【仁義なきメディア戦争】(11) 「不動産強化は朝日のブランドを守る為」――渡辺雅隆氏(『朝日新聞社』社長)インタビュー

20170130 13

新聞は、購読料と広告料が取れる優れたビジネスモデルだ。『朝日新聞社』は連結売上高の約85%が新聞で、不動産等他事業は約15%しかない。新聞はダウントレンドにあるので、 2020年までを視野に入れた中期計画を作った。経営基盤の強化と、新規事業の育成の2本柱だ。不動産は、2020年に売上高200億円を目指している(昨年度は170億円)。本業の新聞以外の強化が、朝日のブランドと相反するとは思っていない。地域の街づくりに貢献するいい建物を建て、いいテナントを入居させる。ツインタワービルを開発中の大阪市北区中之島でも、フェスティバルホールを造り、美術館を入れて文化の発信に貢献している。不祥事で木村伊量前社長が辞め、社員は動揺し、ASA(販売店)も厳しい状況になった。そこで、就任後の昨年1月に『信頼回復と再生のための行動計画』を宣言した。双方向で課題解決を目指すパブリックエディター制度を導入し、訂正欄を第2社会面の下に纏めた。当初は訂正件数の多さに驚いたが、減ってきている。また、購読者十数人との車座集会を各地で50回ぐらい行った。地域面の記事に載るし、口コミでも伝わる。同席するASAの所長や若い社員へのメッセージにもなる。社員20~30人と直接対話する集会も、200回以上開催した。購読者の信頼度や満足度の定期調査では、一連の問題が起きる前と同水準までは回復した。ただ、非購読者はそうもいかない。インターネット上でバッシングされても、取り組みを伝える手段が限られるからだ。朝日の強みが調査報道であることに変わりはない。8月からデジタル版で始めた連載『小さないのち』では、過去10年の5000件に及ぶ子供の事故の記録を専門家と分析した。「こうした取り組みが信頼回復に繋がれば」と願っている。紙は減っているが、ゼロになるとは思わない。現在の発行部数は650万部で、全国で約4000万部の新聞が仮に2500万部になっても、2割のシェアを取れば500万部ある。購読者ベースのシェアは17%あるので、無理な数字ではない。広告収入も落ちてはいるが、一定のニーズはある。紙だけでなく、デジタルや雑誌も持っているし、リアルなイベントを作る力もある。グループにテレビもある。7月に実施した3回目の希望退職は、バブル期に大量採用した社員の年齢バランス是正が目的。100人強の応募があったが、肩叩きでなく転職支援だ。日本の新聞が欧米に比べて持ち堪えているのは、戸別配達網があるから。これを維持する為に、他系列の新聞も扱う複合店化や、牛乳配達や電球交換も行う“御用聞き”への多角化を促している。お年寄りの購読者から「助かった、ありがとう」と言われ、従業員のモチベーション向上にもなっている。 (聞き手/本誌編集部)


キャプチャ  2016年11月19日号掲載
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