【回顧2016・政治編】(中) 浮かんで消えた解散

20161230 17
今月19日夜、首相公邸に首相の安倍晋三、副総理兼財務大臣の麻生太郎、官房長官の菅義偉が集まった。「内閣支持率は、これ以上は上がらない。衆院選をやれば、20議席は減らすかもしれないが、先送りすればもっと酷くなるかもしれない。やったほうがいい」。麻生はこう安倍に述べ、来月の通常国会の早い段階での解散を求めた。「いつまでも高支持率が続く筈がないし、経済が上向いている今のうちに勝負したほうがいい」というのが麻生の持論だ。麻生には、首相就任直後の2008年秋、解散を先送りし、翌2009年の“追い込まれ解散”で下野したトラウマもある。一方、菅は早期解散に否定的で、安倍に解散回避を進言しているとされるが、首相経験者の麻生の前では多くを語らなかった。会談は3時間に及んだが、結論は出なかった。安倍は周辺に、「解散してもいいが、結局は議席を減らすんだよな。民進党は今後も上がり目は無い。ならば、このまま政権運営を続ける手もある」と語っている。安倍は今年、解散のチャンスを先送りした。1つは“6月解散案”。5月26・27日の『主要国首脳会議』(伊勢志摩サミット)を成功させ、来年4月からの消費増税の先送りを表明した上で、6月1日解散・7月10日衆参同日選というシナリオだ。

1月4日の通常国会召集も、解散から40日以内と決まっている衆院選と、参議院議員の任期満了(7月25日)から計算し、同日選が可能な日程を設定したものだ。しかし、4月に最大震度7を記録した熊本地震が発生。被災地を無視して解散すれば「政局優先だ」との批判を受けるのは確実で、解散は難しくなった。公明党も同日選に反対していた。結局、安倍は同日選回避を決断。周辺には、「同日選をやったら『調子に乗っている』と思われるかもしれない。解散は止めた」と語った。7月10日の参院選で、自公両党は改選59議席を上回る69議席(追加公認を含まず)を確保して大勝した。安倍が次の解散日程として温めたのが、年末解散・1月22日投開票や、通常国会冒頭解散・2月5日投開票等だ。安倍は今年9月、来年1月に党大会を開く方向で検討していた幹事長の二階俊博に対し、3月に開催するよう指示。来年度税制改正論議では、一旦は前向きな考えを示した配偶者控除廃止と夫婦控除の導入について、「専業主婦世帯の反発が強い」とみて方針転換した。自民党内には、「今月15・16日の日露首脳会談の成果を武器に、首相が解散に踏み切る」との観測が広がった。だが、肝心の衆院選での“勝算”が無かった。党の情勢調査では、“30議席減”との予想も出ていた。自民党292議席が30前後減れば、改憲に前向きな勢力が衆議院の3分の2議席(317)を割り込む可能性もある。党の支持率は高いが、民進・共産両党が組む野党共闘は、選挙基盤の弱い自民党の1・2回生(計123人)の脅威だ。自民党執行部は、候補者の差し替えをちらつかせながら若手の尻を叩いているが、効果は不明だ。通常国会冒頭解散は未だあり得るが、可能性は低くなっている。次は、東京都議選後の来秋等が囁かれている。2018年12月の任期満了が近付けば、“追い込まれ解散”の可能性もある。安倍は来年も、解散時期に頭を脳ませることになりそうだ。 (加藤淳) 《敬称略》


⦿読売新聞 2016年12月28日付掲載⦿
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