【霞が関2016冬】(05) ゴルフ料金安くなる?…税制大綱に謎の一文

ゴルフ料金は安くなるのか――。今月上旬に決まった与党の税制改正大綱に、全国のゴルファーにとって気になる一文が盛り込まれた。「ゴルフ場利用税については、今後長期的に検討する」。この税が税制大綱の検討項目に載ったのは初めてだ。ただ、関係者の主張には依然として大きな開きがあり、そんなに簡単な話ではないようだ。ゴルフ税は、ゴルフ場の利用客がプレー料金に上乗せして払っている税金だ。全国平均で1人1日668円。ゴルフ場の運営業者は、「ゴルファーの負担が軽くなれば利用客が増える」と見込んで、廃止を要望してきた。自民党の文教族議員も、「スポーツに課税するのはおかしい」と歩調を合わせてきた。これに反論するのが、地方税を担当する総務省だ。ゴルフ税の税収は2014年度で479億円。京都府笠置町では、税収の3割近い金額になる。「廃止したら地方の財源が無くなります」。総務省の地方税担当者は、自民党から廃止論が出る度に、与党税制調査会の幹部にこう説いて回り、存続に持ち込んできた。公明党も廃止には強く反対。毎年、大騒ぎした挙げ句、税制大綱には何も載らないというのがお決まりだった。だが、今年は違った。「ゴルフ税は廃止すべきだ」。自民党の高村正彦副総裁が、税調の幹部会合で度々発言。高村氏は今年、ゴルフ税の廃止を求める議員連盟の会長に就任しており、強い拘りを見せた。「高村さんだけが納得してくれないんだ」。総務省幹部は、大綱が纏まる今月に入っても困り顔だった。税制大綱に何も書かなければ、自民党副総裁の顔を潰すことになる。関係者の間で編み出したのが、「今後長期的に検討する」という玉虫色の文言だった。

この一文の解釈を、税制大綱が纏まった日の自公両党の税調会長の記者会見で聞いてみた。自民党税制調査会の宮沢洋一会長は、「自民党の議員の中には、『なるべく早くやりたい』と言う人もいる」と高村氏に配慮を見せた一方で、公明党税制調査会の斉藤鉄夫会長は「“長期的に”というのは1桁の年数ではない」と、10年以上の大幅な先送りを断言し、両党の温度差が際立った。「取り敢えず、ホッとした」。総務省の幹部は、斉藤氏のコメントを聞いて笑顔を見せた。「高村さんの顔を立てる為の文章で、実質的には意味は無い」との声もある。ただ、いつまでもゴルフ税がこのまま維持されるのかはわからない。元々、ゴルファーを狙いうちにした税金という面も否めない。昔は“娯楽施設利用税”という名前で、ゴルフ場だけでなく、ボウリング場・麻雀場・ビリヤード場が一律で課税されていた。これが消費税を導入する1989年に、二重課税を避ける為として他の施設は全て対象から外れ、名称も“ゴルフ場利用税”に変わった。ゴルフだけが残ったのは、ゴルファーは所得が高く、税金を支払う余力があるのが一因だったという。総務省も、「ゴルフ場を持つ自治体は、道路整備や環境調査のコストを負担している」「ゴルフ場は地域外の利用者が多く、一定の負担を求めるのが当然」と課税の理由を説明するが、貴重な財源を手放したくないのが最大の理由だ。ゴルフ場も多額の固定資産税を自治体に納めている他、地域の雇用を支えている面もある。公明党・総務省・地方自治体が存続を求めている以上、一気に廃止することは今後も考え難い。ただ、与党や世論の動向によっては、「非課税の対象拡大を検討する可能性はある」(総務省幹部)。現在でも、18歳未満や70歳以上の利用者、それに国民体育大会の選手は非課税になっており、これを広げるとの考えだ。自民党が来年以降、非課税枠の拡大を論点にすれば、ゴルフ税を巡る議論が再び盛り上がる可能性がある。 (山崎純) =おわり


⦿日本経済新聞電子版 2016年12月27日付掲載⦿
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