【走り始めたカジノ】(02) 揺れる横浜

20170119 01
今月11日、横浜市長選への出馬を表明した長島一由(50)が、記者を前に気勢を上げた。「行政がギャンブルを推奨したら世も末。カジノは是か非か。市長選で市民に問いたい」。現市長の林文子(70)が3選出馬を表明すれば「事実上終わる」とみられた横浜市長選。だが、地元経済界の悲願だった統合型リゾート(IR)整備推進法(カジノ法)成立が、皮肉にも風向きを変えた。市民の“カジノアレルギー”が市政への逆風に。「林さんも盤石とは言えなくなった」との声が漏れ始めた。出馬に関心があるのは長島だけではない。民進党代表代行の江田憲司(60)は、「菅義偉官房長官(68)・経済界・市長が一体でカジノを誘致しようとしている。反社会勢力の資金源になることは明らか。誘致推進なら市長を替えなければ」と話す。林は、IRを活用した財政基盤強化の必要を訴えてきた。

だが、「観光立国に向けて大きな一歩」と歓迎した筈のカジノ法成立後も、「誘致は正式に決めた訳ではない」と歯切れが悪い。商工会議所幹部は、「ギャンブル依存症等のイメージが強くなり過ぎた。選挙を控え、慎重にならざるを得ない」と解説する。課題は、“IR=カジノ”との不安を払拭することだ。林は言う。「カジノだけでなく、劇場や娯楽施設を併せ持つ家族連れでも楽しめる場所。そうでなければ、市民も受け入れられない」。横浜を横目に、「(条件が整えば)小規模カジノなら1年もあれば作れる」と余裕があるのが、『ハウステンボス』(長崎県佐世保市)社長の沢田秀雄(65)。更地に作る他地域と違い、「ホテルやコンベンションホールも整っている」。ハウステンボスは、ヨーロッパの街並みが売りだ。「アジアにはないモナコのような高級感のあるカジノ」と、先ずは既存ホテルにカジノを開く構想だ。既にパーク内にはアミューズメントカジノがあり、昨年のクリスマスイブにはブラックジャックやバカラを楽しむ客で賑わった。チップを換金できない体験施設だが、テーブルもチップも本場のカジノと同じだ。「県市・議会・商議所が一枚岩」(沢田)の点も心強い。長崎県知事の中村法道(66)は年頭訓示で、「何としても地域指定を勝ち取る」と全面支援の姿勢を明確にした。沢田は、「(長崎は)アジアには近いが、日本の大都市から遠い立地も利点になる」と指摘する。「交通費がかかり、そうそう来られない地方の方がギャンブル依存症になる確率が低くなるのではないか」 《敬称略》


⦿日本経済新聞 2017年1月18日付掲載⦿
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