【木曜ニュースX】(216) 近鉄GHDの物流子会社TOBで対抗買収提案を巡る2つの臆測

コロナ禍で業績が青息吐息の『近鉄グループホールディングス』が、約47%の株式を保有する持ち分法適用会社の『近鉄エクスプレス』をTOB(※株式公開買い付け)で完全子会社化する。物流事業を手掛け、コロナ禍でも業績が悪化していない“虎の子”と一体化し、グループ全体を何とか持ち堪えさせようという狙いだ。近鉄エクスプレスには同業他社や投資ファンドから買収提案が舞い込んでいた。今回の総額1680億円という近鉄GHDによるTOBに対して、「対抗買収提案が出てくる可能性があるのではないか」(国内大手証券幹部)とみられている。「TOB価格吊り上げ合戦になれば、近鉄GHDはついてこられないだろう」(同業他社幹部)との見立てが優勢だからだ。1000億円台という規模感も、資金力のある外資系ファンドからすれば「お手頃なサイズ」(外資系証券関係者)で買い手が現れそうだ。一部では、「対抗提案を出させて、一転してより高値で売却するのが近鉄GHDの本心ではないか」(投資ファンド関係者)という穿った見方すら出始めた。TOB期間の7月上旬まで目が離せない。

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