【テレビの裏側】(139) 芸人ブレイクの裏に名プロデューサーあり
地上波とインターネットを合わせ、10本以上のレギュラーを持つ『千鳥』。その中から『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)と『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ系)がプライムタイムに昇格した。「千鳥は大阪では早くから売れていて、実は2012年に東京に進出しています。“ピカルの定理”(フジテレビ系)のレギュラーとなったのですが、加入から1年半で番組は終了。その後は鳴かず飛ばずだった。2014年には“アメトーーク!”(テレビ朝日系)で“帰ろか…千鳥”という企画が放送され、大阪に帰るのも時間の問題だという見方もありました」(バラエティー番組スタッフ)。だが、辣腕プロデューサーの目に留まったことで人生が一変する。「“帰ろか…千鳥”は東野幸治の持ち込み企画だったのですが、同番組の担当である加地倫三プロデューサーに刺さったのです。以後、加地さんは自身の番組で千鳥を重用。“加地さんにハマる=ブレイク間近”というのが業界の定説で、他局のプロデューサーも千鳥を使い始めた。結果、露出が激増して、ブレイクを果たしたのです」(同)。勿論、当人に実力があるのが絶対条件だが、露出がないことには売れようがない。加地氏のようなチャンスを与えてくれるプロデューサーは貴重だ。然る放送作家によれば、「加地氏のような辣腕プロデューサーは業界にあと2人いる」という。芸人間の視聴率の高さで知られる『ゴッドタン』を手がけ、尚且つ『テレビ東京』の社員ながら『オールナイトニッポン0』(ニッポン放送系)でパーソナリティーを務める佐久間宣行氏がその一人だ。
「加地さんが実力派芸人のブレイクを後押ししているのに対し、佐久間さんはEXITや宮下草薙ら“第七世代”から、朝日奈央のような下ネタOKの美女、実力派ヒップホップユニットの“Creepy Nuts”まで、ジャンルに拘わらず若い才能を積極的に起用する。ゴッドタンの名物企画“この若手知ってんのか!?”では、無名の芸人を集めてネタをやらせる等、お笑い愛が深い」(同)。バラエティー3大プロデューサーの最後の一人が、『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ系)を手がける藤井健太郎氏だ。「群れるのを嫌うが、作る番組は玄人受けするという“バラエティー界の大門未知子”みたいな人です(笑)。クロちゃんを徹底的にイジる企画を見てもわかるように、ドSな性格。なので、リアクション芸人はハマると仕事が増えますが、メンタルが弱いタレントはフィットし難いですね」(制作会社ディレクター)。YouTuber芸人のフワちゃんは「狙いは賞レースより日テレ」とブレイクの秘訣を語って、話題になった。「“行列のできる法律相談所”の髙橋利之プロデューサーがキーマンだという意味でしょう。髙橋さんはゲスト枠が多い番組を多数担当しているから、新人を売り込みたい芸能事務所が最重要マークする一人。日テレは横の繋がりが強く、一つの番組でウケたら、他の番組も追随して局内でバズる傾向がある。りんごちゃんのように日テレ発のニュースターが生まれ易い」(芸能プロダクション幹部)。スターの陰には仕掛人がいるのだ。
2020年10月30日・11月6日号掲載
「加地さんが実力派芸人のブレイクを後押ししているのに対し、佐久間さんはEXITや宮下草薙ら“第七世代”から、朝日奈央のような下ネタOKの美女、実力派ヒップホップユニットの“Creepy Nuts”まで、ジャンルに拘わらず若い才能を積極的に起用する。ゴッドタンの名物企画“この若手知ってんのか!?”では、無名の芸人を集めてネタをやらせる等、お笑い愛が深い」(同)。バラエティー3大プロデューサーの最後の一人が、『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ系)を手がける藤井健太郎氏だ。「群れるのを嫌うが、作る番組は玄人受けするという“バラエティー界の大門未知子”みたいな人です(笑)。クロちゃんを徹底的にイジる企画を見てもわかるように、ドSな性格。なので、リアクション芸人はハマると仕事が増えますが、メンタルが弱いタレントはフィットし難いですね」(制作会社ディレクター)。YouTuber芸人のフワちゃんは「狙いは賞レースより日テレ」とブレイクの秘訣を語って、話題になった。「“行列のできる法律相談所”の髙橋利之プロデューサーがキーマンだという意味でしょう。髙橋さんはゲスト枠が多い番組を多数担当しているから、新人を売り込みたい芸能事務所が最重要マークする一人。日テレは横の繋がりが強く、一つの番組でウケたら、他の番組も追随して局内でバズる傾向がある。りんごちゃんのように日テレ発のニュースターが生まれ易い」(芸能プロダクション幹部)。スターの陰には仕掛人がいるのだ。

スポンサーサイト