【警察・腐敗する正義】(05) カネを払う気は毛頭無し! 風俗店経営者が頭を悩ますマル暴刑事の“無銭プレイ”

20170120 03
「赤澤ちゃん、何か溜まってきてん。今、ええ娘おる?」――。また、里崎さん(仮名)から電話が掛かってきた。前回のコールから未だ2週間。最近、その間隔が短くなってきている。里崎さんは、大阪府警S警察署刑事課の刑事。暴力犯係に属しているマル暴だ。今から10年ほど前のこと。当時、筆者は大阪の梅田でヘルスやピンサロといった風俗店を経営していた。ひょんなきっかけで知り合った里崎さんは、いつの間にやらうちの店の“常連”になっていた。「今やったら、エリちゃん・カナちゃん・アキちゃんが空いていますけど…」「エリって、この前の娘やろ? あいつはアカン。その、カナっていうのはええのん?」「未だ21歳のべっぴんでっせ」「ほな、その娘にするわぁ」。里崎さんは程無くやって来る。背はちんちくりんだが、金無垢のロレックスに大仏と見紛うほどのパンチパーマ。ヤクザと一緒に歩いていても、どっちが本物だかわからない。「直ぐにいけるんやろ? 何番なん?」「じゃあ、5番のボックスで」。筆者の店は完全前金制になっていたのだが、カネを払うつもりなど毛頭無い。手慣れたもので、案内されることなく、勝手にボックスへと入って行く。制限時間を遥かにオーバーしてから戻ってきた里崎さん。「ほな、またな」。何食わぬ顔で帰ろうとするので、「あの、この前お願いしていた件なんですけど、どないでしょうか?」と引き留める。「何やっけ?」「そろそろ生安のほうを紹介してもらえればと…」。“生安”とは、風営法関連を管轄する生活安全課の略称。風俗店を生かすも殺すも生安次第なので、何としても知り合いになりたかった。その為に、里崎さんをタダで遊ばせていたのである。「わかっとる、わかっとる。もうちょっと待っとって」「手入れの情報なんかも前以て知れたらありがたいんですけど」「大丈夫や。まかしとけ」。里崎さんが帰るや、カナちゃんがやって来た。「ちょっと、何なんさっきの客。もう絶対つけんといてや。ウチ、NGやで」とブー垂れ始める。「やっぱり痛かった?」「痛いどころの話やあれへん。ここ見て。おっぱいに痣できてもうたわぁ」。以前、接客した女の子は、大事な商売道具を傷付けられ、その後、3日間休まざるを得なかった。里崎さんは、「激しくやれば女性が潮を吹く」と思っている“風俗嬢クラッシャー”だったのである。

「で、電話番号聞かれたやろ?」「そうやねん。『外で会おう』言うて、しつこいねん。ホンマうざいわぁ」。早漏気味の里崎さんが何故、いつもタイムオーバーするのかというと、プレイ後にねちっこく口説くから。付いた女子スタッフの評価は、常に最低だった。里崎さんが無銭飲食ならぬ無銭プレイを続けていた、ある日のこと。経営するうちの1店舗がガサに入られ、風営法施行条例違反で45日間の営業停止命令を喰らってしまう。この時ばかりは、「里崎さん、話が違うやないですか!」と食ってかかった。「ごめんなさい」。然しもの里崎さんもションボリしているので、文句を言う気も失せてくる。尤も、全く役に立たなかった訳でもない。地回りのヤクザである“森下の兄貴”が、可愛い女の子を店に紹介してくれたので、寮に住まわせた。しかし、数週間で仕事に出て来なくなってしまう。にも関わらず、寮に居座ってしまった。街で森下の兄貴を見かけるや、「あの、寮の件なんですけれども…」と問い詰めるのだが、「悪い悪い、もうすぐ引っ越すから堪忍な。持ち合わせが無いから、取り敢えず3万円だけ渡しとくわ」等と、滞納している分のほんの一部だけを払うという方法で、のらりくらり躱され続けた。1年半も寮から出て行こうとしない。思い切って里崎さんに頼んでみると、「よっしゃ、任しとけ」。その翌日、森下の兄貴の彼女は退去していった。集りはするものの、何か頼み事をすると機敏には動いてくれる。その為、里崎さんの周囲にはヤミ金関係やヤミ賭博業者等、怪しげな連中が蠢いていた。うちの店のオーナーからもお金を借りる等、里崎さんとの関係がより深くなっていった頃のこと。朝日新聞大阪版に次のような記事が載った。「大阪府警部補 組長に調査依頼 大阪市議告発人の意図探れ――大阪市議の公選法違反容疑事件に絡んで、大阪府警S警察署刑事課係長の警部補が、この市議を告発した建設業者についての調査を暴力団組長に依頼していたことがわかった。府警は6日、警部補を証人威迫と強要未遂の疑いで大阪地検へ書類を送付した。警部補は…」。話せば長くなるけど、要はヤクザ絡みのヤバい案件に首を突っ込み、下手を打ったという訳だ。里崎さんは、程無く退職に追い込まれた。風の噂では、和泉市のパチンコ屋で働き始めたという。里崎さんとも親しかったヤミ金業者と話している時のこと。彼の携帯が鳴った。画面を見て叫ぶ。「うわっ。また里やんからや」「元気にしてはるんですかね?」「どうせまた、『金貸してくれ』言うんやろ」「どないしはるんですか?」「出る訳ないやろ。勿論、シカトや」。裏社会の人間にとって、バッジを失った元警官など、何の利用価値も無い。パチ屋の店員に成り下がった元マル暴刑事の相手をする人間は、1人もいなかった。 (取材・文/作家 赤澤竜也)


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