【トランプ主義・外交編】(03) 対中布陣、強硬と融和

20170209 03
今月20日の就任以来、日本等14ヵ国の主要国首脳との会談を熟したドナルド・トランプ大統領。ただ、一昨日現在で、会談が未だ設定されていない主要国がある。習近平国家主席率いる中国だ。2009年のバラク・オバマ前政権発足の際も、当時の胡錦濤国家主席との電話会談は、就任から10日後だった。今回が特に遅い訳ではない。ただ、内政でも外交でも矢継ぎ早に政策を打ち出しているトランプ政権は、中国に対してはじっくりと構えているように映る。外交経験が皆無であるトランプ大統領。外交筋は、「だからこそ、『政権内で自分の思いを実現しよう』とするスタッフが動き回っている」とみる。その多くは、対中強硬派と目されている。トランプ大統領周辺の強硬派の代表格は、『国家通商会議(NTC)』担当のピーター・ナバロ大統領補佐官。「中国製品の流入でアメリカ経済が衰亡している」と主張しており、台湾についても「アメリカのアジアでの防衛戦略に極めて重要だ」として、「十分に再び関与すべきだ」と指摘する。『国家安全保障会議(NSC)』でアジア上級部長を務めるマシュー・ポッティンジャー氏も、米紙の中国特派員を務めた経験等から、中国の政治体制に批判的だ。

トランプ大統領の選挙中のアジア政策スタッフを務め、NTCでナバロ補佐官を支える立場のアレクサンダー・グレイ氏は、中国の南シナ海への進出を受けてアメリカ海軍増強を訴え、“アジアの秩序を守るという伝統的な役割”へのアメリカの関与を主張する。ただ、政権の対中布陣には別の“顔”もある。トランプ大統領周辺に近い関係者によると、トランプ大統領はリチャード・ニクソン政権下で米中国交正常化の立役者となったへンリー・キッシンジャー元国務長官を敬愛し、選挙中も外交面のアドバイスを受けていた。国家安全保障担当大統領副補佐官の要職には、そのスタッフだったキャスリーン・マクラァーランド氏が就き、キッシンジャー氏の米中融和の理念を受け継ぐものとみられている。しかも、トランプ大統領は先月早々と、習主席と長年交流があるアイオワ州のテリー・ブランスタッド前知事の駐中国大使起用を発表。トランプ政権の中国への関心の高さを示した。「中国が雇用とカネを奪っている」と激しく批判するトランプ大統領が対中関係で最優先するのは、貿易・通商不均衡是正のようだ。その為には、“1つの中国”原則を駆け引きの材料として持ち出し、揺さぶりをかけることも辞さない構えだ。それでも、「トランプ大統領が安全保障問題を度外視して中国と経済問題で取引し、日本の頭越しに手を結ぶのではないか」との疑念も根強く残る。政権に同居する対中強硬派と融和派は、その二面性を物語るかのようだ。習主席は、2期目政権を発足させる5年に1度の党大会を今年後半に控え、“政治の季節”に入っている。米中関係筋は、「下手に刺激してアメリカに強く出られると、習主席の権威に影響が出る」と指摘。「習政権は今、トランプ大統領と他国首脳との会議のやり取りを分析し、その出方を見極めている」とみている。 (アメリカ総局 大木聖馬・中国総局 蒔田一彦)


⦿読売新聞 2017年1月31日付掲載⦿
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