【霞が関2017冬】(03) 「大それた発言」…医師会が諮問会議に激怒したわけ

久々と言ってもいいかもしれない。経済財政諮問会議での民間議員発言に波紋が広がっている。先月21日の会議で、ある民間議員が「薬価の議論と併せて、診療報酬の改定についても諮問会議で議論すべきだ」(会議直後の石原伸晃経済財政再生担当大臣による記者会見での説明)と訴えたのだ。直ぐさま反応したのは『日本医師会』。翌22日には横倉義武会長名でコメントを発表し、民間議員の発言について「大それた発言。まさに青天の霹靂で、極めて遺憾。診療報酬は当然、厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)で議論すべきだ」と猛反発した。診療報酬とは、保険証を提示した際の医療行為の料金。医師会は、「諮問会議主導で、医師の収入にも影響する診療報酬が下げられるのでは」と警戒する。横倉会長のコメントでは、「国民に必要な医療を提供するには、財政の立場のみで議論することは言語道断」とした。医師が議論に加わる中医協と違って、諮問会議主導になると「経済の論理が強まる」と警戒する。社会保険医療協議会法では「中医協が診療報酬を厚生労働大臣に答申する場である」としており、「諮問会議が診療報酬体系に踏み込んだ議論を行うことは、法令上の観点からも大きな問題」とも主張した。コメントだけでは終わらなかった。横倉会長は同26日午前、安倍晋三首相に電話して直談判した。安倍首相は、「民間議員の発言は『薬価の効果を知りたい』という趣旨であり、診療報酬については中医協で議論していく」と説明したという。

首相裁定もあって、医師会は「『診療報酬は中医協で議論する』との確認が得られた」(横倉会長)として、この問題は一旦、収束した形になっている。後日公表された議事録を読んでみると、波紋を広げた発言の主は『日本総合研究所』の高橋進理事長。会議直後の石原大臣の説明とはやや異なり、議事録では「2017年は、2年に1度の診療報酬の改定に向けた検討が具体化する。『費用対効果をしっかり検証する』という観点から、院内・院外処方の在り方、技術料の在り方についてもしっかり議論させて頂きたい」となっていた。諮問会議は、癌治療薬『オプジーボ』の薬価について、中医協で決まりかけていた25%から50%に引き下げるといった役割を主導した。更に、薬価制度の毎年改定も提言し、薬価の抜本改革に繋がった。昨年末の議論の流れを踏まえると、首相が説明したように、高橋氏の発言は「(医師とは直接関係のない)薬価を中心に議論したい」というのが趣旨とも読める。しかし、本当に薬価だけでの議論に終始するのか。医師会は、諮問会議の微妙な雰囲気を感じ取ったからこそ、猛反発したのではないか。2018年度予算編成の最大の焦点は診療報酬改定だ。マクロ経済の司令塔である諮問会議の役割を考えれば、社会保障費の抑制方針を議論するのはおかしくない。「今のうちから医師会と事を構えるのは得策ではないが、予算編成が本格化する年後半には、診療報酬の在り方を議論することはあり得る」と政府関係者は言う。「ゴングが再び鳴る可能性は高い」と見てよいだろう。 (藤川衛)


⦿日本経済新聞電子版 2017年1月17日付掲載⦿
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