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【火曜特集】(669) 中堅後発薬メーカーが行き詰まり…危惧される医薬品供給体制への影響

20231031 03
後発薬メーカーの苦境が続き、医薬品供給への影響が拡大しかねない雲行きになっている。大阪府に本社のある中堅後発薬メーカー『共和薬品工業』が今年春以降、水面下で事業再生ADR(※裁判外紛争解決)の手続きを進めていたことが明らかになった。同社は嘗てインドの後発薬大手『ルピン』の傘下にあったが、2019年に独立系ファンドの『ユニゾンキャピタル』に売却された。その後、2021年に製品への異物混入が発覚。翌年には国の承認を受けていない添加剤を使って医薬品を製造販売したことが露呈し、業務停止命令を受けた。こうした状況下で、早くも債務整理を求める状況にまで追い詰められたようだ。しかも、ADRの手続きが済んでも「経営環境は綱渡りが続く」(業界関係者)という。「後発薬メーカーの体力を直接圧迫しているのは、薬価の安さ」(医薬専門紙記者)。採算ラインを割った医薬品でも製造し続けなければならないルールがネックだ。今後、メーカーの弱体化が進めば供給体制への影響は不可避で、足元で起きている咳止め薬の不足等が深刻化する可能性がある。


キャプチャ  2023年10月号掲載
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テーマ : 医療ニュース
ジャンル : ニュース

【火曜特集】(668) パナソニックの発表で露呈したトヨタ自動車“全固体電池EV”の夢物語

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車載用電池開発での『トヨタ自動車』の盟友である『パナソニックホールディングス』が、2020年代後半に全固体電池を量産すると発表した。全固体電池といえば電気自動車(※EV)用電池の本命として、自動車各社が電池メーカーとタッグを組んで鎬を削っている。いよいよ全固体電池車時代かと思いきや、同社が量産するのはドローン向けの小型電池。リチウムイオン電池で1時間程度かかる満充電を3分程度でできるが、「この容量で動かせるのはラジコンカーぐらい」(電機担当の業界紙記者)。パナソニックの最高技術責任者も、車載用電池については「自社単独で開発できるものではなく、コメントできない」とする。「電池の専門家集団であるパナソニックですら、2020年代半ばに模型用の小型しか実用化できないと明言する全固体電池を、トヨタが同時期にEVへ搭載するなどとてもではないが無理」と電池メーカー開発者。トヨタ、日産、ホンダは2027~2030年頃に全固体電池実用化を目指すとするが、「3社の実用化時期が同じということは着地点が見えていない証拠」(前出の開発者)との声も出ている。


キャプチャ  2023年10月号掲載

テーマ : 経済ニュース
ジャンル : ニュース

【火曜特集】(667) 三井住友銀行のアプリサービスが急減速…福留朗裕頭取の責任問題にも発展か

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今年3月にスタートした『三井住友銀行(SMBC)』の金融サービスアプリ『オリーブ』の登録者数が伸び悩んでいる。先月までの半年で登録者数は100万人を超えており、『日本経済新聞』はこれを称賛する記事を掲載。しかし、SMBC行内での受け止めは違っている。同行関係者によると、「大量にCMを打った影響か、3月のスタートダッシュが良く、半年で200万人に到達するという見込みがあった。しかし、蓋を開ければ100万人程度だったので、伸び悩んだという印象」だという。このサービスは、SMBCを中心として、『三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)』内の『三井住友カード』や保険のサービスを統合利用できる。また、SMFGと資本業務提携した『SBI証券』の取引も同一アプリで可能だ。若者をターゲットに、ポイント還元を前面に押し出したキャンペーンを繰り広げたが、急ブレーキがかかってしまった。「5年で1200万人という登録目標をクリアできるのか」と不安視する声も出始め、サービスの中核を担うSMBCの福留朗裕頭取の責任論にも発展しかねない。


キャプチャ  2023年10月号掲載

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

【西村博之の「相手にYESと言わせる話術」】(52) 「この事実についてはどう思う?」

そこそこ頭が良い人のほうが陰謀論にハマる傾向がある――そんな印象が僕の中にはあります。というのも、陰謀論にハマる人というのは、「テレビのニュースや新聞よりも自分の調査能力のほうが優れている」と思い込むくらいの自尊心があったりするので、「自分が信じている説のほうが正しい」と思い込めたりするのですね。しかも、割と“いい人”と思われるような人のほうが陰謀論に染まり易かったりします。いい人は、「人間は善意で動くので社会はより良い方向に行く筈である」と信じていたりします。でも、正義の反対が絶対に悪というわけではなく、別の正義が存在していることもあります。例えば、過去の日本がそうだったように、より良い方向を目指した結果、他国に対する侵攻を選んだりするわけです。そして、世界では未だに似たようなことが起き続けています。つまり、陰謀論だろうが戦争だろうが、単に正義の方向性が異なっているだけということもあるわけです。其々に自分の正義だと考える論理があって、見方や立場を変えれば正しいと思える。だから陰謀論にハマった人を諭すのは、カルト宗教にハマった人を諭すのと一緒で、かなり難しいのが現実だと思います。ただ、皆無というわけではなく、陰謀論を語る相手の論理を肯定しつつ、「この事実についてはどう思う?」という感じで証拠の具体性を詰めていく方法はあります。例えば、「新型コロナウイルスワクチンにはマイクロチップが入っている」という陰謀論なら、「マイクロチップを入れることは可能だよね。でも、犬猫の体内に入れるチップだって直径1~2㎜、長さ8㎜なんだから、ワクチンの瓶に何本も入っていたら見てわかるのでは?」という感じで、事実をベースにひとつずつ誤解を解いていく。すると相手も、「ひょっとしたら間違っているのかも」と気付いて話を聞いてくれる可能性もある。とはいえ、その為にはそれなりの知識や情報を集めないといけません。若し現段階で事実ベースの証拠がないのに「それは只の陰謀論だ」とか言うと、「北朝鮮による拉致被害だって昔は陰謀論だと言われていたじゃないか」といった論理で自分が正しいことを押してきます。場合によっては「コイツは話にならない」と、一切話を聞いてくれなくなる可能性もありますし、逆に諭されて”ミイラ取りがミイラになる”危険性もあるので気をつけましょう…。 (聞き手・構成/編集プロダクション『ミドルマン』 杉原光徳)


西村博之(にしむら・ひろゆき) 英語圏最大のインターネット掲示板『4chan』管理人・『2ちゃんねる』創設者・『東京プラス株式会社』代表取締役・『未来検索ブラジル』取締役。1976年、神奈川県生まれ。中央大学文学部教育学科卒。『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』(扶桑社新書)・『論破力』(朝日新書)・『自分は自分、バカはバカ』(SBクリエイティブ)等著書多数。


キャプチャ  2023年10月24・31日号掲載

テーマ : 新興宗教・カルト・その他アングラ
ジャンル : 政治・経済

【岩崎う大の「シン・お笑い論」】(15) その出会いは運命的だったのかもしれない



早稲田大学の入学式の日だった。河合塾で同じ帰国子女コース出身だった友達と、その母親の3人で、新入生達の波に流されながらキャンパスの外を歩いていると、様々なサークルが新入生の波に飛び込まんばかりの活発な勧誘活動をしていた。揃いのジャンパーや法被を着た集団に自分が混じっている想像はできなかったが、その活気はまるでお祭りのようで、「遅れてきた俺の青春が漸く始まろうとしている」と胸が高鳴った。そんな中、目線の先で、3~4人の普段着の男子学生のグループが、新入生の波に向かって、後ろめたそうにチラシを配っていた。彼らもサークル勧誘なのだろうか。しかし、チラシを配るその姿勢には、まるで詐欺行為をしているかのような怯えが感じられた。瞬間的に湧いたのは、“弱者”と“可哀想”という2つのイメージだった。そんな彼らから目が離せず凝視していると、その中に見たことのある顔があった。青いセルロイドの眼鏡…「あっ! 昨日、テレビ出ていた人だ!」。僕は心の中で叫んでいた。前日の深夜に観たネタ番組の、素人勝ち抜きコーナーにコンビで出ていたうちの一人がいたのだ。テレビで観た人が、目の前で、しかもサークルの勧誘をしている姿に興奮した。そのグループがお笑いの人達だったとわかると、途端にさっきまでの彼らに感じていた憐憫の情が親近感に変わった。「良さげな人達だ」と思えた。もっと詳しく言うと、「一緒にお笑いをやるのに良さげな人達だ」と思えたのだった。実は、前日の深夜番組で、青い眼鏡の人のコンビ名の下にテロップで出ていた大学名と所属サークル名を見た時に、「ああ、早稲田にこんなサークルがあるんだ」「抑もサークルってどうやって入るんだろう?」「自分から部室みたいなところに出向かなきゃいけないのかな」「『お笑いやりたいです』ってどっかの門を叩くのって相当ストレスあるなぁ」「自然と道場破りみたいな空気にならないか?」「先輩とか怖くないのかな?」「俺できるかな?」等と、途端に緊張が込み上げてきたのだ。

なので僕は、「これは渡りに船だ。今は自分のほうが有利な立場にいる」と判断して、自らチラシを受け取りに行って、「僕もお笑いやりたいんです! 昨日、テレビ出ていましたよね!」と青眼鏡の人に声をかけた。有利な立場にいたつもりが、興奮で空回っていたのだろう。咄嗟に2つの情報をぶつけてしまった。彼も面食らったようで、「ああ、ありがとう! えっ、お笑いやりたいんだ!」と、リアクションに見せかけて仲間を呼び集める声を上げる。集合した仲間達も一様に興奮気味で、「昨日、コイツがテレビ出たから引きがあるかと思って来たけど、全然だめでビビっていたんだよ~」等と、情けないことを正直に教えてくれた。馬が合いそうだと思った。これでお笑いが始められる。ワクワクする視界の端で、一緒にいた友人の母親は引きつった笑顔だった。因みに、その青い眼鏡の人が、後に僕がメンバーとして芸能界デビューする5人組お笑いグループ『WAGE』のリーダーとなるモリハヤシさんで、このサークルが前身のコントグループ『WAGE(Waseda Academic Gag Essence)』であった。入学式当日にお笑いに打ち込める場所を見つけた僕は、相方を探すことにした。同じWAGEの新入生の中で相方を探せばいいのだが、モリさんから「在籍メンバーで5月に新入生歓迎ライブをやるから、それが終わるまで参加は待ってほしい」と諭されてしまった。そのライブまで待ち切れない僕は、ロケットスタートを切る為にも、自力で相方を探すしかなかった。大概の人が知らずに人生を終えることだろうが、相方を見つけるというのは本当に難しい。例えば、貴方が普段面白いと思っている人間とネタを一緒にやってみると、「えっ、コイツってこんなに面白くなかったっけ?」と驚くことだろう。続いて、気を取り直して、ネタを面白くする為に一緒にネタ作りを始めると、「えっ、コイツってこんなにものわかりの悪いヤツだったっけ?」と呆れる筈だ。実は、大学入学前に2人の友人とネタ合わせをしたことがあった。一人目は、偶々入った地元の靴屋さんでアルバイトをしていた中学の同級生だった。彼はとても面白い男で、中学時代は非常に目立っていた。

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テーマ : お笑い芸人
ジャンル : お笑い

【新型コロナウイルス・危機の教訓】(04) デジタル不備、浮き彫り

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20230503-OYT1T50181/


キャプチャ  2023年5月4日付掲載

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

【新型コロナウイルス・危機の教訓】(03) ワクチン戦略、アメリカと落差

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20230502-OYT1T50240/


キャプチャ  2023年5月3日付掲載

テーマ : 医療ニュース
ジャンル : ニュース

【新型コロナウイルス・危機の教訓】(02) 制限緩和、専門家と溝

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20230502-OYT1T50028/


キャプチャ  2023年5月2日付掲載

テーマ : 医療ニュース
ジャンル : ニュース

【新型コロナウイルス・危機の教訓】(01) 病床の多さを生かせず

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20230501-OYT1T50001/


キャプチャ  2023年5月1日付掲載

テーマ : 医療ニュース
ジャンル : ニュース

【INSIDE USA】(197) “左右分断”では読めない政界の複雑なねじれ

史上初めて連邦議会下院議長が解任される等、ドナルド・トランプ前大統領登場以降のアメリカ政界の混迷は、政党再編成が起きてもおかしくない程だ。状況は“保守vsリベラル”という単純な左右分断のロジックだけでは読み解けない。イデオロギーの変化が、政界に奇妙なねじれを齎している。下院議長解任を引き起こした共和党の8人の造反議員は纏めて“トランプ派”と片付けられた。だが、うち1人の女性議員は議長が女性の権利拡大に消極的なことに反発し、造反した。単にトランプ派で片付けられない面が覗く。もっと顕著なねじれも起きている。上院では、代表的な民主党左派のエリザベス・ウォーレン議員と、昨年の中間選挙でトランプ氏の肝煎りで当選したJ・D・ヴァンス議員(※共和党)が、破綻した銀行の幹部が巨額の退職金を得るのを禁じたりする金融機関の規制強化で共闘する。クレジットカード利用料を抑え込み、巨大銀行の中小銀行買収による更なる巨大化の阻止も狙う規制強化案だ。明らかに中間層や中小企業の側に立つ。従来の共和党保守派はヴァンス議員の進歩派ぶりに戸惑う一方、メディアには「ウォール街に挑む新たな強力カップル」(※ニュースサイト『ポリティコ』より)と歓迎の声も出ている。ヴァンス議員はラストベルト(※錆び付いた工業地帯)の白人貧困層出身。自身の半生を描いた『ヒルビリーエレジー』(※原著は2016年)がベストセラーとなり、投資家から政界に転じた。トランプ現象以降の新しい政治思想を探るニューライト(※新右派)運動にも関わってきた。

ヴァンス議員だけでない。2016年大統領選で共和党候補選びに出馬したマルコ・ルビオ上院議員は、労働環境・条件で批判されているインターネット通販大手『Amazon.com』の労働組合結成を支援。強硬なトランプ派として知られるジョシュ・ホーリー同党上院議員も、金融機関規制強化や鉄道の安全強化を巡る新法案で民主党左派と共闘する。これら3上院議員は共和党右派の有力者と見做されているだけに、注目される。少数ながらもこうした右派有力者が出てきた一因は、白人だけでなく、黒人や中南米系労働者層のトランプ氏支持者が増加傾向を見せていることにある。加えて、トランプ現象以降のイデオロギー状況が旧来の左右の図式とは違う様相を示していることも見逃せない。特に波紋を広げているのは、新右派の論客であるソーラブ・アーマリ氏(38)とその新著『ティラニーインコーポレイテッド(専政株式会社)』だ。イラン生まれのアーマリ氏は『ウォールストリートジャーナル』の論説委員等を務めたネオコン派だったが、トランプ現象を受けた新たな保守思想運動に加わり、労働者側の視点でアメリカ型資本主義を厳しく批判する立場に転換した。新著は巨大IT企業の欺瞞等を断罪する一方、労働組合運動の再興を訴えている。アメリカ型自由主義が大企業の専横と個人主義・能力主義で格差社会を招いたとする立場は、本連載7月22日号で紹介したポストリベラルのパトリック・デニーン氏に近い。アーマリ氏や3上院議員は、中絶等社会問題では保守的立場を維持する。アーマリ、 ヴァンス両氏は最近カトリックに改宗、中南米系でカトリックのルビオ氏を含め、カトリック回帰もポストリベラルの特徴だ。社会の奥底で変化が始まった気配がある。


会田弘継(あいだ・ひろつぐ) 『共同通信』客員論説委員・関西大学客員教授。1951年、埼玉県生まれ。東京外国語大学英米語科卒業後、共同通信社に入社。神戸支局・大阪社会部・外信部・ワシントン特派員・ジュネーブ支局長・ワシントン支局長を歴任。同志社大学一神教学際研究センター共同研究員・上智大学非常勤講師等を経て現職。著書に『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮社)・『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)等。


キャプチャ  2023年10月28日号掲載

テーマ : アメリカお家事情
ジャンル : 政治・経済

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