【トランプショック】(16) 貿易戦争終結、摩擦は一部に――王健氏(対外経済貿易大学教授)

20170112 04
――『環太平洋経済連携協定(TPP)』の発効が難しくなりました。
「TPPは、非常に多くの例外が盛り込まれた。トランプ氏は、『TPPではアメリカ(企業)の利益を実現できない』と考えたのだろう。彼がグローバル化に反対と私は思わない。アメリカ経済や福祉をどう立て直すかを、政策として優先するだけだ」

――中国は通商政策を変えますか?
「変えないだろう。私は、『大統領就任後も世界貿易に大きな変化は生じない』とみている。歴代の大統領もそうだった」

――トランプ氏は、「中国製品への関税を大幅に上げる」と言っています。
「トランプ氏は『中国製品の流入がアメリカ企業に打撃』とみるが、一部の製品には環境の問題があり、中国も渋々生産している。この貿易構造は、直ぐには変えられない。世界貿易機関(WTO)協定では、関税をかけるといってかけられるものでもない」

――中国とアメリカの貿易摩擦が強まりませんか?
「保護主義の政策効果は下がった。インターネットで貿易の参入障壁が下がり、中小企業や個人もやっているからだ。中国人が日本でトイレの便座を買うのを防げるか。トランプ氏の保護主義は、経済グローバル化の中で小さな漣、局所的な利益の調整に止まる」
「貿易戦争の時代は過ぎた。一部の業界では(激しい摩擦は)あっても、全体ではあり得ない。今は貿易と投資が混然一体となり、単純な国家間の貿易ではない。市場が統一され、互いに依存しており、保護措置は自らを傷付ける」 (聞き手/北京支局 原田逸策)


⦿日本経済新聞 2016年12月22日付掲載⦿
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