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【火曜特集】(558) GACKTが広告塔になっていた福岡発の医療機関に“無許可治療”の疑い

20230131 08
『ASメディカルサポート』(※福岡県福岡市東区)は再生医療専門の総合コンサルティング会社である。同社を巡っては今年9月8日号の『週刊新潮』で、歌手のGACKT(49)が広告塔になっていた福岡県の医療機関『九州再生医療センター朱セルクリニック』の運営元である同社に、大規模窃盗団の主犯格が役員として名を連ねていると報じられた。トラブル続きのGACKT同様、怪しさ満点の医療機関だが、本誌には“無許可治療”という法令違反の新情報が齎された。膝関節症に悩む東京都内在住のA氏は、再生医療に興味を持ち、東京都中央区の『朱セルクリニック銀座院』に電話をかけたところ、カウンセリングを行なう約束を取り付けた。しかし、当日の訪問直前になって突然、港区の『リボーンクリニック』に来るようにと、場所の変更を指定されたという。「場所変更の理由は『朱セルクリニック銀座院が他の経営者に譲渡されたから』とのことでした。若干、不安にはなりましたが、リボーンクリニックも東京や福岡の朱セルクリニックと同じ医療法人香華会による経営だと言われ、且つこれらの運営元であるASメディカルサポートの専務取締役によるカウンセリングが丁寧だった為、数日後、自身由来の幹細胞を培養して投与する幹細胞治療と、自身の濃縮した血小板を投与するPRP治療の2種類の再生医療治療を受けたい旨を伝えました。その結果、幹細胞治療の為の脂肪採取と、PRP治療の本番をリボーンクリニックで行なうことが決定しました」(A氏)。

とはいえ、やはり不安だったA氏は、リボーンクリニックが本当に安心のできる医療機関なのかどうかを調べてみた。すると、厚生労働省のサイトに掲載されている“再生医療等提供計画の一覧”に、リボーンクリニックの名前がないことを発見。これは、厚労省から認可を受けた証拠として付与される計画番号がない状態、つまり幹細胞治療やPRP治療を行なってはいけないということである。若し行なった場合、再生医療新法の違反に該当し、業務停止処分を受ける可能性が高い。しかし、リボーンクリニックのサイトには“再生医療等提供計画は承認済”と記されており、Aさんに対しても幹細胞治療とPRP治療の請求書が発行されている。「不審に感じた私は担当医師に色々訊ねてみました。すると、この日既に、私のような新規の患者に脂肪採取を行なったこと、これまでにも朱セルクリニック銀座院の患者を引き継いで幹細胞治療を行なっていることを認めました。更に、『計画番号は朱セルクリニック銀座院から承継されていない』と漏らしたのです。そこでずばり、計画番号そのものを有しているのかどうかを聞くと、弱々しい声で『あると思いますが、今直ぐにはわかりません…』と言ったのです」(同)。法令違反を確信したA氏は、急いで次の日、担当医師との会話の録音データとこれまでの疑問点を纏めた書類を厚労省に提出。その後、現在に至るまでリボーンクリニックのサイトは“coming soon”と閲覧不可能になっていた。医療法人『香華会』の運営元であるASメディカルサポートの役員には、大失敗に終わった大阪ワクチンを開発していた『アンジェス』の創業者で、現在は大阪万博の総合プロデューサーを務める大阪大学寄付講座教授の森下竜一氏も名を連ねている。森下氏といえば、科学者やベンチャー企業家の面を被った“令和の政商”としてよく知られる人物。同問題の裏には、「GACKT周辺が相変わらず怪しい」という冗談だけでは済まされない闇が広がっている。 (取材・文/本誌取材班)


キャプチャ  2022年12月号掲載
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テーマ : 医療ニュース
ジャンル : ニュース

【火曜特集】(557) コンプライアンス意識などまるで無し! 山形大学を揺るがす“研究費不正使用”と“壮絶パワハラ”

山形県山形市に本部を置く国立の山形大学。“持続的発展が可能な循環型社会の形成”への貢献を謳う同大で今、様々な問題が勃発している。一体、何が起こっているのか――。 (取材・文/フリージャーナリスト 田中圭太郎)



20230131 07
国立大学法人の山形大学で、前代未聞の不祥事が起きていることをご存知だろうか。米沢市にある工学部有機エレクトロニクス研究センターでは、前センター長らが3つの国立研究開発法人から委託されていた研究費のうち、約3000万円を不正に使用していたことが今年3月に明らかになった。大学は、「令和2年9月から複数回に亘り、本学教職員から自身が所属する有機エレクトロニクス研究センターの研究室において競争的資金等の不正使用がある、との通報が本学及び研究費配分機関に寄せられた」と経緯を説明。調査の結果、『科学技術振興機構(JST)』と『海上・港湾・航空技術研究所(うみそら研)』、それに『新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)』から委託された研究費について、センター長と教授の2人が関与して、別の事業への流用や、人件費の流用等が行なわれていたことを認めた。ただ、不正使用について、うみそら研が認定した金額が1056万円なのに対し、大学が認定した額は914万円と約140万円少ない。また、約3000万円のうち約1020万円は「問題のある不適切支出だった」としているが、その内容は明らかにしていない。更に驚くのは処分の軽さだ。処分されたのはセンター長1人だけで、停職3ヵ月だった。しかも、この前センター長は9月に大学に復帰しているという。この幕引きに対し、「この問題は何も解決していない」と山形大学の関係者は憤る。それは、不正使用が発覚したのは、研究センターに勤務していた有期雇用の研究者に対する壮絶なハラスメントが発端で、そのハラスメントを大学が認めていないからだ。

関係者は次のように証言する。「着任したばかりの研究者に、いきなり『ベンチャーを立ち上げろ』と指示します。けれども、資金を出すわけではありません。多額の借金をさせた上で、ベンチャーを立ち上げるように強要するのです」。被害に遭った1人は、豊富な研究費があることや、ベンチャー設立に関する補助があるからと誘われて就職したが、実際は話が違っていた。更に、ベンチャー設立の責任を負わされたにも拘わらず、業務が遅れたことを理由に「来期は雇用できない」と告げられた。また、研究費の不正流用に加担させられそうになったという証言もある。「色々な仕事をさせられますが、中には明らかな不正行為もあります。応じると不正の片棒を担ぐことになるので拒んでいると、呼びつけられて叱責されました」(同)。他にも、契約と異なる業務を押しつけられる等、パワハラは日常的に行なわれたという。契約した業務と関係ないプロジェクトに従事させたことは、人件費の不正流用にあたることを大学も認めている。センター長らによるパワハラによって、研究員達は精神的な苦痛を被り、申し立て人の1人は逆流性食道炎を発症して退職を余儀なくされ、現在も体調不良が続いているという。更に痛ましい事件も起きた。多くの仕事を背負わされ苦しんでいたある研究員がいた。2020年6月のある朝、研究センターの3階で火災が発生し、この研究員も消火活動にあたり、軽傷を負う。すると、火災から6日後、研究センターのスタッフ全員が集められ、研究員が亡くなったことが知らされる。ただ、死因等は一切説明がなかった。実は、研究員は行方不明になった後、遺体で発見されていた。自ら命を絶っていたのだ。それから9ヵ月後の2021年3月、山形県警米沢警察署は、研究員を現住建造物等放火未遂の疑いで、容疑者死亡のまま山形地検に書類送検している。大学は事件の背景に言及していない。しかし、研究員が苦しんでいる様子を見ていた同僚は、大学の調査に首を傾げる。「(この研究員も)虚偽の報告書の作成を強要されていた」等といった情報提供もあるからだ。このように、パワハラについては研究業務と密接に関係している。にも拘わらず、大学はパワハラについては中々調査しようとしなかった。これに対して、パワハラの被害者から相談を受けていた山形大学職員組合が2021年10月、パワハラの申し立てをしていることを公表。組合と被害者で研究センターについて独自に調査した結果、研究費の不正使用についての疑惑が次々と浮上したのだ。

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テーマ : 教育問題
ジャンル : ニュース

【火曜特集】(556) “自分のカネ”なのに何故下ろせないの!? 「うちに入金するな」と言い放ったみずほ支店課長の呆れた対応

「うちを選ばなければいいじゃないか」――。金融不況の昨今、俄かに信じ難いが、そう高圧的に言い放ったのは『みずほ銀行』新宿新都心支店の課長。彼の態度の悪さに顧客は怒り心頭である。 (取材・文/本誌取材班)



20230131 05
銀行のATMや窓口で必要に応じて現金を引き出す行為は、誰もが日常的に行なっている。だが、ある日突然、預金先の銀行から現金の払い戻しを拒否されたらどうだろうか。信じ難い話だが、そんな“珍事”がメガバンクの一角で起きていた。「口座を開いたばかりで、いきなり多額の現金が入るから、そのカネを全額下ろさせろと言っているわけではないんです。銀行と30年近い付き合いがあって、融資実績もあるのに、マネーロンダリング対策を理由に『取引に関わる契約書を全部見せろ』の一点張り。見せないと現金を下ろさせないというのは、行き過ぎた対応と言わざるを得ません」。こう憤るのは、東京都内で不動産業を営むA氏。舞台は、みずほ銀行新宿新都心支店。A氏は仲介業者として不動産売買に絡み、売り主と買い主の2ヵ所から今年9月末、計一千数百万円の収入を得ることが決まっていた。月末の支払いに迫られる時期でもあり、決済後の関係業者への送金は事前の打ち合わせで銀行口座への振込ではなく、現金での受け渡しで合意していた。新宿新都心支店は、会社の取引銀行支店のひとつだった。A氏が決済口座に指定したのは、“決済用預金”と呼ばれるみずほの無利息型普通預金口座だ。利息がつかない代わりに、預金保険制度(※金融機関が破綻した場合、預金者の預金を保護する制度)で全額保護となるメリットがあるが、それ以外は一般の普通預金と変わらない。みずほの公式サイトによると、「①無利息、②要求払い(※随時払い戻しができること)、③決済サービス(※口座振替等)が提供可能なこと、という3要件を満たす預金」とされる。

決済予定日の数日前、A氏は確認の為、新宿新都心支店に電話を入れた。電話に出た女性行員に「一千数百万円を出金したい」と伝えると、「マネーロンダリング防止の為、どのような資金なのかを確認できる資料を見せてほしい」との説明を受けた。A氏は「それはできない」と言うしかなかった。不動産業者という立場上、法律に基づく守秘義務があるからだ。A氏が経営する会社は、東京都知事から宅地建物取引業者として免許を受けた免許事業者。不動産という高額商品を取り扱う宅建業者は顧客の資産状況等を把握する機会があり、住宅販売では顧客の家族構成等個人情報についても知る機会が多い。この為、宅建業者は宅地建物取引業法(※宅建業法)により、業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならないという守秘義務が課されている。A氏の売買契約書には、売り主と買い主双方の個人情報等の情報が記載されているだけでなく、双方共に外部への情報開示には同意しない旨の合意内容も含まれていた。女性行員は「上司と相談して折り返します」と一旦電話を切った。約1時間後、みずほ銀行の井上と名乗る男性から架電。課長だという。改めて事情を説明すると、井上は先の女性行員と同じことを繰り返した。ここからA氏と井上課長との押し問答が始まる。A氏への取材に基づき、一部を再現する。

A氏「稼いだお金なのに、資料を見せないから(現金を)引き出せないというのはおかしい」
井上「(資料を)確認できないなら出せません」
A氏「どうすれば引き出せるか」
井上「取引実態がわかる契約書を全部見せてほしい」
A氏「開示できない箇所はブランク(※黒塗り)になりますよ」
井上「どういうものがブランクになりますか?」
A氏「売り主と買い主の名前、印鑑、金額…」
井上「それじゃ意味がない」
A氏「だから、東京都から守秘義務が課され、情報開示はだめと言われているんですよ」
井上「現金を出すなら、契約書を全部見せて下さい」

A氏の会社は、みずほ銀行で融資実績もあり、30年近い取引関係があった。しかし、井上は「それは関係ない。現金を出すなら契約書を見せて下さい」と頑なに拒んだという。

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テーマ : 社会ニュース
ジャンル : ニュース

【西村博之の「相手にYESと言わせる話術」】(25) 「過半数の株が欲しいですよね?」

大企業でも倒産やリストラの憂き目に遭う時代なので、独立して事業を始めようという人が増えていますよね。とはいえ、アイデアと実行する算段はあっても資金が足りない…という人もいます。こういう時は銀行からの借金や国の支援制度を使って資金を補填することもできますが、ビジネスに目の利くエンジェル投資家に出資してもらいつつ、アドバイスも欲しいという人もいるでしょう。実際に起業する場合、エンジェル投資家にビジネスアイデアを伝えたら意気投合して、「一緒に事業をしたいから出資をする」なんて話になることもあります。ここで問題になるのが、「いくら出資してもらうか?」です。会社員は得てしてこういった交渉に慣れていませんし、「金額を直接的に伝えて嫌な顔をされたくない」と考える人が大半だと思います。そこで有効なのが、金額ではなく株式の数から切りだすことです。株式会社は最も多く株式を持っている人の意見が強く、過半数を持てば筆頭株主になり、経営権を握ることができます。エンジェル投資家は経営権を欲しいと考える人も多いので、「過半数の株が欲しいですよね?」と聞くといいです。そこで相手がイエスなら、「わかりました。では、500万円の出資でお願いします」と伝える。この順番で話をすると、すんなりと出資話が進みます。一方、いきなり「500万円の出資をお願いします」と金額から入ると、何故その金額なのか理由を聞かれたり、細かい説明やら何やらで相手に迷う隙を与えてしまうことになります。では、何故500万円かといえば、会社は資本金1000万円未満だと消費税と住民税を節税できるメリットがあるからです。投資を何回もしている人であれば、ベンチャー企業立ち上げ時の資本金は1000万円未満にしたほうがいいと考えたりします。つまり、「過半数の株式を取得したいなら500万円」と伝えれば、相手は資本金が1000万円未満で筆頭株主になれると、瞬時に理解できるのですね。こうやって相手がどんな人なのかを事前に理解しておくと、かなりお得に交渉を進められます。因みに、節税という点で考えれば300万円でも100万円でも、500万円以下であれば問題はないです。なので、事業内容から費用を算出して、相手に突っ込まれないような額を提示すればいいと思いますよ。 (聞き手・構成/編集プロダクション『ミドルマン』 杉原光徳)


西村博之(にしむら・ひろゆき) 英語圏最大のインターネット掲示板『4chan』管理人・『2ちゃんねる』創設者・『東京プラス株式会社』代表取締役・『未来検索ブラジル』取締役。1976年、神奈川県生まれ。中央大学文学部教育学科卒。『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』(扶桑社新書)・『論破力』(朝日新書)・『自分は自分、バカはバカ』(SBクリエイティブ)等著書多数。


キャプチャ  2023年1月24・31日号掲載

テーマ : 対人コミュニケーション
ジャンル : ビジネス

【i☆Risの「おしゃべりな部屋」】(63) 街中にグランピングできる施設があるんだね。全然知らなかった!

20230131 03
――街中のビル屋上でグランピングを楽しむ茜屋日海夏。「こういう場所で食べると、何故かいつもより美味しく感じるよね~」とご満悦の様子だ。友人とご飯を食べる際には“鍋奉行”的なポジションを務めることが多いんだとか。
「焼き肉を食べに行っても、皆の分を焼いたりしちゃいますね。皆、自分の好きな焼き加減があるから、周りの様子を伺いつつやっています。気を遣っているわけじゃなくて、実は自分が少食でペースが遅いから、手持ち無沙汰にならないようにやっている部分もあるんですけど(笑)」
――開放感のあるビルの屋上が気に入ったのか、「また友達や飼い犬と来たい」とのこと。
「以前に比べて体力が落ちてきたので、最近は休みの日でもゆっくり過ごすことが多いんです。出かけても、近場でサクッと飲みに行くくらい。久しぶりにキャンプとか開放感のある場所に行きたいと思っていたので、友達と休みを合わせてまた来たいですね。貸し切りにして飼い犬と一緒に来れたら、更に楽しそう!」
――今でも十分に若い茜屋だが、10代の頃は更に元気で、無茶をすることもあった。
「朝から夕方までアイドルフェスに出た後、大学の友達とオールで遊ぶなんてこともありました。炎天下で歌って踊ると、体力が相当持ってかれるんですよ。改めて振り返ると、自分でもよくやっていたなと思います(笑)」
――これからは無理をしない範囲で、休日を満喫してほしい。 (聞き手・構成/フリーライター・編集者 森ユースケ)


i☆Ris 『エイベックスピクチャーズ』所属の女性5人組アイドルグループ。メンバーは山北早紀・芹澤優・茜屋日海夏・若井友希・久保田未夢。ユニット名の由来は、ギリシア語で“虹”を意味するイリスと、花のアイリスからである。また、その花言葉の“愛を届ける”という意味も込められている。


キャプチャ  2023年1月24・31日号掲載

テーマ : 声優
ジャンル : アニメ・コミック

【餃子の王将社長射殺事件】(上) プロの凶行、見えぬ動機

https://www.yomiuri.co.jp/national/20221029-OYT1T50033/


キャプチャ  2022年10月29日付掲載

テーマ : 社会ニュース
ジャンル : ニュース

【東京五輪汚職・電通一強の闇】(下) 札幌見据え“改革”宣言

20230131 02
大会スポンサーの選定方法を改革する――。先月8日、『日本オリンピック委員会(JOC)』会長の山下泰裕(65)と札幌市長の秋元克広(66)は、2030年冬季大会の札幌招致に向け、連名でそう宣言した。開催地が決まるのは来秋。大会組織委員会は未だ影も形もない。異例の宣言には、スポンサー契約のチェックや組織委理事候補の“身体検査”を行なう第三者委員会の設置等の検討事項を盛り込んだ。東京大会では、マーケティング専任代理店の大手広告会社『電通』がスポンサー選定の権限を握り、その過程はブラックボックスだった。7月には、電通元専務で組織委理事だった高橋治之(78、受託収賄容疑で四度逮捕)によるスポンサー企業の仲介疑惑が発覚。札幌大会の招致に関わる関係者らに衝撃が走った。札幌市の調査では、招致への市民の支持率は50%程度だ。「これ以上は下げられない。“札幌で改革する”という決意を表明しなければ」。市は疑惑の発覚後、元々の予定にはなかった宣言を用意する為、JOCと電話やメールで協議を繰り返した。山下と秋元の了承を得て完成させたのは、発表の数日前のことだった。「事件で五輪・パラのイメージが大きく損なわれている。改革にしっかりと取り組んでいく」。宣言で、山下はそう決意を示した。

改革の追い風は吹いている。その一つは、『国際オリンピック委員会(IOC)』が投票による開催地選考を撤廃したことだ。これまでは、“票”を持つIOC委員に近付き、自国都市への支持を呼びかけるロビー活動が招致の切り札となっていた。東京招致でも、2013年にモスクワの宮殿で開かれた“電通ガラ”と呼ばれたパーティーで、大規模なロビー活動が行なわれた。IOCは2019年、投票を止め、委員やアスリートの代表らが立候補した都市と協議を重ねて最も優れた一つを選び、総会で承認を得る方式を導入した。2030年大会も新しい選考で行なわれ、不透明さは残りつつも、ロビー活動は不要になるとされている。東京大会の招致活動費が大手広告会社やコンサルタント会社への支払いを含めて、2016年と2020年で計240億円かかったのに比べ、札幌招致に使われた費用は10億円程度。JOC元参事で五輪アナリストの春日良一(67)は、「ロビー活動が消え、電通がIOC側に“神通力”を示す場が失われた。招致成功を経て、実際の運営まで電通に権力が集中した東京大会のようなことはなくなると思う」とみる。一連の事件によるイメージダウンで、札幌大会には“スポンサー離れ”の懸念が付き纏う。札幌大会の開催費は最大3000億円と試算されている。施設整備費を除く2200億円については公費を使わず、チケット販売やライセンス収入を含む民間資金で全額賄う方針だ。国内スポンサー料収入は800億~1000億円を見込む。だが、東京大会のあるスポンサー企業の幹部は、「社内は事件で動揺している。スポンサーになっても、ブランドイメージの向上といったメリットが疑わしく、リスクも大きい。改革プランが示されなければ、札幌大会には及び腰にならざるを得ない」と心境を明かす。JOC元幹部は、「仮に電通がスポンサー募集の中心的な役割から外れた場合、札幌大会の円滑な運営は難しくなるだろう」と不安視した。電通広報部は東京大会での専任代理店契約の内容等について、取材に「捜査に支障をきたす可能性があるので、回答は控える」とコメント。札幌大会への対応については「決まってから考える」とのみ答えた。「電通に権力を集中させ過ぎたことが、組織委のガバナンス不全を招いた」。スポーツ界の危機管理に詳しい弁護士で早稲田大学教授の松本泰介(41)は事件の背景をそう分析し、「第三者機関による契約過程の監視や、複数の広告代理店の起用等、権限の一極集中を抑える仕組みが必要だ」と指摘する。“電通支配”の歴史から脱却し、事件で評価が失墜した東京大会からの再起は果たせるのか。札幌招致は、五輪の信頼を回復させる為の試金石となる。 《敬称略》


キャプチャ  2022年10月21日付掲載

テーマ : 社会ニュース
ジャンル : ニュース

【東京五輪汚職・電通一強の闇】(中) JOC、“世界の電通”頼み 

20230131 01
2020年五輪・パラリンピックの招致活動が山場を迎えていた2013年8月中旬。陸上の世界選手権が開催中だったモスクワの宮殿(※左画像)で、煌びやかなパーティーが催された。招待客の送迎には専用車が用いられた。広大な会場にはワインやシャンパン、モスクワで最高級とされた寿司店のケータリングが並ぶ。お土産は高額なデジタルカメラだ。パーティーを主催したのは大手広告会社『電通』。“特別な催し”を意味するフランス語から“電通ガラ”と銘打った。日本からは超党派で作る招致議連の国会議員や『日本オリンピック委員会(JOC)』幹部らが挙って参加した。議連元幹部は、「何百人もの招待客がいた。日本企業の動員ぶりは圧巻だった」と振り返った。世界陸上の期間中、モスクワには30人以上の『国際オリンピック委員会(IOC)』委員が訪れていた。パーティーはその実、ロビー活動の場だった。東京は2016年大会の招致でリオデジャネイロに敗れており、議連等には一様に「国際スポーツ界の中枢との結びつきを強めなくては」との焦りがあった。2020年大会の開催地を決めるIOC総会は約3週間後。日本から遠く離れたロシアの地で、最後の追い込みのチャンスを作ったのは、まぎれもなく電通の力だった。「流石は“世界の電通”だ」。元招致委幹部は現場でそう感じたという。

五輪と電通の関係は1964年東京大会に遡る。電通は、未だスポンサーの仕組みがなかったこの大会で、組織委に社員を派遣した他、組織委と協賛を希望する企業とを橋渡しした。1979年には選手の広告使用を企業に認める『がんばれ!ニッポン!』キャンペーンを創設。1984年ロサンゼルス大会で五輪事業に本格参入し、それ以降はスポンサー募集をほぼ独占的に担ってきた。競技団体出身のJOC元幹部は、「電通はきちんと結果を出してくれるので、“丸投げ”で済んだ」と振り返る。一方、JOCは1991年に長野大会の開催が決まったのを機に、マーケティングを自前で行なう為、株式会社『ジャパンオリンピックマーケティング(JOM)』を設立。長野大会では350億円超の収入が確保されたが、スポンサー募集等はJOMが中心となり、電通はそれを支える立場に回った。1999年には代理店業務に電通以外の企業も参入させた。しかし、JOC内部では、電通からの“独立”に積極的な一派と、電通に近い一派が対立するようになっていく。派閥争いが激化する中、政府がJOCを含む公益法人に株式保有を禁じる方針を示していたこともあり、2001年、JOMは解散に追い込まれた。「JOMの存亡は、電通との闘いだった。JOMを失い、電通に依存するJOCに戻ってしまった」。JOCのある元幹部は経緯をそう明かした。JOMの解散後、JOCは再び代理店を用いるようになり、五輪に合わせて4年毎にコンペを実施した。コンペでは毎回、電通が他社を圧倒した。JOCは2011年8月に2020年大会の東京招致をIOCに申請。翌月から始まった招致活動は電通主導で進んだ。そして、招致委員会のスペシャルアドバイザーに招請されたのが、IOC委員でもあった『国際サッカー連盟(FIFA)』前会長のゼップ・ブラッター(86)らと親しい電通元専務の高橋治之(78、受託収賄罪で起訴)だった。2013年9月7日(※日本時間8日)、アルゼンチンで開かれたIOC総会で東京は招致レースを制した。JOC前会長の竹田恒和(74)や元都知事の猪瀬直樹(75)らが作る歓喜の輪に、高橋の姿もあった。「昔から海外の要人を知っている僕が招致のカギを握っていた。僕がやらなければ、東京五輪の招致は実現しなかった」。高橋は今年7月の取材にそう語っている。2014年1月に東京大会の組織委員会が設立されたが、電通はマーケティング専任代理店としてスポンサー選定の実権を握った。招致成功で強まる“電通依存”の下、組織委理事に就いた高橋による仲介ビジネスが続けられていた。別のJOC元幹部は、「今回の事件を招いた責任は、電通に頼り過ぎた我々にもある」と悔やんだ。 《敬称略》


キャプチャ  2022年10月19日付掲載

テーマ : 社会ニュース
ジャンル : ニュース

【東京五輪汚職・電通一強の闇】(上) トップ外交、元理事暗躍

https://www.yomiuri.co.jp/national/20221017-OYT1T50273/
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221018-OYT1T50057/


キャプチャ  2022年10月18日付掲載

テーマ : 社会ニュース
ジャンル : ニュース

【言論StrongStyle】(183) 真面な野党第一党を作ることが、パヨクを日本から駆逐する最短最善の方法だ

https://nikkan-spa.jp/1884820


キャプチャ  2023年1月24・31日号掲載

テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

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