【日本の政治・ここがフシギ】第1部(01) 女性政治家の割合は世界157位

日本では当たり前でも、世界を見渡すとどこか変――。永田町には、そんな制度や慣行が沢山ある。日本の政治を巡る不思議を調べてみた。

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「日本では、女性リーダーが圧倒的に少ない。頑張っていても男社会に潰されている印象だ」――。フランス人ジャーナリストのフローラン・ダバディ氏は語る。海外と日本の政治を比べた時、誰もが気付くのは女性の少なさだ。『列国議会同盟(IPU)』が先月公表した世界ランキングでは、下院に占める女性政治家の割合は全193ヵ国中、日本は157位だ。欧米の主要国は勿論、ロシアや中国より日本の順位は下だ。他国では、選挙で議席や候補者の一定割合を女性に割り当てる“クオータ制”を導入する例が多い。法律を作ったり、政党が自発的に決めたり、様々なケースがあるが、世界110ヵ国以上が導入済みだ。フランスは、候補者を男女同数にすることまで法律で義務付けている。違反した政党は政党交付金を減額する罰則付きだ。「国民の期待が高かった」(駐日フランス大使のティエリー・ダナ氏)という。同国は1970年代から、この問題に取り組んできた。だが、法整備には「国民主権の不可分性に反する」との違憲判決が下り、具体化は遅れた。1990年代まで、女性議員の比率は1割程度に過ぎなかった。1999年、違憲判断を覆す為に憲法を態々改正し、2000年になって漸く法制化を果たした。

今は閣僚も男女同数。2015年の県議会選挙では、男女ペアでの立候補を義務付けた。それでも、女性議員の比率は26%程度。政党が敢えて罰金を払って原則を曲げる例や、当選見込みの低い選挙区に女性を擁立する“数合わせ”も指摘される。北欧やドイツは、党が自発的に取り組むクオータ制だ。上智大学の三浦まり教授は、「野党が女性候補を増やして女性票を取り込み、与党も立てざるを得なくなった。政党間競争だ」と話す。日本はどうか。昨年の参院選候補に占める女性は、自民が73人中12人、公明は24人中3人、民進は55人中11人。政府は“女性候補者30%”の目標を掲げるが、程遠い。国連の『女子差別撤廃委員会』も、女性の少なさを巡って日本に対応を促す。「女性の社会進出が社会を豊かにしているとは思えない」。昨年11月、クオータ制に向けた法案を審査する自民党の会議で、男性議員がこんな声をあげた。三浦氏は、「現職が多い男性は、特権的な地位が脅かされることに警戒が強い」と話す。「日本以上に女性政治家が叩かれてきた国もあるが、最後はリーダーが決断してきた」という。女性比率上位には、アフリカの国々も並ぶ。世界一のルワンダは、憲法制定段階からクオータ制を規定。南アフリカ共和国やウガンダでも、民主化の過程で女性参画が進んだ。与野党は、今月20日召集の通常国会で、女性の政治参加を進める法案の成立を目指すが、クオータ制の実現には遠い。与野党で意見が割れている上、法案も理念法に過ぎない。推進派の野党にも、「先ずは自分の党から」との積極性は見えない。旧社会党が1989年の東京都議選・参院選で起こした“マドンナ旋風”から、もう27年以上が過ぎた。女性候補を競う政党間競争が起きない限り、政治は変わりそうにない。

■女性の活躍、政治の世界でも当然  ティエリー・ダナ氏(駐日フランス大使)
――フランスは、女性議員を増やす為に憲法改正までした。
「国民の期待が非常に高かった。国の政治と社会的な流れに沿った動きであった。1970年代に女性議員の少なさが話題になり始め、それでもかなり時間がかかったことは事実だ。漸く、今のところまで来た」
「世界全体を見た時に、極々自然に人間として男性もいれば女性もいる。経済界でもメディアでも、女性がもっと活躍するのは当然のことだ。政治の世界でも女性がもっと活躍し、その声が反映されるべきだ」
「フランスの内閣を見ると、完全なパリティー(男女同数)が守られている。これは、今の大統領と首相の意志が反映された形だ」
「同時に、政治の世界というのは男女に関わらず、もっと高い理想のようなものがあるのが当然だ。右寄りの女性の考え方は右寄りの男性に近く、左寄りの女性に似通っている訳ではないと思う。ある意味で、性別を超えたものがなければいけないのが政治だからだ」

――日本の議会制度で不思議に思ったことは?
「長所・短所ということではなく、制度はその国の文化や習慣を反映している。『日本では政府関係者が費やす時間が長い』というのが、私の第一印象だった。『対話を大事にし、話し合いで物事を決めよう』という強い意志の表れではないか。それだけ、日本社会がコンセンサスというものを求めているのかもしれない」

――フランスはどうか?
「フランスの場合は会期が長い。ただ、拘束されている時間が長いかと言えば、必ずしもそうではない。フランスの国会議員の多くは、自分の選挙区でなるべく多くの時間を過ごしたい。偶に国民議会の中継を見ていると、結構ガラガラだ。勿論、批判はされているが」
「最も出席率が高いのは、日本でいう党首討論のような政府に対する質問の時間だ。政治的な駆け引きも強いので、殆ど全員が出席している」

――国会審議への国民の関心度は高いか?
「全体的に関心は高まっていると感じる。とりわけ、政府への質問は生放送で中継することもあり、熱心に見ている国民もいる」
「ここ数年、雄弁な政治家が再び増えてきた。昨年辞任したクリスティアーヌ・トビラ法務大臣も、弁舌爽やかで有名だった。一切のメモを見ることなく、自分の言葉で話す。色々な引用を使い、起伏に富んでいて、たとえ意見に反対である人さえも引き込むような弁舌法だった」

――期待する日本の政治家は?
「色々な政治家に会い、其々魅力的で興味深い話をさせてもらっている。例えば、東京都の小池百合子知事は国会議員時代からよく知っている。世界に目を向けて、自分が何をしたいのかをしっかりと持っている方だ」 (聞き手/林咲希)


⦿日本経済新聞 2017年1月12日付掲載⦿

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