“ふさわしくない言動”のせいで除名された3名のエリート職員…「池田大作名誉会長を批判すると創価学会からも公明党からも除名される」という噂は本当か?

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国家公務員や地方公務員、或いは民間企業に勤務するサラリーマンは、職務上の不始末・横領・刑事事件等を起こすと、訓戒・懲罰・解雇を始め、最悪の場合、懲戒解雇等の罰則規定がある。では、宗教団体の場合はどうだろうか。伝統仏教や新宗教団体にしても、信者や指導教師側(僧侶等)が時々、世間を騒がすような事件を起こす。すると各教団は、役員等の審査・審議で、規定に従って処分を下すことになる。だが、企業等と違って宗教団体は、懲罰の判断基準が多分に“難解な信仰”に深く関与しているケースが多い。その為、一般社会には、教団の処分には理解できない側面もあるのではないか。公称信者数827万世帯の『創価学会』にも、会員や幹部に対する罰則規定があり、創価学会会則(2015年11月から施行)第12章の第75条に“地位の喪失”として、「会員は、退会または除名により、その地位を喪失する」と明記されている。退会とは、自ら創価学会を離脱することかと思われるが、他方、“除名”処分の判断基準とはどのようなものか。第14章“賞罰”の第78条“懲戒”には、こうある。「この会は、会員としてふさわしくない言動をした会員に対し、その情状に応じ、戒告、活動停止または除名の処分を行なうことができる」。相応しくない言動や、その情状に応じて除名処分等にするという規則である。一体、相応しくない“言動”とはどういう言動なのだろうか。大半のサラリーマンが夜な夜な居酒屋で、社長や上司の悪口を酒のつまみにしている。「会社・社長はアホ」「社長は経営をわかっていない!」「能無し部長!」。差し当たり、これらは雇用している会社にとって、まさに相応しくない言動である。創価学会では会員同士、或いは指導幹部を批判する言動は、相応しくない言動の範疇なのだろうか。見方によっては、組織内で「“言論の自由”を一切認めない」と受け止められる厳しい規則でもあるようだ。

創価学会(公明党)の“賞罰”規則で処分された特異な人物を挙げてみよう。公明党の議員が同党から除名されたら、政治生命は閉ざされ、支持母体の創価学会からも除名されたことと同意である。創価学会の支持票無くして、公明党の候補者は、たとえ“代表”であっても唯の1人も当選できない。稀に、市議会議員の中に現職時代、地元有権者の人気が高く、公明党を離脱後、無所属で立候補して当選した事例が群馬県下等にある。しかし、それも数えるほどだ。創価学会・公明党の処分問題について、世間で最初に注目された人物が、1988年に処分された公明党の大橋敏雄代議士(福岡県第2区選出)である。1953年に創価学会に入会し、1967年に公明党から衆議院議員に立候補して初当選。以後、8期20年を務めた古参の公明党代議士だ。代議士時代、地元の福岡県に菩提寺があるにも関わらず、創価学会の墓苑を2つ(群馬県の『高尾墓苑』と北海道の『厚田墓苑』)も購入し、毎年7月の広布基金(※現在の名称は財務納金、実施は12月)には100万円も納めてきた熱心な会員だった。何故、その大橋代議士が除名処分されたのか。月刊誌『文藝春秋』1988年6月号に、『池田大作への宣戦布告 党と学会を私物化する彼にもう我慢ができない』のタイトルで手記を発表したことが、除名処分の引き金になっている。別に、創価学会に対する宗教批判をした訳ではない。手記は大筋、池田大作会長(※現在は名誉会長)の信仰上の過ち・池田大作会長の創価学会の私物化・公明党の私物化・創価学会(公明党)の政教一致問題等を焦点にしていた。当時、公明党現職代議士の告発とあって、手記を掲載した同誌は直ぐに完売。発売僅か10日後に増刷され、同誌の増刷は1974年10月号の『田中金脈レポート』以来の快挙になった。一方、告発に踏み切った大橋氏の周辺は話題騒然となり、衆議院議員第2議員会館の事務所にマスコミが殺到。インタビューの順番を待つ取材記者たちが、廊下に列をなした。筆者もその列に並んだ1人だが、当時の取材ノートから、ほんのさわりを紹介してみよう。「代議士は党除名処分を受けましたが、その理由は?」「問題のすり替えです。私が手記という形で問題にしたのは、あくまでも池田大作による創価学会と公明党の私物化ということでした。しかし、公明党は肝心な私の問題提起には一切回答することなく、関係のない政治献金がどうの、女性問題がどうのといった理由で党除名をしました。私の政治献金については、これまでも説明してきたように、なんら問題にすべき不審な点はありません。また指摘された女性問題については、私も男ですから、過去に全くなかったとは言いません。でも処分理由に示されるような内容は事実無根です。もし過去の女性問題で党除名を受けるのであれば、公明党内には処分されなければならない議員が何人もいるでしょう。残念なことですが、問題提起し国民に訴えた私の意見が次元の低い問題にすり替えられてしまったのです」。

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公明党の代議士が創価学会の会長の批判論文を書き、公明党から除名処分されるのもどうかと思うが、当時、大橋氏に対する創価学会の攻撃もまた凄かった。同会の幹部会で最高幹部が話している録音テープを聞いたが、大橋氏が問題提起した内容に反論することなく、「ゴキブリ、ドブネズミ、犬畜生以下」と批判していたのだ。また2007年、公明党の福本潤一議員(参議院)も創価学会批判で公明党を除名処分されており、嘗て本誌でも本人にインタビューをしたことがあった(2012年6月号)。但し、創価学会や公明党にしても、除名処分という“賞罰”は、その判断基準が割合と曖昧である。前出の大橋代議士が処分されたほぼ同時期、古参の学会幹部で東京都議会議員を務めた藤原行正氏も、池田会長の女性問題に触れる等して池田会長を痛烈に批判していた。『池田大作の素顔』(講談社)という著書まで出版して、ベストセラーになっている。だが藤原氏は、党員除名や学会除名もされていない。ところで、大橋代議士の主な除名理由は“カネ”と“女”になっている。だが、創価学会本部内でも、週刊誌を騒がすほどの幹部による女性問題や金銭問題が浮上したことがあった。それなのに、何れも除名処分を受けることなく、ただ職場を左遷された程度である。更に、“除名”については現在、創価学会による“会員”の除名問題を巡り、ブログに公表されたことから、同問題が全国に拡散している。関心を持つ読者は、『元創価学会職員3名のブログ』を覗いてほしい。

学会を除名された3人とは、以下の経歴者だ。

①小平秀一氏…1995年、創価高校卒業。1999年、創価大学卒業。同年、創価学会本部(信濃町)に入職。2012年10月、創価学会本部を懲戒解雇。2014年6月、創価学会を除名。
②滝川清志氏…2000年、創価大学卒業。同年、創価学会本部に入職。2012年10月、創価学会本部を懲戒解雇。2014年6月、創価学会を除名。
③野口裕介氏…2002年、東海大学卒業。同年、創価学会本部に入職。2012年10月、創価学会を懲戒解雇。2014年6月、創価学会を除名。

滝川氏と清川氏は、創価大学を卒業後、本部に勤務している。創価学会員で本部に勤務するのはステータスとされ、況して創価大学を卒業して本部勤務とは、将来の幹部席が約束された、まさにエリートコースである。因みに、私大を卒業した学生部幹部の1人が、本部採用の試験を受験。見事に合格した。しかし、留学を選択して入職を断ったところ、「先生(池田大作名誉会長)の下で働く本部職員を断るとは何事か!」と最高幹部から入職を説得されながら、こっぴどく叱咤されたという。私大を卒業して本部職員になった野口氏にしても、本部に採用されるほどの人物である。学生部時代には幹部を務め、活動熱心な創価学会員だったようである。その創価学会組織内のエリート3人が、本部を懲戒解雇され、更には学会除名にまで至った理由は何か。ブログでは時系列に沿って詳しく報告されているが、以下、除名する側の学会の委員会はどのような雰囲気なのか、ブログを要約して紹介してみよう。「…私たちが平成20年4月29日(監査面談の場)、5月22から24日(通知の場)に体験した、会長直轄(原田稔会長)の本部指導監査委員会による監査面談の実態についてである。私たちは、本部職員の会合の場で1000人近い参加者を前に、特定の会員を名指しで『○○は暗黒時代を作った』『前体制は暗黒時代だった』と誹謗中傷したことがきっかけで起きた学会組織上の問題について、本部指導監査委員会から監査を受けることになった」。どうやら3人は、「本部内で不正は許せぬ」という心意気の発言をしたことで、処分等を審議する本部指導監査委員会から監査を受けることになったらしい。「約2週間、仕事が終わってから深夜までパソコンに向かい、監査委員会に提出する書面を作り提出。…面談室に入ると、私たち当事者1人に対して、副会長など4名の監査委員が囲むように座っている。全員、本部職員の幹部であった。その威圧的な雰囲気に圧倒された。もはや罪人である。震える声を絞り出し『よろしくお願いします』との言葉で監査が始まる」「ところが、事情を詳しく説明しようとした途端、監査委員は『ここは議論する場ではない!』と話を遮った。さらに、『つい最近も神奈川で問題を起こした中心者を除名処分にした』と除名処分をちらつかせるのである」「面談に臨んだある会員に対しては、弁護士も加わり、副会長など5人の監査委員が取り囲み、冒頭で『池田先生とつながりがあるのか』と確認する。繋がりがないと分かるや『君が問題を起こしたんだろ』と責め立てた。あまりに結論ありきの、偏見に満ちた高圧的な監査面談に我々は衝撃を受けた」。

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その後、監査委員会は3人に対し、本部内で起こった問題について二度と発言をしないよう、“誓約書”を書いて提出するように迫った。3人はこれを拒否する一方で、最高幹部たちに「話を聞いてもらいたい」と相次ぎ面会を求め、或いは手紙を書く。しかし、「ついに2週間後の平成20年12月15日、本部職員である我々を職員として罰するかどうかを検討する職員規律委員会が動き出した」。更に3人は、「池田大作名誉会長にも手紙を書いて読んでもらおう」と、長男の池田博正副会長にも接近した。池田副会長は手紙を受け取り、「『そうですか。はい。分かりました。ご苦労様です』と笑顔で手紙を受け取ってくれた」。しかし、1ヵ月過ぎても返事無く、再び、本部の朝礼直後、池田副会長に手紙を渡そうとしたところ、「すると突然、2名の職員が背後から小平(秀一氏)の両脇を抱え込み、後方に組み伏せた。…そのまま場外に引きずり出されていた…」。このような諍いが続いた後、小平氏は「平成22年2月25日、職員全体会議の席上、小平は、4月1日付けでの九州・福岡への人事異動を発表される」。しかし、小平氏たち3人は、“本部職員の不正に声をあげた”発言に対して懲罰委員会にかけられ、尚も姿勢を変えないことから“懲戒解雇”、続いて学会を“除名”されてしまった。“ふさわしくない言動”が要因である。3人の職員が創価学会本部を懲戒解雇にされた理由は、“会員としてふさわしくない言動”をしたかららしい。民間企業なら少し首を傾げたくなる“賞罰”制度だが、加えて宗教団体の創価学会まで“除名”にされた。信教の自由も奪われたことになる。これらの経緯の末、3人は先月15日、『実名告発 創価学会』(金曜日)という本を出版した。


段勲(だん・いさお) フリージャーナリスト。1947年、宮城県生まれ。東洋大学文学部卒。『週刊ポスト』記者を経てフリーに。宗教・社会問題・人物・健康等について幅広く執筆。著書に『千昌夫の教訓』(小学館文庫)・『創価学会インタナショナルの実像 池田会長が顕彰を求める理由』『反人間革命 創価学会へ入信した男の一生』(共にリム出版新社)・『定ときみ江 “差別の病”を生きる』(九天社)等。


キャプチャ  2016年12月号掲載

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テーマ : 創価学会・公明党
ジャンル : 政治・経済

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