【教科書に載らない経済と犯罪の危ない話】(30) 円安・株高を基調に推移…2017年金融市場の動向予測

「日銀がマイナス金利政策を実施するらしいです」――。昨年1月28日深夜、メガバンクのバンカーから突然、電話で知らされた。彼はヨーロッパのリスク管理が専門なので、この情報は意外だった。念の為、数人に確認を取ったところ、情報の出所が日銀と近い議員秘書と判明し、「間違いない」と確信した。翌日、日銀はマイナス金利導入を発表。ドル円は118円半ばから121円に、日経平均は680円の上昇から870円急落、終値は476円高と乱高下した。ここで、昨年のマーケットを振り返ってみよう。1月のサプライズから荒れ出した市場はその後、中国経済の不安感や原油安、イギリスのEU離脱決定とネガティブな材料に翻弄され続けた。そして11月、アメリカ大統領選でドナルド・トランプが当選し、市場の流れは一気に変わった。開票が始まった当初、ヒラリー・クリントン優勢で円安・株高が進行。しかし、徐々にトランプの優勢が濃厚になると、日経平均は急落、ドルは102円を割り込んだ。ところが、市場の反応は一時的で、意外なほど冷静だった。それどころか、明らかにポジティブと判断したようで、10年国債利回りは利上げを見込んで上昇した。市場はトランプ大統領を歓迎したのだ。これにより、ドル円は118円、日経平均は1万9500円まで上昇したのである。では、2017年の市場はどうなるのだろう? 先ず、日本国内に大きなリスク懸念は無く、ヨーロッパや中国等、海外要因に影響される展開となる。トランプ新政権は、大規模減税・巨額なインフラ投資・金融規制級和を政策に掲げている。これは、アメリカの経済成長とインフレ期待を高め、長期金利を上昇させる要因だ。

ただ、トランプ相場と言われる今年末の相場は、期待先行で過熱感も強い。「新政権が、この期待感を継続させられるか?」が重要だろう。アメリカの長期金利の上昇で日米の金利差が拡大すれば、ドル高・日本株上昇のトレンドは続く筈だ。「市場に大きな影響を齎すのは石油である」ということは、何度も主張してきた。2017年も間違いなく、原油が最大のテーマだ。そこで注目すべきは、『サウジアラムコ』の上場である。サウジアラムコは、原油埋蔵量・生産量共に世界一のサウジアラビア国営の石油会社。同社の時価総額は2兆ドル(約240兆円)と算定されており、時価総額世界一を誇る『Apple』の4倍という規模だ。サウジアラムコは株式の5%を上場させる予定だが、それだけでも1000億円超で、市場に与えるインパクトは大きい。上場させる理由は、長引く原油安によるサウジアラビアの財政赤字にある。この上場による収入で、財政再建・改革を行う為なのだ。上場させる為には原油の引き上げが必要となるのだが、『石油輸出国機構(OPEC)』が8年ぶりに減産を合意できたのも、サウジアラビアの強い決意があったからだ。これにより、原油価格はウェストテキサスインターミディエイト(WTI)で65ドルが目標となるだろう。原油価格の上昇は、産油諸国のペトロダラーを市場に還流させ、株価の上昇圧力となる。ドル建てのペトロダラーはドル高により、産油国の投資を更に活性化させる筈だ。一方、日本が市場に与える影響は相対的に少ないが、良い材料もある。日銀による指数連動型上場投資信託受益権(ETF)買い入れ枠拡大も、株価上昇に繋がる。それから、解散総選挙も行われるだろう。その結果、自民党の圧勝により、政権の安定度は増し、日本経済には好影響となる。このように、今年の市場見通しは上昇トレンドの継続とみていい。しかし、潜在的リスクは確実に高まっている。今まで以上に、情報には敏感であるべきだろう。 (http://twitter.com/nekokumicho


キャプチャ  2017年1月17日・24日号掲載
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