【まとめサイト・不信の連鎖】(04) 責任なき情報量産

20170118 02
「うちと直接契約して書きませんか? 口外はしません」――。フリーランスとしてIT関連の仕事をする小山浩靖(仮名・34)。インターネット上の情報を纏めたキュレーションサイトの下請け会社の担当者から、「ライターになりませんか?」と声をかけられた。下請け会社がクラウドソーシング経由で発注していたライターの求人に、小山が応募していたからだ。クラウドソーシングは、企業が外注する様々な仕事を個人に依頼する仲介ビジネス。イラスト制作からシステム開発まで、仕事の幅は広い。仲介する企業が、成約時に働き手から5~20%の手数料を得る仕組みだ。まとめサイトの下請け担当者が直接契約でライターに勧誘したのは、仲介企業を中抜きして手数料を省くのが狙い。少しでも安くサイト用の記事を集める為だ。小山は、原稿用紙1枚分400円で仕事を引き受けた。

ベンチャー企業が中心になって立ち上げたクラウドソーシング。今では数多くの企業が手がけ、業界の推定では330万人がこの仕組みを利用して働く。様々な仕事があるが、現在の稼ぎ頭は“インターネット向けの記事制作”だ。大手では、売上高の3割ほどを占める。クラウドソーシングは「一般的な企業による雇用とは別の新しい働き方を提案した」(シンクタンク)と評価する声も多いが、まとめサイトを巡る不正の温床の1つになっていた。コストを抑えて仕事を外注できる仕組みが、情報の大量生産の手段として利用された。「仕事は無くなるのか?」「依頼のルールは変わるのか?」。クラウドソーシングの草分けである『ランサーズ』(東京都渋谷区)は、登録する働き手の問い合わせメールの対応に追われた。社長の秋好陽介(35)は今月の社内会議で、「売上高が半分になっても対策が優先だ」と社員に訴え、規定の見直しや不正防止システムの開発を急ぐ。『DeNA』に端を発したまとめサイトの問題は、インターネット社会の課題を浮き彫りにした。情報の発信源や流れが複雑になる仲、ウェブ広告等、様々な周辺ビジネスも生まれた。働き方にも影響を与える。氾濫する情報との付き合い方を1人ひとりが身に付けなければ、不信の連鎖は止められない。 《敬称略》 =おわり

               ◇

新田祐司・山端宏実・堤正治・諸富聡が担当しました。


⦿日本経済新聞 2016年12月30日付掲載⦿
スポンサーサイト

テーマ : ITニュース
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR