【男の子育て日記】(34) 8月盛夏

一文を保育園に預けるようになってから早4ヵ月。どんなに眠くても、朝8時半に起きて連れて行くことに慣れてきた。連絡ノートがあり、保育士さんとやり取りしている。親側は毎日、子供のその日の体温や機嫌を良・普・悪から選び、睡眠時間・排泄の状態と回数・前夜と早朝にミルクをどれぐらい飲んだか、迎えの予定時間と連絡欄に書き込んでお渡ししている。感心させられるのは、こちらが連日、連絡欄に何を書くかネタに困り、下手糞な字で書き殴っているのに対して、保育士さんのほうは最低でも5行以上、しかも丁寧な字で親を安心させ、尚且つ気を引く内容を綴られていることだ。「4月5日 きょうはお部屋にある音の鳴るおもちゃで遊びました。音が鳴るたびに手足をバタつかせていましたよ。時折、笑顔を見せてくれて、保育士もメロメロです♡」「4月22日 朝のお歌の時間にみんなと同じように、テーブル付きのお椅子に座って、かずくんも参加しました。泣かずにちょこんとお座りして、とても可愛かったですよ。みんなに頭を撫でてもらったり、『かずく~ん』と呼んでもらっていました。お返事のときにお名前を呼ばれると、お友達が『ここにいはるー』『ここ!』と教えてくれ、かずくんもすっかり保育園のお友達に仲間入りしてるな~と嬉しく思いました」

「5月9日 きょうも四つん這いになっているところを見ました。スパイダーマンのようでした。 身体測定をしました。何だろう…と不思議な表情を見せつつも、されるがままに測定。少し大きくなりました。ミルクを飲んでいるときに、他のお友達に話しかけると、『ボクだけかまって』とゴニョゴニョお話していました」。いや、もう素晴らしい。僕より文章力がありますよ。名前は記入されていないが、毎日筆跡が違うので、保育士さんが代わりばんこに書かれているようだ。ノートは現在2冊目に入っているので、今後も紹介させて頂くことになるだろう。勿論、実際の保育でも、言うことを聞かない子供たち(あ、親もか)に対して決してキレることなく、ちょっとした仕草にも「可愛いー」と褒めてあげているのを見ると、頭が下がる思いだ。いくら世話をしてあげても、幼過ぎる子供たちは忘れてしまうだろう。見返りを求めない、奉仕の精神がなければできないことだ。立派なお仕事だと思う。過日、東京都知事選があった時、主要な候補者は誰も「保育士の給料を上げる」と公約しなかった。「空き家を保育園にして、そこに保育士を住み込みで働かせれば、待機児童問題は改善する」と宣った候補者が当選した。呆れた。バカにしてんのか。育児がどれだけ大変な重労働か知らないから、そんなことが言えるんだよ。“都議会のドンと戦っているジャンヌ・ダルク”と信じている人は、また何かあったら前都知事の時のようにヒステリックに騒ぎ立てて、それで数十億円の税金を使って選挙をやることになる。都民よ、週刊誌とワイドショーに煽られないで、いい加減学習して。


樋口毅宏(ひぐち・たけひろ) 作家。1971年、東京都生まれ。帝京大学文学部卒業後、『コアマガジン』に入社。『ニャン2倶楽部Z』『BUBKA』編集部を経て、『白夜書房』に移籍。『コリアムービー』『みうらじゅんマガジン』の編集長を務める。2009年に作家に転身。著書に『日本のセックス』(双葉文庫)・『ルック・バック・イン・アンガー』(祥伝社文庫)・『さよなら小沢健二』(扶桑社)等。


キャプチャ  2017年1月12日号掲載
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