【労基署ショックが日本を襲う】(06) 知られざるもう1つの『電通』問題…長時間労働の元凶は霞が関官僚にあり

大手広告代理店『電通』の新人女性社員が過労自殺した問題は、社会に衝撃を与えた。一方で、社内からは“もう1つの電通問題”を指摘する声も聞こえてくる。

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「取り組んだら“放すな”、殺されても放すな、目的完遂までは」――。第4代社長である吉田秀雄氏が、仕事への心構えを示した『電通鬼十則』の一節だ。亡くなった新人女性社員・高橋まつりさんに対して上司は、この教えを長時間労働をさせることで体に染み込ませたかったのだろうか。体育会系の社風で、「まるで動物園。悪魔に魂を売ったつもりで働いた」(元電通社員)等と評される電通で、高橋さんが所属していたのは、多忙な勤務で知られたデジタルアカウント部。ただ社内には、この部よりも敬遠される過酷な職場が別に存在するらしい。その職場は、第15営業局。官公庁を主な顧客としている営業局だ。残業が多い上に、クリエイティブな仕事が少ないイメージの為、一部社員からは“地獄の15営”・“行きたくない部署ナンバーワン”等と恐れられているという。電通に長時間労働の是正を迫っている官公庁。その住人たる霞が関官僚からの発注が、実は電通の長時間労働の元凶になっているとは、何とも皮肉な話である。

顧客にビジネスの決定権を握られている受注産業は、長時間労働の温床とされる。広告代理店は、その典型。それ故、一義的にはクライアントが変わってくれないと働き方を変えられない。業界関係者によると、高橋さんの件を受けて、民間のクライアントは同情的で、納期までの日程に余裕を持たせる等、ある程度の配慮が見られるという。一方、「相変わらず酷いのは官公庁だ」と関係者は憤慨する。民間のクライアントは、社内決裁の簡略化について比較的融通が利く為、納期に余裕を持たせられる。一方、官公庁の案件は、庁内で幾重もの決裁が必要な為、短い納期になりがち。「全てお役所仕事だから簡素化できない。融通が利かない」と関係者はぼやく。入札に必要なプレゼンテーション資料は、多い時には100枚以上にもなるという。第15営は全省庁を相手にしており、入札が3つ・4つと重なると、入札までの猶予が猶予でなくなる。更に、年度末は省庁の“予算消化”で過密スケジュールになり、数日後に入札という駆け込み入札も少なくないという。発注者は発注するだけでいいのだろうが、受ける側はたまったものではない。クライアントの不興を買う問題を起こした場合、そのクライアントから“出入り禁止”措置を受けるのが業界の不文律。今回の問題を受けて、「厚生労働省や自民党が激怒しており、電通は干されている」との情報もある。が、問題構造の下、振り回されているのは『博報堂』等、他の広告代理店も同じだ。安倍内閣が提唱する“働き方改革”で、長時間労働の是正は待ったなしの課題だ。“もう1つの電通問題”の犯人が官公庁ならば、“先ず隗より始めよ”だろう。


キャプチャ  2016年12月17日号掲載
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