FC2ブログ

【ボケない食事】(14) 鬼は外、福は内…躓いたっていいじゃないか、大豆があるんだもの

「私はもう粗食でよか」(母)、「ありがたか。食費がかからんけん、助かるばい」(同居息子)。これほど親不孝な会話はない。「年を取ったら粗食でいい」と思っている人は多いだろうが、粗食は体にも脳にも良くない。老化を早めたくないなら、肉をしっかり食べるべき。“煎り豆に花が咲く”ことを願って、今回のテーマは大豆。「ちょっと待った! 粗食じゃん…?」。違う! 精霊が宿るとされる大豆の力を甘く見てはいけない。大豆は栄養学的には肉に匹敵する蛋白質を含有しており、“畑の肉”と呼ばれているのだ。たまごと並んで、高齢期には特に積極的に摂りたい貴重な植物性蛋白質である。大豆を食べて、まめに暮らそう。大豆といえば、イソフラボン。美肌や更年期障害の改善、骨粗鬆症や乳癌の予防等、女性に嬉しい栄養素である。大豆イソフラボンの一種であるダイゼインは、腸内細菌の力によってエクオールという代謝産物に変換され、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンと似た働きをすることがわかっている。ピッツバーグ大学公衆衛生学の研究チームは、このエクオールが脳血管を保護することにより血管障害を抑制、認知機能を維持する可能性を指摘し、話題を呼んだ。しかし、ここで注意が必要なのが、誰もがエクオールを作れるわけではないという点である。エクオールを作れる人は、大豆摂取のみならず、野菜、海藻、茸等食物繊維が豊富な食材を摂取している。一方、エクオールを作れない人は、喫煙、外食習慣、ラーメン食が多い傾向が報告されている。大事なのはやはり、日々の食生活なのだ。

体がどんどん老化する原因は、血糖値の高さにあり。“糖化”は“老化”であり、血糖値が高い状態が続くと血流が悪くなり、必要な栄養や酸素が運ばれなくなる。糖尿病のリスクは勿論だが、見た目も老けてしまうので注意が必要だ。血糖値を下げる為には、インスリンの糖代謝を助けるマンガン、クロム、リン、カリウム、亜鉛等のミネラルを積極的に摂ることが重要である。ミネラルを豊富に含んでいる食品と言えば、そう、大豆。大豆は良質な蛋白源であると同時に、マグネシウムやカリウム、亜鉛等のミネラルを豊富に含んでいるので、血糖値のコントロールにはもってこい。大豆をまめに食べることで、見た目も体の中も若返るというわけだ。見た目だけではない。見た目が10歳若返れば、恐らく心も10歳若返ることだろう。「もう70やけん、節分の豆を年の数も食えん…」という人もいるだろうが、煎り大豆だけが大豆ではない。煮豆、味噌、納豆、豆腐、豆乳、きな粉等、毎日まめに食べられるのも大豆の魅力である。大豆と一緒に、緑黄色野菜や根菜、茸や海藻等食物繊維豊富な食材を摂取すれば、なおよし。家に閉じこもっていても、心は閉ざさないでほしい。バランスの良い食生活、適度な運動を心掛けよう。躓いたっていいじゃないか。大豆があるんだもの。“明日やろうはバカ野郎”。今直ぐやることが、ボケない為の第一歩である。


白澤卓二(しらさわ・たくじ) 医学博士・『白澤抗加齢医学研究所』所長・『お茶の水健康長寿クリニック』院長。1958年、神奈川県生まれ。千葉大学医学部卒業後、『東京都老人総合研究所』病理部員研究員や老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007~2015年まで順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。『“砂糖”をやめれば10歳若返る!』(ベスト新書)・『いちばんやさしいケトジェニックダイエットの教科書』(主婦の友社)・『“幸せだった”といって死ぬために 100歳時代の食べ方、生き方』(ポプラ新書)等著書訳書多数。


キャプチャ  2021年3月号掲載
スポンサーサイト



テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

产品搜索
广告
搜索
RSS链接
链接