コロナ禍で窮地の『HIS』に『ハウステンボス』売却説が再燃
新型コロナウイルスが猛威を振るい、旅行業界を直撃する中で、窮地に陥っている『エイチアイエス(HIS)』を巡って、「主力事業の一つである大型テーマパーク、ハウステンボスの株式売却話が社内で再燃し始めた」(証券会社幹部)との話が出ている。HISは2018年、長崎の『ハウステンボス』に中国の投資会社『復星集団(フォースングループ)』から25%相当の出資を受け入れることを一度決めたが、中国当局の海外投資締め付けの影響等もあり、この話は流れた。今回のコロナ禍で収益が急速に悪化し、財務改善の為の資産売却案件の筆頭として、再びハウステンボスの名前が挙がっているというのだ。HISは2020年10月期の業績予想を取り下げ、新卒採用を中止。更に、今後1年以内に80~90店の閉鎖を進めるというところまで追い込まれた。売却を検討しているハウステンボスには、将来の上場話や、カジノを含む統合型リゾート(※IR)施設の誘致話もあるが、「そんないつ実現するかわからない利益貢献に期待をかける余裕もなくなってしまった」(同)ということか。
2020年8月号掲載
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