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【村西とおるの「全裸で出直せ!」】(58) 嘆くまい…倒産して行方知れずになった友を思えば何の不足があるものか

「監督、申し訳ないことになったよ」との電話がかかってきました。電話の声の主は、その頃、資金繰りのお金を用立ててもらっていた高利貸しです。10日に1割という高額な金利を取られていました。何とか会社を生き長らえさせねばならないと必死だった私は、溺れる者は藁をも掴む心境で、この高利貸しからお金を借りていたのです。丁度その日は、数日前に返済した3000万円を再び貸してもらう約束になっていました。もうすぐお昼になろうという時刻でした。もうそろそろ、お金を借りに行く約束の午後2時が迫っていました。そんな時、突然、「申し訳ない」との詫びる言葉を電話で受けたのです。「監督に貸す予定になっていた3000万円だが、貸せなくなっちゃったんだよ。今、俺の目の前にいる鈴木という小僧が、今日返す約束で貸していたお金を急に返せなくなったって言うんだよ。だから悪いんだけど、今日の3000万円は諦めてくれないか」。3000万円ものお金を貸してくれるアテは、他にありませんでした。「社長、無理ですよ。何とかしてもらえませんか。今日、その3000万円のお金が3時までになければ、私の会社は不渡りを出してしまいます」と訴えました。

すると高利貸しの社長は、「ほら鈴木、天下の村西監督がお前のせいで会社を潰さなければならないと言っているんだよ。この野郎! お前はどう責任を取るつもりなんだ。俺だけならまだしも、天下の村西監督にこんな迷惑をかけるなんて、てめぇ許さねえぞ!」と怒鳴るのでした。そして、鈴木とやらの顔を殴る音が、電話口に響いてきたのです。「社長、暴力は止めて下さいよ。私の為に警察沙汰になったら、それこそ大変なことになりますから」と社長を戒め、「社長がダメなら、他の知り合いのところを紹介して頂けないでしょうか?」と頼みました。すると社長は、「そうだな。俺のせいで監督の会社が倒れたんじゃあ、面目が立たないもんな。知り合いに俺が頼めば、3000万円ぐらいは直ぐ都合をつけてくれる男がいるんだが、金利が高くてね。本当はその男のお金は使ってほしくないんだが、会社を潰すわけにはいかないから、協力するよ」と言うのでした。全ては社長の一人芝居であることはわかっていました。が、わかっていても断るわけにはいかない、必要なお金でした。こうして約束の時間の午後2時に社長の会社に行き、3000万円の借用書と引きかえに、“本当の金主”という男に届ける1割5分の金利に加え、社長にお礼の5分の、計600万円を払い、正味2400万円を手にしたのです。守銭奴は、狙いを定めた獲物から、あの手この手で情け容赦なく骨の髄まで毟り取るのでした。


村西とおる(むらにし・とおる) AV監督。本名は草野博美。1948年、福島県生まれ。高校卒業後に上京し、水商売や英会話教材のセールスマン等を経て裏本の制作・販売を展開。1984年からAV監督に転身。これまで3000本の作品を世に送り出し、“昭和最後のエロ事師”を自任。著書に『村西とおるの閻魔帳 “人生は喜ばせごっこ”でございます。』(コスモの本)・『村西とおる監督の“大人の相談室”』(サプライズBOOK)等。


キャプチャ  2020年7月2日号掲載
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