているからだろう。勇気と覚悟がみなぎっている。“美しい”とは文化を代表する言葉だ。富士山は美しいがゆえに、日本人の芸術の源泉となり、世界の文化遺産となった。頭脳が偏っている野党やメディアはどう説明しようが、“美しい国”の意味は理解できっこないだろう。安倍さんが病に倒れ、自民党から民主党政権になってからは案の定、日本は“美しい国”どころか“恥ずかしい国”になってしまった。そんな時、東日本大震災が起こる。被災者たちの我慢、忍耐、礼節という“美しい心”に世界中が感動した。

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テーマ : 安倍晋三
ジャンル : 政治・経済

中国が牛耳る国連人権理事会…アメリカの不在で機能不全に陥る





20181231 22
今年6月中旬にアメリカが離脱した国連人権理事会で、中国批判が封殺されるようになってきている。中国からの経済支援を受けている参加国等が、声を上げ難くなっているのだ。フランスの『RFI放送』によると、国連人権理事会で中国関係の会合に必ず出席してきたニューヨーク大学法学部の孔傑栄教授が、自らのブログで明らかにしたという。それによると、中国のウイグル族弾圧問題を議論することになっていた先月6日の同理事会分科会では、各国に与えられた発言時間は僅か45秒。アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダが批判的見解を述べた以外に、イスラム教国家で中国を批判したのはトルコのみだったという。孔教授によれば、6月のアメリカ離脱後、中国が資金等の面でも国連人権理事会での影響力を増大させている。この会議に出席した中国代表団は、国内のインターネット発展度を引き合いに、「中国国内に言論の自由がない」との批判に反駁する光景もあった。アメリカの離脱で謂わば、中国に対する歯止めがなくなった格好だ。最早、人権理事会自体が機能不全に陥っている。

                    ◇

第2次世界大戦中の徴用工補償問題は日韓両国を揺るがす火種になったが、韓国内でも元大法院長を始め、大法官多数が訴追される事態に発展している。徴用工訴訟は、上告審が事件受理後、約3年間も審理を中断していたが、朴槿恵政権下では外交関係を斟酌して、大法院に対して請求を棄却するよう圧力を加えていたとみられる。それが文在寅政権になり、左派出身の大法院長(※金命洙)が抜擢され、判決は棄却から補償に変わった。尤も、全員合議制のこの判決で、大法官2人は反対の少数意見を述べている。その後、韓国政府は前政権時代に審理に介入したとして、職権乱用の廉で法院行政処元次長を逮捕起訴した他、元大法官2人も捜査し、最終的に当時の大法院長(※梁承泰)も起訴する予定になっている。裁判官の大多数は、こうした措置に対して「左派による司法府乗っ取りだ」と反発しているが、対抗する術がない。

                    ◇

中台統一志向の強い台湾の国民党の連戦元主席が今夏に訪中し、習近平国家主席と会談した際、中国国内に国民党支部が設立できるよう許可を求めていたことがわかった。これに対し、習主席は言下に拒否せず、前向きの姿勢を見せたという。これは香港誌『前哨』が報じたもので、それによると、連戦氏は習主席に当面、福建省・広東省・海南省の3省での支部設立を要請した。そして、5年後くらいには政府機構に国民党員を登用するよう求めた。習主席は「連戦氏の提案を十分検討する」と答えたという。連戦氏の狙いは、国民党の拠点を大陸側にも設けるところにあるようだ。

                    ◇

北京理工大学が、この10月の新入生から、AIを使った武器開発クラスを創設。約5000人の応募者の中から思想テスト等を経て、31人が選抜された。AI開発でリードする中国だが、セキュリティー分野では顔認証等の画像認証に特化し、これまでは防犯が主目的だった。しかし、今後はAIを“標的攻撃型”に使用することを企図する。中国は既にドローン技術で相当の世界シェアを誇るが、そこに追跡、識別、敵味方の判断、攻撃能力を搭載すれば、国内外で威力を発揮することになりそうだ。

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テーマ : 中朝韓ニュース
ジャンル : ニュース

【地方銀行のリアル】(21) 百十四銀行(香川県)――セクハラ接待事件の悪辣非道





20181231 20
「減るもんじゃないし、少しくらいならいいだろう?」「何をなさるんですか! 触らないで! いやーっ!」…等といったやり取りがあったかどうかは知らない。現場で実際、何が繰り広げられたのか、銀行側は未だ真相を伏せたままにしているからだ。会長によるセクハラ傍観事件が発覚した四国有数の地銀、『百十四銀行』。今年2月に行なわれた有力取引先との会食で、会長の渡辺智樹(※当時、現在は相談役)が同席させた20代の女性行員に対する取引先の「不快な思いを抱く行為」(取締役の豊嶋正和)を制止できなかったとして、10月末に引責辞任に追い込まれた事件で、渡辺は兼任していた『四国電力』の社外取締役も辞任。先月16日付で香川県財界トップ『高松商工会議所』会頭の座も返上した。また、同じく会食に同席し、取引先の乱暴狼藉を目の当たりにしていながら「見て見ぬふりをしていた」(関係者)とされるもう一人の幹部行員、執行役員兼本店営業部長の石川徳尚も10月、愛媛県の今治支店長に異動させられた上、その後、解任されている。経営幹部が関与するセクハラは、「立場上、被害者が泣き寝入りを余儀なくされ、表沙汰になるケースが少ない」(事情通)とされている。にも拘わらず、今回、事件が明るみになったのは内部告発だ。銀行側によると、今年5月に全行員を対象に実施したコンプライアンスに関するアンケートに、この女性行員が被害状況を記載。事態を把握した頭取の綾田裕次郎ら経営陣は、これを受けて6月、取締役7人で合議の上、渡辺らの報酬と賞与を減額する決定を行なった。ただ、「懲戒規定に直接的に罰する規定がない」として、懲戒処分は見送ったという。

渡辺や綾田からすれば、これで事件は一件落着。「闇から闇に葬り去って風化するのを待つだけ」とほくそ笑んでいたに違いない。ところがその後、「更なる調査が必要」と訴える投書が銀行に届く。更に10月に入ると、一連の経緯が社外取締役にもばれるところとなり、同19日、この社外取締役の要請を受ける形で、利害関係のない弁護士2人が再調査に乗り出したのだ。その結果、①抑々、被害に遭った女性行員は“不適切行為”を働いた取引先の担当ではなく、その女性を会食に同席させること自体、銀行の倫理規定に定める“職場秩序の維持”の趣旨に反する行為で、取締役懲戒規定に該当する②また、“不適切行為”を止めなかったことも同じく、“人権の尊重”を謳った倫理規定違反――といった厳しい指摘を受け、これが会長辞任と事件の表面化へと繋がっていった。それにしても、会食の費用は「取引先持ち」(百十四銀行幹部)とはいえ、「場を和ませる為」(綾田)としてコンパニオン代わりに女性行員を駆り出し、おまけにその女性がどんなに恥辱に塗れていようとも、目を瞑ってまで接待しなければならない取引先とは一体、どこなのか? しかも事情通によると、女性は「会食の途中で態々呼び寄せられた」という。だとしたら銀行関係者、即ち渡辺か石川が手配したに違いなく、鬼畜が待ち受ける場所に生贄を差し出すその営為は、倫理規定違反どころか「悪魔の所業」(金融筋)にも等しい。そんな中、地元財界筋の間で密かに囁かれている件の取引先の名前が『合田工務店』だ。高松市に本社を置く県内最大手のゼネコンで、無論、百十四銀行がメインバンク。東京にも本店を持ち、このところマンション建設等で頻りと実績を伸ばしている。2018年3月期の単体売上高は492億円強、営業利益は47.8億円。過去最高だった前期の反動で0.9%の減収、14.1%の減益だったものの、豊富な手持ち受注を抱えており、2019年3月期は「再び増収増益基調に復帰するのでは」(地元建設業界関係者)とみられている。財務基盤も強固で、今年3月末の自己資本比率は43%超。ゼネコンとしては優良クラスと言えるだろう。率いているのは社長の森田紘一。1944年4月生まれの74歳で、社長に就任したのは1986年5月だから、もう32年もトップに君臨していることになる。県建設業協会の会長も務める業界の名士で、地元金融筋曰く、渡辺との関係は“ズブズブ”。それだけに、周囲には「会食における渡辺のカウンターパートナーが森田だとしたら、セクハラ行為をどこまで本気で止めようとしたのか怪しい。煽り立てたか、渡辺も尻馬に乗ったのでは…」といった疑念を漏らす向きも少なくない。百十四銀行は国立銀行条例に基づき、1878年11月1日に設立された『第百十四国立銀行』が母体。『七十七銀行』(宮城県)や『八十二銀行』(長野県)等、現存する数少ないナンバー銀行の一つで、戦前に頻りとM&Aを繰り返して業容を拡大。資金量では『伊予銀行』(愛媛県)に次いで四国8行中、第2位の地位にある。今年9月末の貸出金残高は2兆8142億円(※3月末比0.9%減)。『香川銀行』を全く寄せ付けず、県内シェアは断トツで、県内65本支店(※21出張所)の他、岡山県に13店、大阪・愛媛に各5店、兵庫県に4店等、瀬戸内海沿岸を中心に広域展開。上海とシンガポールには海外駐在員事務所も配置している。

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テーマ : 地域のニュース
ジャンル : ニュース

【不養生のススメ】(21) 異様なる日本食信仰





20181231 18
最近、ボストンの筆者の元を訪れた日本人が、粉末の青汁を持ち歩いていることに気付いた。「アメリカ人は野菜の摂取が不足していて不健康」「アメリカ人みたいになる(=太る)ことが不安」等の理由という。食生活の変化で、体に変調をきたしつつあると案じては、滞在中は朝晩欠かさず、青汁の粉末を水に溶かして飲んでいた。それだけではない。アメリカでの食生活への不安からか、レトルトカレー、レトルト白米、ふりかけ、味噌汁の素、即席ラーメン、缶詰等々、大量の加工食品を日本から持ち込んでいた。海外旅行が長くなれば日本食が恋しくなるのも無理からぬこと。多少の日本食を準備するのは理解できる。とはいえ、これらの加工食品が現地の新鮮な食べ物より優れていると信じているのは、度が過ぎる。抑々、青汁はサプリメント飲料だ。態々日本から持参しなくても、サプリ大国のアメリカにだって、粉末ケール等“グリーンパウダー”と言われる類似品が山ほどある。但し、グリーンパウダーは却って健康に害を及ぼすことが懸念されている。先ず、食品に含まれるカリウムは、神経や筋肉等が正常に機能する為の重要な栄養素だ。とはいえ、グリーンパウダーを大量に摂取し、血液中のカリウム濃度が高まると、心臓に深刻な問題を引き起こす可能性がある。特に腎臓が悪い人は、体内から十分なカリウムを取り除くことができず、リスクが高まる。『アメリカ腎臓財団』は、一部のサプリメントにカリウムが含まれており(※右表)、服用する前に医療専門家へ相談することを勧めている。

また、血液をさらさらにするワルファリンは、心臓の中で血の塊ができ易い人にとって、命に関わる予防薬だ。ビタミンKを多く含む青汁(※同表)は、ワルファリンの効果を減少させて、血液が固まり易くなる。つまり、ワルファリン服用中の人は青汁を避けるべきだ。因みに、アメリカのサプリメントは薬や食品と違い、販売前に食品医薬品局(FDA)の承認を必要としない。つまり、サプリメントのラベルに表示された内容が本当かどうか、安全かどうかは、製造元や販売代理店の言うことを信じるしかない。日本でも、アメリカを参考に2015年から、サプリメントの成分や効能を謳う内容は、消費者庁へ届ければ、国の審査無しに企業の責任だけで表示できるようになった。更に、対象はサプリメントだけではなく、加工食品や生鮮食品も含まれる。企業任せにした結果、日本では“偽健康食品”が溢れ出している。消費者は栄養成分表示ではなく、誇張されたマーケティングの為の機能性表示を参考にして、食品を選んでしまいがちだ。冒頭の日本人は、健康食品会社の宣伝を鵜呑みにし、「忙しい現代人の自分は野菜不足」「アメリカではもっと野菜不足」と思い込んでいるのかもしれない。当たり前だが、サプリメントより新鮮な野菜を食べるほうが体に良い。アメリカでも、スーパーマーケットに行けば野菜は手に入るし、アメリカ人だって野菜を食べている。ジョンズ・ホプキンス大学の研究者らは、2013年のアメリカ国内科学会誌に「もう十分なのでいい加減にして下さい。ビタミンやミネラルのサプリメントにお金の無駄遣いをするのは止めましょう」という論文を掲載した。この論文では、信頼性の高い良質な3つの研究報告の結果を解析し、「ビタミンやミネラルのサプリメントを毎日摂取することで、病気の予防や進行を妨ぐことができるか?」という疑問に対して、「NO」と結論付けた。扨て、選定や意思決定についての専門家である、コロンビア大学ビジネススクールのシーナ・アイエンガー教授のTEDカンファレンスの講演は興味深い。教授は以前、学位論文の調査の為に京都に滞在していた。日本に到着した日に砂糖入り緑茶を注文した。ところがウェイターに、「緑茶に砂糖は入れません」と言われた。そこで教授は、「その習慣は知っているが、私は甘いお茶が好きなのです」と主張すると、今度は店長がやってきて「生憎、砂糖がございません」と謝りにきたという。教授は仕方なくコーヒーを頼んだ。すると、コーヒーと共に2袋の砂糖が運ばれてきた。日本の習慣とは異なる、外国人の緑茶の飲み方は受け入れられなかったということだ。緑茶に砂糖を入れるかどうかは個人の嗜好の問題であり、好きにすればよいこと。自らの習慣を押し付けては“食のナショナリズム”と言われかねない。

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テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

カジノ利権暗闘で警察庁長官の“怪情報”――マスコミを利用した揺さぶり、セガサミーと親密な官邸も悪乗り

お盆の最中、警察庁の栗生俊一長官に関する“ある情報”が、警察やマスコミ関係者の間で駆け巡った。日本版カジノ利権を巡る暗闘の一コマと専らだが、当の警察庁では“変則人事”が――。 (取材・文/フリージャーナリスト 時任兼作)





20181231 16
今年8月、お盆の最中に警察庁首脳の身辺を巡って、同庁関係者のみならず、マスコミを巻き込み、水面下で大騒動が沸き起こった。警察庁長官の栗生俊一の“極私的な醜聞”に関してのことだ。公人とはいえ、極めてプライベートな内容の為、本稿ではその具体的内容には触れないが、「NHKが“そのこと”についての取材に入った」「週刊誌は休み明けに“そのこと”を記事にする」等と実しやかに囁かれ、果ては本誌を含む月刊誌までがその対象として取り沙汰された。そして8月末には、クラブ詰めの記者の間で、9月1日発売の情報誌での掲載は“確実”との怪情報が流れたものの、結局、そのことを報じるメディアはなかった。しかし、関係筋によると、警察や内調(※内閣情報調査室)が事実確認に奔走した。というのも、予てより噂されていたことだったからだ。然る警察幹部が明かす。「昨年来、栗生長官とあるパチンコ業者との癒着に関する怪文書が何通も出回っており、中には証拠とされる資料まで添付された詳細なものまである。更に、これに付随して、そのパチンコ業者は長官のプライベートの面倒まで見ているとの話も流布されてきた」。しかも、その警察幹部によると、栗生の“そのこと”に関する情報は、微に入り細を穿つような内容。今回はそれに加え、“決定的な証拠”をメディアが入手したとの情報が出てきたことから、話の信憑性が一気に高まったという。「中でもNHKは取材に前のめりで、担当記者の名前まで出ていた」(同)というが、事実確認が難しいばかりか、プライバシーの観点からして報道し難い中身だ。

「NHKが放映する筈がない」と断じたのは、事実確認に走った公安関係者。確認の過程で判明したことを踏まえ、こう続けた。「マスコミを利用した揺さぶりに他ならない。栗生長官を辞めさせようと、親密なパチンコ業者とはライバル関係にある業者のひとつが、子飼いの情報ブローカーを使ってマスコミに触れ回らせた」。当該の業者は筆者の取材に対して「そのような事実は一切ない」と否定するが、前出の公安関係者は次のように続ける。「その業者が何故、栗生長官を降ろしたいかと言えば、カジノ利権を巡る争いがあるから。パチンコ業者の多くは近年、カジノ運営も視野に入れつつあるが、パチンコ利権については昨年、長官と昵懇とされる業者側に有利となる風適法が行なわれたので、今更手の施しようがない。が、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法を受けての主導権争いは始まったばかり。巻き返しが可能と踏んでのことだ」。栗生と昵懇のパチンコ業者は、日本版カジノにおいてもキーマンと言われる。『SANKYO』会長兼CEOの毒島秀行、同業界のフィクサーとされる熊取谷稔(※『コスモイーシー』代表)らと親交がある一方、同じく警察庁出身の杉田和博(※官房副長官)とも親しく、海外のカジノ人脈にも通じる。ある地域のIR誘致では、海外のカジノ運営会社を日本側に仲介したばかりか、警察トップとも連合させたとして話題にもなった。昨年、栗生が『アセアナポール(ASEAN警察長官会合)』の際に“視察”と称してカジノに足を延ばしたのは、そうした連携の一事例とも言われた。一方、カジノに積極的なパチンコ業者と言えば、『セガサミーホールディングス』の名前が真っ先に挙がる。昨年4月には、韓国カジノ大手の『パラダイス』と共同で、同国の仁川に北東アジア初の統合型リゾート施設『パラダイスシティー』をオープンさせた。「韓国でのカジノ経営は順調で、1周年記念には自民党所属の議員が参列。盛大なイベントを行なっていることからして、当然、日本国内での展開も視野に入れている」(同)。同社広報も「取り組んでいく」と明言しているが、その追い風となるのが安倍晋三政権との距離だ。2013年9月、セガサミーHD会長兼CEOの里見治の娘の結婚式に、安倍や官房長官の菅義偉らが出席。親密ぶりを内外にアピールしたのは、その象徴と言えよう。「しかし、栗生長官との関係は上手くいっていない」(同)。そして、冒頭の栗生の“そのこと”である。前出の警察幹部は、「9月の警視庁の警視総監交代に合わせて、栗生長官も引退させようという思惑で、関係筋が怪情報をネタに菅官房長官を煽った。実際、菅官房長官自身も栗生辞任に動いた」と解説する。

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テーマ : 政治のニュース
ジャンル : ニュース

最早ヤクザでいることにメリットなし? 食えないヤクザの切な過ぎるシノギ事情

ヤクザといえば、派手なスーツに身を包み、黒塗りの高級外車を乗り回し、セクシーな女性をはべらかせているイメージがあるが、現代の末端ヤクザは、そんな贅沢な暮らしなど夢のまた夢。ここでは、そんな“食えないヤクザ”の現在のシノギ事情をみていくことにしよう。 (取材・文/フリーライター 上石ヒカル)





20181231 07
嘗て、ヤクザの資金源といえば、薬物売買やバカラ賭博といった違法行為の他、みかじめ料や借金の取り立て、用心棒等がメインだった。ところが、昨今の度重なる暴力団対策法の改正と暴力団排除条例の整備により、暴力団を社会から排除する動きが強まり、今やヤクザは本当に“食えない職業”となってしまった。文字通り、ヤクザはシノギを削ってやり繰りしているわけだが、末端のヤクザはどのように収入を得ているのだろうか? ある事件で逮捕されたのをきっかけに組を抜けた元組員(31)に聞いた。「複数のシノギを上手くこなしている器用なヤクザは勿論、今でもいて稼いでいるけど、シノギの知恵のないヤクザは悲惨そのもの。ホームレス並み、下手したらそれ以下の生活をしている連中もゴロゴロいるよ」。いくらなんでもホームレス並みとは驚きである。組事務所には、一般的な会社と違って“給料”というものは存在しない。それどころか、逆に“上納金”を支払わなければならない。毎月、組や兄貴分に納めなければならない挙げ句、様々な機会に臨時の支出である“義理”も払わなければならない。各所に“顔”が利いて、経済的にも右肩上がりの時代なら兎も角、ヤクザに厳しいこのご時世。組員、とりわけシノギの少ない下っ端にとっては頭の痛いシステムなのだ。因みに、日本最大の指定暴力団である山口組の分裂騒動も、二次団体で月額80万円前後とも噂される上納金の高さが、分裂の一因と言われている。

所謂“暴対法”や“暴排条例”は、ヤクザの生活を確実に締め付けている。「今では銀行口座も真面に開設できない。また、社会人なら当たり前に持っているクレジットカードも作れない」(同)。警察に暴力団の構成員と認定されると、様々な制限がかかるのだ。最近は、銀行口座を開設する時に、“反社会的勢力ではないと確約する同意書”という書類にサインさせられる。それだけ、社会から暴力団を排除しようという風潮が強まっているのだ。更に、「不動産の契約においても同様。アパートを借りられない為、車で寝泊まりする者もいる。組事務所も同様で、新たに事務所を作ることも難しくなった」(同)という。最早人間扱いされなくなったヤクザは、実際のところ、どうやって収入を得ているのだろうか? 「盗みや恐喝の類いは別として、クスリも振り込め詐欺も組織的にビジネスライクにやらないといけないので、個人単位でやるものじゃない。ヤクザも自分で考えて稼がねばならないが、共通して言えるのは、ヤクザという正体を伏せて稼ぐ必要があることだ」(同)。思わず、ヤクザである意味を問いかけたくなる言葉である。「今の時代、デジタルで稼ぐのが主流」(ヤクザ事情に詳しい週刊誌記者)だそうで、「主にインターネットビジネス。できるヤクザは、今時、外回りのようなアナログのシノギより、如何に手軽に、最小限の労働時間で稼ぐかを重要視しています」(同)とのこと。ヤクザもインターネットワーカーの時代らしい。では、IT系ヤクザのシノギとはどんなものなのか? 「例えばソーシャルレンディングです。これは、お金の貸し手と借り手をインターネット上で仲介するサービスですね。その他、最近ではビットコイン等の仮想通貨を使ったビジネスも。ビジネスとは言っても実質的には詐欺行為で、仮想通貨の現金化を餌にカモを釣る手口。昨今のブームから、胡散臭い仮想通貨が山ほどできて、無知な連中に売りつけてドロンしますが、そのうちの幾つもにヤクザが絡んでいますよ」(同)。因みに、先日起きた『コインチェック』からの巨額NEM流出事件にも、ヤクザの組織が一枚噛んでいたという噂もあるとのことだ。更に、インターネットビジネスの括りでいえば、スパムメール、所謂迷惑メールもシノギになるらしい。「クライアントは出会い系サイトが殆ど。1000万通のスパムメール送信で3万円くらいになる」(同)とのこと。なるほど、どうりで迷惑メールが減らないわけだ。また、名簿業者との繋がりもあるようだ。1000万件のメールアドレスリストは約5万円。クレジットカード情報は1件当たり約500円で取引されているとのことで、トロイの木馬等のコンピュータウィルスを仕込んだメールを企業や個人に送り付けて、感染したパソコンから個人情報やクレカ情報を抜き出すハッカーヤクザもいるらしい。ヤクザの世界でも、ITで勝るものが勝つ時代であることが窺える。

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テーマ : 暴力団
ジャンル : ニュース

日本の人妻は何故不倫に走るのか――女は稼ぐと不倫する? 一番の原因は“日本経済の劣化”

立憲民主党議員の山尾志桜里、女優の斉藤由貴に藤吉久美子と、著名人女性の不倫報道が世間を賑わせている。嘗て“不倫は男の甲斐性”と呼ばれていたように、不倫といえば余力のある既婚男性が妻以外の女性に手を出すのが一般的なケースだった。今、何が起こっているのか? 『日本人妻はなぜ不倫をするのか』(鹿砦社ライブラリー)を上梓したノンフィクションライターの井川楊枝氏が、女性の不倫激増の現状をリポートする。





20181231 05
近年、妻の不倫が急激に増加している。『恋愛jp』のオンラインアンケート(※2015年)によると、53%の妻が「不倫経験あり」と答えており、これが雑誌の『婦人公論』になると65.5%(※2013年)にまで跳ね上がる。調査媒体によっては、3人に2人以上の割合で不倫しているという衝撃の結果が出ているのだ。浮気調査では業界№1と評されている『MR探偵事務所』においても、近年、こうした世情の変化が如実に感じられるという。「当社は2003年に設立したんですが、浮気調査に関して言えば、設立当初はご主人が浮気していないかという調査が、ほぼ8~9割を占めていました。ですが、現在は6割ぐらいまで減っていて、その代わりに奥さんが浮気していないかという調査が4割ぐらいに増えているんです」(同事務所の岡田真弓社長)。世の多くの男性が妻の浮気を疑っているのが、今の日本なのである。そんな世相を反映してか、不倫をテーマとしたドラマ『昼顔』(フジテレビ系)を始め、女性の不倫を題材とした漫画やドラマが増えてきている。こうした事情を見ると、一見、世間が妻の不倫に対して許容する社会が生まれているかのようにも思える。しかし、ニュースサイトのコメント欄を始め、『2ちゃんねる』等のインターネット掲示板、『ツイッター』等のSNSでは、不倫女性に対する罵詈雑言が飛び交う。例えば2017年10月、“矢口真里、不倫を自虐的に振り返る”というヤフーニュースの記事には、以下のコメントが連なった。「もう引退して、二度と名前や顔を見せないでいただきたい。見てしまうと、気分が悪くなるので…」「汚いイメージしかない」「何故こいつを起用するのか理解に苦しむ」「全く反省してないね。いつまで不倫ネタを使うつもりなのか?」――。

不倫騒動からは4年の月日が経っているというのに、批判の声は収まらない。また、不倫が発覚した著名人女性は概ね、その後の活動に支障をきたしている。不倫妻は増加しているものの、世間は不倫を許容しているわけではない。寧ろ、不倫が話題になることによって、それに対する反発も大きくなっているのだ。では何故、それほどまで不倫は増えているのだろうか? 岡田氏は「女性の社会進出が原因」と指摘する。「近年の日本は経済的に厳しくなっているので、共働きが増えています。女性が社会に出るとストレスが溜まります。そんなストレス発散の手段として、浮気に走ることもあるでしょう。また、社会進出することによって出会いが増えますが、それも不倫増加の要因となっていると思います」。厚生労働省の1980年の統計によると、共働き世帯は614万世帯で、専業主婦世帯は1114万世帯となっていた。当時は圧倒的に専業主婦のほうが多くて、寧ろ共働きの世帯のほうが珍しかったのだ。しかし、2014年の統計を見てみると、共働き世帯は1077万世帯で、専業主婦世帯は720万世帯となっている。35年の月日を経て、その比率が逆転していたのだ。旦那が外で稼いで、そのお金を家に入れる。妻は縁の下の力持ちとなって、専業主婦として家を切り盛りするのが、嘗ての日本の家族像だったが、不況の今は夫婦で稼ぐのが主流となった。女性がお金を稼げば稼ぐほど、女性の権利が強くなるのは当たり前のこと。岡田氏は続いて、「昨今の不倫報道も不倫妻増加に拍車をかけている」と指摘する。「女性の著名人が不倫すると、それがニュースとして報道され、世間のバッシングが起こります。ですが、この報道を見た人の中には、逆に『あんな有名人ですらやっているんだ。だったら私も…』と考える人はいる筈です」。世間でバッシングされているから不倫を止めようと考えるのではない。寧ろ、加熱する報道が、心の奥底に潜んでいる不倫願望に火を点けてしまうのか――。そして、不倫増加にもうひとつ、大きな役割を果たしているものがある。それがインターネットだ。「昔は不倫体験なんて周りに言えなかったと思うんですね。でも、それがインターネット上だったら匿名で言えます。そういう体験談を見ると、『不倫って特別なことじゃないのかもしれない』と思ってしまいますよね」(同)。“不倫 ブログ”といったキーワードで検索すると、自身の不倫体験を赤裸々に綴るブログが有象無象に出てくる。インターネットの誕生によって、不倫妻たちは、外に吐き出したくて仕方のない秘めた体験を、匿名で吐露できるようになった。そして、それを見た他の妻たちが触発されることで、不倫妻が量産されているのだ。不倫妻増加には、それ以外の理由もある。一般社団法人『日本家族計画協会』の『男女の生活と意識に関する調査』(※2016年)によると、47.2%もの既婚者が「セックスレスだと感じている」という結果が出ていた。

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ジャンル : ニュース

「携帯電話料金は必ず4割下げる」――菅義偉官房長官インタビュー





20181231 01
“1億7000万”――。この数字を見て直ぐにピンとくる人は、どれほどいるでしょうか? 実はこの数字、我が国におけるスマートフォンも含めた携帯電話の契約台数です。今や、携帯電話は“1人1台”の時代です。私はガラケーとスマホの“2台持ち”で、携帯は日常生活には欠かせません。恐らく、多くの人もそうでしょう。また、携帯電話は災害時に家族の安否確認や情報収集をする為にも必要不可欠です。国民にとってライフラインのひとつと言っても過言でないと思います。携帯電話は、電話で通話するだけのものではありません。『LINE』でメッセージを交換したり、インターネットサイトでニュースを確認したり、買い物や銀行振り込みをしたり――。私たちは日々、スマホの通信を介して、色々なサービスを受けています。こうした中で、家計における通信費が大きく伸びています。総務省が発表しているデータによると、2017年の家計における通信費の平均月額は、10年前の2007年と比較すると、何と44.6%増の約1万4000円。一方で、同じ年の家計支出全体は月額平均で約31万3000円で、10年前より3.2%減。デフレ下で消費が減り続けているのに、通信費だけ突出して増え、家計を圧迫しています。今や、携帯電話は子供も持っていますし、若い世代は所得が低い方を含めて持っています。しかし、通信料は利用者ならば誰でも同じ金額を払うわけですから、所得が少ない世帯では、それ以外の消費に回す金額は自ずと減ってしまいます。これは好ましいことではありません。

私は予てから、「日本の携帯電話料金の水準は高過ぎる」「料金体系が不透明でわかり難い」と主張してきました。そして今年8月、北海道で行なったある講演会で、こう述べました。「大手の携帯電話料金は、今よりも4割程度下げる余地があると思っています」。以前からの考えを改めて述べたつもりだったのですが、これには予想以上に大きな反響がありました。「選挙対策の為に言ったんじゃないんですか?」「消費税を上げるのを見越して発言したんですよね?」。一部からはこのような指摘も受けましたが、最近になって突然言い出したことではありません。2015年9月に行なわれた経済財政諮問会議の席上で、安倍晋三総理は高市早苗総務大臣(※当時)に「携帯電話料金の引き下げ策を検討して下さい」と指示しているからです。日本の月々の携帯電話料金はどれくらい高いのでしょうか? 携帯電話事業者には、大きく分けて2種類があります。MNO(※移動体通信事業者)とMVNO(※仮想移動体通信事業者)です。MNOとは回線網を自社で保有している会社で、日本では『NTTドコモ』・『KDDI(au)』・『ソフトバンク』の大手3社です。一方、MVNOとは回線網を自社で保有せず、MNOからの提供を受けてサービスを展開している、所謂“格安ケータイ会社”はこれに当たります。その上で、今年9月に総務省が発表した統計資料を見てみたいと思います。『経済協力開発機構(OECD)』加盟国である国の大都市――ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ソウルと、東京の携帯料金を比較しています。単位は円に直し、料金プランは2GB、5GB、20GBの3種類です。また、何れのプランも、通話は月に70分、メールは月に155通と仮定しています。MNOのシェア1位の事業者(※日本はNTTドコモ)の比較を見ると、2GBだと東京は5942円。高いほうから2番目とはいえ、最も高いニューヨークの5990円と殆ど変わりません。そして、5GBになると7562円で一番高く、20GBも8642円と一番高い金額となっています。2GB、5GB、20GBの何れにおいても、国際的に高い水準になっていると言っていいでしょう。そして、料金の水準に加えて大事なのは料金の傾向です。世界全体で携帯電話料金は下降傾向にあります。例えば、パリとデュッセルドルフにおけるシェア上位3社の内、最も安いプランを見てみましょう。両都市とも、2016年度から2017年度にかけて、2GB、5GB、20GBの何れの料金プランでも金額は下がっています。特にデュッセルドルフの下落幅は大きく、20GBプランでは、2016年度は9845円だったものが、翌年には5049円と約5割も下がっているのです。

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テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
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【コラム】 フジテレビが“坂上忍王国”になる日

今年も1年を振り返る時季になった。毎年、12月初旬にテレビ番組出演ランキングが発表されるが、ランキングを待つまでもなく、視聴者の体感でいえば、断トツ1位は間違いなく坂上忍だろう。月~金昼帯『バイキング』を筆頭に、『ダウンタウンなう』・『直撃!シンソウ坂上』・『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ系)、『坂上&指原のつぶれない店』・『1番だけが知っている』(TBSテレビ系)、『有吉ゼミ』(日本テレビ系)等レギュラー番組の他、特番のMCも多数。毎日、坂上の顔を見ない日はないといっても過言ではない活躍ぶりだ。何故、坂上がここまでになったのか? 『ビデオリサーチ』が8月に発表したタレントイメージ調査では、50位以内にもその名は見当たらない。逆に、『週刊文春』の好きな俳優・嫌いな俳優ランキングでは、嫌いな俳優2位にランクイン。因みに1位は木村拓哉だが、彼の場合、好きな俳優3位にも入っている。しかし坂上は、一方的に嫌われているだけ。にも拘わらず、重宝されているのが謎だ。坂上が、最高視聴率56.3%を記録した水前寺清子主演『ありがとう』(TBSテレビ系)の子役だったのは有名な話。その後、『ふしぎ犬トントン』(フジテレビ系)という子供向けドラマで主演するも、それ以降は子役にありがちの、徐々に仕事を失っていくパターンで、主演はおろか、レギュラーよりも時代劇や刑事ドラマにゲスト的扱いで登場したり、2時間ドラマに出てくる程度であった。それが気が付けば、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で「ブスは嫌い」と言い切る毒舌キャラと潔癖症キャラが受け、トーク番組やバラエティー番組を一周しながら勢力を伸ばしていった感がある。

『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の後番組としてスタートしたバイキングの月曜MCを担当したが、番組は視聴者の共感を得ることができず、半年でテコ入れ。坂上を全曜日通してのMCに起用し、今日に至る。バラエティー色の強かった旧バイキングから、話題のニュースを取り上げるスタイルに変更し、番組内での問題発言がSNSで扱われる機会も多くなり、注目度は高く、どこからともなく“業界内視聴率№1番組”等と言われるように。“沈みかけた泥船”ことバイキングを見事に立て直した勇者として、坂上の株は上昇した。更に、何をやっても当たらなかったダウンタウンなうがスタジオを飛び出し、坂上をナビゲーターに居酒屋でトークする“本音でハシゴ酒”企画に変更したところ、こちらもヒット。この2つの番組を立て直した坂上は、フジテレビにとっての救世主となった。バイキングを始め、坂上のレギュラー番組にほぼ関わっているのが、同局チーフプロデューサーの小仲正重だ。以前、マツコ・デラックスが番組の中で「日本香堂の社長の息子」と呼んでいた御仁だ。『毎日香』でお馴染みの『日本香堂』。フジテレビの坂上依存は、コネ入社のお坊ちゃまがすっかり心酔し、“坂上教”の信者になった結果と言えそうだ。最早、教祖様の言いなり。10月にスタートした坂上どうぶつ王国はその最たるもので、動物好きの坂上が本気で“どうぶつ王国”を作るとか。バイキングの顔とまた別の顔を見せることでギャップ萌えを狙ったのかもしれないが、何とも薄ら寒い。テレビのMC役という子役以来の当たり役に巡り合えた坂上。参考にしているのは、やしきたかじんか上岡龍太郎か、はたまた島田紳助かみのもんたか――。何れにせよ、“昭和型MC”を踏襲しているに違いない。どうぶつ王国の野望は兎も角、フジテレビを“坂上忍王国”にする日は近いかも。


桧山珠美(ひやま・たまみ) 放送コラムニスト。大阪府生まれ。出版社や編集プロダクションを経てフリーに。現在は放送コラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆中。


キャプチャ  2018年12月号掲載

テーマ : フジテレビ
ジャンル : テレビ・ラジオ

【いのち守る・児童相談所の今】(下) 伝わらなかった“不起訴”

20181229 18
昨年1年間に全国の警察が摘発した児童虐待は、過去最多の1138件。怪我が軽い場合、検察が不起訴とすることが多いが、刑事処分を免れた親が再び虐待を繰り返し、子供が命を落とすケースは後を絶たない。東京都目黒区で3月に死亡した船戸結愛ちゃん(※当時5)の父親も昨年、2度書類送検されていたが、何れも不起訴だった。「起訴すべきだ」。結愛ちゃんが亡くなる約1年前の2017年2月16日、高松地検で開かれた処分前カンファレンスで、児童相談所の担当者は検事に訴えた。カンファレンスは、児相の意見を刑事処分に反映させることを目的に、2014年から導入された。児相、警察、医療機関等が参加し、虐待リスクや家庭環境等の意見を述べる。児相や医師は、「反省しているか不明」「父は手が出る傾向にある」と厳しい意見を口にした。その2ヵ月前の2016年12月25日、クリスマスの夜。結愛ちゃんは「お菓子を食べ過ぎる」という理由で、香川県善通寺市の自宅アパートから放り出され、ピンク色のパジャマに裸足で外階段の下にしゃがみ込んでいた。唇は切れ、目の上にはたんこぶがあった。「おうちに帰りたい?」。通りかかった女性が尋ねると、結愛ちゃんは暗い表情で「帰りたくない」と答えた。

県警は2017年2月、結愛ちゃんへの傷害容疑で、父親の雄大被告(33、後に保護責任者遺棄致死罪等で起訴)を書類送検。5月にも再度、別の傷害容疑で書類送検した。しかし、カンファレンスの半年後の8月、高松地検丸亀支部は2つの傷害事件を何れも不起訴と決定。不起訴という結果は児相には伝えられなかった。児相関係者は、「刑事処分が気になっていたが、連絡さえなかった」と証言する。児相は今年1月、両親の指導措置を解除し、結愛ちゃんは転居先の東京で再び虐待を受け、死亡した。児相関係者は、「対応が甘いという指摘は真摯に受け止める。ただ、起訴して、連絡をくれていれば、こちらも毅然とした対応が出来た」と話す。高松地検は取材に対し、不起訴の理由や児相に処分結果を伝えなかったことについて、「個別事件の捜査に関わり、答えは差し控える」と回答した。地検からの情報不足が問題になったケースは過去にもある。和歌山市で2013年7月、男児(※当時2歳)が虐待で死亡した事件では、父親が事件前、男児への傷害容疑で2度逮捕されながら不起訴になっていた。地検は虐待を認定したが、児相には“起訴猶予”としか伝えなかった。釈放された父親が「不注意による事故だった」と施設から連れ戻しに来ると、経緯を知らされていない児相は男児を戻してしまった。その2週間後、男児は父親からの虐待で死亡した。頭を強く打ち、体中に暴行の痕があった。「不起訴の経緯を知っていれば、家庭に戻さない判断もあり得た」。児相関係者は悔やんだ。結愛ちゃんの事件を受け、最高検は今年7月、刑事処分時に児相等と情報共有を強化するよう通知した。児童虐待に詳しい東京通信大学の才村純教授は、児相の対応について、「罪を問うのが目的の刑事処分と、児童福祉は視点が違う。児相は、刑事処分で対応を左右されてはならない」と求めている。

                    ◇

石坂麻子・森田啓文・小泉朋子・木村雄二・渡辺星太が担当しました。


キャプチャ  2018年12月29日付掲載

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George Clooney

Author:George Clooney

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