【教科書に載らない経済と犯罪の危ない話】(29) 紙切れ1枚で航空会社を支配した日本人事件師の手口

「子供の頃の夢はパイロットになることやったんや」――。“日本一の国際金融事件師”と呼ばれるフジタは、東南アジア某国の航空会社乗っ取りを企んだ動機をこう語っていた。フジタは大阪出身で、ロンドンでの留学を経て外資系金融機関に勤めた後、独立して金融ブローカーになった。巨額な証券を使った国際的な事件は、ドイツのカイザーか日本のフジタかと言われるくらい、その世界では有名な男だ。今から7年ほど前、某航空会社で無免許のパイロットが摘発され、話題になったことがある。調査の結果、無免許のパイロットは同航空会社CAの弟であることが判明したが、驚きなのは、このCAまで偽物であったことだ。更に調査を進めたところ、偽CAは他にも3人いて、全員がフジタの愛人であることがわかった。偽物と言っても、社員として採用されていることに間違いはなかった。彼女たちは、フジタが無理矢理コネで入社させ、碌に訓練もしないまま業務に就いていたのである。フジタがこの航空会社に近付いたのは、同社の取引銀行を通じてだった。資金調達の計画を耳にしたフジタは、自ら出資を持ちかけていた。この時にフジタが用意したのが、日本円で約900億円の“バンクドラフト(BD)”だった。BDとは、発行銀行が支払いを保証した送金小切手のことである。BDを発行するには、額面と同額の現金、若しくはそれに見合うだけの担保となる原資が必要である。フジタが持ち込んだBDは、アメリカ国債を基に中東の銀行が発行したものだった。このBDによって、件の航空会社も取引銀行もフジタの言いなりとなったのである。航空会社は、フジタの指示通りに事業計画を作り直し、CAも自由に就職させていたという訳だ。

フジタは半年間に亘って、この航空会社を翻弄し、高額な役員報酬を得ながらファーストクラスを利用し続けた。そして、BDが紙切れであることが露見すると、別の航空会社を使って高飛びをしたのである。このBDの原資とされていたアメリカ国債は、アゼルバイジャンの富豪が石油事業の為に中東の銀行へ預けていたものだった。フジタは石油事業の契約書を作成する際、無断でこの銀行口座のサイナー(署名登録者)になっていたのだ。口座のサイナーに登録されると、その口座にある資金は自由にできるのである。口座のアメリカ国債を換金して送金したら口座所有者にバレるが、BDの原資に使っても気付かれることはない。そして、航空会社の取引銀行へBDを入れた後、原資であるアメリカ国債を担保から外せば、このBDは只の紙切れとなる。この場合、BD発行銀行のオフィサー(担当者)もフジタと組んでいたことが考えられる。アメリカ及び『ヨーロッパ連合(EU)』25位以外の銀行が発行するBDや“銀行保証(BG)”は、このように怪しいものが多く、信用できない。筆者が石油取引の為に香港の銀行へ持ち込んだBG証券も、これと同じ仕組みだった。“BC屋(残高証明業者)”に頼んで中東の銀行に発行させ、筆者の口座へ送ったのである。これで一瞬、筆者の口座残高は約300億円になり、石油取引の条件を満たしたのだった。扨て、フジタに翻弄された航空会社だが、1つだけ彼の功績と言える話がある。それは、CAの接客マナーを向上させたことだ。フジタは、日本の航空会社で働いていた愛人を客室乗務員の講師として呼び寄せ、高給を与えていた。愛人の手当を航空会社に払わせていただけなのだが、結果としてサービスを向上させたと言える。この接客マナーは、今も同社で受け継がれている。 (http://twitter.com/nekokumicho


キャプチャ  2017年1月3日・10日号掲載
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テーマ : 国際問題
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