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江沢民の孫がアメリカで民事訴訟の標的に…中国系企業株巡る不正が原因





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江沢民元国家主席の孫である江志成氏(※左画像)が経営する資産運用会社『博裕資本』の投資先会社が、ニューヨーク州で訴訟を起こされ、博裕資本も被告になっていることがわかった。江志成氏は江沢民氏の長男・江綿恒氏の息子で、祖父の威光をバックに莫大な資金を集め、香港や中国国内の他、海外の多くの優良企業に投資してきた。その投資先の一つが『薬明生物』という企業で、中国系の製薬会社『薬明康徳』の子会社だ。同社は北京大学卒業の技術者らが2000年に設立し、2007年に『ニューヨーク証券取引所』に上場。だが、同社は2015年に非上場化している。この非上場化の直後に同社は、『薬明生物技術』と『薬明康徳新薬開発』という2つの子会社を上場させ、莫大な利益を得た。博裕資本等が株を持っていたが、事実上、関係者だけで利益の分割を図ったのだ。薬明康徳の元株主らは、この不公正な非上場プロセスで被った損失を賠償するよう求めている。原告らが得た情報の出元はアメリカの証券取引委員会(SEC)とみられ、ドナルド・トランプ政権の意向も見え隠れする。

                    ◇

印パ紛争に台湾が思わぬ形で巻き込まれている。2月27日にインド軍が撃墜したパキスタン軍の『F16』について、パキスタンは「アメリカから台湾に輸出されたものだ」と説明し、波紋を広げているのだ。インド軍の撃墜した戦闘機について、同国はパキスタン軍のF16と断定している。これに対して、パキスタン側が製造番号等を基に、「アメリカから台湾に輸出されたもの」と主張したのだ。パキスタン軍はアメリカからF16戦闘機を“対テロ戦争”の用途に限って供与されている為、インド軍との交戦に使用した場合、違反になる。その為、苦し紛れに「台湾のもの」という言い訳を考え出したようだが、驚いたのはインド、パキスタン両国と国交のない台湾の軍事当局だ。事の真偽は不明なままだが、台湾国内では野党等が軍の管理責任を問う声を上げ始めた。台湾政権にとっては、とばっちり以外の何物でもない。

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南北朝鮮の首脳会談で、非武装地帯(※DMZ)の開発についての秘密合意が結ばれているようだ。韓国政府筋が明らかにしたところによれば、南北直結鉄道の敷設の他、交流センター等の建物、自然保護エリアの設置等が検討されているという。DMZは朝鮮戦争休戦後の1953年に設立されたもので、257㎞に亘って南北に2㎞、計幅4㎞が立ち入り禁止区域となっている。韓国と北朝鮮は、軍事境界線に設置された監視所を南北相互で縮小することが既に決められているが、DMZの縮小・廃止をも視野に入れているとすれば、相当踏み込んだものと言える。米朝首脳会談が不調に終わる中、文在寅大統領の勇み足になりかねない。

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中国政府は、世界的に批判を浴びている新疆ウイグル自治区統制モデルを、世界各地に“輸出”することを検討している。この3年間、暴動等を抑え込み、自信を深めた当局は、ここにきて海外当局やメディアを新疆に招待し始めている。既にカザフスタンでは中国による指導が行なわれている形跡もある。カザフ当局が最近、中国に批判的な中国籍カザフ族の民族運動家を拘束したケースがあったが、背後には中国がいるという。一帯一路に協力する国には、中央アジアを中心として独裁的な元首も多くいる。その為、国内の少数民族や不満分子を抑え込む為に、ウイグルモデルは都合がいい。

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テーマ : 中朝韓ニュース
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【火曜特集】(32) 「令和とは麗しき“大和の心”である」――中西進氏(国文学者)インタビュー

万葉研究の第一人者である国文学者の中西進氏が本紙のインタビューに応じ、『万葉集』を出典とした新元号の令和について語った。京都市の自宅で1時間半程行なったインタビューでは、自身が考案者であるとは明言しなかったが、話は元号の在り方についても及んだ。その闊達な話しぶりは、万葉の歌のように生き生きとしていた。 (聞き手/編集委員 鵜飼哲夫)





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――新元号・令和への感想は如何でしたか?
「私は考案者でないと思っているから、今日は一国民として話します。先ず、この間、ある新聞を見たら、いいと思った人が80%を超えていた。この好評さは全く予測していなかった。それと、“ら行”で始まるのはいい。ら行音が美しいというのは常識です。漢字と雖も、音は非常に重要です。レイには麗しいの“麗”がある。そして、“令”に玉偏(※偏では“王”と表記)を付けた“玲”は玉のような美しさを示し、立心偏の“怜”は心の美しさを表す。つまり、“令”の付く漢字は内容もいいし、響きもいい。その中心にある“令”とは何か? 辞書を引くと“善い”という意味です」
――善悪の善ですね。
「善は、先ず言葉として美しいし、儒教の最高の理念でもあります。そして、第二に“令は律なり”という定義がある。法律の律です。令和についてのコメントで、『命令という意味があるから反対だ』と意見を述べる人がいますが、ではその人に訊くけど、貴方は悪い命令でも聞きますか? 聞きませんよね。では、どういう命令なら聞くかといったら、それは善い命令です。本来、命令はいいことです。そういう善き振る舞いをする人が令嬢であり、令息です。このように、“令”は言葉として美しく、善いものだと、多分、考案者は考えたのでしょう」
――では、新元号の典拠になった“初春の令月にして、気淑く風和ぎ”にある“和”とは何ですか?
「聖徳太子が作った十七条の憲法の第一条、“和をもって貴しとせよ”を思い浮かべます」
――中西さんは、その著『国家を築いたしなやかな日本知』(ウェッジ)の冒頭に、聖徳太子の“和”の宣言を掲げていますね。
「そう。 あれは1400年前くらいにできた平和憲法です。604年に制定される前まで、あの当時の日本は朝鮮半島で泥沼の戦争をしていた。その戦いを止めた後にできたのが十七条の憲法です」
――その“和”の精神があって善いから“令和”となるのですね。
「それを日本語で言うと“麗しい”でしょう。古事記が(大和は素晴らしい国どころと)記した“大和しうるはし”の“うるわし”です。それは和の尊敬されるべき善さ、整頓された美です。この“大和の心”は万葉の精神にも流れ、日本の文化に脈々と受け継がれ、今の平和憲法にも繋がる。だから、『安倍さん、貴男も十七条の憲法の一部を年号にしなさい』とも、考案者の一人は密かに思っていた。僕の名前に限りもなく近い人間が考えた(笑)」
――では典拠には、万葉集に加えて、十七条の憲法もあるのでしょうか?
「憲法を記した日本書紀は漢文で全体が書かれている。だから、国書というのに抵抗がある。では、何が国書かといったら、万葉集が日本で最初の仮名の文書ですよ。日本固有の万葉仮名で書かれた万葉集は、中国人には書けませんし、全然読めません」
――ただ、令和の典拠となった梅花の歌三十二首序文については、多くの専門家が、中国の古典である王義之の『蘭亭序』や、詩文集『文選』の張衡『帰田賦』の影響を指摘しています。
「勿論、考案者も中国の影響は知っていたでしょう。ただ、ここは誤解を解く為に、考案者の為に代弁しますと、梅花の歌三十二首の序文は、蘭亭序とは言葉遣いや全体の内容も違います。また、帰田賦の“仲春令月、時和気清”とも似ているようだが、違う。中国では、令月といえば仲春、つまり2月です。しかし、万葉集には“初春の令月”とある。これ、旧暦の1月なんです。こんな文章は、中国人は絶対に書かない。中国では1月は未だ寒く、麗しい空気になっていませんが、日本では初春の1月こそ麗しい月を愛でる季節になる。序文そのものは漢文で書かれていますが、その内容は大和風です」

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テーマ : 社会ニュース
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【リベンジに燃える会社】(02) 『森下仁丹』――おっさんパワーで会社を変える

嘗て人気があった『仁丹』。今では清涼菓子やガムに押され、過去の商品となってしまった。製造元の『森下仁丹』は、経営危機を経て、古臭い老舗のイメージから生まれ変わろうとしている。 (取材・文/フリージャーナリスト 大宮知信)





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森下仁丹のヒット商品、小さな銀色の粒の仁丹。年配の人なら知らない人はいないだろう。大阪市に本社を置き、1893年創業の老舗企業である。16種類の生薬を入れて作る仁丹は、1960年代から1970年代にかけて一世を風靡した。特に愛煙家に支持されたが、昭和の終わり頃から売れ行きが低迷。煙草がマイルドになり、ガムやタブレット菓子等の競合商品が増えたこともあって、独特の苦みがある仁丹は次第に敬遠されるようになった。仁丹の売り上げは、1982年の39億円をピークに減少の一途を辿り、2002年には3億円にまで落ち込んだ。2003年3月期の決算で30億円の経常赤字を計上。借入金は50億円を超え、総売上高よりも金利負担のほうが大きかった。銀行の管理下に置かれ、首の皮一枚で繋がっているような状況だった。危機感を抱いた創業家が採った再建策は、『三菱商事』で海外子会社の立て直しに取り組んだ経験のある駒村純一氏を迎えることだった。駒村氏は2003年に執行役員として入社。大手商社から社員300人規模の中小企業への転職である。しかも、経営内容はどん底。一抹の不安はあったが、老舗企業ならではの眠っているお宝が沢山ある。これまで培ってきた技術を活用すれば、必ず復活できるという予感があった。入社して先ず取り組んだのが、社員の意識改革。当時、社内では危機感は殆ど感じられず、のんびりした雰囲気が漂っていた。嘗て栄華を誇ったブランドの存在が、会社の前進を止め、老舗体質が根付いてしまっていた。駒村氏は、過去の栄光を忘れること、自分たちの伝統と思い込んでいる企業風土や意識を変えること、老舗も新しいものを生み出さなければ生き残れないこと等を語り続けた。

3年後の2006年10月に社長に就任。あからさまなリストラはしないという前提で、ある程度の強権を使って、組織改革と併せて財政の健全化に着手した。タイミングよく当時、不動産市場はミニバブルだった。駒村氏が目を付けたのは、大阪市中央区玉造にある老朽化した本社工場の土地建物。「2000坪の土地があった。誰も考えることだが、この資産を売ればいいと。歴史のある会社で創業家もいるから、古手の役員はようものを言わんかった」が、説得して売却。「予想していた1.5倍ぐらいの価格で売れた。その後、本社は50m離れたところに、工場は大阪府枚方市に其々移転。この売却金で借金を返済して、更に20億円くらいの利益が出た」。社長就任後、年功序列に囚われず、実力主義を浸透させる為の人事を積極的に行なった。中途採用と古参社員の立場が入れ替わったり、年下の人が上司になることもあった。激しい配置転換に不満を抱いて辞める者も出たが、これぐらいの“荒療治”を行なわなければ、地盤沈下した老舗企業を浮上させることはできないと考えていた。駒村氏は2年ぐらい前から社内で「新卒よりも50歳過ぎが欲しい」と言い出した。組織を発展させるには、若手の先生役が必要だった。活きのいい若手より、定年間近のおっさんを採れというのだから、常識では考えられない発想だ。「2017年3月に、約10人の“第4新卒”を採用しました。次の会社をリードしていく人材です」。駒村氏の定義によれば、“新卒”は大学を卒業したばかりの若者。“第2新卒”は就職して3年以内に転職した人たち。“第3新卒”は大学院博士課程を出た未就労者。それに対して“第4新卒”とは、社会人として長年経験を積んだ人材を指す。駒村氏の造語だ。予想以上の反響があり、全国から2200人の応募があった。最高齢は72歳。その内、30代から定年前後の60代までの10人を幹部候補生として採用した。こうした中途採用者が社内を元気付けるカンフル剤になっていると駒村氏は言う。駒村氏は社員に「線路を10本走らせろ」と檄を飛ばす。入社当時、森下仁丹は仁丹という一つの大ヒット商品に頼り切っていた。これでは、仁丹が売れなくなれば会社は潰れる。駒村氏の戦略は、選択肢を増やすことだった。これに対して社員からは、「寧ろ“選択と集中”でいくべきではないか」との声も出た。しかし、何が成功するかわからない時代、選択肢は多いほうがいいというのが駒村氏の考えだ。2015年4月から機能性表示食品の法整備が変わり、消費者庁に届け出ればサプリメントに機能性を記載することが認められるようになった。

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テーマ : 経済ニュース
ジャンル : ニュース

【不養生のススメ】(25) “透析中止”は悪ではない





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『公立福生病院』の医師が、腎不全の女性(※当時44)の意思に基づき人工透析を中止し、1週間後に女性が死亡したことが問題になっている。同病院の医師は、「医師の独善」「医道を外れた、医師にあるまじき行為」「一連の行為は国のガイドラインから外れ、現在の医療水準や一般社会の認識からも懸け離れている」等、医療関係者を始め、多くの人から非難を浴びている。日本のメディアは、この問題を英文ニュースに翻訳し、世界にも発信した。それらの記事をアメリカ人医師たちと共有すると、彼らは日米の医療倫理の違いに驚いた。アメリカでは、透析を含めて、患者は如何なる治療も拒否する権利を持つ為、「福生病院の医師の行為に倫理的な問題はない」と見做している。慢性腎臓病が進行すると末期腎不全になる。末期腎不全の患者は、腎臓が健康な人の15%未満しか働かず、体から老廃物や余分な水分を排泄できなくなり、生命が維持できず、通常、数週間以内に死に至る。その為、透析や腎臓移植による治療が必要となる。特に日本は脳死移植の提供が極端に少ないので、移植を登録しても透析を続けざるを得ないのが実情だ。但し、多くの末期腎不全の患者は、透析でより長く生きて、生活を楽しんでいる。

その一方、透析を心身への負担と考え、時間的拘束を苦痛に感じる患者もいる。2010年のカナダの報告では、584人の末期腎不全患者を調査したところ、61%の患者が透析を開始したことを後悔していた。『全米腎臓財団』は、透析患者に「『透析を中止したい』と思う時があるかもしれない。透析が、最早生活の質を維持できず、改善しないと感じるかもしれない。このような時、透析を中止する権利があることを知ることが重要。但し、決断する前に、大切な人や医療チームと慎重に話し合うべき」と述べている。『全英国民保健サービス』や『カナダ腎臓財団』等も同じだ。気持ちが変化し、透析中止を撤回したい時は再開できる。また、全英国民保健サービスは、透析を中止することによる死因は、自殺でも安楽死でも自殺幇助でもなく、腎不全であることを強調している。北米やイギリスでは、透析の中止は透析患者の主な死亡原因だ。これまでの報告によると、透析の中止は透析患者の死因の12~26%を占める。歴史を振り返ると、アメリカでは1970年代初頭から透析の中止が注目され始めた。1986年の医学雑誌『ニューイングランドジャーナルオブメディシン』の報告によると、長期に透析を受けていた末期腎不全患者1766人の内、155人(※9%)が透析を中止し、全死因の22%を占めた。糖尿病ではない若い末期腎不全患者に比べて、高齢の患者、複雑な変性疾患を持つ患者、若い糖尿病の患者が透析を中止する傾向があった。透析中止を決めた時、患者の半数は状況を理解しており、約40%に新たな合併症は無かった。また、状態が理解できない患者については、透析の中止は73%が医師、27%が患者の家族の決定によるものだった。トータルでみると、1970年代初頭は医師が全患者の透析中止の66%を決めていたが、1980年代初頭になると患者とその家族が透析の中止を決めるようになり、医師による決定は30%に減少した。2016年のアメリカの報告によると、約2万8600人の末期腎不全の成人を対象にした退役軍人省調査で、慢性腎不全患者の内、透析や腎臓移植の治療を受けたのは3分の2(※67.1%)だ。「透析をしない」と決断した患者は、高年齢及び合併症を抱えている患者で高まった(※右上グラフ)。フランスの状況は興味深い。2004年の報告では、フランスのある地域の11の透析ユニットで、2001年に死亡した全ての慢性腎不全患者の結果を分析した。1436人の透析患者の内、196人(※13.6%)が死亡した。この調査でも、最も一般的な死因は透析の中止で、40人(※20.4%)を占めた。但しフランスでは、透析の中止は殆どの場合(※77.5%)が医師によって決定された。その理由を研究者らは、「家族が透析中止の決断に責任を持つと罪悪感を抱く可能性があること、自分の体に対する自己責任という考えが北米のように受け入れられていないこと、患者とその家族に対する医師の態度はしばしば父性主義的であること」と説明している。一方、知り合いの日本人専門医に日本の状況を聞くと、「透析の中止は、日常診療の中で、透析が継続できない低血圧が起きた場合は、家族の同意の下で行なう。血圧が低いと透析ができず、この場合は仕方がないこと。それ以外の理由で、患者が望まないからと透析を中断することは先ずない。高齢者や癌患者、寝たきり等で腎不全が進行しても、透析を最初から導入しないことはある。その際も、家族によく説明した上で導入しないことになる」と話す。

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テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

【地方銀行のリアル】(25) 栃木銀行(栃木県)――経営衰弱で持ち上がる“再編”観測





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「やはりあの時、どんなに無理してでも買っておくべきだった」――。『東武鉄道』宇都宮駅の西側に本店を構える『栃木銀行』。そのOB幹部の一人は、頻りとこう悔やむ。“あの時”とは、2006年秋に火蓋が切られた『足利銀行』争奪戦。巨額の不良債権を抱えて、2003年11月に経営破綻し、一時国有化されていた足利銀行の受け皿選定に向けたM&Aディールに、栃木銀行は『三井住友銀行』と『大和証券グループ本社』の投資銀行合弁である『大和証券SMBC』(※現在は合弁解消)とタッグを組んで挑んだ。しかし、第1次審査こそパスしたものの、勝ち残った7グループによる第2次審査であえなく敗退。最終となった2008年3月の第3次審査の結果、『野村證券』系の投資ファンドが中核となった企業連合にまんまと“獲物”を掻っ攫われた。当時、3000億~4000億円とも取り沙汰されていた買収価格に二の足を踏んだ為と言われているが、前出のOB幹部は「厳しい状況だったにせよ、資金調達の目処は何とか立っていた。足らなかったのは、“小が大を呑む”ことへの不安を断ち切るだけの(首脳陣の)勇気と決断力だけだった」と振り返る。その足利銀行は2013年12月再上場を果たした後、2016年10月には茨城県地盤の『常陽銀行』と経営統合。今や巨大地銀集団『めぶきフィナンシャルグループ』となって、栃木銀行に襲い掛かる。

2015年3月期に122億円だった連結純利益は、2016年3月期に112億円、2017年3月期に76億円、2018年3月期に44億円と、3期連続減少。めぶきの風圧と壁の前に、収益力は細る一方だ。そして、2018年4~12月期には遂に2.37億円(※前年同期は37億円の黒字)の最終赤字に転落。2019年1~3月期で若干押し戻すものの、2019年3月期通期の純利益は僅か5億円と、前期比89%の大幅減益に沈む。最終赤字転落の直接的な要因は、有価証券運用の「失敗」(幹部)だ。利回り低下でジリ貧の続く貸出金利息収入の穴を有価証券利息配当金収入で埋めようと、外国債券や投資信託への投資に傾斜。そこに、アメリカの利上げ等で多額の含み損が生じる形となり、ロスカット(※損切り)を強いられたのだ。2018年10月にドル建ての固定金利債券535億円分を全て売却して、約35億円の売却損を計上。保有株の益出し等で29億円の株式売買益を捻り出したものの、与信費用も34億円強と前年同期の倍増超に膨らみ、「埋め切れなかった」(栃木銀行関係者)という。それでも、今回のロスカットで有価証券の評価損益が好転するのなら、未だ救われる。だが、同12月末時点で“その他有価証券”はなお32億円の含み損状態で、同9月末よりも寧ろ11億円超悪化。益出しやこの間の株価下落等で、同9月末には36億円余あった保有株の含み益は僅か2.7億円にまで目減りし、「最早、余力が尽きたも同然の有り様」(メガバンク関係者)に陥った。「今後は安全・確実な運用に軸足を移す」。失敗を受けて、栃木銀行の黒本淳之介頭取は、外債運用等を縮小し、有価証券資産のポートフォリオを組み替えていく方針を打ち出している。とはいえ、“安全・確実な運用”など果たして可能なのか? 考えられるのは、これまで圧縮を続けてきた日本国債への回帰だが、経済環境を踏まえると、国債に投資しても今以上の国内金利の低下は見込める筈もなく、従って国債の価格上昇は殆どあり得ない。価格が上がらなければ、その他有価証券の含み損状態はいつまで経っても解消されないまま、「澱のように沈殿し続ける」(事情通)ことになる。今年2月中旬、『格付投資情報センター(R&I)』は栃木銀行の発行体格付けの引き下げに踏み切った。それまでのA-を1ノッチ下げ、BBB+に降格。収益力改善の成果が不十分なことに加え、「上向くには時間がかかる」と判断した為だ。その上で、「(含み損を抱えたままで)収益力が現状程度に止まると、リスクが顕在化した際に利益で吸収することが難しくなっている」と指摘。栃木銀行の先行きに警鐘を鳴らす。そんな中で浮上しているのが再編観測だ。相手と目されているのは、『関東つくば銀行』と『茨城銀行』の合併で2010年に誕生した『筑波銀行』(茨城県土浦市)と『東和銀行』(群馬県前橋市)。栃木銀行は、両行と2014年12月にビジネスマッチング等で広域連携協定を締結しており、比較的親密な関係にある。その何れかと経営統合への道を探っているのでは――というわけだ。栃木銀行の昨年12月末の貸出金残高は1兆9113億円。これに対し、筑波銀行は1兆6545億円、東和銀行は1兆4489億円。どちらと一緒になっても3兆円を超え、地銀中上位に躍進する。「筑波銀行と統合すれば、同じ栃木・茨城の組み合わせであるめぶきFGへの対抗軸ができることになる。一方、東和銀行は埼玉県内に本拠地・群馬の38店舗を上回る42店舗を展開している。しかも、上野東京ラインの開業で魅力が一段と高まっているJR高崎線沿線に集中的に出店しており、相対的に成長の余地が大きい。同じく県境を接する長野の八十二銀行や山梨中央銀行等も再編相手として狙っていると噂されており、栃木銀行としては先を越されたくないところだろう」。金融筋の一人は、こんな読みを披露する。

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テーマ : 地域のニュース
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【足許提灯】(11) 高まる増税延期の可能性

今年10月に予定されている消費税の増税は、本当に断行されるのだろうか? 結論を先に言えば、私は「かなり難しくなってきた」とみる。昨年末まで、私は「流石に今回は増税するだろう」とみていた。 過去2回の増税延期とは違って、安倍晋三首相は2017年秋の衆議院解散・総選挙に際して、増税に伴う税収の使途を大きく変更したからだ。それまで、増収分の大半は財政赤字の削減に充てる計画だった。ところが、首相は教育無償化、とりわけ幼児教育無償化に2兆円弱を充てる方針を打ち出した。その後、歳出メニューは更に拡大し、最大5%のポイント還元やプレミアム付き商品券の発行、住宅ローン減税の拡充、自動車を購入した際の減税や給付金、商店街支援等を打ち出した。政府は昨年12月の経済財政諮問会議で、「増税分を上回る対策を用意した」と説明している。増税に伴う国民の負担増5.2兆円に対して、幼児教育無償化や年金生活者支援給付金の支給で3.2兆円の受益増があり、残る負担は差し引き2兆円になる。これに対して、ポイント還元等一連の対策が合計2.3兆円に上り、負担を上回るので、「悪影響は十分に乗り越えられる」という目算だ。2019年度予算案は、増税を前提として、歳出メニューを予算化している。そうであれば、増税を延期すると、その分、歳入に穴が空く形になる。安倍首相とすれば、国会に予算の成立をお願いしておきながら、成立した途端に「やっぱり増税は止めます」というのは、政治的にかなり難しいとみたからだ。卓袱台返し同然になってしまう。以上は、増税の大前提になる景気が順調に拡大していった場合の話である。ところが、景気には暗雲が垂れ込めている。最大の不安要素は、アメリカと中国の貿易戦争だ。両国は昨年の米中首脳会談で“90日間の休戦”に合意したが、休戦は2月末で切れる。妥協が成立する可能性はあるが、だからといって米中が根本的に和解するのは難しい。対立は貿易分野に限った話ではなく、本質的に“世界秩序を誰が形成するのか”という覇権を巡る戦いであるからだ。自由と民主主義のアメリカか、それとも独裁と全体主義の中国か――という問題である。

既に中国経済は大きく減速している。例えば、自動車販売台数は28年ぶりに前年を割り込んだ。対中輸出企業を中心に、日本もアメリカも企業業績に急ブレーキがかかっている。この先も、中国の貿易環境が劇的に改善する見通しはない。中国の減速が齎す世界経済への悪影響は、ジワジワと拡大していくだろう。加えて、イギリスのEU離脱問題が難航している。イギリスもEUも秩序ある離脱を望んでいるが、イギリスの一部である北アイルランドの扱いを巡って出口が見つからない。EU加盟国であるアイルランドと、離脱する北アイルランドの間に検問所を設置すれば、両者の亀裂を呼び覚まして、血で血を洗う紛争を再現しかねない懸念がある。といって、検問所無しでは事実上、北アイルラ ンド、延いてはイギリス全体がEUの単一市場に残る形になってしまう。結局、問題解決の妙案が無いまま、3月29日に“合意なき離脱”になる可能性が高い。イギリスの中央銀行である『イングランド銀行』は、合意なき離脱になった場合、「イギリス経済は2019年に8%縮小し、2008年のリーマンショックを上回る打撃を被る」と予想している。EU全体への打撃も避けられない。最悪のシナリオは、以上のような“米中新冷戦”と“イギリスの合意なきEU離脱”が重なった場合だ。そうなったら、世界経済は想像を絶する事態になるかもしれない。更に、悪材料も加わった。厚生労働省による統計不正問題である。野党は統計不正を材料に、「実質賃金の伸びはマイナスだ」とか「アベノミクスは偽装だ」等と追及している。失業率低下、就業者数の増加、倒産件数の減少をみても、アベノミクスの成功は明らかだが、一方で景気回復を実感できない層がいるのも確かである。そうした層に、増税は大きな打撃になる。統計不正は旧民主党政権でも続いていたのだから、抑々安倍政権攻撃には無理筋だ。それでも、昨年のモリカケ問題で政権追い落としに失敗した野党と左派系マスコミは、執拗に安倍政権を追及するだろう。そこで増税を決断すれば、7月の参院選で野党に絶好の攻撃材料を与えてしまう。世界が大荒れ状態なのだから、安倍政権は増税を延期し、日本経済の守りを固めるのが正解だ。決断の時が迫っている。


長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) フリージャーナリスト。1952年、千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)卒。『東京新聞』論説委員等を経て、2018年に『中日新聞社』を定年退職。著書に『謎とき日本経済50の真相 俗説・タテマエ一刀両断』(飛鳥新社)・『日本国の正体 政治家・官僚・メディア 本当の権力者は誰か』(講談社)等。近著に『明日の日本を予測する技術 “権力者の絶対法則”を知ると未来が見える!』(講談社+α新書)。


キャプチャ  2019年4月号掲載

テーマ : 税金
ジャンル : 政治・経済

【独眼竜血風録】(11) NHKのどこが“公共放送”か

NHKはどこへ向かうのか? このままでは民営化論や解体論も出てくるだろう。来年度のNHK予算は、事業収入が7247億円、事業支出が7277億円と、30億円の赤字となった。9年ぶりの赤字予算である。しかし、NHKは予算を切り詰めようとしない。「NHK予算審議の数日を耐えれば、国民の関心は薄くなる」等と思っているのだろうか? 先ず切り詰めるべきは、理事の高額報酬である。理事の報酬は2200万円もある。外部から優秀な経営者や役員を招聘するならば、それ相応の報酬を支払うべきだろう。だが現在、理事の全てがNHK職員からの昇格である。“皆さまの受信料”で経営が成り立っていると考えれば、その報酬はあまりに高額だ。職員からの昇格で理事になると、理事任期の2年で1億円近い収入が得られるという状況もある。内部昇格で理事になる場合、NHKを一旦退職する形になる。その際の退職金が4000万~5000万円。これに加え、理事となっての報酬が年2200万円×任期2年。そして、理事としての退職金が1000万円。理事を務めれば、その後、NHK子会社の役員となるケースが殆どで、子会社役員での収入が2~3年で退職金含め約5000万円。役員として子会社数社を渡り歩くので、3社渡り歩けば1億5000万円。NHK理事になれば、職員のみで退職した人物に比べ、生涯収入が2億円も多いことになる。こうした状況が、NHK内部の権力闘争を招いている。理事になれば生涯賃金が飛躍的に増えると共に、絶大な権力を握ることとなる。その為、ある程度の職位になると人事抗争が始まり、視聴者ではなく、上司の顔色を窺ってしまう。“皆さまのNHK”ではないのか? その権力抗争は、些か一般常識からかけ離れている。

昇格争いをしている相手のスキャンダルを週刊誌に売り込み、NHK内部において流言飛語によりライバルを蹴落とそうとするのだ。更に、NHKは国民への説明なしに収益を増やしている。それは、4K・8K放送の新CASチップである。このチップは、スクランブル放送解除の為に必要なものだ。これまでのB-CASカード方式では、カード自体は放送事業者とメーカーが負担していた。ところが、新CASチップでは、説明もないまま消費者負担に変わっている。政府の規制改革推進会議でも問題視されたが、殆どの国民が知らない中、強行決定されてしまった。また、番組内容にも疑問を持たざるを得ない。公共放送として、事実に基づき報道する義務がある。しかし、調査が甘く安易なコメントで、結論ありきの報道、世論誘導を目的に番組作りをしているのではないかと感じる番組が散見される。例えば昨年8月、ニュース解説番組『時論公論』で、アメリカ軍普天間基地の辺野古移設阻止を目指す県民集会に「7万人が参加した」と紹介された。しかし、7万人という数字はあくまで“主催者発表”であり、集会が開催された競技場は9000人収容。グラウンド部分を考慮しても、到底7万人は入れない。写真を見ても、それだけの人数がいるようには見えない。つまり、水増しされた主催者発表を検証もしないまま、解説委員が鵜吞みにしてしまったのである。私がいた頃のNHKではあり得ないことだ。私も数々のイベントの取材に携わったが、主催者発表の他、取材者自身によるカウント、警察の発表等を総合して報じていた。解説委員が「主催者発表によると」の断りなく「7万人が参加した」と述べたのは、それだけ基地反対運動に参加してほしいという願望の表明ではないかと見られても仕方ない。このままの状態が続くようであれば、受信料制度によらず、独自に収入を稼ぐ民営化も考えなくてはならない。全ては国民の為である。


和田政宗(わだ・まさむね) 『自由民主党』広報副本部長。1974年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、『NHK』に入局。新潟放送局や仙台放送局等を経て2013年に退職。同年の参院選で宮城県選挙区から『みんなの党』公認で出馬し初当選。2014年に『次世代の党』、2017年に自民党入党。著書に『日本の真実50問50答 わかりやすい保守のドリル』(青林堂)・『日本国憲法“改定”』(すばる舎)等。近著に『世界は日本が大スキ! こんなにも世界から信頼されている日本』(青林堂)。


キャプチャ  2019年4月号掲載

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【経済快快】(04) 米中休戦でも中国は混迷





世界景気の足枷になっている中国の経済危機は、共産党支配型金融システムというエンジンの自壊が元凶だ。現下の米中貿易戦争は、その進行度合いを加減する変速機のようなもの。“米中休戦”となっても中国の混迷は収まらないし、交渉決裂となれば経済の全面崩壊を引き起こすに違いない。中国経済は、党指導部が人為的に操作するGDPデータが実態を反映していない。公表される実質経済成長率は6%台を維持していて、これは他の国では当然、絶好調の水準になる筈だが、大多数の海外のチャイナウォッチャーの見方は極めてネガティブである。延べ30億人規模の“民族大移動”が起きる春節(※中国の旧正月)はその点、絶好の経済観察機会である。春節休暇は2月前半の1週間。輸出産業が集中する広東省では、郷里から戻った出稼ぎ労働者が、勤め先の工場が閉鎖されていて途方に暮れている。また、例年は一族郎党で飲み食いして盛り上がるのだが、今回は上海や北京等大都市での消費も控えめだったと現地メディアは伝えている。つい1年前までは富裕層の投資マネーを惹きつけ、隆盛を極めたインターネット関連の新興企業設立ブームも消え去った。「投資家や起業家やメディアはそれを、中国インターネットの“凍てつく冬”と呼ぶ」(※『ウォールストリートジャーナル』2月6日付電子版)。中国に大甘の日本メディアは、「中国、景気対策40兆円超、減税やインフラに」(※『日本経済新聞』1月29日付朝刊)と、習近平政権による景気てこ入れ策の効果に目を向ける。2008年9月のリーマンショック後の大型財政出や金融緩和をイメージしているのだろうが、果たしてそうか? 景気対策の中身は、銀行融資の後押し、所得税減税、地方政府のインフラ投資用債券増発、農村部に限った車・家電購入補助だが、『中国人民銀行』が人民元を大量増発する従来の金融の量的拡大路線は除外されている。リーマンショック後は人民銀行がカネを大いに刷って、党中央が支配する『国有商業銀行』を通じて、党官僚が仕切る国有企業や地方政府に流し込み、インフラや不動産開発等固定資産投資を嵩上げすることで、2桁台の高度経済成長軌道に復帰したことになっているが、今回、そんな気配はない。日経の記事とは対照的に、WSJは「中国経済の減速、対策に慎重な政府」(※1月22日付電子版)と報じ、2008・2009年当時と違って人民銀行資金(※流動性)供給を抑えていることを指摘している。「中国指導層の姿勢が変化した背景には、刺激策に関する選択肢が以前よりも限られているとの認識がある。過去の信用緩和や政府の放漫財政は成長を駆り立てたが、地方政府や国有企業を中心とした債務急増も引き起こした」ときちんと説明している。要するに、今回はカネを刷らない景気対策に取り組むということだ。

勢い、所得税減税による消費刺激や、地方政府のインフラ投資に重点が置かれるわけだが、元々税金を払わない伝統の中国人社会で、減税してどれだけ消費が増えるのか疑問である。そして、地方政府といえばリーマンショック後、“融資平台”と呼ぶ資金調達機関を子会社として作り、農民から土地を取り上げて大規模なニュータウンを建設したものの、入居者は極めて少なく、ゴーストタウンと化した。返済不能が相次いでいるのは当然のことだ。とはいえ、習政権が債務バブルに懲りたからカネを刷らないという解釈は正確ではない。刷りたくても刷れないのだ。中国式金融モデルは、中国人民銀行が外貨を裏付けに人民元資金を発行する。そして、国有商業銀行等を通じて融資を行なう。それが生産面や不動産市場を拡大させ、景気を押し上げている間は海外から資本が流入する。その投資家の大半は、香港に拠点を置く党幹部系の中国企業や投資機関だが、彼らは決して愛国者ではない。不動産市況が悪くなり始めると、今度は香港経由でカネをカリブ海等のタックスヘイブンに移し替える。それが中国経済特有の資本逃避である。資本が流出するのは、外国為替市場で人民元が大量に売られ、人民元暴落の恐れが生じ、それを見た中国人投資家が益々外にカネを逃がそうとする為だ。人民銀行は外貨を売って人民元を買い支えるので、外貨準備が減る。外貨、即ちドル資産の裏付け無しに人民元を発行した結果、人民元の信用が無くなることを共産党政権は恐れる。蒋介石の国民党政権が紙幣を乱発し、悪性インフレを引き起こして国民から見放され、通貨規律を守った毛沢東の共産党勢力に敗れた歴史を踏まえているからだ。他方、元資金を供給しなければ中国経済全体が金欠病になり、大不況に陥るので、止むなく元を発行する場合もあるが、限界がある。嘗て、人民銀行による元資金の発行には100%のドル資産を伴っていたが、最近では6割を切っている。これ以上の外貨資産抜きの金融量的拡大には、逡巡せざるを得ない。結局、国有銀行は習主席肝煎りの国有大企業には優先して貸し出すが、民営の中小企業や新興企業には新規融資を打ち切る。ノンバンクや地方政府にはカネを回さない。その結果、中小企業の倒産が相次ぎ、不動産開発に血道を上げてきた地方政府は債務返済が困難になる。下のグラフは、中国式金融モデルの行き詰まりを端的に示すものだ。銀行とノンバンクの新規融資年間合計額、外貨準備と対外借り入れ総額の前年比増減額をドルベースで統一し、比較している。そこで瞠目させられるのは、これら3つの指標が密接に連動している点だ。外準は2015年後半から急減した後、2017年後半に持ち直したが、2018年後半に再び減り出した。前述したように、外準の減少は巨額の資本逃避が原因で、習政権は取り締まりに躍起となっている。関与した党幹部や人気女優を逮捕又は長期拘束し、大物投資家には海外資産の売却・回収を命じている。

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【経済快快】(03) 官僚の功成りて国民の万骨枯る





平成の御代もあと3ヵ月。平成初期に物心ついた若者は、経済成長とはどういうものかを実感できないまま、満30歳を超える。かほど長きに亘る経済空白を続けた先進国は、他に例をみないだろう。平成元年、中国の8倍だった日本のGDPは、今や中国の4割にも満たない。日本衰退の元凶はずばり、財務官僚である。日本は資本主義経済なのだが、政府予算を通じてモノとカネの各5割前後を取り仕切る者が彼らである。その“国家エリート中のエリート”が省益と自己保身を優先し、国家や国民の利益を後回しにしていたのが、平成の30年間である。その感を深くしたきっかけは、元財務官僚で嘉悦大学教授の髙橋洋一氏との対談(※詳細は産経新聞出版『日経新聞と財務省はアホだらけ』)である。平成元年で思い出すのは、昭和天皇の崩御を受けてスタートした当時の情景だ。何とはなしに社会全体に清貧・緊縮ムードが漂っていた。街角で偶然会った旧知の『日本銀行』幹部は、その風潮に乗じるかのように、「田村さん、これからはがんがん引き締めます」と意気込んでいた。その言葉通り、日銀は悲願の金融引き締めに転じたものだ。日銀は当時、金利操作の決定権を大蔵省銀行局の課長に握られ、“大蔵省の日本橋本石町(※日銀本店の住所)出張所”と揶揄されていた。事実、日銀はアメリカの意向を背にする大蔵官僚によって、超低金利政策を強いられた。その積年の鬱憤を晴らすかのように、日銀は御代代わりを機に、同年5月・10月と大幅利上げに転じた。利上げを主導したのは、当時の副総裁だった日銀生え抜きの三重野康氏。12月17日に総裁に就任すると、早速25日に日銀の貸し出し基準金利である公定歩合を3.75%から4.25%に引き上げた。ところが、市場はそれを軽く受け流す。株価下落の引き金を引いたのは、利上げ翌日に出された大蔵省証券局の角谷正彦局長による通達である。タイトルは『証券会社の営業姿勢の適正化及び証券事故の未然防止について』。要するに、「証券会社が法人や投資家から一任されて株式売買を行なう際、損失を補償・補填しないようにせよ」という趣旨である。その一任勘定の象徴が営業特定金銭信託(※営業特金)である。カネの運用を証券会社に一任し、損をしても補填されるのだから、企業も機関投資家も安心して財テク資金を投じ、証券会社は株式売買手数料を大いに稼いだ。しかし、市場参加者が平等に売買リスクを負うべき株式投資で、特定の投資家に対してのみ証券会社が損失を補填するのは禁じ手である。元年の夏に『年金福祉事業団』の損失補填が明るみに出て、監督責任追及を恐れる大蔵省は慌てた。

当時、大蔵省証券局に在籍していた髙橋氏が角谷局長の指示で調べてみると、「実は法律に不備があって、営業特金は法律違反にはならない」という結論が出たという。大蔵省はそんな欠陥法を作成し、長年放置していたのだから、国会やメディアから責任を追及されかねない。となると、累は先輩を含め、何代にも及ぶかもしれない。何とか、そうなる前に火を消さなければならない。法改正では間に合わない。結局、「通達で出せ」ということになった。角谷局長は東京大学法学部卒業生総代、国家公務員採用上級試験首席合格、司法試験首席合格で、史上稀に見る“三冠王”の異名をとる切れ者で、髙橋氏が書いた損失補填禁止通達の原案を30秒だけ見て、「これでいいよ」。通達の日付は役所仕事の年末最終日の12月26日で、翌日からは現場を離れて様子見を決め込むだけだ。日経平均株価は3日後の29日、大納会で3万8915円の史上最高値をつけたが、年明けから暴落が始まった。営業特金という株式バブル膨張装置に突如、停止命令が出たことで、平成2年新春の株式市場はパニックに陥った。通達を出した時、髙橋氏は角谷局長から「株価は落ちるか?」と聞かれて、「2万円台まで落ちます」と答えたという。事実、平成2年9月には2万円台まで下落した後、低迷が続き、平成4年には2万円台も切った。髙橋氏は、「若し通達を出さなかったら、株価は4万円を突破し、5万円・6万円と上がったとみる。その場合、バブル崩壊の規模は遥かに凄まじくなった筈だ」と言う。日銀は、営業特金こそがバブル膨らまし装置であることに気付かないまま、株価急落が始まっても利上げを続けた。漸く金融引き締めを中止し、利下げに転じたのは平成3年6月である。「大蔵省証券局も銀行局も『株式バブルは日銀のせいではない』と日銀幹部に伝えていた」と、髙橋氏は証言する。しかし、三重野日銀はこれを真に受けない。「(大蔵官僚出身の)澄田智前総裁時代の超低金利政策是正こそが急務だ」と思い込み、利上げを続けた。勘違いした日銀は、水(=証券局長通達)に落ちて溺れかけた犬(=株式市場)を、これでもかと言わんばかりに棍棒(=金利)で叩き続けたのである。自己保身優先の大蔵官僚は、メディア操作にも余念がない。営業特金による巨額の損失を取引先企業等に付け替える“飛ばし”を行なっていた『山一證券』は、隠蔽がばれた結果、平成9年に破綻した。これを『日本経済新聞』がスクープしたが、実は大蔵官僚のリークによるものだったという。監督官庁の大蔵省は、山一の有価証券報告書の粉飾を見過ごしていた過失責任追及を恐れたのだが、メディアの目を山一破綻に逸らして難を逃れた。

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【Global Economy】(136) 株乱高下、背後に“高速取引”…自動売買膨張、市場の変質

世界の金融市場で、コンピュータープログラムによる取引が存在感を高めている。予期せぬ価格変動を生む一因と指摘され、市場への影響は読み難くなっている。各国当局は監視の目を光らせ始めた。 (経済部次長 越前谷知子)





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昨年12月24日のアメリカ株式市場で、ダウ平均株価(※30種)は前週末に比べて650ドル以上下落し、翌営業日の26日に1000ドル上昇する乱高下を見せた。通常、多くの市場関係者が休暇をとる12月下旬に相場が荒れることは想定外。更に、年が明けた今年1月3日には、前日夕に『Apple』の業績予想が下方修正されたのをきっかけに、ダウは再び660ドルと大幅下落し、翌4日に750ドル近く上げた(※グラフ①)。こうした市場の急変動の背後にあったのが、超高速且つ高頻度で取引を繰り返す高速取引(HFT)だ。最新技術を駆使して、1秒間に数千回もの売買の発注やキャンセル等を繰り返す。瞬き一つの間に何度も売買が成立する。取引は、株、債券、為替といった様々な市場を対象としている。コンピューターが予め組み込まれたプログラムで自動的に売買注文を出す取引、アルゴリズム取引の一種と言える。HFTの稼ぎ方で代表的なものの一つが、経済統計の結果や企業業績等のニュース速報にプログラムが瞬時に反応して、市場がどう動くかを分析して売買する“イベント型”だ。1月3日、Appleの業績予想の下ぶれを受けて大量の売り注文が出たのが、これにあたる。翌4日、アメリカの雇用統計が堅調だったことを受けて一転、買い注文が膨らんだのもイベント型だ。イベントにコンピューターが一斉に反応する為、売りが売りを呼ぶ等、一方向に傾き易い。売り注文と買い注文を両方提示して、その差を利益として得る“マーケットメイク型”もある。例えば、ある株式について、この価格なら買うというビッドが1000ドルで、この価格なら売るというオファーが1001ドルという両方を、HFT業者が提示する。

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他の投資家が1000ドルでHFTに売って、別の投資家が1001ドルで買えば、その差額である1ドルをHFT業者が儲ける。これを細かく繰り返して儲けを膨らませつつ、他の国の市場動向等で株価急落の予兆を掴むと、すかさず注文を取り消す為、膨大な注文やキャンセル率の高さに繋がり得る。アメリカの調査会社『TABBグループ』によると、昨年のアメリカ株の1日当たり平均売買高に占めるHFTの割合は51.5%に上っており(※グラフ②)、市場での存在感が大きくなっている。HFT業者だけでなく、大手金融機関等も同じ手法を採用しており、競争も激しくなっている。例えば、アメリカで『シカゴ証券取引所』近くから1000㎞以上ある『ニューヨーク証券取引所』に注文を出すと、発注から受注までに遅延時間が生じる。同じ銘柄の株式に同時に出された注文でも、『ナスダック証券取引所』とニューヨーク証券取引所で注文の情報が到達する時間が異なること等を利用して稼げる可能性もある。この為、HFTで他の投資家と競う場合、重要となるのが取引データを送受信する速さだ。速く取引データを送れれば、その分、取引にかかる時間を短縮出来る。取引所のデータセンターに自社のサーバーを直接設置する“コロケーション”は、物理的に距離を縮めて時間を短縮する。通信技術の開発も進む。2010年頃、光ファイバーのケーブルを出来るだけ直線にシカゴからニューヨークまで設置した業者が現れた。その後、マイクロ波通信技術を使うことで、シカゴとニューヨークの取引所の間で、より速く情報が伝わるようになった。こうした設備投資には莫大な資金が必要で、設備を使用するには高額な代金を払う為、当然、コストは膨らむ。HFT業者等がアメリカの株取引市場で計上した収益は、2010年の57億ドルから2018年に18億ドルへと、大幅縮小した(※グラフ③)。

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