【労基署ショックが日本を襲う】(05) 大手メディアで横行する“残業代ヒエラルキー”残酷物語

大手メディア記者は、他者とは給与格差に、社内では持ち場の手当格差に一喜一憂している。高待遇とは言えなくなった業界で、妬みの不協和音は日に日に拡大中だ。

20170117 01
全国紙記者の平林佳孝さん(仮名・34)は今春、地方支局から本社経済部に異動して、初めての給与明細を見て愕然とした。手取りで10万円以上下がっていたからだ。「独身の記者1年目の給与と変わらない。所帯を持ち、出費も嵩むのに、これじゃあやってられないよ」。平林さんが落胆した背景には、新聞社・通信社記者特有の給与形態がある。総じて基本給を低く設定し、残業代に相当する基準外手当(裁量労働手当等)を厚くしており、その手当が記者の持ち場によって大きく異なるのだ。平林さんの場合、1年目が本社社会部、今春までが大規模地方支局で、共に手当が厚かった。また今春、本社に異動して泊まり勤務が大幅に減った為、その手当も減り、給与への影響が大きかったのだ。右図は、『共同通信社』記者職の裁量労働(見做し労働)手当のランク分けの一部だ。

報道各社でランク分けの細かさが違っていたり、どの持ち場をどのランクに当て嵌めるかは微妙に異なっていたりするが、大体が同じようなヒエラルキーだと思っていい。グループ1で手当が基本給の7割、グループ5で4割。仮に基本給が30万円だと、持ち場の違いだけで9万円の差がつく計算だ。関係者によると、同社では嘗て残業代が付け放題だったが、2008年頃に裁量労働制に替わり、「1年目の給与に戻った」(若手記者)、「大都市の事件担当で月額10万円ダウン」(中堅記者)等、不満が噴出した。会社側に総人件費削減の狙いがあったとみられる。このヒエラルキーでは、多くの持ち場で実際の時間外労働が反映されていない上、持ち場で大きく手当水準が違う為、士気が下がる記者が続出するという。また、ランク分けは飽く迄も編集局内の伝統的な序列や、「傾向からして、忙しさはこのランクだろう」というアバウトな感覚で決められている為、大事件が発生した場合、著しいズレが生じてしまうリスクがある。特に、ヒエラルキー下位で大型案件が発生すると悲惨だ。しかし、いつどこで発生するかは誰にもわからない。長時間労働を厭わない昔気質の記者は別にして、今時の記者は、費用対効果で見合わない仕事に対しては早々にやる気を無くしてしまうもの。担当記者を表彰して激励金を出してみたり、繁忙期手当等と称して色を付けたりする“救済制度”は各社にあるが、こちらも「労働時間に対して割に合わない額」(複数社の記者)だという。


キャプチャ  2016年12月17日号掲載
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