【Jazzyの裁判傍聴ライフ】(26) 食べ物が欲しい…生活苦から犯罪に!

生活保護の受給者は200万人を超え、その背後にある“隠れ貧困層”は未知数ながら、更に膨大だと言われています。そして、そんな生活苦から犯罪に手を染める人も少なくありません。家族を養うことができずに無理心中を図ったものの、自分は死に切れずに“殺人”。食べる物が無くて万引きしたり、生活費欲しさに泥棒に入る“窃盗”の事案は多く見受けられます。因みに、窃盗の際に暴行・脅迫を用いると“強盗罪”になり、更に刑が重くなります。そんな強盗の事案の中で、生活に困窮して犯行に及んでしまった2人の人間がいます…。1人目は、30代半ばのシングルマザー。幼子2人を連れて実家を出て、3人で暮らし始めましたが、仕事が見つからず、頼れる親族・友人も皆無。貯金はどんどん減っていきました。犯行当日、家には食パンが2枚と調味料しかなく、所持金は10円。「子供の弁当に入れるものが何も無かったことからコンビニ強盗を決意した」と言います。「捕まったら子供を育てられないのでは?」と弁護人に聞かれ、「そうだけど…。保護されれば、然るべき場所でご飯が食べられるから、それでもいいと思いました」と泣き崩れました。女は包丁とハンマーを持ってコンビニを襲撃。しかし、男性店員に取り押さえられて逮捕。その際、切創を負わせたことで強盗致傷の罪に問われました。「生活保護は考えなかったのか?」と聞かれ、「その知識は全くありませんでした。今後、同じことになったら、1人で抱え込まず、周りに相談したり福祉を頼ります!(泣)」と。彼女は懲役3年、執行猶予5年が言い渡されました。

2人目は20代半ばの男。独り暮らしをしていましたが、無計画に仕事を辞め、貯金が尽き、親からも助けてもらえず、食べる物が無くなりました。犯行前の1週間は水と砂糖だけの生活。男は限界を感じて強盗を決意し、高齢者宅を狙って侵入。そこで就寝中の女性をバールで殴打して殺害し、現金7000円等を奪いました。その約1ヵ月後、また水と砂糖の生活になり、再び強盗を決意。高齢者宅を襲い、1人を殺害し、もう1人には重傷を負わせ、金目のものは何も取らずに逃走しました。強盜殺人・強盜殺人未遂等の罪で起訴された男は、裁判では殆ど何も語らず、終始ぐったりと俯いたままでした。しかし、取り調べ時の録画映像では、「どうしても食べたいと思い、躊躇いを上回る形で『食べ物やお金が欲しい』という思いが強くなりました」と供述。そして判決の日、裁判長は求刑通り死刑を言い渡しました。このような犯罪は“私利私欲の為”ではなく、“生きる為”の犯行として、若干酌量減刑される場合があります。しかし、人を脅したり傷付けたり、況してや命を奪って財物を得る行為は、どんな理由があっても許されることではありません。ただ、この2人の裁判を傍聴して、「生活保護の制度を知らない人は、実は多いのだろうか?」と考えました。そして、若くて健康なこの2人には、本当に働き口が無かったのでしょうか? 今後、このような悲劇を繰り返さぬよう、「福祉や求職者支援の活動情報を更に広く公表する必要がある」と思いました。


キャプチャ  2017年2月13日号掲載
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