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【木曜ニュースX】(75) 「これから小池さんと会う」と親密さをアピール…11億円詐欺で逮捕された男と小池百合子の意味深な関係

横浜の『みなとみらい』に聳え立つ『ランドマークタワー』19階に、太陽光発電や浄水装置開発等を手掛ける『テクノシステム』はある。フロアの奥には湾岸エリアが一望できる応接室。案内された投資家たちが座る上座の背後の壁には、事業が紹介された新聞記事の切り抜きと共に、生田尚之社長(47)が有名人と撮った写真がズラリ。一際目を引く一枚は、東京都の小池百合子知事(68)との写真だった――。



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生田氏らテクノシステムの幹部3人が5月27日、東京地検特捜部に詐欺の疑いで逮捕された。「生田社長らが昨年、太陽光発電やバイオマス発電の設備への融資名目で虚偽の書類を出す等して、金融機関から計約11億6500万円を騙し取った容疑です。同社は昨年末には既に債務超過に陥っており、借金をしては別の債権者への支払いに充てる自転車操業状態でした」(社会部記者)。負債総額は約150億円。生田氏は逮捕直前まで、あの手この手でカネを引っ張ろうとしていた。テクノシステムの大株主の一人で、『ナック』の名誉会長である西山由之氏が語る。「今年3月に生田氏から連絡があり、『埼玉のゴルフ場の土地に太陽光パネルを設置するので、3億円貸してほしい。売れれば18億円になるから』と。勿論、断りましたよ」。4月末にはテクノシステムに家宅捜索が入り、生田氏も検察の聴取を受けていた。だが知人によると、「詐欺でも何でもない。見積もりから少しずれただけ」と反省の色はなかったという。生田氏は贅の限りを尽くした生活を送ってきた。テクノシステムの元幹部が明かす。「数年前の生田氏の役員報酬は約2億5000万円もあった。銀座の高級クラブで自分の係の子の『誕生祝いだ』と言っては、ドンペリゴールドやオーパスワンを何本も空けていた。ラスベガスやシンガポール等のカジノに飛んでVIPルームで遊び、億単位のカネを使ったこともある」。何故、多くの投資家や金融機関が生田氏を信用してしまったのか。最大の理由は応接室の写真が示す、有名政治家との関係だ。

「社長は政治家との関係を誇示していた。『小泉純一郎元首相と食事や対談をした』『原田義昭元環境大臣とは昔から知り合いだ』等と語る。再生可能エネルギー事業に理解ある政治家と近いと思わせ、安心させる狙いがあった」(元テクノシステム社員)。中でも最も濃密な関係を築いていたのが小池氏だ。小池氏は小泉政権下で、2003~2005年まで環境大臣を務め、東京都内の自宅は太陽光発電パネルを設置した、“エコだハウス”と称するエコな邸宅である。テクノシステムは2012年頃から太陽光発電事業に本格参入し、生田氏は2013年、小池氏の衆議院議員時代の資金管理団体『フォーラムユーリカ』に50万円を献金。その2年後には同じく彼女が代表の自民党豊島総支部に、150万円もの個人献金をしている。そして、小池氏からも“お返し”するほど深い仲だった。「2019年にテクノシステムが運営する肉匠いく田がオープンした際には、“祝御開店 小池百合子”と立て札をつけた花を送ってもらった。入り口脇の目立つところに飾られていた。都知事就任後も社内で生田社長が『今日は、これから小池さんと会う』と語る等、親しさをアピールしていたことも」(前出の元幹部)。小池氏が忙しい公務の合間を縫って会うほどの関係だった2人。そこにはもう一人のキーマンがいる。小他氏のいとこを自称する水田昌宏氏だ。「小池氏が環境大臣の際には大臣秘書官を務め、その後、公設秘書も務めていた。生田氏が献金したフォーラムユーリカや自民党豊島総支部の会計責任者を務めていた金庫番です」(政治部デスク)。水田氏は2010年、エコだハウスの土地の2分の1、建物の5分の1の共有者となり、妻や子供と共に小池氏と同居を始める。門柱には“KOIKE”や“MIZUTA”という表札が並んでいた。「水田氏の妻も2016年の都知事選時、小池陣営の出納責任者を務めていました。同居は数年前に解消。家の持分も小池氏に戻り、MIZUTAの表札は外されましたが、登記簿等公的書類上の水田氏の住所は今もエコだハウス至近のマンションです」(事務所関係者)。水田氏は、巨額の詐欺事件を起こしたテクノシステムとどういう関係なのか。別の元社員が声を潜める。「社内での水田さんの扱いは別格でした。登記簿等には出てきませんが、謂わば最高顧問のような立場で、毎月、外注費として50万円ほど支払っていた。Tシャツに短パンのラフな格好で会社に現れ、子供を連れてくる等、我が物顔で社内に出入り。生田社長は煙草が大嫌いなのですが、水田さんが来ると特別に灰皿が差し出され、自由にたばこを吸っていた。水田氏が帰った後、空気清浄機を2台、室内に入れていました」。水田氏と生田氏の極めて親密な関係を示すのが、あるマンションの売買取引だ。場所は新宿区百人町。築30年近い、30㎡にも満たない単身者用の物件だ。登記簿謄本を捲ると、小池氏が都知事選で勝利した5日後の2016年8月5日、水田氏はこの物件を購入。だが、翌年の10月24日、水田氏は生田氏に売却しているのだ。地元の不動産屋曰く、この物件は「1500万円程度」。役員報酬2億円を超え、横浜に豪邸を持つ生田氏が、態々投資用に買うとは考え難い物件だ。更に奇異なのは、翌年8月28日、生田氏は早々と同物件を売却。だが何と、売った相手は関西在住の水田氏の親族だったのだ。親族は3ヵ月後、別の人物に売却している。この不可解な取引は何を意味するのか。

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税理士の加美裕史氏が、「あくまで一般論ですが」と前置きした上で解説する。「不動産を特定者間で回転売買するケースは、不動産取引を隠れ蓑にした資金移転の可能性があります。例えば、A氏が2000万円で買った物件をB氏に2000万円で売却。そして、A氏の親族が1000万円で買い戻すとします。この場合、B氏からA氏側に対する1000万円の実質的な贈与になりますが、A氏は不動産取引を隠れ蓑に所得税も贈与税も申告しない可能性もあります。ただ、これは脱税になりかねません」。また、水田氏はテクノシステムの株を2017年に33万3334株取得。1株150円だから、額面通りの取引なら、約5000万円を出資した大株主でもある。一連の経緯が示すのは、逮捕された生田氏は小池氏の大口献金者であり、小池氏の元金庫番の水田氏にも多額の外注費を支払い、奇妙な不動産売買を行なっていたという事実だ。生田氏は、小池氏並びに水田氏にとってタニマチとも呼べる存在だったのである。当事者たちはどう答えるのか。生田氏には逮捕の2週間前に質問状を送っていたが、回答はなかった。水田氏にも、現在監査役を務める会社を通じて質問状を送ったが、回答はなかった。小池氏にも、逮捕された企業トップから献金を受けていた経緯等について都に訊ねたが、「公務と関連がない為、お答えできません」と一言のみ。テクノシステムに出資した都内在住の男性が憤る。「私がテクノシステムの株を買った決め手は、生田氏が『小池さん等政治家の方々と知り合いだ』と言ったから。実際に会社に行ったら写真もあった。都知事も知り合いの会社なら信用できると思って投資したんです」。都知事の信用が舞台装置となった詐欺事件。持ちつ持たれつだった小池氏は知らぬ存ぜぬでは通るまい。


キャプチャ  2021年6月10日号掲載
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テーマ : 政治のニュース
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