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【マイナス金利5年】(04) 株高、日銀が支える

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今月15日午前9時20分過ぎ、『東京証券取引所』内の大型スクリーンに関係者の視線が釘付けになった。日経平均株価が30年半ぶりに3万円の大台を超えた瞬間だった。「日本経済の成長軌道入りを示唆する象徴的な出来事だ」。『大和証券グループ本社』社長の中田誠司は興奮気味に語る。新型コロナウイルスワクチンへの期待と、ITや自動車等の好調な企業業績が株価を押し上げている が、真の主役は世界の中央銀行の緩和マネー。その一端を『日本銀行』のマイナス金利政策が担っている。国債や社債の金利は大きく低下し、投資家の資金はより高いリターンを求めて株式市場に流れ込む。マイナス金利導入前には1万7000円前後だった日経平均は、5年で7割以上も上昇した。株価は当然、値下がりするリスクがある。アメリカで投資家の不安心理を表すとされるVIX(※Volatility Index=恐怖指数)。新型コロナウイルス感染の再拡大等で、この半年で3回も警戒領域とされる30を超えた。日本株に下落圧力がかかってもおかしくない。それでも、上昇の勢いは止まらない。日銀は市場を安定させる目的で、国債以外に上場投資信託(※ETF)等の資産を大量に買い入れている。日銀のETFの保有額は35兆円超で、全体の8割に上る。相場が下がれば日銀が支えてくれる――。そんな投資家の安心感が株高を呼ぶ。マネーが向かうのは株だけではない。不動産や金、暗号資産(※仮想通貨)等、あらゆるリスク資産が値上がりしている。『電通グループ』が売却を検討する汐留の48階建ての本社ビル。売却額は約3000億円を見込む。実現すれば、日本のビル取引で過去最高額となる。「都心の大企業は在宅勤務が定着している。立地の良さを考慮しても高過ぎる」。金融関係者は驚きを隠さない。

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電通は日本の大手不動産会社と売却交渉を進めているとされる。金利の低下でお金の借り入れがし易くなったことも売却価格を押し上げたとみられている。過去に巨額の流出で世間を騒がせた暗号資産の『ビットコイン』。今月16日、その取引価格が初めて5万ドル(※約530万円)を超えた。昨年3月から約10倍に値を上げている。暗号資産は投機目的で電子取引される。円やドル等の法定通貨と異なり、価値の裏付けがない。価格変動が激しく、個人投資家やヘッジファンドが取引の中心だった。しかし、各国の金融緩和で金利の低下が世界的に広がる中、年金基金や生命保険会社といった伝統的な機関投資家も、その存在を無視できなくなっている。先月には、約900兆円と世界最大規模の資産運用会社であるアメリカの『ブラックロック』が、ビットコインに連動する金融商品を投資先に加える方針が明らかになった。日銀総裁の黒田東彦は、現在の株価について、「今後も世界経済の持ち直しが続き、企業収益が回復していくと市場が予想していることの反映だ」とし、行き過ぎた水準ではないと強調する。果たしてそうだろうか。「現状は、バブルに繋がる条件がほぼ揃っている」。『ソニーフィナンシャルホールディングス』チーフエコノミストの菅野雅明は警戒を呼びかける。その条件とは、①金融緩和の長期化②経済環境の変化③過度な楽観論――の3つだ。1980年代後半以降、日銀の度重なる公定歩合の引き下げで生み出された緩和マネーは、株や不動産に雪崩れ込んだ。東京圏の基準地価(※全用途)は、ピークの1987年に前年比プラス57.5%まで上昇。人々は経済成長が続くことに疑問を挟まなかった。当時の熱狂は、後にバブルと呼ばれた。“令和バブル”は幕を開けたのか。何れ答えは出る。 《敬称略》


キャプチャ  2021年2月21日付掲載
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