【仁義なきメディア戦争】(06) 『LINE』急拡大、『ヤフー』は“君だけニュース”で対抗

20161226 08
「今の新卒は、新聞どころかヤフーも見ない。メインはLINE」――。ある地方紙のべテラン編集者は、新人記者たちの動向に目を丸くする。国内でトップを走るメッセンジャーアプリ『LINE』。同社が提供する『LINE NEWS』が、4600万人の月間読者を誇る巨大メディアに成長している。LINE NEWSを含めたキュレーションサービスが、情報を得る手段として急激に一般化した。基本的には自社でニュースを作らず、新聞社や通信社等の既存メディアからデータ提供を受け、カテゴリー分けや注目度に応じた並べ替えを行って再配信する。収益は広告で稼ぎ、読者には無料で提供する。LINE NEWSの場合、記事ページは専属編集部が要点を纏めた2~3段落の本文と、参照サイトのリンクで構成。扱うネタも、政治・経済の重要ニュースに加え、外食チェーンの新メニューや、芸能人がSNSに投稿したプライべート写真について等、インターネット起点で盛り上がる話題を豊富に揃え、形式・内容とも“活字離れ”が言われる若者に寄り添う。他を圧倒するもう1つの強みは、記事を読者に確実に届ける力だ。メッセンジャーアプリでニュースアカウントを“友だち”登録すると、“ダイジェスト”と呼ばれる注目記事がトーク画面に定期的に届く。「家族や友人との会話の序でにニュースも見る」という強力な導線を持つ。提携メディアも増やしている。「全国紙は勿論、料理レシピやヘアアレンジ等の特化型が人気。今後、もっと選択肢を増やす」(同社メディア事業部の藤沼正明副部長)。メディア数(現在121)は、年内に150程度まで増やす予定。これらのメディアも、LINE NEWSの公式アカウントを介さずに“ダイジェスト”を配信することで、読者増に繋がっている。

インターネットニュース最後発のLINEが急拡大する中、最古参の王者『ヤフー』も成長は止まらない。『Yahoo!ニュース』の月間閲覧数は今年8月に150億に達し、2年前の1.5倍に。月間利用者数は、前年同月比1.8倍に拡大。「“ニュースはヤフー”と連想する率の向上が重要」(ニューススポーツ事業本部の有吉健郎氏)。その言葉通り、8月は『SMAP』解散や台風上陸等、大きな話題が出る度に閲覧数がハネ上がった。このところ、特に力を入れているのは地方ニュースだ。「ユーザーへの聞き取り調査で、思いの外、要望が強かった。実際、地域ニュースの欄は読者の“滞在”時間が一番長い」(同)。同カテゴリーへのニュース配信媒体(全国紙除く)は、今月1日時点で地方紙・地方テレビ局等48まで拡大。IDでログインし、市区町村を登録することで、その地域に関わるニュースを集めて閲覧できる機能も作った。読者毎にニュースを最適化することで、日々の接触を更に増やす狙いがある。一方、アプリを分ける形で読者ニーズに対応しようと試みるのが『グノシー』だ。柱のニュースアプリ『グノシー』では、エンタメやスポーツ等といったワイドショー的なネタを前面に出しているのに対し、6月に『KDDI』と共同でリリースした『ニュースパス』は、政治・経済等といった主要ニュースが一通り見られる仕様。今後、『au』のスマホに予めインストールして出荷する体制が築ければ、アプリ選びを面倒に感じる中高年層を取り込む可能性が広がる。加えて、グノシーはこの1年、ゲーム攻略情報で国内屈指の『Game8』と、女子向けライフスタイルの『LINOMY』という独自記事をウェブ配信する媒体を傘下に収めた。読者ニーズと併せて、広告主ニーズを満たす狙いがある。アパレルや化粧品の高級ブランドは、芸能人のスキャンダル記事と自社の広告が並ぶのを嫌う。複数のメディアを持つことで、単一アプリでは取り難い広告分野にも獲得韓囲を広げられる。これらメディアの収益源は、基本的に広告だ。トップページや記事中に表示し、そこから広告主側の販売サイトやアプリ取得に誘導するのが主流で、ユーザー数や滞在時間の増加が収益拡大に直結する。ただ、読者にとっては広告が“邪魔な存在”になりがち。煩わしさからアプリを開かなくなり、削除されることもある。広告分野で目を引くのが『スマートニュース』だ。宇多田ヒカル等3組のアーティストで、新曲・アルバムの発売に合わせた独自の縦長動画広告を展開。「それを見る為にアプリを取得するケースも相次いだ」(同社マーケティングディレクターの松岡洋平氏)。社内に専門部署を置き、読者を呼び込む広告作りに奮闘する。アプリが読者に嫌われるきっかけは他にもある。表示速度が遅い・通知が煩い・どこに何の記事があるかわからない…。コンテンツの内容は勿論、アプリ自体の使い易さの改善を怠っては生き残れない。それは、全ての企業に共通する認識だ。

■ニュースにも“課金”の波…『NewsPicks』の挑戦は成功するか?
「インターネット記事は無料が当たり前」――。その常識を覆すべく奮闘するメディアがある。先月、『東証マザーズ』に上場した、『ユーザベース』が展開する経済ニュースアプリ『NewsPicks』だ。記事は国内外の報道機関が配信するものに加え、社内の編集部でも取材・作成する。一部の独自記事は有料会員(月額1500円、iOSでは1400円)のみ閲覧可能。ユーザーは二ュースにコメントを投稿できる。有料会員数は2万を超え、順調。「課金のコツを編集部が掴んできた」と、同社の梅田優祐代表取締役が言う。試行錯誤の結果、独自の短期連載は初回(導入編)を無料公開し、2回目以降に鍵を掛けるスタイルに辿り着いた。全読者に占める有料会員の比率が2%程度を上回らないように、記事の出し方を調節。「有料と無料、両方の読者満足を追う」(同)。料金値下げが社内で議論された時期もあったが、「『何年かかっても1500円でやる』と決断した。今思えば、いい判断だった」(同)。アプリのダウンロード数は約150万。スマートニュースやグノシーとは桁が1つ違うが、広告と課金の両輪で儲ける新たな成功モデルを狙う。


キャプチャ  2016年11月19日号掲載

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テーマ : テレビ・マスコミ・報道の問題
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