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【水曜スペシャル】(262) 会期延長を求める裏で閉会日に打ち上げ飲み会の予定を…安住淳閣下の舌って一体何枚あるの?



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6月17日、150日間の会期を終え、通常国会が閉会した。その夜、赤坂の『TBS』から程近いスペイン料理店は、貸し切り営業を行なっていた。中では“三密”などお構いなしに、約20人の男女の一団が和気藹々と生ハムやパエリアに舌鼓を打つ。その中心にいたのは、お気に入りの女性党職員からビールを注がれ、ご満悦な“ちびっ子ギャング”こと立憲民主党国対委員長の安住淳だった。赤ら顔の安住が、女子職員に囲まれ、こうおちゃらけた。「今日は密になっちゃうな」。この日、開かれていたのは、立憲民主等の共同会派の国対役員や職員による打ち上げパーティー。安住がどうしてもやりたいと熱望して実現した会だった。しかし、参加した立憲民主のある議員は、眉を顰める。「安住委員長は、国会の会期延長を求めるキャンペーンをやっていた一方で、1週間も前から閉会日に打ち上げの予定をしていたんだよ。実際は会期を延長する気なんて、さらさらなかったんだろうね」。この9日前、安住は国会で記者団に対し、「新型コロナウイルス感染の第二波、第三波が来た時に、本会議や委員会を開けないで国民は納得するのか」と熱弁を振るった。そして、与党に対し国会の大幅延長を求めると共に、『ツイッター』上でハッシュタグを付けて賛同の投稿を促す“国会を止めるな運動”を展開する考えを明らかにしたのだった。しかし、その裏側で、実は安住は党職員に指示をして、内輪の打ち上げパーティーを企画させ、スペイン料理店の予約を取らせていたのだ。党職員は議員らに対し、「打ち上げがあることは内密にして下さい。案内の紙も作りません」とバツが悪そうに触れて回ったという。安住の呼びかけを真に受けて、“#国会を止めるな”とツイートされた数は約3万件と尻すぼみに終わったが、安住の言動に果たして国民は納得するのか。

安住の呆れた振る舞いは、これだけではない。東京高検前検事長の黒川弘務の賭け麻雀が報じられた際、安住は「高検検事長という職責を果たすことは、これ以上無理だ。組織のリーダーとして失格。直ちに辞任すべきだ」と批判。更に、「賭け麻雀をやるような人の定年を延長したとすれば、『余人を持って代え難い』というのはどういう理由なのか」と、首相の安倍晋三の責任を厳しく追及した。しかし、この言葉を聞いた別の立憲民主議員は肩を竦めた。「安住は賭けゴルフの常習犯だよ。麻雀だって大好き。よく自分のことを棚に上げて、他人をあそこまで非難できるよな」。安住は、外出自粛が要請されていた緊急事態宣言下においても、女性党職員を誘って、こっそり飲みに行く姿が目撃されている。こんなに言葉や行動が軽い人間が、野党第一党の幹部なのだ。終盤国会で野党が槍玉に挙げたのが、中小企業等に支給される持続化給付金事務の委託問題だった。6月1日の朝、築地の大通り沿いにある雑居ビルに、立憲民主議員の川内博史や国民民主党副代表の渡辺周ら野党議員6人が入っていく。お目当ては、経済産業省から持続化給付金の手続き業務を委託された『サービスデザイン推進協議会』の事務所だ。一行は、待ち受けていたマスコミを引き連れ、事務所がある2階まで上っていく。事務所の入り口に置かれた白いインターホンの受話器に渡辺が耳に当てると、一斉にマスコミのカメラのフラッシュを浴びる。「もしもーし、もしもーし。誰も出ないな。では、大串先生どうぞ」。指名された立憲民主の大串博志が同じように受話器に向かって呼びかける。カメラのフラッシュは再び光るが、勿論、返答はない。「では、川内先生どうぞ」。野党議員らはマスコミのカメラを意識しながら、代わる代わる返答のない受話器に向かって叫び続ける。野党議員が来訪することを知りながら、何故事務所を不在にしたのか。疑問に思った記者が尋ねる。「先方には、来訪することは伝えたのですか?」。渡辺が恥ずかしげもなく胸を張ってみせた。「実は1時間前に、役所から『今日はリモートワークで事務所に職員は一人もいません』という連絡はもらっていたのだけど、来てみたんですよ」。何のことはない。在宅勤務で事務所が空になっていることを知りながら、マスコミに“画を撮らせる”為だけに押しかけたのだ。そして、報道陣に対して「この協議会は、幽霊会社、トンネル会社だ」と叫び、得意の印象操作を行なうことだけが狙いだった。6月9日の衆議院予算委員会で立憲民主代表の枝野幸男は、協議会が事業費の97%を『電通』に再委託していたことから、「“電通ダミー法人”の契約不履行ではないのか」等と安倍に質した。

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769億円の事業の内、749億円が電通に再委託されていたことを問題視したのだが、政府側は繰り返し、この差額の20億円について、大部分を占める銀行への手数料等、詳細を明かしている。それなのに野党は「中抜きだ」との批判を繰り返すばかり。国家公務員の数が20年前と比べて半減している中で、迅速に給付金を国民に届ける為には民間委託は不可避だったし、協議会を通じた事務委託という方法には実績もある。予算委員会での質問を終えた枝野は、吹き出しそうになりながら、周辺にこう漏らした。「電通も可哀想だよね。経産省が自分たちで対応できないから、電通に無理を言ってお願いしているのに」。全国で500ヵ所以上の受付会場を設置して申請支援し、審査や広報等も担う今回の事業。経産省幹部も、「同じく入札してきたデロイトトーマツのプランと比べても、圧倒的に協議会の計画のほうが優れていたし、スピーディーな給付が可能だった」と明かす。枝野も、今回の委託の問題に何らの不正や違法性がないことをわかっていながらも、“疑惑”を演出することに腐心したのだ。結局、“モリカケ”や“桜”と同じ。政府がいくら説明を重ねても、聞く耳など持たず、野党や左翼メディアは「疑惑は深まるばかりだ」とお決まりのフレーズを繰り返す。疑惑のレッテル貼りで、安倍政権への不信感を煽ることだけが目的なのだ。通常国会が閉会し、永田町の最大の関心は7月5日投開票の東京都知事選に移った。再選を目指す小池百合子に対し、枝野は憎悪を滾らせてきた。3年前の衆院選における“希望の党騒動”で、自らを排除した小池を何としてでも引きずり下ろしたい。立憲民主は、早々に小池への対抗馬擁立を決めたが、そこからは迷走に次ぐ迷走を重ねる。

先ず白羽の矢が立ったのが、立憲民主副代表の蓮舫だった。前回の参院選東京選挙区で110万を超える票を獲得した彼女ならば小池にも勝てるという計算だった。4月には蓮舫と日本共産党書記局長の小池晃が秘かに会談し、小池は「蓮舫さんなら勝てる。是非出てほしい」と頭を下げた。立憲民主としては、来る総選挙に向けて、この都知事選で日本共産党との共闘関係を強固にしたいという思惑もあった。その意味で、日本共産党も支持する蓮舫は、格好の候補だった。その時に蓮舫が出した条件は、①元文科次官の前川喜平が副知事を受け入れること②『れいわ新選組』代表の山本太郎と元日弁連会長の宇都宮健児が連断を支持すること――の二点。蓮舫も知事選への挑戦を一時は決意したのだ。しかし、直後に事態は一変する。東京都も含め全国に緊急事態宣言が出されると、小池の露出が急増し、支持率も上昇する。この時点で行なった情勢調在で、立憲民主側は「蓮舫でも小池には勝てない」との結果に愕然とする。党幹部である蓮舫を落選させれば、そのダメージは計り知れない。蓮舫擁立は幻に終わるのだった。立憲民主の選対委員長で、東京都連会長の長妻昭は、前川喜平や『東京新聞』記者の望月衣塑子の擁立も模索するが、失敗に終わる。完全に手詰まりとなった長妻は、5月11日、枝野と立憲民主幹事長の福山哲郎に対し、2つの選択肢を示す。「宇都宮健児さんに乗るか、山本太郎に乗るか、どちらがいいでしょうか?」。既に立憲民主内部からの擁立を諦めていた長妻が示した選択肢に対し、枝野と福山は「山本で行こう」との決断を下す。日弁連元会長で“日本のバーニー・サンダース”とも称される宇都宮は、枝野と福山にとっても「左翼の色が濃過ぎる」という判断だった。そこから長妻は、野党統一候補として、れ新代表の山本太郎を担ぎ出そうと説得工作に入る。山本側の窓口に立ったのは、左翼系の活動家で、菅直人元首相の盟友とも言われる斉藤まさし。同時に、国民民主党の小沢一郎も山本の説得に乗り出した。しかし、山本サイドは「れ新公認だったら出馬を考える」「消費税5%を各党が呑むなら無所属でもいい」等と高飛車な感度を取り続けた。れ新公認では野党共闘候補にならないし、かといって立憲民主側は消費税減税は呑めない。結局、交渉は行き詰まりを見せる。山本率いるれ新は資金難に陥っていた。去年の参院選で集めた4億円の寄付も底をつき、何とかして資金を集めなければならなかった。山本にとって都議選は資金集めの格好の手段だった。

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一方で、山本には立憲民主や共産等の既存政党に対する深い不信感があり、自らの独自色を保つ為には、既存政党に収り込まれたとのイメージは避けたい。それでも、山本は小池に勝てる自信などなく、惨敗すれば山本の求心力は地に墜ちることから、出馬を躊躇っていたのだ。5月25日、山本は都内にある宇都宮の事務所を訪れ、直接会談に臨む。都知事選出馬について宇都宮に伝えるつもりの山本だったが、席に着くなり、宇都宮から逆に都知事選に出るとの決意を語られてしまう。結局、宇都宮の勢い気圧され、山本は何も言い出せなくなってしまったのだ。この日、宇都宮が自身のツイッターで出馬を表明すると、共産は直ぐに宇都宮支持を表明する。こうした事態を受け、6月2日、枝野・福山らは最終判断をする為の会議を開く。ここで一致したのは、「共産との関係を最優先にしよう」という一点。出馬を躊躇する山本を切り捨て、共産が推す宇都宮に相乗りすることを決めたのだ。枝野は周辺に対し、「最初から山本の擁立なんて考えていなかった。宇都宮さんは最高の候補だよ」と強がって見せた。これに対し、国民民主幹部は「宇都宮のような極左に、うちは乗れない」と語り、国民民主は自主投票を決める。実は、立憲民主と国民民主は、国会閉会後、合流に向けた協議を極秘裏に再開させていた。今年1月に失敗に終わった両党の合流協議だったが、総選挙に備えて「やはり大きな塊に纏まるべきだ」という声が両党から上がった為だ。しかし、都議選の候補ですら理念の違いで足並みを揃えることができないのに、どうして党を一緒にすることができるのか。選挙の為だけの野合は、更なる混乱と失望を生むだけだろう。

そして、山本は6月15日、国会内で都知事選への立候補を表明する。記者会見で、山本は立憲民主を痛烈に批判した。「この局面で消費税5%減税をも決断できないのは致命的だ。人々が見えているのか?」。全都民への10万円給付、都内の全事業者への100万円支給等、相変わらずの“ばらまきポピュリズム”を公約に掲げた山本。立憲民主の参議院議員である須藤元気は自身のツイッターで、「立憲としては宇都宮さん支持ですが個人的に山本さんを応援しています!」と発信した。彼はその後、立憲民主を離党することになる。立憲民主幹部は臍を噛む。「これで宇都宮さんと山本が票を食い合うことになる。野党共闘は崩壊するし、小池に惨敗するのも確実だ」。結局、野党は足の引っ張り合いに終始するばかりで、小池都知事の再選を後押しする始末。宇都宮や山本が小池だけでなく、『日本維新の会』が推薦する前熊本県副知事の小野泰輔の後塵を拝することになれば、立憲民主や国民民主へのダメージは致命的だ。150日間に及んだ通常国会だったが、衆議院の憲法審査会で審議が行なわれたのはたった一度きり。参議院では何とゼロ。実に2年以上、審査会で実質的な審議が行なわれていないのだ。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国民から憲法における緊急事態条項の必要性を訴える声も多く上がる中、野党側は「全く不急だ」と言い放ち、審議に応じる姿勢を見せなかった。6月11日には与党側が審査会開催を提案したが、野党側は「参議院で予算委員会の審議を行なっている時には審議はできない」と拒否。更に安住は、「一方的に憲法審査会を開催しようとした強引なやり方だった。真面目に審査会で議論をしようというよりは、憲法改正を進めようとする勢力に向けたポーズだったのではないか。大変、不愉快な対応だ」と与党側の姿勢を批判した。では、どうしたら野党側は審議に応じたというのだ。全ての責任を与党に押し付ける、まさにいちゃもんだ。今国会、唯一の開催となった5月28日の審査会で、維新幹事長の馬場伸幸はこう演説した。「メディアの討論番組や国会の予算委員会等、憲法審査会の場外では憲法論議が活発になされても、本来の土俵はあってなきが如し。国会の憲法審査会で各党が忌憚なく意見表明する自由討議の場が封じられ続けているのは、異常事態です。この時代に、国権の最高機関に身を置き、憲法について不断に論じるべき国会議員が、惰眠を貪っている場合でないことを、しっかりと肝に銘じてもらいたい」。まさにこの通りだろう。民主主義の基本である自由な議論を行なうことを妨げ、議員としての責任を放棄する野党に、立憲主義を語る資格はあるのか。言っていることと、やっていることが大違い――。何から何まで言行不一致というのが、相も変わらぬ野党の実態なのだ。 《敬称略》 (取材・文/政治ジャーナリスト 氷川貴之)


キャプチャ  2020年8月号掲載
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