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【水曜スペシャル】(693) 日本の地方デジタル通信を蝕む中国企業…「名前を変えただけで中身はほぼファーウェイ」、先進諸国からの信頼も喪失



20231227 13
2020年から日本政府が加速させてきたデジタル改革。政府は国民の利便性を向上させることを前提に、“アクセシビリティ”や、デジタル化における“安心・安全”を確保して、“人に優しいデジタル化”を目標に掲げている。この流れは、2021年に岸田文雄首相が提唱したデジタル田園都市国家構想にも繋がっている。この構想では、デジタル技術の実装を通じて、地方でもデジタル化のメリットを誰一人取り残されず享受できる暮らしを実現する、と提唱している。現政権の看板事業のひとつだ。世界的には現在、デジタル通信等への平等なアクセスは基本的人権であるとの認識が主流になっている。インターネットの普及率が比較的高い日本であっても、未だに地方等ではインターネット等デジタル通信に自由にアクセスできない人が少なくない。そうなると、最近増えつつある自治体等の提供するオンラインサービス等を利用できなくなる。そんな状況を解消すべく、政府によるデジタル化の一環として総務省が力を入れて推し進めてきたのが、地域BWAと呼ばれる事業だ。この取り組みは、地方自治体で元々インターネットやデジタル通信を利用できない人達の為に、地方にBWA(※無線方式を用いたデータ通信システム)の導入を支援するというもの。公共施設での無料Wi-Fiサービスや、災害連絡や交通情報等の配信、気象・河川の監視、子供や高齢者の見守りサービス等のシステムにも使われている。地域によっては、自治体のイベントを中継するのに利用している例もある。

この事業自体は今後、更に普及させるべき価値のある取り組みだ。ところが、この事業には利用者すら知らされていない重大な問題が潜んでいる。各地の地域BWAに使われている通信機器の多くで、中国の大手電気機器メーカーである『華為技術(ファーウェイ)』の製品が導入されている事実だ。ファーウェイと言えば、中国政府にデータが不正利用されるといったセキュリティーの懸念が指摘されて久しい。アメリカを始め、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア等の先進国が国内の通信事業から排除を進めている企業だ。最近でも今年6月、EUが加盟国に向けて5Gから同社の通信機器を排除するよう、改めて促している。そんないわくつきであるファーウェイの通信機器が、“公共の福祉”や“平等な通信環境”を標榜し、基本的に無料で市民に提供される国の通信事業に組み込まれているのである。しかも、地域BWAは総務省が審査した上で免許を出す公共事業だ。政府が経済安全保障対策を声高に訴えているご時世に、総務省がファーウェイ機器の使用許可を出しているのだから、開いた口が塞がらない。地域BWAの導入地域は、日本全国に広がっている。現在、北海道から沖縄まで少なくとも117地域で地域BWAが実施されている。日本各地のBWA通信機器の設置支援事業では、その80%を兵庫県の『阪神ケーブルエンジニアリング』が受注している。同社は『阪急阪神ホールディングス』のグループ企業で、『阪神電気鉄道』の子会社として情報通信事業を手掛けている。その阪神ケーブルエンジニアリングが、殆どの地域BWAにファーウェイの通信機器を設置し、運用している。ある総務省職員は、「現在、携帯の5G電波ではファーウェイ等中国企業は参入できないが、地域BWA等ローカルの通信では日本企業を介して中国企業が入り込めるのが実情だ。阪神電気鉄道はファーウェイ日本法人と親しい関係にある」と認める。それでも、昨今のファーウェイへの風当たりに配慮してか、地域BWAにはファーウェイとは別の企業の通信機器も導入され始めているという。「バイセルズという中国企業だ。バイセルズはファーウェイ出身の中国人らが設立した企業で、名前を変えただけで中身はほぼファーウェイと同じだと見られている。既に地域BWAの50エリア以上に入っている」(同)。更に問題なのは、この地域BWA事業には、日本のDX化の旗振り役であるデジタル庁の幹部も無関係ではないことだ。2021年にファーウェイが日本で開催した展示会イベントでは、デジタル庁で行政システムの設計等を担当してきた東京大学大学院の江崎浩教授がスピーカーとして登壇している。江崎教授はこれまで、地域BWAでファーウェイ製品が導入されている東京都杉並区のデジタル戦略アドバイザーも務め、ファーウェイとの良好な関係性を指摘する声も聞こえてくる。江崎教授は“インターネット研究の第一人者”等と持て囃されて、セキュリティーイベント等に頻繁に登場する人物だが、経済安全保障に絡んでセキュリティー懸念で先進国から排除されているメーカーのイベントに登壇し、デジタル分野のセキュリティーを語るとは、一体何事であろうか。

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テーマ : 中朝韓ニュース
ジャンル : ニュース

【水曜スペシャル】(692) 「人質司法という問題を自らの経験から指摘したい」…KADOKAWA前会長・角川歴彦、怒りの囚人生活226日



20231227 06
4月27日、午後9時20分頃のことだった。「出るんだ」。東京・小菅にある東京拘置所の独居房で寝ていると、見知らぬ看守数人にいきなり叩き起こされた。状況が理解できず、「出るんだって言ったって、どうするの」と、非常に幼稚な言葉を吐いたのを覚えている。保釈請求が通ったのかもしれない。薄々そう感じていたが、喜びはまだ湧いてこない。いつもの様に看守は命じるだけで、必要最低限の情報すらも与えない。それが拘置所の基本姿勢だ。私は3年前、心臓の手術をしている。不整脈、心房細動などの持病を抱えており、1日に十数錠も薬を飲まなければならない身だった。拘置所内で倒れたこともあり、車椅子に乗せられていた。この頃は、部屋の布団の上げ下げはもちろん、着替えをすることすら辛くなっていた。私がゆっくりと着替え始めると2~3人の看守が部屋に入ってくる。隅に山積みになっていた差し入れの本と服などの私物を手際よく段ボールに詰めていく。時間にして約10分。部屋は奇麗に片づけられた。拘置所内には、幾重にも鍵がかけられている。接見室に行く時も、先導する看守がその都度、鍵を開ける必要がある。この日も看守がひとつずつ鍵を開けるのを眺めながら、車椅子を押され、玄関手前の守衛室まで辿り着いた。最後の鍵が回り、ドアが開く。2人の弁護士の姿が見えた。その1人が村山浩昭弁護士だ。かつて静岡地裁の裁判長として、袴田巌さんの事件を担当。2014年、物証が捏造された可能性が高いと指摘し、再審開始と袴田さん釈放の決定を出したことで知られる。もう1人は藤原大輔弁護士。保釈請求書の起案に尽力してくれた気鋭の若手だ。

ようやく保釈を確信したが、緊張感は解けず、言葉を発することはできなかった。万歳なんてする気にもなれない。そんな私に村山弁護士はこう助言した。「車椅子を押しますから、角川さんは姿勢を正しくしてください。卑下して頭を下げるようなことはせず、かといって傲慢な態度でもない。真っすぐ正面を向いていてください」。外に出ると、何社ものメディアのライトに照らされる。真昼のような明るさで、まともに前を見ることが出来ない。遠慮を知らぬカメラのシャッター音が、静かな夜の拘置所の外に鳴り響く。しばらく進むと、「会長、お帰りなさい!」という声が聞こえた。KADOKAWA時代の仲間だった。思わず嬉しくなり、声の方向を向いて小さく頷く。勾留されてから実に226日。ようやく死地を脱したと、実感した瞬間だった。弁護士が用意したハイヤーに乗り込み、車に揺られること約30分。自宅に報道陣が詰めかけるのを防ぐため、早稲田のリーガロイヤルホテル東京に向かう。早稲田大学出身の私には、懐かしい場所でもある。久しぶりの清潔な部屋だった。風呂も広い。だが体重が十数キロも落ち、体力に自信が持てなくなっていた。転倒の恐れがあるので湯船には浸からず、シャワーで済ませると、早々にベッドに身体を横たえた。朝食はルームサービスで、アメリカンブレックファストを注文した。ご飯とみそ汁の和食だと拘置所の食事を思い出してしまう気がしたからだ。卵はオムレツでもスクランブルエッグでもなく、ゆで卵。これにも理由がある。実は拘置所では卵が1個、丸ごと出てくることがない。殻の付いた卵の形を見ることで、娑婆に出てきた喜びを痛感したのだった。

『角川書店』(※現在の『KADOKAWA』)の創業者・角川源義氏の次男である角川歴彦氏(80)。『ザテレビジョン』や『東京ウォーカー』等の創刊に携わり、1993年、社長に就任した。2017年には会長となっている。事件は2013年、東京五輪の開催決定から始まる。同社は大会スポンサーを目指し、東京五輪大会組織委員会理事の高橋治之氏の知人・深見和政氏に相談。深見氏の会社とコンサルタント契約を結んだ。発議したのは芳原世幸専務で、経営会議で決裁をしたのは松原真樹社長(※何れも当時)だった。角川氏はその後、報告を受けた。そして2019年、大会組織委とスポンサー契約を結び、公式ガイドブック等を発売した。大会翌年の2022年、東京地検特捜部は同社がスポンサー契約を結ぶにあたり、深見氏の会社を通して高橋氏に賄賂を支払ったと見て、角川氏と担当者に任意で事情聴取を行なった。9月3日に『読売新聞』が第一報を伝え、5日、角川氏はメディアの代表取材に応じ、賄賂という認識は「全くない」「部下の社員に不正は無かったと信じている」等と答えた。すると翌日、特捜部は受託収賄容疑で高橋氏と深見氏、贈賄容疑でKADOKAWAの担当者2人を逮捕(※高橋氏は再逮捕)。14日、角川氏も逮捕した。特捜部の聴取に角川氏は一貫して部下との共謀や賄賂の趣旨を否認するも、10月4日に起訴された。保釈請求は検察の意見書で再三に亘り裁判所が却下。認められたのは、7ヵ月以上経った今年4月末だった。

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テーマ : 裁判
ジャンル : 政治・経済

【村西とおるの「全裸で出直せ!」】(227) 男は尽くし抜いて、自らの欲望より相手の幸福を優先する生き物

芸能界は人気商売。そこに棲む芸能人は、一歩間違えば天国と地獄を行ったり来たりで、人間の最高と最悪の世界をあからさまに見せてくれていて、それ故に魅せてくれています。演歌の女王・八代亜紀はデビューしたての頃、高倉健ショーで前座歌手を務めておりました。健さまは2曲しか歌わないのに、八代亜紀は7曲を歌う、というショーの構成です。舞台の裏で健さまは、いつも頭を下げ「勉強させていただきます」と見送り、終われば「勉強させていただきました」と、また頭を下げて迎えたのです。漸く八代亜紀がヒット曲を飛ばし、人気歌手となった頃、羽田空港でハンチングを目深に被った健さまと偶然の再会。と、健さまは昔と同じように深々と頭を下げて、「ご成功おめでとうございます」。鳴かず飛ばずの『海援隊』時代の武田鉄矢が、新婚家庭を支えようと、来る仕事は何でも拒まず受け、小雨降る中、観客の姿見えぬ神社のお祭の境内に立ったことも。仮面ライダーショーの前座では「早くライダーを出せ」と子供に怒鳴られる。「もうすぐ子供が生まれるんだろ? 食えないなら俺の事務所に来いよ。社長に頼んでやるから」と優しい救いの手を差し伸べてくれた谷村新司。そこで貰った月給12万円で、漸く子育ての環境を整えることができた。

その後、武田と谷村の2人は国鉄のキャンペーン曲で競ったが、勝ったのは谷村の『いい日旅立ち』で、山口百恵が歌い、空前の大ヒット。敗れた武田は『思えば遠くへ来たもんだ』を、恩人でもあった谷村が逝った空に向かい、今日もステージで歌声を響かせている。吉幾三は貧しい農家の9人兄弟の末っ子。働きずくめの人生を生き、余命幾許もなくなった病床の母親の元に駆けつけ、「母ちゃん、どんな人生だった?」と問えば、母親は「パンツを穿く暇がなかったね」。杉良太郎は、ベトナムの恵まれない子供達への支援で知られる。幼き日、両親を病気で亡くした少女グェンさんは8歳の時、孤児院に慰問にやって来て、お菓子を配ってくれた杉良太郎に向かい、「お菓子はいらない。両親が欲しい」と訴えた。それから暫くして、再びやって来た杉良太郎は、グェンさんに「私はこれから皆さんの親になりました」と里親になることを伝えた。それから、杉さまの支援を受けて孤児院で一緒に暮らしていた3人の弟達は全員、大学を卒業することができ、グェンさん自身も大学を卒業し、教師の免許を得て、現在は杉さまが私財で建てた学校の教壇に立っている。現在も恵まれない子供への支援を続けている杉さまは、これまで220人の里親になっている。人生も色々、芸能界も色々。1000人の少年に加害を加えた“悪魔”ジャニー喜多川もいれば、“天下の助っ人”杉さまもいる。


村西とおる(むらにし・とおる) AV監督。本名は草野博美。1948年、福島県生まれ。高校卒業後に上京し、水商売や英会話教材のセールスマン等を経て裏本の制作・販売を展開。1984年からAV監督に転身。これまで3000本の作品を世に送り出し、“昭和最後のエロ事師”を自任。著書に『村西とおるの閻魔帳 “人生は喜ばせごっこ”でございます。』(コスモの本)・『村西とおる監督の“大人の相談室”』(サプライズBOOK)等。


キャプチャ  2023年12月28日号掲載

テーマ : 人生を豊かに生きる
ジャンル : 心と身体

【息子は3歳!還暦パパの“異次元”子育て】(09) 3歳児の子育て盛りで会社を定年…給与が減っても得たギフト

https://www.sankei.com/article/20231204-P25BESUFNBKH5JIUGZWHP463CQ/


キャプチャ  2023年12月4日付掲載

テーマ : パパ育児日記。
ジャンル : 育児

【アメリカ大統領選2024・号砲迫る】(05) 第三の候補、批判票狙う

20231227 05
来年のアメリカ大統領選は現時点で、民主党のジョー・バイデン大統領と共和党のドナルド・トランプ前大統領の戦いになる可能性が高い。両氏に否定的な有権者の間では、“第三の候補”に期待を寄せる声もある。「我が国が抱えている問題に比べれば、我々を分断している問題など笹井なことだ」。今月12日にネブラスカ州リンカーンで開いた集会で、ロバート・ケネディ・ジュニア氏(69、右画像の左、撮影/淵上隆悠)は数百人の支持者にこう訴えた。政府や企業の腐敗、ホームレスの増加や子供に広がる慢性疾患等を最優先で解決すべきだと強調した。ケネディ氏は、1968年に暗殺されたロバート・ケネディ元司法長官の息子だ。歴代大統領で今も高い人気があるジョン・F・ケネディ氏の甥でもある。民主党を代表する政治家一家の出身だが、バイデン氏の候補指名が既定路線の民主党に見切りをつけ、独立系として大統領選を戦う。

『ニューヨークタイムズ』等が先月行なった世論調査では、バイデン、トランプ両氏とケネディ氏の三つ巴の場合、ジョージアやネバダ等接戦6州での支持率はトランプ氏35%、バイデン氏33%、ケネディ氏24%となった。18~29歳に限定すると、ケネディ氏の支持率は34%で、30%のバイデン氏と29%のトランプ氏を上回った。ケネディ氏の集会会場には若者の姿が目立つ。父親が共和党支持者というウィリアム・ウォルターズさん(21)は、「右と左の二者択一のようなシステムは民主主義ではない」と語った。民主党中道派のベテラン上院議員、ジョー・マンチン氏(76)の動向も注目される。先月9日に次期上院選への不出馬を宣言した際、「全米を旅し、アメリカ人を一つに纏める運動に関心が寄せられているか確かめる」と述べ、独立系からの大統領選出馬を示唆した。石炭産業が盛んなウェストバージニア州選出で、知事経験もある。上院で民主党系と共和党が同数だった2021年のバイデン政権発足直後に政権の看板政策に異を唱え、キャスティングボートを握った。気候変動対策を柱にした総額1.75兆ドル(※約250兆円)規模の大型歳出法案を頓挫に追い込んだ。中道派のマンチン氏にとって、近年の民主党の左傾化は我慢ならないようだ。「バイデン氏は極左に引っ張られている。我々が考えていたように国を一つにする人物ではない」。マンチン氏は先月19日のラジオ番組で、嘗て中道派の盟友だったバイデン氏を公然と批判した。出馬すれば、バイデン氏の票が流れる可能性もある。共和党内では、リズ・チェイニー前下院議員(57)の出馬が取り沙汰されている。ディック・チェイニー元副大統領の長女で、2021年の議会占拠事件でトランプ氏を痛烈に批判し、昨年の下院選予備選で敗北した。出馬すれば、共和党内に一定の影響がありそうだ。 =おわり

          ◇

(ワシントン支局)向井ゆう子・田島大志・池田慶太・淵上隆悠が担当しました。


キャプチャ  2023年12月20日付掲載

テーマ : 国際ニュース
ジャンル : ニュース

【アメリカ大統領選2024・号砲迫る】(04) トランプ阻止、81歳の戦い

20231227 04
ポトマック川を望むワシントンの高級ホテル。今月12日、ジョー・バイデン大統領(81、左画像、『AP通信』提供)は資金集めの集会に出席した約100人の寄付者を前に、自信たっぷりに語った。「彼(※ドナルド・トランプ前大統領)は私の大統領就任式に現れなかった。がっかりしたとは言わないが、私の推測では次の就任式にも現れないだろう」。2020年大統領選で、バイデン氏はアメリカ史上最多の8100万票を獲得してトランプ氏の再選を阻んだ。再選を狙う今回、トランプ氏との再対決を想定して準備を加速させている。4月以降、全米で35回以上の資金集めのイベントに出席し、4~9月だけで約1億4000万ドル(※約200億円)をかき集めた。バイデン氏を突き動かすのは、トランプ氏の返り咲き阻止という使命感だ。今月上旬のイベントで「トランプ氏が出馬していなければ出馬したかどうかはわからない」と振り返りつつ、「彼を勝たせるわけにはいかない」と発言した。4月に再選出馬を宣言した際、カマラ・ハリス副大統領や他候補ではトランプ氏に勝てないとの確信がバイデン氏に決断を促したと言われる。バイデン陣営がホームページ上に掲載する選挙用動画には、トランプ氏本人は登場しない。代わりに、“MAGA(アメリカを再び偉大に)”をスローガンに掲げて議会を襲撃したトランプ支持者らが登場する。民主主義を破壊しかねないトランプ氏とその支持者に関する記憶を呼び起こす狙いだ。バイデン氏は9月、共和党元上院議員で“旧友”と呼んでいたジョン・マケイン氏(※故人)の地元であるアリゾナ州で演説し、トランプ支持者らの振る舞いを「過激なMAGA運動だ」と非難した。共和党穏健派を代表したマケイン氏を今も慕う共和党員らに対して、共闘を呼びかける狙いがあった。

反トランプ票の結集で前回選の再現を目指すバイデン氏だが、足元は大きく揺らいでいる。支持率は40%前後で低迷し、不支持が上回る状況が続いている。トランプ氏との一騎打ちを想定した世論調査では、後れを取るケースが目立つ。78歳で就任したバイデン氏は、歴代最高齢だったロナルド・レーガン大統領の77歳を上回り、大統領の最高齢記録を更新している。2期目を終えた時に86歳を迎えるバイデン氏に対し、有権者の多くは激務に耐えられないと厳しい目を向ける。「交代の時が来たと多くの人が思っており、バイデン氏で団結することは難しい」。元ニューハンプシャー州下院議長のスティーブ・シャーレフ氏(76、民主党)は、公然とバイデン氏に出馬撤回を求める一人だ。前回選はバイデン陣営に加わった。バイデン氏が当時、「私は移行期の大統領になる」と発言したのを覚えており、「次の世代にバトンを渡すべきだ」と訴える。バイデン氏の次男であるハンター氏が銃不法所持や脱税で起訴されたことも、出馬辞退の理由になると受け止めている。トランプ氏の返り咲き阻止に向け、勝てる候補への差し替えが「国にとっての最善」とも言い切った。トランプ氏有利の世論調査が相次いだことで、民主党内は浮足立っている。10月にはディーン・フィリップス下院議員(54)が世代交代を掲げて党指名候補争いに出馬したが、知名度が低く、勝利する公算は小さい。後継を狙う有力政治家は、2028年大統領選の方が戦い易いとみて尻込みしているのが現状だ。10月のイスラエル訪問でパレスチナ自治区ガザへの人道支援に道筋をつけたバイデン氏は、大統領専用機『エアフォースワン』の機内で記者団に、「失敗していたら、バイデンの大統領任期は失敗だったという批判が正当性をもって語られていただろう」と漏らした。ガザ情勢を巡り、国際社会や民主党の急進左派からは「イスラエル寄りだ」として、日を追う毎に逆風が強まっている。こうした姿を、ベトナム戦争の反戦運動の高まりで大統領再選出馬を断念したリンドン・ジョンソン氏と重ねる声も出始めた。第二次世界大戦後、再選出馬が可能だったにも拘わらず、出馬しなかった現職はジョンソン氏のみだ。トランプ氏に勝てる民主党候補は他にいるのか。今月6日、ホワイトハウスで記者団から問われたバイデン氏は、自らに言い聞かせるかのように、こう答えた。「恐らく50人はいる。彼を倒せるのは私だけではない。しかし、私は彼を倒す」。


キャプチャ  2023年12月19日付掲載

テーマ : 国際ニュース
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【アメリカ大統領選2024・号砲迫る】(03) “強い指導者”訴え、支持拡大

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共和党指名候補争いは来年1月23日、第二戦となるニューハンプシャー州予備選が行なわれる。ドナルド・トランプ前大統領が独走する中、穏健派の党員が多い同州に注力しているのがニッキー・ヘイリー元国連大使(51)だ。「共和党を軌道に戻す為には、ネガティブな過去を忘れ去り、解決策を前向きに考える新世代の指導者が必要だ」。ヘイリー氏は14日、同州の人口約7300人の田舎町アトキンソンの保養施設での集会で、こう訴えた(※右画像、撮影/淵上隆悠)。トランプ氏の政策の多くに賛成すると前置きしつつ、再登板に警戒を促した。「あと4年も混沌を続けるわけにはいかない」。ニューハンプシャー州予備選は、初戦のアイオワ州党員集会と並ぶ序盤の山場だ。ヘイリー氏は9月頃から支持率で躍進し、先月の『CNN』等の調査では20%で2位につけた。トランプ氏の42%には及ばないが、2位争いのライバル、フロリダ州のロン・デサンティス知事(45)の9%を上回った。ニューハンプシャーの予備選は“無党派層”と有権者登録をした人でも投票できる為、陣営は「反トランプ票を纏めれば勝機がある」とみている。集会会場にいたフローレンス・クロンクさん(70)は、「ニッキーは、国を前に進める為に反対意見にも耳を傾ける。分断が進むこの国がまさに必要としている大統領だ」と語った。

ヘイリー氏はインド系の移民2世。保守地盤のサウスカロライナ州で政界に進出し、2010年の州知事選で勝利した際は保守強硬派と見られていた。2015年に白人至上主義者が黒人9人を射殺する事件が発生すると、州議会議事堂の敷地に掲揚されていた南北戦争の南軍旗の撤去を決断した。保守一辺倒ではないバランスのとれた政治家として、共和党のホープと目されるようになった。トランプ政権では2017~2018年に国連大使を務め、外交政策に明るい。孤立主義的な主張のトランプ氏と一線を画し、過去4回の候補者討論会でウクライナ支援の継続を明確に訴えた。「世界は燃えている。強い指導者が必要だ」とし、“アメリカの復権”を主張する姿は、トランプ氏に勝てる候補を求める党員の支持を広げる原動力だ。先月下旬、共和党の政治家への大口献金者として著名な富豪チャールズ・コーク氏の支持を取り付け、今月12日にはニューハンプシャー州知事が支援を宣言した。討論会での毅然とした姿勢も支持を集めている。実業家のビベック・ラマスワミ氏(38)に執拗な個人攻撃を仕掛けられると、「貴男の話を聞いていると頭が悪くなる」と切り捨て、喝采を浴びた。ヘイリー氏の強みは、無党派層を引きつけられる点にもある。『ウォールストリートジャーナル』が今月公表した世論調査によると、民主党のジョー・バイデン大統領との一騎打ちになった場合、全米での支持率が17ポイントも上回った。トランプ氏の場合、リードは4ポイントだった。同紙は「本選では、ヘイリー氏がより強力な候補かもしれない」と評した。陣営の戦略は、序盤でデサンティス氏を撤退に追い込み、早期にトランプ氏との一騎打ちの構図をつくることだ。ただ、2月24日に予備選があるサウスカロライナ州でトランプ氏にリードを許しており、ここで勝てないと早期撤退がちらつく。ヘイリー氏は共和党指名候補争いで、女性初のアジア系主要候補者。「我が国に人種差別は存在しない」と繰り返しているが、共和党の支持層は圧倒的に白人が多い。インド系という出自が、支持を頭打ちにするとの見方もある。


キャプチャ  2023年12月17日付掲載

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【アメリカ大統領選2024・号砲迫る】(02) 保守票獲得、アイオワの陣

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「我々はアイオワで勝利する。第47代大統領の座を掴む為の弾みにする」――。フロリダ州のロン・デサンティス知事(45)は今月2日、アイオワ州ジャスパー郡ニュートンの飲食店を貸し切りにして開いた対話形式の集会で、自身を取り囲む150人程の聴衆に訴えた(※左画像、撮影/淵上隆悠)。5月に共和党の指名候補争いに名乗りを上げたデサンティス氏は、同郡への訪問で州内全99郡を回りきった。主要候補では唯一で、会場の壁には大きく“99”の数字が映し出され、聴衆にも“99”と書かれた選挙グッズが配られた。デサンティス氏は、州内にある映画『フィールド・オブ・ドリームス』のロケ地で子供達と野球をし、各地の名物に舌鼓を打ったと語った。大規模集会にしか姿を現さないドナルド・トランプ前大統領を念頭に、「私が統治者ではなく、奉仕者であることを見せられた」と胸を張った。未だ支持候補を決めていないというエル・ヘイズさん(83)は、「アイオワの人達が何を求めているのか直接聞いて回ったことは非常に重要だ」と評価した。デサンティス氏が来年1月15日に初戦の党員集会が行なわれるアイオワでの活動に並々ならぬ力を入れているのは、“背水の陣”を迫られているからだ。

2018年のフロリダ州知事選でトランプ氏の支援を受けて初当選したデサンティス氏は、性的少数者(※LGBTQ)や人工妊娠中絶に厳しい政策をとり、中南米からの不法移民を富裕層が多い州に送りつける等の攻撃的な手法で注目を集めた。昨年の中間選挙では、上院選等で注目の推薦候補が相次いで敗れたトランプ氏に対し、州知事選で圧勝して再選を決め、有力な大統領候補に躍り出た。アメリカの政治情報サイト『リアルクリアポリティクス(RCP)』が纏めた全米の世論調査平均によると、デサンティス氏の支持率は今年1月に31%を記録し、トップのトランプ氏に13ポイント差まで迫った。ところが、“ミニトランプ”とも呼ばれるデサンティス氏の政策はトランプ氏と共通点が多く、支持者も重なる。デサンティス氏は「私はアメリカ第一主義の政策をトランプ氏よりも効果的に実行する能力がある」と強調したが、トランプ氏の集中攻撃で勢いを失った。RCPによると、デサンティス氏の現在の支持率は12.6%で、トランプ氏との差は47ポイントまで広がった。それでもデサンティス氏は、保守的なキリスト教徒が多いアイオワで勝機があると信じ、逆転に望みをかけている。2016年のアイオワ州党員集会では、同様に99郡を回りきった保守派のテッド・クルーズ上院議員が、事前の世論調査で首位だったトランプ氏を破った。クルーズ氏は5月に撤退に追い込まれたが、トランプ氏の最大のライバルとして存在感を発揮した。2日の集会には、デサンティス氏への支持を表明しているアイオワ州のキム・レイノルズ知事、同州のキリスト教福音派の有力指導者も参加した。2016、2020年大統領選でトランプ氏を支持したランドン・キングさん(27)は、「今回はデサンティス氏を応援している。トランプ氏よりも保守的な価値観を持つからだ」と語った。デサンティス氏は保守的な有権者の支持獲得による起死回生を狙う。それに失敗すれば、早期撤退が現実味を帯びてくる。


キャプチャ  2023年12月16日付掲載

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【水曜スペシャル】(691) 音声データを独占入手! 15億円所得隠し“口利き疑惑”に浮上した大物政治家の名前

若しも企業が15億円もの所得隠しを行なっていれば、そのトップは当局に告発・逮捕されてもおかしくない筈だ。今回、本誌はある不動産会社と政治家、そして税務署を繋ぐ音声データを独占入手。口利き交渉のテーブルで語られた“元総理”は全面否定するが…。

20231227 01
「還付金が入るから。それを本庁に回して全部処理さすから」「もうごめんだわ、税金だけは…」「じゃあ蒲田税務署の●●(※音声では実名)という担当には、還付金で相殺してくれ、って言っていいんですか」「言うて下さい」。早口の関西弁と、それに呼応し安堵したように呟く標準語の老人の声。事務処理の段取りを尋ねる男の声は、先の2人より一回りほど若い。本誌に音声データを提供した西谷裕二氏(※仮名)が口を開く。「ほっとした様子なのは、東京都大田区にある、不動産業やホテル業を軸とするAという会社のB会長です。そして、会話を主導する関西弁の男は、B会長が所得隠しの裏工作を依頼したXという男です」。西谷氏がA社、並びにB会長の不正を明らかにしたいと意気込む背景には、「私は過去にA社と取引していた下請け業者のうちの1人です。真っ当な仕事だけでなく、架空発注を受けたり、A社が売却したい持ちビルの店子に対する地上げ行為を依頼されたこともあります。今は手を切りましたが、当時は良くしてくれた方も多い会社だけに、会長自ら不正行為に手を染め、破滅に導こうとするのが許せず、告発することを決めたんです」。西谷氏が語る経緯はこうだ。今年2月、A社に税務署の税務調査が入り、A社と関連企業2社について、合わせて約15億円もの所得隠しを行なっていたことが発覚。当然、追徴課税が発生し、その金額は何と約9億円に上ったという。「ところが、B会長が『3億円ぐらいにならないか?』と言い出しました。AグループはB会長が一代で築いたワンマン企業で、誰も逆らえません。私との関係からもわかるように、コンプライアンス違反も意に介さない、かなり古いタイプの経営者。そんなB会長が窮地に陥り、頼ったのがXなのです」(同)。

Xは、こんな言葉をかけてB会長の懐に入り込んだ。「わしは自民党の麻生太郎副総裁をよう知っとる。財務大臣やっとったから、国税にも顔が利くんや。わしが麻生副総裁や国税の担当と話して何とかしたる」。つまり、麻生氏を始め、政界の実力者に金銭を払い、その見返りとして「追徴金を低く抑える」「事件化しない」等と豪語したのだ。法人税法に触れるばかりか、事実であれば贈賄罪に該当する犯罪行為。冒頭の音声は、この口利きを踏まえた税逃れに関する会話である。西谷氏が続ける。「B会長は3~4年前にXと出会い、当時から政界の裏に通じた脱税のスペシャリストだと信じ切っています。既に3~4月頃に手渡しの現金2700万円を含む、合計5700万円を支払っています」。再び、音声データに戻ろう。Xからは他にも、「うちはちゃんと申告して請求書も全部やるから、ばらまくのはこっちに任せとって下さい」と贈賄を仄めかす発言が出たかと思えば、日韓両国の外交問題を持ち出し、麻生氏との強い関係をB会長にアピールするシーンも。不正の発覚を恐れる旨を強調し、「迷惑かけられへん、絶対に。全部絡んでくるから。先週かな、岸田(文雄首相)が行って(※3月16日の日韓首脳会談。実際は尹錫悦大統領が訪日)、その後、うちの麻生が土~日(※3月18~19日)に行って、全部やったんや」。何とも胡散臭く、普通に考えればXが仕掛けた詐欺ではないかと思うのだが、話を聞いた永田町関係者は語る。「麻生さんが数千万円のカネでそんなことにまで首を突っ込むというのは、正直、リアリティーがない。ただ、財務・金融担当大臣としての在任期間が戦後最長で、現在の鈴木俊一財務大臣とは義理の兄弟の関係にある。やるかどうかは別として、省内ないし各国税局への影響力は未だに絶大ではあります」。だからこそXは、麻生氏の威光を拝借しようとしたのか。本誌は真相究明の為、A社とXには不正行為の事実確認を、麻生太郎事務所には金銭の授受の有無、そしてXとの関係を問う質問状を送付した。先ずA社から、本誌編集部に直接電話で「事実無根である」との回答があった。続いては麻生事務所。こちらも電話での回答があり、担当者がきっぱりと全面否定。要約すると、「Xは麻生の支援者の1人で、確かに事務所の人間はXを知っている。しかし、金銭授受の事実は皆無で、Xが主張するように、麻生と昵懇であるというのも真っ赤な嘘。単なる支援者で、会話したことすらないというレベルでしかない。質問内容が事実であるなら、勝手に名前を使用したとしか考えられない」とのことだった。なお、期日までにXからの回答はなかった。弁護士法人『ATB』の藤吉修崇弁護士が語る。「個人的には、政治家からの指示を受けて国税局や税務署が一企業に手心を加えるとは思えませんが、このケースでは当該政治家に渡すつもりがないのに金銭を受け取っていれば欺罔行為にあたり、詐欺罪が適用される可能性があります。但し、他人を騙す意図があったかどうか、内心を立証するのは容易なことではありません。欺罔行為を証明するには、その人物と政治家に接点があったかどうか、また受け取ったとされる金銭がどこに渡ったのか、総合的且つ客観的に証拠立てる必要があると考えられます」。告発者である西谷氏は、この結果をどう見るのか。「Xが約束した追徴金の減額は、7月末現在で全く形になっていないどころか、関連会社の一方には税務署からの督促が来ているそうです。Xを盲目的に信じるB会長は、早く目を覚ましてほしいですよ」。大物政治家を巻き込んだ騒動の顛末や如何に。


キャプチャ  2023年8月10日号掲載

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【火曜特集】(693) シダックスを事実上買収…オイシックスにあの旧敵が逆襲か?

20231226 04
『シダックス』がMBO(※経営陣が参加する買収)を発表した。志太勤最高顧問を始めとする創業家の資産管理会社『志太ホールディングス』が、シダックス株をTOB(※株式公開買い付け)し、上場廃止になるというものだ。しかし、「これはMBOとは言えないのではないか」(金融機関幹部)との指摘が相次ぐ。今後、志太HDに『オイシックス・ラ・大地』が過半を出資し、志太HDはオイシックスの子会社になるからだ。現時点でオイシックスはシダックス株を3割弱持つ筆頭株主だが、MBOのどさくさに紛れてシダックスを事実上買収することになる。こうなると収まらないのが、昨年、オイシックスとシダックス争奪戦を繰り広げた外食大手の『コロワイド』だ。TOB価格は800円と、直近株価に対してプレミアムは1割しかついておらず、オイシックスからするとおいしい条件。一般的にTOBのプレミアムは3割以上と言われている。株式市場では、「コロワイドが対抗TOBを打ってくるか、若しくはオイシックス自体に敵対的買収を仕掛けるのではないか」(外食に詳しいアナリスト)との観測が出始めている。


キャプチャ  2023年12月号掲載

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