【地方が変える・日本を変える】(04) 起業家、地域の力に

20170126 05
地方を拠点に、起業家らが協力して新たなビジネスを生み出している。秋田県中央部に位置する五城目町は2013年から、過疎化で廃校になった小学校を、オフィスとして月2万円で貸し出している。現在は、ベンチャー(新興企業)13社が利用する。協業の成果の1つが、築130年超の茅葺き屋根の古民家を宿泊施設として再利用するビジネスだ。教育・人材育成業『ハバタク』の丑田俊輔代表(32・左画像左から2人目)らが、古民家を“村”と見立て、年会費を払えば誰でも村民になれる“シェアビレッジ”の構想を練り上げた。村民募集のホームページ作り等は、デザイン会社『プロデュースプロ』の坂谷専一さん(37)が担当した。古民家には1泊3000 円で宿泊でき、芋煮会等のイベントにも参加出来る。首都圏出身者に「仮想の古里を持てる」と売り込み、約1000人の村民の内の6割は関東在住者だ。五城目町が起業家の支援に舵を切ったのは、製造業の工場誘致が難航した為だ。他の多くの自治体と同様、企業を呼んで雇用を生み出そうとしたが、首都圏からの距離の遠さ等がネックになった。

企業から起業重視への転換――。小学校をオフィスに切り替えて以降、人口約9800人の町に12人の雇用が生まれ、16人が移住した。町の担当者は、「数は小さいかもしれないが、何もしなければゼロやマイナスだった。これからもっと広げたい」と意気込む。「起業家を集めて地域の力に変えよう」という動きは、都市部にも広がる。福岡市早良区の新規事業支援施設で、隣り合うシステム開発企業『コードキュー』と不動産業の『エイルマネジメント』が提携事業に乗り出している。両社を結び付けたのは、コード社が開発した、全地球測位システム(GPS)で持ち主の居場所が分かる10円玉大の装置だ。元々は子猫等に付ける為の商品だったが、エイル社が企画する子育て世帯向けマンションで「子供の見守りサービスを導入しよう」と考えていることを知り、子供用に使うことを提案した。コード社の藤懸英昭代表(47)は、「べンチャーはニッチ(隙間)分野で事業をやっている人が多い。協力し合うことで、新たなサービスを創出できる」と話す。べンチャー同士が新しいビジネスを起こす“化学反応”に期待して、福岡市は今春、こうした支援施設を1ヵ所に集める計画だ。尤も、「起業家を集めればいい」という訳でもない。創意工夫だけでは限界があり、資金面の支援が必要だ。自治体の財源に余裕は乏しく、事業実績の少ない企業への融資に、銀行は尻込みしがちだ。資金の出し手としてファンドに期待がかかるが、投資の実績を見ると地域間格差が大きい。『べンチャー白書2016』によると、ファンドから新規で投資を受けた企業は東京だけで半数以上、投資金額は約6割に達する。福岡のコード社・エイル社共に、事業費用に自己資金を充てた。『トーマツベンチャーサポート』の前田亮斗氏は、「自治体や国は、ファンドと地方の起業家の交流の場を設ける等、両者の接点を増やす必要がある」と指摘する。


⦿読売新聞 2017年1月7日付掲載⦿
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