【読解力が危ない】(03) SNS没頭、長文読まず

20170209 04
東京都立高校3年生の女子生徒(18)は、通学の電車内でスマートフォンをチェックするのが日課だ。朝までに届いた『LINE』のメッセージに返信する。「友だちには、“了解”も“り”で済ます。それで通じるし、長い言葉は面倒臭い」。帰りの電車もスマホ。就寝前の午前1時からは、友だちとその日の出来事等を2時間ほど報告し合う。1日の利用時間は約4時間。女子生徒は、「スマホが無ければ、もっと寝たり本を読んだりしていたかも」と笑う。SNSは、スマホの普及に伴って、若者らの間で急速に広まった。2008年に日本語版のサービスが始まった簡易投稿サイト『ツイッター』は、140文字以内の“呟き”を書き込める。一方、2011年に始まったLINEでは、仲間内で対話型のコミュニケーションが可能だ。何れも瞬時に短いメッセージを発信できる利点があるが、長文のやり取りには適さない面がある。

昨年12月に公表された国際学力調査の結果では、日本の15歳の読解力は4位から8位に低下。文部科学省は原因の1つとして、スマホの普及に伴う長文を読む機会の減少を挙げた。スマホの利用時間が増える一方、読書量は減少している。内閣府の昨年度の調査では、平日にスマホで2時間以上インターネットを利用する高校生の割合は、前年度比3.5ポイント増の66.8%。5時間以上使った割合も1.1ポイント増えて12.5%に上った。これに対し、『全国学校図書館協議会』(東京都文京区)によると、高校生の1ヵ月の平均読書冊数は、2010年の1.9冊をピークに減少傾向が続き、昨年は1.4冊となった。インターネット依存の専門医療を提供する『久里浜医療センター』(神奈川県横須賀市)には、スマホのゲームにはまった若者の姿も目立ち、樋口進院長(62)は「勉強や読書の時間が取れず、学力が落ちる傾向がある」と指摘する。認知心理学を専門とする北海道大学・河原純一郎特任准教授の実験では、スマホが傍に置いてあるだけで「メールが来ないか」等と気を取られ、注意力が低下することが確認された。また、脳科学者である東北大学・川島隆太教授(57)が、スマホを操作中の大学生約20人の脳の血流量を測定したところ、論理的な思考を行う大脳の前頭前野が“眠っているようなボーッとした状態”になっていたという。川島教授は、「脳が発達する18歳ぐらいまではスマホの使用を制限し、しっかりした文章を読む環境を作るべきだ」と訴えている。


⦿読売新聞 2017年2月1日付掲載⦿
スポンサーサイト

テーマ : 社会問題
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR