【水曜スペシャル】(56) 3年間で約6億円の資産を構築…『漫画村』運営者の母は不動産投資のカリスマだった

「お騒がせして大変申し訳ありません。息子とはいえ成人なので、本人に任せたいと思います。私は知らないことばかりです…」。人気漫画等の海賊版サイト『漫画村』の元運営者で、フィリピンで拘束された星野路実容疑者(27)の母親は本誌の取材に対し、言葉少なにこう答えた。IT担当記者が解説する。「漫画村は、人気漫画や写真集等を無断でインターネット上に掲載し、無料で読めるようにしていたサイトです。昨年4月に閉鎖されましたが、直前の月間アクセス数は約1億6000万回とされ、業界団体は被害額を約3200億円と試算。国内最大の著作権侵害事件です」。サーバー解析等から運営者は星野と特定されていたが、中々逮捕には至らなかった。だが今月7日、フィリピン入国管理局が、香港に出国しようとした星野をマニラのニノイ・アキノ国際空港で拘束。「星野は昨年春に著作権法違反容疑で福岡県警の事情聴取を受けた後、マニラ、台湾、香港、バンコク等を頻繁に行き来しながら逃亡を続けていた。拘束後、容疑については何も話していません」(同)。10日にはサイトの運営に関わったとして、東京都内に住むアルバイトの藤崎孝太(26)と派遣社員の伊藤志穂(24)の2人を著作権法違反容疑で逮捕。他にも10人以上の若者グループが関与しているとみられる。
「藤崎は星野とインターネットを介して知り合い、伊藤は交際していた藤崎に頼まれて手伝っただけのようです。20代中心の若者が、インターネット上に出回る多数の海賊版画像を手分けして集め、漫画村にアップロードしていた。サイトにはアダルト系企業等が出稿した広告が掲載され、運営者の星野は閲覧数に応じて数億円もの広告収入を得ていた。その収益をメンバーに分配していたとみられる。また、星野はアダルトサイト等も運営し、そこからの収入もあったようです」(全国紙社会部記者)。星野はイスラエル国籍の父と日本人の母の間に生まれたハーフ。母親は国内の外資系銀行に勤めていた時に夫と出会った。そして夫の実家を訪ねた際に、不動産投資に目覚めたという。「義父が不動産投資で財を築いた富豪で、そのアドバイスを聞いて投資を始めたそうです。その後、ご主人とは離婚し、女手一つで息子2人を育てるのが大変になり、我武者羅に頑張ったと話していました。当時は未だハーフの息子さんへの差別も酷かったと聞きました」(母親の知人)。星野の母親は翻訳業の傍ら、元手がない状態から3年間で約6億円の資産を築き、カリスマ不動産投資家としてメディアにも登場。著書も数冊出版し、自らの投資術を教えるオンラインサロンも主宰している。「裕福になってからは、息子の教育に出費を惜しまず、国際感覚を身に付けさせようと努めていました」(同)。星野が犯した罪の重さを、漫画村問題の追及を続ける中島博之弁護士が解説する。「今年1月、海賊版サイトのリンクを纏め、利用者を誘導するサイト“はるか夢の址”の運営者に、大阪地裁は懲役2年4ヵ月~3年6ヵ月の実刑判決を下しました。更に、講談社は1億6000万円の損害賠償請求をしている。漫画村はもっと規模が大きい為、これより重い判決、賠償額になる可能性があります」。ネット村の住民には親心も伝わり難いようだ。

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